2009/03/20

Saya's 薬学ニュース vol.84-ミノドロン酸:骨吸収を強力に抑制する日本発のビスホス製剤/「ラシックス1ミリ」? 口頭指示で薬剤量間違え/医薬品ネット販売、厚労省のパブコメ結果に波紋/日本初のエストロゲンと黄体ホルモンの配合剤ウェ-ルナラ配合錠が発売/エイズ報告08年も過去最多

<Today's news>
1. ミノドロン酸:骨吸収を強力に抑制する日本発のビスホス製剤
2. 「ラシックス1ミリ」? 口頭指示で薬剤量間違え
3. 医薬品ネット販売、厚労省のパブコメ結果に波紋
4. 日本初のエストロゲンと黄体ホルモンの配合剤ウェ-ルナラ配合錠が発売

おまけ. エイズ報告08年も過去最多 6年連続、1545人 「医療ニッポン」

ミノドロン酸:骨吸収を強力に抑制する日本発のビスホス製剤
2009. 2. 19-日経DI

[要約&コメント]
骨粗鬆症治療薬のミノドロン酸水和物(商品名:リカルボン錠1mg、ボノテオ錠1mg)が製造承認を取得した。ミノドロン酸は、骨粗鬆症に適応のある経口ビスホスホネート製剤としては、国内4成分目となる。
今回承認されたミノドロン酸は、日本で創製された初めての経口ビスホスホネート製剤である。
*他の経口ビスホスホネート製剤3成分
●エチドロン酸二ナトリウム(商品名:ダイドロネル錠)
●アレンドロン酸ナトリウム水和物(商品名:ボナロン錠、フォサマック錠)
●リセドロン酸ナトリウム水和物(商品名:アクトネル錠、ベネット錠)

経口ビスホスホネート製剤は、世界でも多く用いられている薬である。週に1度だけの服用を可能にしたことから、飲み忘れることなく効果を維持させることができ、重宝されている。他の3成分が親しまれている中、日本ではじめて創製された経口ビスホスホネート製剤として、どこまでシェアを伸ばせるのか。副作用なども同じことから、難航することも予想される。


「ラシックス1ミリ」? 口頭指示で薬剤量間違え
2009/02/17 22:08-キャリアブレイン

[要約]
医師が薬剤の投与を口頭で指示する際、薬剤の単位などを明確に伝えなかったため、薬剤量を間違えた事例が報告されたことから、財団法人・日本医療機能評価機構は「やむを得ず口頭指示を行う際は、薬剤の単位を省略せず、明確に量や条件を伝える」よう注意を呼び掛けている。
事例としては、医師Aが新生児に「ラシックス1mg」を静脈注射することを意図して、医師Bに「ラシックスを1ミリ投与してください」と口頭で指示したところ、医師Bは「ラシックス1mL(10mg)」を投与したものと、医師Cが「生理食塩水9mLで10倍に希釈したエフェドリン2mL」(エフェドリンとして8mg)を投与することを意図して、医師Dに「エフェドリン2ミリ投与してください」と口頭で指示したところ、医師Dが「希釈していないエフェドリン2mL(80mg)」を患者に投与したものなどがある。

医薬品ネット販売、厚労省のパブコメ結果に波紋
2009/02/17 21:18-キャリアブレイン

[要約&コメント]
厚労省が募集した「薬事法施行規則等の一部を改正する省令案」に関するパブコメに対し、2353件が寄せられたとしているが、同社が厚労省側に問い合わせたところ、このうち反対意見は2303件と全体の97%に上った。これに対し、反対する意見を一切反映することなく、省令案とほぼ同一内容の省令を公布した」という批判の声が上がっている。

確かに、今までずっとネット販売の規制に関して追ってきたが、規制することだけを推し進め、反対意見に対する対策などが見られなかったのが私としての見解でもあった。なので、このような批判はあってしかるべきであると思うし、これに対する厚労省の対応が気になるところである。

日本初のエストロゲンと黄体ホルモンの配合剤ウェ-ルナラ配合錠が発売
2009/02/19(木)-日経DI

[要約&コメント]
バイエル薬品株式会社は17日、エストロゲンと黄体ホルモンの配合剤として日本初となる閉経後骨粗鬆症治療薬「ウェールナラ配合錠」を発売した。副作用としては、乳房不快感(23.6%)、乳房痛(10.0%)、性器分泌物(9.7%)などが挙げられた。
閉経後骨粗鬆症は、閉経に伴うエストロゲンの欠乏に基づく骨吸収亢進が原因で骨量減少をきたすとされており、この治療にはエストロゲンの補充が有効であることが知られているが、子宮を有する女性にエストロゲンを単独で長期投与する場合、子宮内膜肥厚・過形成のリスクをもたらすことから、子宮内膜保護を目的とし、黄体ホルモン製剤を併用することが一般的とされている。

ホルモン療法に対し抵抗のある人たちにも、副作用の心配を低減させられる薬が開発されたようである。ただし、副作用は57.9%に認められたことから、服用後使用感に対する配慮が必要になりそうである。

おまけ…AIDS

エイズ報告08年も過去最多 6年連続、1545人 「医療ニッポン」
2009年2月19日-m3.com 提供:共同通信社 ※m3.com閲覧には会員登録が必要です

[要約&コメント]
厚生労働省のエイズ動向委員会は18日、国内で2008年に新たに報告されたエイズウイルス(HIV)感染者は1113人、エイズ患者は432人で、計1545人(大半は男性(1442人))に上るとの速報値を発表した。感染者・患者の合計報告数は03年以降、6年連続で過去最多を更新した。
感染経路は、同性間の性的接触が最も多く、感染者・患者で計964人。

感染者1545人中、男性感染者が1442人という数に非常に驚きました。異性間性交渉によって感染しやすいのは女性なのに、それ以上に同性間での性的接触が感染の原因になっていることがあるなんて。どなたか、なぜ同性間の性的接触が最も感染率が高いか、ご存じな方いらっしゃいますか?基本的な知識だと思いますが、ご存知の方がいらしたら教えてください。

*匿名さんより、HIV感染に関して勉強になるサイトをご紹介いただきました。
『HIV感染のメカニズム』 http://www.living-together.net/hivaidsguide/2/2.htm
同性間のフェラチオやアナルセックスが感染率上昇の原因だったのですね。コメントの投稿ありがとうございました。

11 件のコメント:

Unknown さんのコメント...

Sayaさん、はじめまして。
私はMakoと申します。私もカナダに移住してきました。私も日本では薬剤師だったので、テクニシャンに興味があります。
Sayaさんは、テクニシャンになるのにコースなど、取られましたか?私の住むBCでは資格はいらないものの、やっぱりコースを取ったり、学校に行った方が、テクニシャンとして採用されやすいと聞きました。
採用時、日本の薬剤師免許は考慮に入れてもらえましたか?

匿名 さんのコメント...

同性間のHIV感染について。
今年度、薬剤師国家試験を受験したものですが、同性間のHIV感染について、衛生だったかで出題されました。これは推測でしかありませんが、本来の場所とは異なる場所ですので、傷つきやすいせいではないでしょうか?

匿名 さんのコメント...

http://www.living-together.net/hivaidsguide/2/2.htm

参考までに

Saya さんのコメント...

>Oさん
コメント投稿ありがとうございます。
私が仕事をしているのはエドモントンですが、BCに移ってこようと思っているので、BCでの就活も考えています。
コースなどは取っておりません。カナダ人の薬剤師である友人にお願いし、履歴書を支店に流していただきました。採用時は、日本で資格があるということでテクニシャンとしての採用が決まりましたし、マネージャーとしても、薬局での経験があれば一緒に働きやすい、という意味で採用を優先していただきました。エドモントンは求人がたくさんあるので働けたと思うのですが、BCだと難しいだろうなぁと感じております。
オーストラリアでも、海外薬剤師というだけでは全く効果がありませんでした。やはり現地での経験やコース受講が有効である、というのは納得できます。
私もおそらく1年後か数か月後にBCで就活をしますので、今後も情報共有していけたらと思っております。
プロフィールを拝見させていただこうとしたのですが、一般公開されていないようで、拝見できませんでした。もしよろしければ、読者登録させていただいてもよろしいですか?

Saya さんのコメント...

>匿名さん

コメントの投稿ありがとうございます。

薬剤師の国家試験に出題されるほどになっているのですね。次の投稿で頂いたサイトで確認したものですが、傷つきやすいというのは正解ですね。薬剤師としては必要な知識ですね。勉強になりました。
今年薬剤師なられる方ですか?ブログを見ていただきありがとうございます。これからも、情報共有・意見交換をさせていただければと思っております。よろしくお願いいたします。(*^。^*)
Saya

Saya さんのコメント...

>匿名さん

リンク先の投稿ありがとうございます。
さっそく全部拝見させていただきました。とても勉強になりましたので、こちらのアドレスをブログ内に記載させていただこうと思います。勉強の機会を頂けたこと、また疑問解消になりましたこと、改めてお礼申し上げます。今後も勉強させて下さい。よろしくお願いいたします。

Saya

Yoko Gocho さんのコメント...

saya

同性間での接触で感染する可能性が高いのは、
○アナルセックスを伴う場合、肛門は粘膜が薄く、傷つきやすく、大動脈が近くに走っているためリスクが高い
○コミュニティ・ネットワークが限られていること。(絶対的な人口割合が少ないのでリスクが高い)
○特定が難しく対策が難しい(行為と性的指向が一致するとは限らず、自認をともなわない場合もある)

しかしながら、最近では、当事者グループの中で、啓発活動も盛んに行われており、検査に行く人自体が多いので、感染に気づく人が多い、という意見もあります。

つまり、HIV検査は、基本、自発的検査なので、検査に自分から行った人だけが自分のステータスを知っている。感染しても自覚していない人が異性間接触により感染している人の中に相当数することが予想されます。

http://yohkotin.blogspot.com/

Yoko Gocho さんのコメント...

ちなみに、
アナルセックスはハイリスクだけど、オーラルセックスはかなりローリスクだよ。しかもする側とされる側でも全然リスクが違うし。
口の粘膜は厚いし、唾液には酵素がたくさん含まれるからね。

Saya さんのコメント...

>Yokoさん

コメントありがとうございます★
さすがHIVプロジェクトをされてるだけあって、詳しいですね☆とても勉強になりました♪唾液などの酵素があるためにリスクが低減されること、納得です。

海外の友人に話を聞くと、結構近くのクリニックで手軽に検査が受けられるので、若者の間でも検査を受けている人が多いんだとか。
日本では、保健所で匿名・無料で受けられる事を知っている人自体少ないように感じるし、そこまで一般的に捉えられていないから敷居が高いように感じられます。もっと啓蒙活動が必要ですね。
私ももっと勉強しなくては★

コメントありがとうございました♪

匿名 さんのコメント...

匿名コメントに返信ありがとうございます。
匿名二件は私の発言です。今年度、薬剤師になるものです。HIV検査をつい3ヶ月ほど前に受診いたしました。受けるにあたり、ネットではありますが情報収集をおこないました。その結果、ネットで情報を発信されている方には同性間における性的接触で感染された方が多く、かつその方たちが大変熱心に啓蒙活動をされているという事実でした。
Yokoさんもおっしゃられていましたが、同性愛者の方々は皆さん大変な知識を持っておられます。それは生物学的に考えて、リスキーな性的接触をおこなわざるえないことをしっかり認識され、自分と自分の仲間たちを守りたいという強い気持ちの表れなのだろう、と大変頭が下がる思いでした。
またリスクが高いとはいえ、予防すれば防げるものですし、知識がなく、予防もしない性的接触は同性間、異性間にかかわらず大変リスキーであることは強調しておきたいです。

土地は違いますが同じ薬剤師、お互い、頑張りましょう。今後も応援させていただきます。

Saya さんのコメント...

>匿名さん

再度コメントの投稿ありがとうございます。
今年度薬剤師になられた方なのですね。本日(4/14)の記事で薬剤師国家試験の結果に関する記事を2つ投稿させていただきました。受験者が増えているにせよ、合格率が下がっているので試験は難しかったのではないでしょうか。お疲れ様です。
国家試験を受けてからもう3年になりますが、当時の知識はどんどん薄れていっているように感じます。継続的な勉強をお勧めいたします。せっかく覚えた内容も、業務で常に使わなければ必要のないものとしてどんどん失われていくだけです。私もこちらの試験を受けるのに、再度英語で勉強しなければならない状態です。

エイズ検査に関しては、匿名さんのおシャるとおりですね。日本で感染率が上昇しているのは"無知"が大きな壁になっているように思います。いろんな角度で啓蒙活動を行って行くことで、互いに支え合えるしくみを築いていけるとよいですね。

頑張ってください☆これからもよろしくお願いいたします。