2011/08/31

vol.109

<Today's news>
1. ジェネリック(1)効き目は同等 安価な薬
2. 腰痛にストレスが関与 再発、慢性化の要因に 日常活動維持が大切  「医療新世紀」
3. 人体実験で83人が死亡 グアテマラで米科学者ら
4. 5歳以下へのビタミンA補給、死亡率・罹病率・視覚異常を大幅に抑制
5. 喫煙者への禁煙介入、周術期イベントの発生を抑制、米国調査
おまけ介護、嫁から娘へ 子育て中も兄弟頼れず 先のこと「考えたくない」 「ウーマン・アイ」


ジェネリック(1)効き目は同等 安価な薬
2011年8月30日 提供:読売新聞

[要訳]
日本国内で出荷された医療用医薬品に占めるジェネリックの割合(数量)は徐々に増えているものの2割程度で、7割の米国など、かなり浸透している国と比べるとまだまだ低い。「普及がなかなか進まない背景には『ジェネリックは何となく嫌』との根拠のない拒否感が根強い。経済性の高さを始めとしたジェネリックの利点をもっと社会に広める必要がある」と話す。

*comment*
何年も前から同じような議論が繰り返しなされていて、特にあまり進んでいないように感じるのは私だけだろうか。薬に関しては、「安い」だけでは一定の獲得にはつながるがそれ以上の効果は見られない。先発品を好むという国民性ももちろんあり、安全と信用が確保できなければ進まない。海外では「ジェネリックを選ばなくてはならない」法律の存在が手動で行っている部分が大きいように感じる。


腰痛にストレスが関与 再発、慢性化の要因に 日常活動維持が大切  「医療新世紀」
2011年8月30日 提供:共同通信社 m3.com  ※m3.com閲覧には会員登録が必要です

[要訳]
腰痛で病院を受診する人のうち、診察や画像検査で原因が特定できるのは15%で、残り85%は原因が特定しきれない「非特異的腰痛」に分類される。このタイプの腰痛の多くは放っておいても痛みは消える。しかし、心理的な問題から腰を動かさずにいると筋肉が硬直、気がめいってうつ傾向が強まり、さらに体を動かさなくなる「痛みの悪循環」に陥ることがある。

*comment*
この記事では、実際にストレスが腰痛に影響を与えていた人の例の紹介もされている。原因もわからず腰痛にお悩みの方は、日々のストレスを見直すきっかけにされてみては??


人体実験で83人が死亡 グアテマラで米科学者ら
2011年8月30日 提供:共同通信社 m3.com ※m3.com閲覧には会員登録が必要です

[要訳]
米国の科学者が1940年代、薬の効果を確かめる目的で中米グアテマラの刑務所や精神科病院で故意に性病に感染させる人体実験を行っていた問題で、オバマ大統領直轄の調査委員会は29日、実験対象となった83人が死亡したと明らかにした。

*comment*
当時ペニシリンなどの抗生物質の効果判定のために行ったとのことだが、そんなに昔の話ではない。医学の発展のために尊い命がこのように失われていたとは。医療者としての責任感を改めて感じる記事である。


5歳以下へのビタミンA補給、死亡率・罹病率・視覚異常を大幅に抑制
2011年08月30日 ソース:BMJ(論文一覧) m3.com ※m3.com閲覧には会員登録が必要です

[要訳]
無作為化比較試験43件の6カ月から5歳の小児19万4483人を対象に、ビタミンAと死亡率および罹病率減少との関係をシステマティックレビューとメタアナリシスで調査。ビタミンA補給により試験17件で全死因死亡率24%低下、7件で下痢による死亡率28%低下が見られた。ビタミンA補給と視覚異常の減少との関連も確認された。
原文:原文(BMJ)を読む

*comment*
ビタミンAが小児に有効であることは前々から知られているが、過剰摂取は逆に小児にとって良くないため、用量の厳守が重要になりそうである。


喫煙者への禁煙介入、周術期イベントの発生を抑制、米国調査
2011年08月30日 ソース:BMJ(論文一覧) m3.com ※m3.com閲覧には会員登録が必要です

[要訳]
2002-08年に待期的手術を受けた39万3794人を対象に、禁煙が手術転帰に及ぼす影響を後ろ向きコホート研究で検討。非喫煙者や過去の喫煙者に比べ、現在の喫煙者は術後の肺炎、手術部位感染、死亡リスクが有意に高く、年20箱以上の喫煙で手術合併症が有意に増加した。禁煙介入により周術期イベントが抑制される可能性が示唆された。


介護、嫁から娘へ 子育て中も兄弟頼れず 先のこと「考えたくない」 「ウーマン・アイ」
2011年8月30日 提供:共同通信社 m3.com ※m3.com閲覧には会員登録が必要です

[要訳]
2000年の介護保険制度開始から10年以上が過ぎた。介護から「逃げられない」存在としてクローズアップされてきたのが、高齢の親を持つ娘たちだ。
病院の付き添いや食事、夜中のトイレ介助に追われ、眠れない日が続くと仕事にしわ寄せが来た。遅刻、早退、休みが増え、ついに「派遣切り」に。新たな仕事も、病院やヘルパーからの電話でたびたび中断され、いたたまれなくなって辞めた。体調も悪くなり「うつ状態」になった。
介護はいつまで続くか分からない。今は両親の年金で生活しているが、どちらかが亡くなれば生活費は足りない。そのとき仕事はあるだろうか。結婚は...。つらくなるから、先のことは考えないようにしている。

*comment*
介護うつになる人は年々増えている。介護保険ができて多少の補助にはなっても、周りの意識はいまだに変わっていない。特に経験していない若い世代の理解は得にくいのが現状だろう。自分たちの時に何ができるか、どのような準備ができるか。若い世代に少しでも生きやすい介護保険を作り上げていく必要がありそうである。

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