2009/05/07

Saya's 薬学ニュース vol.93-ボルタレンゲルを頭皮に塗 「日次棚卸し」で調剤ミスをその日のうちに発見布した患者/後発医薬品~私はこう選ぶ/

<Today's news>
1. ボルタレンゲルを頭皮に塗布した患者
2. 発医薬品~私はこう選ぶ(7)1成分1後発品が原則、決め手は「人」
3. 「日次棚卸し」で調剤ミスをその日のうちに発見

ボルタレンゲルを頭皮に塗布した患者
2009. 4. 22-日経DI

[要約&コメント]
関節症のために処方されたボルタレンゲル(一般名:ジクロフェナクナトリウム)を、頭痛解消のため頭皮に塗っていた患者がいたという。ボルタレンが痛み止めであるという情報を聞いたことから、片頭痛にも効くのではと勘違いし、頭皮にまんべんなく塗布していたとのこと。ボルタレンゲルにより頭皮の皮膚炎を発症する可能性も示唆されるため危険であり、治療目的(関節症の痛み)以外の目的でボルタレンゲルを使用してはいけないとの説明が不十分であったことが指摘された。

薬剤師であれば「まさか!」と思うような薬の飲み方や使い方が紹介され、意外な注意点を教えてくれるのがこのシリーズ。毎回興味深く読ませていただいているが、今回もその「まさか」であった。外用剤を指定された患部以外に使用しないように、というのは適切な服薬指導ではあるが、頭痛に使用するというのは想像の範囲を超えている。患者全員に当てはまる内容ではないとしても、心してかからなければならない事を思い出させてくれる。

発医薬品~私はこう選ぶ(7)1成分1後発品が原則、決め手は「人」
2009. 4. 22-日経DI

[要約&コメント]
1947年創業の地元に根付いた老舗薬局。時代の変化とともに後発医薬品にも柔軟に対応しているのがうかがえる。彼らの採用後発医薬品選択では共通する2つの原則がある。
①1成分について後発品を1品目採用すること
②品質保証の仕組みやルールは確立しているといってよいのでメーカーへの信頼を重視すること
迅速な対応を保障できるメーカーを選ぶことで、データの確保と在庫の確保を確実なものにしている。それ以外にも、患者からのフィードバックを行うことで再評価を行ったり、自信を持って採用医薬品を勧めることで相乗効果も得られている。
ある薬剤師の言葉。「患者さんが後発品に求めるものは、何といっても価格の安さ。でも、薬剤師が後発品に求めるのは信頼。薬の品質はもちろんだが、その薬を少しでも多くの人に理解してもらいたいメーカー学術部門の努力と、使ってもらいたいMRの熱意が、信頼につながる」

採用後発医薬品の選択方法は薬局によって様々であると思うが、患者さんに安心して利用していただくためには、薬剤師が納得した上で自信を持って勧められる状態でなければならない。そういった意味では、以上のような選択の仕方は納得である。薬剤師が知識に対して自信がなければ、それは患者に伝わってしまう。薬剤師が自信を持って勧められないものを、患者が進んで使いたいという気持ちになれるだろうか。

「日次棚卸し」で調剤ミスをその日のうちに発見
2008. 10. 20-日経DI

[要約&コメント]
第41回日本薬剤師会学術大会のポスターセッションで、1日9分で棚卸が行え、調剤ミスもチェックする「日次棚卸し」について紹介された。
(1)閉店の数十分前に「日別棚卸表」を出力
(2)手の空いた薬剤師が手分けして在庫を照合
(3)棚卸表出力後の出庫分を追加でチェック     ――という手順

1人当たり1日平均9分で、錠剤の規格違いなどの危険なミスをその日のうちに発見し、対応できる意義は大きいという。

1日9分の棚卸。これにより調剤過誤・事故につながるミスを抽出できるのであれば活用すべきツールに間違いはないと思う。最近ワーファリンの調剤ミスにより死亡事故がニュースになっていたが、これをしていたら…と思うところがあるのは確かである。

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