2011/09/02

vol.112 ミルクシスル(マリアアザミ、オオアザミ);シリマリン,シリビニン 特集

<Today's news>
1. 【第36節】マリアアザミも、しょうが(生姜)同様、免疫グロブリンE抗体の産生と化学伝達物質の放出を抑える!
2. 肝炎の治療のためのシリビニン成分


【第36節】マリアアザミも、しょうが(生姜)同様、免疫グロブリンE抗体の産生と化学伝達物質の放出を抑える!
2010,01,15, 食品医学研究所 Evidence shop
[要訳]
マリアアザミ(またはオオアザミ、英名ミルクシスル)に多く含まれるシリマリン(silymarin)のうちのシリビニン(silibinin)には、免疫グロブリンE(IgE)抗体の産生を抑えるだけでなく、マスト細胞(肥満細胞ともいう)や好塩基球からのヒスタミンなどの化学伝達物質(ケミカルメディエーター)の放出を抑えることも分かりました。
シリビニンの作用
抗アレルギー、抗喘息効果
マスト細胞や好塩基球での膜安定化作用によってカルシウムの細胞内流入を抑えて、ヒスタミンの放出を用量依存的にかなり抑制し、マクロファージでつくられる炎症性サイトカインの腫瘍壊死因子-α(TNF-α)やインターロイキン-6(IL-6)の産生も抑える。プロスタグランジン(PG-E2)や血中の炎症誘発因子であるトロンボキサン(TX-B2)を抑える働きもあります。
抗酸化作用(アンチエイジング)、抗癌作用
活性酸素の除去作用(抗酸化作用)によって、細胞の酸化ストレスを軽減するため、がん細胞などの転写因子NF-κB (Nuclear Factor for κ-kinase gene in B cells)の活性が抑えられ、がん細胞のアポトーシス(プログラム細胞死)を誘導して、がん細胞の分裂・増殖・転移を防ぐ働きもあります。
慢性肝炎や肝硬変に有効
解毒成分として知られている抗酸化物質のグルタチオン(Glutathione)の合成やRNAポリメレース(RNA polymerase)の働きなどを高め、タンパク質の合成を促して損傷した肝細胞を再生する。アルコールをよく飲む人は飲酒の1時間くらい前に摂っておくと、酔いにくく、アルコールの抜けも速いため、悪酔いや二日酔いをしにくいといわれています。
肌の弾力性回復効果
美容関係では真皮のコラーゲンを増やし、肌のシワや弾力性を改善する働きが知られています。
*comment*
これら以外にも、コレステロール低下作用や血糖値低下作用なども確認されており、ドイツでは伝統医療として用いられていた。(Legalon(登録商標)SIL:点滴用液剤)
臨床試験では、シリマリンを1日に140mgを3回(420 mg/日)の用量で行われている
副作用はほとんど知られていないため、比較的安全に使用できる健康食品である。


肝炎の治療のためのシリビニン成分
2011.1.27 ekouhou.net

[要訳]
臨床試験で効果が出ているにも関わらず、治療薬としての承認がおりないのは、その薬物動態および最適な投与レジメンに関するデータが限られていることによるものである。シリマリンは水に難溶性であり、経口剤はバイオアベイラビリティが限られている。
その医薬として許容される塩および/または誘導体が、炎症性、ウイルス性肝疾患、特に、C型肝炎の治療に適していることが驚くべきことに判明した。
さらに、シリビニン成分による事前治療によって、患者のその後のインターフェロンおよびリバビリンの投与に対する応答を改善すると思われる。

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