2009/02/04

Saya's 薬学ニュース vol.73-青少年の不安障害にSSRIと認知行動療法の併用が有効 /OTC医薬品販売に「異業種の参入は避けられない」/高血圧治療ガイドライン2009/風邪には良質な睡眠が一番の薬/冷え症の診かたと方剤の選び方

<Today's news>
1. 青少年の不安障害にSSRIと認知行動療法の併用が有効
2. OTC医薬品販売に「異業種の参入は避けられない」
3. 高血圧治療ガイドライン2009を公表
4. 夜間の良質な睡眠が風邪をおとなしくさせる

おまけ. 冷え症の診かたと方剤の選び方(前編)

青少年の不安障害にSSRIと認知行動療法の併用が有効
2009. 1. 16-日経DI

[要約&コメント]
不安障害は青少年によく見られる精神疾患だ。(有病率は10~20%)この病気は患者の学校生活や家族関係を難しくする上に、成人後の不安障害や大うつ病のリスクを高める。小児期に有効な治療を行うことが重要と考えられるが、この病気に対する一般の認知度は低く、未治療となる患者も少なくない。
選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRIs)のセルトラリン*と認知行動療法が、偽薬に比べて有効であることを明らかにした。また、これらを併用すると、治療に反応する患者の割合、症状改善レベルの両方がさらに向上することも分かった。
※原題・概要:「Cognitive Behavioral Therapy, Sertraline, or a Combination in Childhood Anxiety
小中高生の教師たちは、現在の子どもたちに頭を抱えているということをよく耳にする。時代の変化もあるが、この疾患を抱えている子どもたちもいるのかもしれない。認知度が低いことから教師や親でさえも気づけずに、辛い思いをしている子どもたちもいるのかもしれない。先生たちにも是非このような知識を持ってもらいたい。
*セルトラリン(SSRIs)
商品名:ジェイゾロフト
薬効:うつ病・うつ状態の治療薬
副作用:,吐き気,ねむ気,口の渇き,めまい,頭痛,下痢

OTC医薬品販売に「異業種の参入は避けられない」
2009年01月19日-薬事日報

[要約&コメント]
「ドラッグストア業態10兆円産業への道」をテーマにした講演において、日本チェーンドラッグストア協会(JACDS)の会長は、改正薬事法に伴う登録販売者制度の導入により、OTC医薬品の販売に異業種が参入してくるのは間違いないとの考えを示し、それに対応するために、専門性を打ち出し、長時間営業など地域に密着したドラッグストア作りを行っていくことの重要性を強調した。その一つの策として、ドラッグストアの長時間営業に踏み込むべき、と述べている。さらに、「薬剤師を置いて第1類薬を販売できる店舗を作り」も重要視している。第1類に分類される薬を拡大し、薬剤師による相談のもとで薬を手に入れられるように、薬剤師の職能も拡大していきたいとのことである。

医薬品の購入は、薬剤師をとの相談によって行われる、という認識の拡大は賛成である。薬剤師の意識改革にもつながるし、セルフメディケーション推進にもつながるからである。しかし、いまやコンビニエンスストアが24時間営業をしている時代に、それに対抗するためにドラッグストアも営業時間を延長する、というのは少しナンセンスにも感じた。もちろん、ドラッグストアが生き残っていくためには必要なのだろうが、登録販売者をコンビニやスーパーにも配置して長時間営業をしているのであれば、消費者にとってはそれで充分であるし、わざわざドラッグストアに店を開けて置いてほしいとは思わないのではないだろうか。第一類を販売する薬剤師を配置したドラッグストアの営業時間を拡大するのには、大いに賛成なのだが。それこそ人件費の無駄遣いにつながらないだろうか。

高血圧治療ガイドライン2009を公表 日本高血圧学会 メタボ・CKDなどの合併例に留意した降圧求める
2009年1月19日-m3.com 提供:Japan Medicine(じほう) ※m3.com閲覧には会員登録が必要です
[要約&コメント]
(5年ぶりの改訂の)ガイドラインでは全編を通じ、“24時間にわたる厳格な降圧”の重要性を強調。メタボリックシンドロームやCKD(慢性腎臓病)など他疾患を合併した症例には、留意して治療に当たることを求めた。夜間や早朝に血圧値が上昇する「仮面高血圧」の早期発見のためにも、家庭血圧値(診察室血圧より5mmHg程度低い)の測定を促している。
降圧目標(診察室血圧)
・若年者・中年者で、130/85mmHg未満
・糖尿病患者、CKD患者、心筋梗塞後患者では130/80mmHg未満
・脳血管障害患者では、140/90mmHg未満
・高齢者は140/90mmHg未満
治療の第一選択薬は、これまでのα遮断薬に代わってCa拮抗薬、アンジオテンシンII受容体拮抗薬(ARB)、ACE阻害薬、利尿薬、β遮断薬の5種類となっている。糖尿病/メタボリックシンドローム合併高血圧については、Ca拮抗薬からARB/ACE阻害薬が第1選択薬に推奨されている。
併用療法については、「RA系阻害薬+Ca拮抗薬」「RA系阻害薬+利尿薬」「Ca拮抗薬+利尿薬」「Ca拮抗薬+β遮断薬」を推奨。「利尿薬+β遮断薬」は推奨から外れた。

高血圧の患者は、来局患者の大半を占めるため、医師の治療方針などを含めた意味で把握しておいたほうがよい内容だと思われるので紹介した。特に変更点などは要チェックである。

夜間の良質な睡眠が風邪をおとなしくさせる
2009年1月19日-m3.com 提供:WebMD ※m3.com閲覧には会員登録が必要です

[要約&コメント]
夜間の睡眠が7時間未満である者は、8時間以上の睡眠をとる者に比べて、風邪原因ウイルスへの曝露後に風邪をひく傾向が3倍高いことが、最新研究で示された。さらに、睡眠は量ではなく質が大切であるという。

風邪に効く薬はない…私もそう信じている。良質な睡眠・食事・適度な運動を行うことだけで、風邪に打ち勝つことはできる、という一部がエビデンスに基づいていることがわかりうれしい記事であった。風邪っぽいなと思ったら、薬にすぐに頼るのではなく栄養をしっかりとって早めに床に入る...まずはその努力をしてみましょう!

おまけ...冷え性と漢方
冷え症の診かたと方剤の選び方(前編)
2009. 1. 16-日経DI

[要約&コメント]
冷え症は西洋医学にはない概念ですが、漢方では立派な疾患として考えられています。冷え症には、以下のようなタイプに分類される。
(1)手足など末梢が冷えるタイプ(年齢に関係なく女性に多い)
(2)胃腸の働きの低下を伴い、全身が冷えるタイプ(やせ型で小食の人に多い)
(3)末梢のうち特に下肢が冷えるタイプ(高齢者に多く、やや男性が多い)
(4)むくみを伴って冷えるタイプ(若い女性に多く、ぽっちゃりした色白の人に多い)
それぞれの分類における症例を紹介し、適当な漢方薬を選択しているので、詳しい内容は記事をみていただきたい。以下の漢方薬が処方されていた。
・当帰四逆加呉茱萸生姜湯(とうきしぎゃくかごしゅゆしょうきょうとう:ツムラTJ-38)
・人参湯(にんじんとう、ツムラTJ-32)
・真武湯(しんぶとう、ツムラTJ-30)

海外に住んでいて西洋人との感じることのひとつに、この「温度感覚」がある。周りが皆半そでで過ごしているのに、自分一人長そでだったり羽織るものを着ていることがよくある。自分が冷え症ということで差が大きく開いてしまっているのであろう。寒くないの?と聞いても「どこが?」といった感じの答え。完全に温度感覚機能が異なる人種なのだ、と思うようになった。西洋医学に冷え症が存在しないのもそれで納得である。鈍感というか、うらやましいというか…漢方に興味のある方はぜひ記事を見てください。

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