<Today's news>
1. 薬局チェーンのCVS、Google Healthと処方履歴提供で提携
2. 膵臓細胞に甘さ感知機能 おいしい糖尿病薬に道?
3. プラビックスとアスピリンの併用は、心房細動患者の重度の血管性イベント予防においてアスピリンの単剤療法よりも有効
4. 降圧薬、スタチン、アスピリンなど5剤を含む合剤で心疾患を予防
おまけ. 新しいヨーグルトは胃潰瘍と戦う
薬局チェーンのCVS、Google Healthと処方履歴提供で提携
2009 年 4 月 7 日-TechCrunch - USA
[要約&コメント]
Googleは、新たにCVSと提携関係を結んだことを発表した。CVSは米国の大手薬局チェーンで、今後同社の顧客は処方箋の全履歴をGoogle Healthにインポートできるようになる。CVSの提携は、すでにこの機能を実施済みのLongs Drugs、Walgreensなどの大手薬局に続くもので、これで全体では1億人以上のアメリカ人が、医療記録をGoogle Healthにインポートできることになった。処方記録を一ヵ所に集約することによって、有害薬物相互作用の削減に寄与することがてきる。 処方記録の大半ではなく「全部」をインポートできる必要があるのはもちろんだ。しかしGoogle Healthは、Wal-Mart、Targetといった全国チェーンを含め、未だに主要グループをいくつか逃がしている。
*その他同内容記事:1億人の医療記録を追加: Google Healthに米大手薬局参加で1億人以上の医療記録がオンラインに(4/7ITmedia),Google Health,大手ドラッグストアCVSの処方履歴を管理可能に (4/7ITpro)
*Google Healthについての記事:米Google、医療記録管理サービス「Google Health」を一般公開
他社の処方せん履歴をGoogle Healthを使って検索が可能になる。この記事を読んで最初は「まさか!」という思いであったが、これをアメリカでは可能にしてしまうのだ。日本では現在お薬手帳というアナログなやり方で実施しているが、患者がしっかり理解していないせいか1人が2冊持っていたり、持参するのが面倒臭くて…という人も多く機能していない部分もある。
アメリカの場合は、かかりつけ医や薬剤師がいる中で、同じ薬局やクリニックへ足を運ぶことも多い。その点では薬歴の管理なども日本に比べてしやすいのではないだろうか。このシステムが必要なのはむしろ日本のような気がするが…プライバシーの面で不安を感じたが、その点は他のサイトよりも厳しく管理していることもあり、アメリカでどのように機能していくか次第で日本にもいずれやってくるかもしれない。
膵臓細胞に甘さ感知機能 おいしい糖尿病薬に道? 2009年4月8日-m3.com 提供:共同通信社 ※m3.com閲覧には会員登録が必要です
[要約&コメント]
血糖値を下げるインスリンを分泌する膵臓(すいぞう)の「ベータ細胞」に、甘味を感じる受容体が存在することが突き止められた。受容体が甘味を感知すると、ベータ細胞がインスリンを分泌することも確認されたという。糖分のない人工甘味料を使って、この受容体に働く薬を作れば、味は甘く、しかもインスリン分泌も促すため、糖尿病患者に朗報となりそうだ。
甘い薬は糖尿病患者さんにとって朗報なのだろうか?お菓子感覚で飲める薬になれば、コンプライアンスが上昇する?というのも無理やりな感じがしてしまう。"良薬は口に苦し"はもう古い言葉...?
化学物質を投与せず、人工甘味料で効果が発現されれば、副作用の少ない薬の開発になることは良いことかもしれない。
プラビックスとアスピリンの併用は、心房細動患者の重度の血管性イベント予防においてアスピリンの単剤療法よりも有効
2009/04/09-ケアネット.com ※ケアネット.com閲覧には会員登録が必要です
[要約]
重度の血管性イベント発生率の相対リスクがプラビックス(一般名:クロピドグレル硫酸塩)とアスピリンの併用療法は、アスピリン単剤療法よりも11%低下することが明らかになった。また、心房細動の患者を治療する医師の主な目標である脳卒中発症の相対リスクも28%減少した。しかし、中枢神経系以外の全身性塞栓症(血流中に血塊が存在するが脳には到達しない)、心臓発作、血管性死亡など、その他の重度の血管性イベントについては、統計的有意に達っしず、プラビックスとアスピリンを併用した場合、アスピリン単剤の場合よりも大出血率が有意に上昇したという。
詳細:サノ・アベンティス プレスリリース(PDF)
降圧薬、スタチン、アスピリンなど5剤を含む合剤で心疾患を予防
2009/04/07-ケアネット.com ※ケアネット.com閲覧には会員登録が必要です
[要約&コメント]
スタチン、3種類の降圧薬、アスピリンを含む合剤ができれば、心臓発作や脳卒中、その他の心血管障害リスクを低減できる安価な薬剤となる。研究者らが期待を寄せるこのpolypillポリピル(商品名;Polycap)*を用いた最初の臨床試験で有用な成績の得られたことが報告された。polypillによって収縮期血圧(最大血圧)、拡張期血圧(最小血圧)共に個々の薬剤よりも優れていた。LDLコレステロール値はシンバスタチンの個々の用量とほぼ同程度に低下。尿中の血栓関連分子レベルも低下していた。また、polypill投与群で有害な相互作用は認められなかったという。
*polypill概要
降圧薬のアテノロール(β遮断薬)、ヒドロクロロチアジド(サイアザイド系利尿薬)、ramipril(ACE阻害薬※日本では未承認)のジェネリック(後発)医薬品と、シンバスタチン(コレステロール低下薬)、アスピリン(血小板凝集抑制薬)の5剤を含む。
※関連記事:降圧薬3剤/スタチン/アスピリンの配合薬は安全かつ有効(4/30 日経DI)
今まで1つずつの薬として使われていた5剤が1つの薬に…確かに、これらの薬を1剤ずつ一緒に服用している患者は見かけることがある。合剤にすればコンプライアンスも向上するし、患者の負担も減るだろう。ただし、すべてが一緒に入っている場合副作用発現の可能性も高くなるし、万一メジャーでない副作用が発現された場合、どの薬によるものかの判断がつきにくいという欠点もある。
おまけ...ヨーグルト
新しいヨーグルトは胃潰瘍と戦う
2009年3月30日-m3.com 提供:Medscape ※m3.com閲覧には会員登録が必要です
[要約&コメント]
日本人研究者らが開発したこのヨーグルトは胃炎や胃潰瘍を引き起こす細菌と戦うと同研究者らは述べている。ヘリコバクター・ピロリはウレアーゼという酵素を用いて、胃の内側に付着し、感染を引き起こす。この最新のヨーグルトは胃潰瘍と戦うようにデザインされており、IgY-ウレアーゼという抗体を含んでいる。このヨーグルトは日本ではドクターPiro*、韓国ではGutという名前で市販されている。
*ドクターpiro
商品情報:http://www.glico-dairy.co.jp/product/product_sub.php?pcd=108080
先日のヨーグルトワクチン(Saya's 薬学ニュース vol.87-経口接種できるヨーグルトワクチンに可能性)に続き、ヨーグルトの話題を掲載しました。潰瘍を起こす厄介者のピロリ菌と戦う食品があるのをご存知でしたか。この記事はアメリカのMedscape Medical News に掲載されたニュースなので、日本や韓国でこんな商品が販売されていますよ、という紹介でもあったのですが、潰瘍でお悩みの方は試してみる価値があるのではないでしょうか。(ピロリ菌の場合は除菌したほうが早いですが。)
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