2009/05/23

Saya's 薬学ニュース vol.96-「ボルタレン」がOTC薬にスイッチ/WHO HbA1cを糖尿病の診断基準に/タミフルと異常行動に「有意な相関なし」/喫煙者の4人に1人が禁煙に挑戦するも、その内7割が禁煙に失敗

<Today's news>
1. 鎮痛薬「EVE」に外用薬が登場
2. 「ボルタレン」がOTC薬にスイッチ
3. WHO 今年中にも新基準を公表へ HbA1cを糖尿病の診断基準に
4. タミフルと異常行動に「有意な相関なし」

5.10代にもタミフル、厚労省が例外容認
おまけ. 1年間で喫煙者の4人に1人が禁煙に挑戦するも、その内7割が禁煙に失敗

鎮痛薬「EVE」に外用薬が登場
2009/4/24-J-CASTニュース

[要約]
エスエス製薬は2009年5月1日、外用鎮痛消炎薬「イブアウター」シリーズ3商品を発売する.「ジクロフェナクナトリウム」のスイッチOTCである。エスエス製薬は、ジクロフェナクナトリウムの経皮吸収製剤化に国内で初めて成功した。
貼るタイプのテープ剤とパップ剤、塗り薬タイプのゲル剤。価格は630円~1890円。
※写真は左からパップ剤、テープ剤、ゲル剤。
参考記事:エスエス製薬、EVEブランドから外用鎮痛消炎薬「イブアウター」シリーズを発売(2009年04月25日 マイライフ手帳@ニュース (プレスリリース))、ジクロフェナク配合のスイッチOTC薬投入‐女性ターゲットに差別化(2009年4月27日 薬事日報)

「ボルタレン」がOTC薬にスイッチ
2009. 4. 30-日経DI

[要約&コメント]
ノバルティスファーマが4月28日より医療用医薬品と同じ「ボルタレン」ブランドの製品を発売するほか、エスエス製薬が5月1日より「イブアウター」ブランドで、大正製薬も「ジクロテクト」ブランドで5月中の発売を予定する。また、消炎鎮痛剤「サロンパス」と「フェイタス」のブランドを持つ久光製薬も、他社と同時に承認を受けている。

他社からも続々と出ているようである。いずれもスイッチOTCということで第一類に属するため、薬剤師の腕が試される分野である。

WHO 今年中にも新基準を公表へ HbA1cを糖尿病の診断基準に
2009年4月17日-m3.com 提供:Japan Medicine(じほう) ※m3.com閲覧には会員登録が必要です
[要約&コメント]
世界保健機関(WHO)が糖尿病の診断基準に、空腹時血糖値をはじめとした従来の診断基準では、持続性高血糖を十分に示していないことからHbA1c値を導入する方向で議論を進めていることが明らかになった。しかし、「赤血球寿命が短縮している病態(溶血性貧血や肝硬変、出血があるケースなど)には使えない」と指摘する。
WHOがもともと1998年に定めた糖尿病の診断基準は、<1>空腹時血糖値≧126mg/dL<2>75gOGTT(75g経口ブドウ糖負荷試験)2時間値≧200mg/dL<3>糖尿病の症状と随時血糖値≧200mg/dL-以上のいずれかの場合とされている。

すでに現場ではHbA1cによる血糖値の把握が主流となっていると思われるが、正式な診断基準もこれでHbA1cへ移行するようである。

タミフルと異常行動に「有意な相関なし」
2009. 4. 28-日経DI

[要約]
厚生労働省の「インフルエンザに伴う随伴症状の発現状況に関する調査研究」班は、オセルタミビルリン酸塩(商品名:タミフル)の使用と異常行動・言動に有意な関連を認めるには至らないとする最終報告書をまとめた。しかし、調査自体の問題点(方法など)を指摘する声もあり、「これらの所見は、直ちに『オセルタミビル使用と異常行動・異常言動の間に関連がない』ことを意味するものではない」との文言も記されている。

10代にもタミフル、厚労省が例外容認
2009/05/04(月)-ケアネット.com 提供:読売新聞 ※ケアネット.com閲覧には会員登録が必要です

[要約&コメント]
新型インフルエンザが国内でも流行する可能性が高まっていることを受け、厚生労働省はインフルエンザ治療薬タミフルを、新型インフルエンザ感染が疑われる10歳代にも処方できるとする方針を明らかにした。有効性や安全性について十分に情報を提供し、同意を得た上で可能にする考えを示した。

上記でタミフルと異常行動との関係に有意差は見られないという見解を持ちながらも、やはり慎重な使用を推奨している。有意な差はないとしても、実際に起きている事の情報提供としては、確かに必要である。薬局からの指導も患者への注意喚起となるので是非続けていくべきであろう。

おまけ…タバコ

1年間で喫煙者の4人に1人が禁煙に挑戦するも、その内7割が禁煙に失敗
2009/04/23(木)-ケアネット.com ※ケアネット.com閲覧には会員登録が必要です

[要約&コメント]
禁煙に失敗した人のうち、約半数が1週間以内に挫折。主な理由は、「耐え難いイライラ」(37.9%)と「ストレス解消」(21.8%)で、ニコチン離脱症状が禁煙の失敗に深く関与している。しかし、禁煙に失敗した人の8割以上が、すぐにでも禁煙に再挑戦したいと回答した。
詳細:プレリリース

禁煙の難しさを表している調査といえよう。始まりはちょっとした好奇心。これがやめるのに人並ならぬ努力を必要とする。なんて皮肉なものであろうか。離脱症状が大きな壁(原因)となっているのがはっきりしているが、それを解消する解決策も未だにそろいきっていないのが現状である。禁煙には金銭的負担もあるため、くじけてしまった人はあきらめが早いであろうし、どうせ金を払うなら…と再度タバコの購入に走ってしまう事もある。国を挙げて禁煙を応援するのならば、その点の補助も検討してみてはどうだろうか?

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