<Today's news>
1. アレルギーに夢の新薬「ゾレア」登場
2. オンライン請求「義務化」が1年延期
3. ワーファリン服用中に納豆を食べる“秘策”を実行した患者
4. 「プライマリ・ケア薬剤師」認定制度が発足へ
おまけ. 2009年の「ノバルティス マンモグラフィ体験キャラバン」がスタート
アレルギーに夢の新薬「ゾレア」登場
2009. 4. 24-日経DI
[要約&コメント]
抗IgE抗体製剤「ゾレア」が喘息治療薬として3月に薬価収載された。月に1~2回継続的に皮下注射することでアレルギー症状を抑制。海外では同薬投与後に喘息治療薬が不要になった例も報告されている。
図1 オマリズマブの作用機序(ノバルティス ファーマの資料を基に編集部で作成)・アレルギー反応の発現機序 血中のIgEが(1)、肥満細胞上にあるFcε受容体に結合(2)。そこにアレルゲン(抗 原)が結合することで(3)、ヒスタミンやロイコトリエンなどの炎症性メディエーターが放出される(4)。・オマリズマブの作用機序オマリズマブは、血中でIgEと複合体を形成し(5)、IgEが肥満細胞に結合してアレルギー反応を起こすのを抑制する(6)。
花粉症と難治喘息で治験が実施されたが、効果が得られたにもかかわらず保険適用にならなかった。薬価が高すぎることもあり、保険財政の破綻が懸念されたという説もあるという。市販直後調査でアナフィラキシーが出たとの報告もあるため、注意が必要である。吸入ステロイドの使用は今後も変わらないが、選択肢が増えることで治癒できる喘息が多くなることに期待を寄せている。
花粉症の自分としては、“アレルギーに夢の薬”という表題を見た瞬間に飛びついてしまったが、残念ながら花粉症に対する適用はない。また、薬価が非常に高く、年に1度ではなく、月に2回打たなければならないので確かに自由診療であっても厳しいだろう。
オンライン請求「義務化」が1年延期
2009. 4. 24-日経DI
[要約&コメント]
厚生労働省は4月21日、レセプトのオンライン請求に関し、4月診療・調剤分からの実施を義務付けた省令の改正案を公表した。オンライン請求の準備が整わない薬局などに対して、来年3月末まで、書面または光ディスクなどによる請求を認めるもの。3月末時点で、開始届を出していない薬局が約2600軒、病院が約220軒あったという。
関連記事:オンライン請求省令案のパブコメ募集を開始―厚労省(4/21 キャリアブレイン )
これらの病院・薬局がすべて廃業になっていたかと思うと恐ろしい限りである。医師不足に病院の倒産・・・医療の質は確実に維持できていなかった事と思う。この特別措置がいつまでとられるかにもよるが、開始できない薬局や病院が抱える資金的問題などに関して改善案が出されなければ、期間のみが伸びて結局これらの病院・薬局が廃業に追いやられることになるであろう。
ワーファリン服用中に納豆を食べる“秘策”を実行した患者
2009. 2. 25-日経DI
[要約&コメント]
納豆が大好物の患者で、ワーファリン(一般名:ワルファリンカリウム)服用と納豆の摂取の間隔を大きく空ければ相互作用がなくなるだろうと勝手に考え、朝にワルファリンを服用し、夜に納豆を食べていた症例が紹介されている。
ワルファリン服用中に納豆を1回(100g、市販の1包)だけ摂取しても、トロンボテスト値は3日間以上も高値を示すことが報告されている(Artery 1990;17:189-201.)。
ワルファリンを投与されている患者は、納豆およびクロレラの摂取、緑葉色野菜の大量摂取、ビタミンKを含むビタミン剤の服用などを避ける必要がある。
患者さんの中で、いつまで相互作用が続くのかということを知らない人がいるのは当り前のことである。その他グレープフルーツでも同じように悩む患者さんがいるが、その危険性を定期的に伝えることは重要なのかもしれない。特に複数の薬剤師が務めている薬局では、他の薬剤師が話したのでは?と思うのではなく、「確認なのですが…」という形で自分が担当した患者さんに対し責任を持つことも重要であろう。
「プライマリ・ケア薬剤師」認定制度が発足へ
~日本プライマリ・ケア学会、5月の学会で制度発足の予定~
2009. 4. 6-日経DI
[要約&コメント]
日本プライマリ・ケア学会はこのほど、地域医療に貢献できる薬剤師の育成を目的に「プライマリ・ケア薬剤師」の認定事業を開始することを理事会で承認した。今回新たに創設するプライマリ・ケア認定薬剤師制度は、学会が実施する研修を受講して2~3年かけて所定の単位を修得し、試験などに合格した薬剤師を学会が「プライマリ・ケア薬剤師」として認定する。 関係者は、「プライマリ・ケア薬剤師は、例えば在宅医療であれば、患者の軽微な症状から薬による副作用を発見したり、緩和ケアを適切に管理することができ、地域の医療職、介護職と連携できる薬剤師をイメージしている」と話す。
カナダに住んでいると、プライマリ薬剤師としての役割の重要性は強く感じる。プライマリ薬剤師としての需要があるからこそ、薬学部教育により徹底的に教育を受けているのである。医師不足が深刻な日本では、医師以外の専門職の人たちがあらゆる形で助け合うことが重要である。機会があれば受けてみたい研修である。
おまけ…乳がん
2009年の「ノバルティス マンモグラフィ体験キャラバン」がスタート
~4月18日(土)福岡、19日(日)山口を皮切りに全国9カ所を訪問~
2009年4月7日-プレリリース
[要約&コメント]
ノバルティス ファーマ株式会社が特別協賛する「ノバルティス マンモグラフィ体験キャラバン」による乳がんの無料マンモグラフィ検診が、今年も4月からスタートします。マンモグラフィの無料体験のほか、乳がん*やマンモグラフィに関するパンフレット配布やアンケート調査、パネル展示、ミニクイズ大会などにより、多くの人に乳がんの定期検診・早期発見の重要性を呼びかけていきます。
※キャラバンの詳細:http://www.novartis.co.jp/campaign/mammography/index.html
*乳がん
早期発見すれば治癒の可能性の高い疾患です。日本では年間、約4万人が新たに乳がんに罹患していると推定されており、その患者数及び死亡率は年々増加しています。一方、欧米では、死亡率は1990年頃から減少傾向に転じており、これは、早期診断の中核となるマンモグラフィ検診の受診率が70~80%と広く普及したことが大きな理由であると考えられています。日本の受診率はまだ10%台です。
<2009年実施スケジュール>
4月18日(土):福岡県福岡市
4月19日(日):山口県山口市
5月16日(土):奈良県奈良市
5月17日(日):三重県津市
7月18日(土):神奈川県横浜市
9月26日(土):香川県高松市
9月27日(日):大阪府大阪市
10月16日(金):青森県弘前市
10月18日(日):秋田県秋田市
お知らせです。早期発見のためにも、試験受けてみませんか?
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