2011/09/14

vol.123

<Today's news>
1. 後発品加算、引き上げなら過半数が上目指す- 保険薬局協会調査
2. 国による賠償仮払い、医療機関は当面対象外- 原発事故
3. 熊谷信の「薬剤師的にどうでしょう」連載100回記念 コメントが多かった記事Best10
4.  フィブラートの薬理作用上の特徴
5. フィブラートの薬物動態と副作用の特徴
おまけ. 20歳代の乳癌患者への検査はマンモグラフィよりも乳房超音波検査が有効である可能性【乳癌学会2011】

後発品加算、引き上げなら過半数が上目指す- 保険薬局協会調査
2011年09月13日 17:59 キャリアブレイン ※会員登録が必要です

[要訳]
次回改定で算定基準が引き上げられた場合、何%の取得を目標とするかを聞いたところ、「現行より5%上の基準」が40.4%、「現行より10%上の基準」が10.7%で、現行よりも上の算定基準を目指す薬局は計51.1%だった。「現行どおり」は45.1%、「その他」は3.7%だった。
※「後発医薬品調剤体制加算」の算定
 直近3か月の医薬品の調剤数量に占める後発品の割合に応じて、20%以上で6点、25%以上で13点、30%以上で17点が加算される。

*comment*
現行通りという回答が45%というのも気になる。今の点数で満足しているということだろうか。過半数といっても51%という低い値なので、加算基準の引き上げだけが大きなインシデントにはならないかもしれない。


国による賠償仮払い、医療機関は当面対象外- 原発事故
2011年09月12日 20:39 キャリアブレイン ※会員登録が必要です

[要訳]
「東京電力による本補償支払いまでの長期化が見込まれる観光業などが当面の対象。医療機関は当面、仮払いの対象にせず、東電による本補償の進ちょく状況を見極める」という。
損害賠償の国による仮払いは、7月29日に成立した「原子力事故被害緊急措置法」(仮払い法)に基づくもので東電に代わり国が損害賠償を立て替える。

*comment*
国による仮払いの見込みがなくなったことでますます医療従事者の確保が難しくなりそうである。


熊谷信の「薬剤師的にどうでしょう」連載100回記念 コメントが多かった記事Best10
2011. 9. 14 日経MD ※日経メディカル閲覧には会員登録が必要です

[抜粋]
1位 2011.8.23 埼玉の調剤過誤は“ただ事”じゃない(コメント数52件)
2位 2011.1.25 いつまで続く? ポイント茶番劇(コメント数51件)
3位 2011.7.26 情けない!「OTC情報提供不要カード」(コメント数47件)
4位 2010.6.8 「返金」ってどう対応していますか(コメント数46件)
5位 2010.11.9 調剤の支払いでポイントがたまる!? (コメント数35件)
6位 2009.11.11 薬剤師を「先生」と呼ぶことについて(コメント数33件)
7位 2009.9.8 「期限切れ処方せん」への対応、どうしてます? (コメント数33件)
8位 2011.7.7 事務スタッフさんと仲良くする(コメント数26件)
9位 2011.2.8 「生活保護受給者に後発品」報道に思う(コメント数26件)
10位 2010.11.17 ポイントカード問題で考えた「営利追求」(コメント数24件)

*comment*
このベスト10を見ていると歴史を感じます。それぞれの時期にいろんなことを考えていたなぁと。でも、薬剤師の話題はあまり目立たない気がするので、もっと声を出していくべきだなぁとも感じます。


フィブラートの薬理作用上の特徴
2011. 8. 30 日経MD ※日経メディカル閲覧には会員登録が必要です

[要訳]
フィブラート系薬剤は、トリグリセリド(中性脂肪)を低下させ、HDLコレステロールを増加させるのが特徴です。その他、抗炎症作用や直接的な血管への作用により、抗動脈硬化作用があるとも言われます。
スタチン系薬剤とフィブラート系薬剤が併用されていると、無条件で疑義照会をかける薬剤師を見かけますが、併用が原則禁忌なのは、あくまで「腎機能に関する臨床検査値に異常の認められる人」のみです。
これら以外の組み合わせでも、併用によって横紋筋融解症の発症リスクが高まるのは事実ですが、一方で併用によるメリットも多く、あえて併用している医師がいることも忘れてはいけません。

*comment*
フィブラート系薬剤の復習。疑義紹介に関しては、確かにルーチン化している部分があるかもしれません。Drの意図をできる限り理解し、このように復習することで次の機会につなげられましょう。

フィブラートの薬物動態と副作用の特徴
2011. 9. 10 日経MD  ※日経メディカル閲覧には会員登録が必要です

[要訳]
クリノフィブラート(リポクリン)を除き、すべて腎排泄型の薬剤です。腎機能低下が起きていると、横紋筋融解症発症リスクが高まります。、ベザフィブラート(商品名:ベザトールSR、ベザリップほか)は血清クレアチニン2.0mg/dL以上の患者(透析患者を含む)、フェノフィブラート(商品名:トライコア、リピディルほか)は血清クレアチニン2.5mg/dL以上の患者が、投与禁忌となっています。
横紋筋融解症は、投与開始初期に現れることが多いので、初期の体調変化に注意が必要です。
クリノフィブラートがあえて処方されている患者は、「腎機能障害があるのではないか」と考えるようにしています。
ただし、クレアチニンは筋肉量が低下すると下がることから、単純にこの値だけを目安にはできません。患者の年齢、性別、体型も、考慮に入れてチェックするようにしましょう。

*comment*
薬物動態に関しては薬剤師の強みでもあるため、副作用の早期発見および処方解析などで医師の力になれるように頑張りたいものです。


20歳代の乳癌患者への検査はマンモグラフィよりも乳房超音波検査が有効である可能性【乳癌学会2011】
2011. 9. 8 日経MD ※日経メディカル閲覧には会員登録が必要です

[要訳]
浸潤癌の描出率は、マンモグラフィが43%、乳房超音波検査が86%だった。病変描出率は、マンモグラフィが52%、乳房超音波検査が94%だった。これらの結果から、20歳代の乳癌患者にとっては、超音波検査のほうがマンモグラフィよりも有用な検査である可能性が示唆された。また、マンモグラフィでの描出が困難な理由としては、高濃度乳腺が多いため、描出率が腫瘤径によること、20歳代に多く認められる非浸潤性乳管癌は石灰化で検出されることが多いが、その広がりが小さいと高濃度乳腺では検出されにくいことを挙げた。

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