2009/03/10

Saya's 薬学ニュース vol.80-レンドルミン錠をD錠と誤解し口中で溶かしていた患者/成人大うつ病に最良な第2世代抗うつ薬はセルトラリン/グレープフルーツと薬物による作用をキノコが軽減/「社会保障 ここが知りたい」ジェネリックを賢く使う①

<Today's news>
1. レンドルミン錠をD錠と誤解し口中で溶かしていた患者
2. 成人大うつ病に最良な第2世代抗うつ薬はセルトラリン
3. グレープフルーツと薬物による作用をキノコが軽減
4. 医療費負担減に効果大  医師らに抵抗感も 定期企画「社会保障 ここが知りたい」ジェネリックを賢く使う 【1】

おまけ.

大変久しぶりの投稿となってしまいました。
住む都市を移動したり、と少々立て込んでおりましたので、薬学ニュースをチェックしていただいていた方には、謝罪申し上げます。少し落ち着いてきましたので、また継続して投稿できるよう心がけていきたいと思います。今後ともよろしくお願いいたします。古い記事もございますが、興味深い記事で見逃すことができませんのでしたので、掲載させていただきます。

レンドルミン錠をD錠と誤解し口中で溶かしていた患者
2009. 2. 12-日経DI

[要約&コメント]
ほかの医療機関、薬局で口腔内崩壊錠のレンドルミンD錠(一般名:ブロチゾラム)を交付されていた患者が、普通錠に変更されたにもかかわらず、それを認識せず口中で溶かして服用を続けていた例。幸いなことに、寝付きが悪くなったなどの問題や、口腔内の異常などの有害事象も特に認められなかったが、実際このような事例は多くの薬局で起きているのではないだろうか?

薬局で起きやすい事例として紹介した。幸いなことに特に健康面で被害はなかったが、患者側からすれば不信感にもつながりかねない。患者さんの満足感を得るためにもこのような気づきが必要なのではないだろうか?日本特有のお薬手帳のシステムを、あなたの薬局では使い切れていますか?

成人大うつ病に最良な第2世代抗うつ薬はセルトラリン
2009. 2. 12-日経DI

[要約]
第2世代の抗うつ薬12剤*の大うつ病に対する効果と患者の受容度を評価したところ、セルトラリン*が最も効果的である、という結論が導かれた。効果と受容度という観点からみると、エスシタロプラムとセルトラリンが最も良好と考えられた。しかし、エスシタロプラムは特許期限期間が残っているという理由から、コストの観点も加えると、既に後発品が利用できるセルトラリンが最良と考えられたわけである。
反対に、レボキセチンは大うつ病に対する急性期治療の第1選択としては用いるべきではない、と著者らは述べている。
*第2世代の抗うつ薬12剤
ブプロピオン、シタロプラム、デュロキセチン、エスシタロプラム、フルオキセチン、フルボキサミン、ミルナシプラン、ミルタザピン、パロキセチン、レボキセチン、セルトラリン、ベンラファキシンの12剤
*セルトラリン
商品名:ジェイゾロフト
薬効・薬理:セロトニンの受容体を特異的,選択的に遮断
副作用:,吐き気,ねむ気,口の渇き,めまい,頭痛,下痢など

グレープフルーツと薬物による作用をキノコが軽減
2009年2月12-m3.com 提供:WebMD ※m3.com閲覧には会員登録が必要です

[要約&コメント]
食用キノコが、グレープフルーツジュースが薬剤を変化させる作用を中和する、との研究発表がなされた。
様々な薬剤による副作用のリスクを上昇させることで知られているグレープフルーツ。グレープフルーツジュースはおいしいだけでなく、身体にも非常に良い。抗酸化物質や他の有用な化合物を豊富に含んでいる。癌や心疾患の防止に役立つ可能性すらあるというエビデンスが存在する。以前、ある非食用の真菌が、グレープフルーツと薬物の相互作用の原因となる化合物を何らかの形で吸収することを見出したが、今回食用のキノコでも同じような作用があることが発見された。

「グレープフルーツ、少しでも食べちゃいけないの?ジュースもだめ?」という訴えを聞いたことのある薬剤師は少なくないのではないだろうか?私も、個人的にはグレープフルーツと相性の悪い薬は飲みたくないのが本音である。ある種のキノコにこのような作用があることがわかれば、薬に配合することも可能であるし、グレープフルーツを服用したい人にのみ服薬指導をすることも可能である。ただし、分量などは人によってあいまいであるため、どうしてもグレープフルーツを食べたい人には、その他の薬を勧めるほうが妥当かもしれない。患者によっては、一度グレープフルーツをダメ、と言われるとすべての薬がだめなのだ、と思いこむようなケースもあるので、同じ高血圧や高脂血症の薬でも種類が違えば問題ないことも伝えてあげると親切であろう。

医療費負担減に効果大  医師らに抵抗感も 定期企画「社会保障 ここが知りたい」ジェネリックを賢く使う 【1】
2009年2月13日-m3.com 提供:共同通信社 ※m3.com閲覧には会員登録が必要です

[要約]
ジェネリック医薬品(後発薬)の普及を国が本格的に進めている。健康保険組合が組合員に使用を促す動きも。後発薬を安心して飲んでいいのか、専門家の意見を参考にしてみよう。
患者の中では、安価の費用に大変満足している人も多いが、薬剤師や医師の中には先発医薬品メーカーに対する配慮もあり抵抗感のある人も未だに多い。「安かろう悪かろう」のイメージで固定観念をぬぐい切れていない人も多いことと思うが、実際先発品だからよいというわけではない。先発品の欠点を時間をかけることで後発品により改良するという利点もあるのである。

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