1. 社会問題化したイレッサの副作用
2. 抗癌剤が抱える4つの宿題
3. 「茶のしずく石鹸」で厚労省が迅速報告求める通知
4. 麻杏甘石湯+銀翹散にインフルエンザの解熱促進効果
5. 日薬・児玉会長、医薬分業率100%目指す
おまけ. 「公式」なき時代の若人に贈る3つのアドバイス
本誌連動◇イレッサが残した宿題 Vol.1 社会問題化したイレッサの副作用
2011. 8. 29 日経MD ※日経メディカル閲覧には会員登録が必要です
[要訳]
ゲフィチニブ(商品名イレッサ)により薬剤性肺障害が社会問題化し、「医薬品には副作用がつきものである」という当たり前の事実が再認識された。一方で残された課題も多い。
2002年7月、非小細胞肺癌治療薬のゲフィチニブは、世界に先駆けて日本で承認された。患者や医師の要望を受け、薬価収載前でも保険診療との併用が認められる特定療養費制度(当時)が適用され、販売元のアストラゼネカは薬価収載前に発売する異例の対応を取った。
ところが、ゲフィチニブを服用した患者が急性肺障害、間質性肺炎を発症し、相次いで死亡したことが明らかになったのだ。日本人が薬剤性肺障害を起こしやすい理由はまだ分かっていない。ただ、「ゲフィチニブが契機となって、世界的に薬剤性肺障害への関心が高まり理解も深まった」という。
*comment*
がんの治療をしている患者や医師にとって、救世主とも取れるような薬だったのだろう。誰もがすがる思いで使用していた様子が見受けられる。
現在海外での臨床試験が盛んになっているが、この薬のように日本人のみで起こりうる副作用も存在するため、臨床試験のみをうのみには出来ない。自分の担当してる患者からどれだけ情報を聞き取り、それを他の患者のために報告していけるかが薬剤師の役割でもあるように思う。
「薬には副作用がつきものである」という根本的なことを忘れてはならない。薬を扱うものとして、できれば薬を使いたくないというのはここからきている。ただ、使用しなければならない時に、どのようなリスクがあって、どのような症状から判断できるのかなどを丁寧に伝えていくことが薬剤師として重要な任務であるように改めて感じた。
本誌連動◇イレッサが残した宿題 Vol.2 抗癌剤が抱える4つの宿題
2011. 8. 30 日経MD ※日経メディカル閲覧には会員登録が必要です
[要訳]
1 抗癌剤の有効性は何で評価すべきか
無増悪生存期間(progression free survival:PFS)と、全生存期間(overall survival:OS)のどちらで評価すべきか、という興味深い議論がなされている。
2 全例調査を課せば安全性を担保できるか
3 個別化医療で抗癌剤を生かせるか
個別化医療は、企業にとっては開発した薬剤の市場を自ら狭めることにもなる。だが、抗癌剤をより有効、かつより安全に使うために、有効な手段となるはずだ。
4 抗癌剤の副作用を金銭で救済すべきか
抗癌剤の使用と死亡との因果関係をどう判定するかなど、実際には様々な課題があり、“落とし所”はまだ見えない。
*comment*
1の「腫瘍が小さくなることをメインにおくか、生存率をメインにおくか」、という議論が興味深かった。製薬会社としては「腫瘍が小さくなった」という事実が売りになるためこちらをメインに考えがちであるが、腫瘍がいくら小さくなっても生存率が変わらなければ、患者としては同じ事のようにも思える。結局抗がん剤の毒性が腫瘍とは異なる形で患者の体を蝕んでいるのだとしたら、飲む意味があるのだろうか?この点では 『抗がん剤は効かない』(文藝春秋社刊)の著者である近藤誠氏(慶大放射線科講師)の論点に非常に共感できる。
また、3の個別化医療により対象者をできるだけ絞りこむことが今後できるようになれば、莫大な数の副作用発現を抑えられるかもしれない。
2011. 8. 25 日経MD ※日経メディカル閲覧には会員登録が必要です
[要訳]
エソメプラゾールは、ラセミ体であるオメプラゾール(商品名オメプラール、オメプラゾンほか)の一方の光学異性体(S体)である。
オメプラゾールは、その代謝能力には個人差が大きいことが知られているのに対し、エソメプラゾールは、薬物動態及び薬力学作用の個人差が少ないと考えられている。また、エメプラゾールは、総代謝固有クリアランスがオメプラゾールに比べて低いことから、血漿からの消失が遅く、AUCが高くなるため、オメプラゾール以上の臨床効果が期待できる。さらに同薬は、オメプラゾールが取得している適応症(逆流性食道炎など)以外に、「非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)投与時における胃潰瘍又は十二指腸潰瘍の再発抑制」にも適応を取得しているのが特徴である。
*comment*
オメプラゾールの欠点を補う製品の登場か!?オメプラゾールにとって代わる製品となりうるのだろうか?
2011. 8. 26 日経MD ※日経メディカル閲覧には会員登録が必要です
[要訳]
「茶のしずく石鹸」により小麦依存性運動誘発アナフィラキシー(WDEIA)を発症する患者が出ているという。2009年ごろから同石鹸を使用し始めた後、小麦含有食品を摂取して、眼瞼浮腫や顔の浮腫を呈する患者が出始め、問題が表面化した。茶のしずく石鹸を販売していた悠香(福岡県大野城市)によると、これまでに何らかの症状を訴えた人は600人以上。WDEIAの原因は、同石鹸に含まれていた加水分解小麦と考えられている。
株式会社 悠香HP http://www.yuuka.co.jp/
*comment*
この石鹸は女性のほとんどが知っている商品であるように思う。現在株式会社 悠香では、
2010年12月7日以前の販売商品に関しては交換または返品の対応をしている。同年12月8日以降の商品に関しては、小麦由来成分の替わりにシルク由来の成分を配合しているとのこと。
2010年12月7日以前の販売商品に関しては交換または返品の対応をしている。同年12月8日以降の商品に関しては、小麦由来成分の替わりにシルク由来の成分を配合しているとのこと。
化粧品に関しては、添加物による害が判別しにくい分原因が特定できないケースも多い。化粧品だから、と自分の許容範囲外と決めつけている薬剤師も多いのでは?
2011. 8. 30 日経MD ※日経メディカル閲覧には会員登録が必要です
[要訳]
2009年のH1N1インフルエンザのパンデミックの初期に、中国で行われた無作為化非盲検試験で明らかになったという。
2011年08月27日 20:25 キャリアブレイン
[要訳]
日本薬剤師会は8月27日、東京都内で通常総会を開いた。この中で、児玉孝会長は「薬剤師の職能を確立するための手段として、医薬分業率100%を完成させたい。そのためには国民から役立っていると思っていただく必要がある」と述べた。
児玉会長は、「薬剤師が医薬品の研究、開発、製造から調剤、セルフメディケーション、生活者への服薬指導に至るまでのすべての過程において責任と主体性を持つことが大事だが、あらゆる面でまだまだ」と指摘。
*comment*
この題名を見たとき、医薬分業率だけの問題だろうか?と疑問を持って見てみた記事だが、記事を見てみても疑問が残る。責任と主体性を持つ事はもちろん重要だが、抽象的で具体性に欠ける。どんな活躍をと考えているのか、もっと具体的な議論に発展させたいものだ。
「公式」なき時代の若人に贈る3つのアドバイス
2011. 8. 25 日経MD ※日経メディカル閲覧には会員登録が必要です
[抜粋]
アドバイス1:本当にやる気があれば、臨床留学はできる
もちろん簡単ではありませんが、本当にやる気があれば、必ず道は開けます。
要は、本当にやりたいと思っているかどうかです。その覚悟を聞き返すと、たいていの人は口をつぐんでしまいます。この決意ができるかどうかが、臨床留学で成功するかしないかの分かれ目になると言っても過言ではありません。
アドバイス2:人と同じことをしない― Make a difference ! ―
直訳すれば「違いを作り出す」ということになりますが、「何か大きな仕事をして現状を変える、改革する」というニュアンスがあります。人と同じことをやっていては“make a difference”することはできません。
アドバイス3:野心を持つ
「野心」ならば何でもありです。金でも地位でも名誉でも。どんなことであれ、大きな仕事をするには野心が必要です。野心がないと、人は重箱の隅をつつくような仕事で満足してしまいがちだからです。
*comment*
進路に悩んでいる後輩に伝えたい言葉を代弁してくださった記事なので載せました☆
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