2011/09/11

vol.119

<Today's news>
1. 精神安定剤不正入手「偽造、見抜くのは困難」
2. テロ救助でがん発症増加 19%、NYの消防士 「米同時テロ10年」
3. 【肝炎治療戦略会議】B型肝炎治療薬「ペグインターフェロン」を医療費助成の対象に追加
4. 【OTC薬協調査】第1類薬売上低下に歯止めかかる‐法改正後の販売状況を分析
5. サマータイム:不眠に注意 出勤早まり就寝変わらず…寝不足から自律神経失調へ
6. 米で新種の豚インフル 09年流行の遺伝的特徴 監視強化呼び掛け

精神安定剤不正入手「偽造、見抜くのは困難」
2011年9月3日 提供:読売新聞

[要訳]
静岡市内の薬局に偽造された処方箋が提出され、精神安定剤が不正に処方されていた問題で、偽造の手口はカラーコピーという至って簡単なものだが、薬局関係者は「精巧で見抜くのは難しかった」と口をそろえる。2008年から約3年間にわたり、同市内の薬局約30軒で約400枚の処方箋が提出され、精神安定剤約7万錠が処方された。
不正に処方されたのは、精神安定剤「エチゾラム」。患者が複数の医療機関で受診する「多重受診」をして、大量の薬の処方を受けることを見抜く方法がないのが現状。再発防止策については、「コピーすると『複写』という文字が浮かびあがる処方箋にするなど、医療機関側の対応が必要だ」と提言する。

*comment*
以前にも取り上げたこの内容の記事。確かに、病院によってはコピーように見える処方箋もある。押印がされているのでそのまま調剤してきたが、カラーコピーの精度が上がれば見分けにくくなるのも仕方のないこと。処方箋事態に工夫を凝らして「複写」の文字が浮かびあがる処方箋も存在するが、「多重受診」をしてしまえば、医薬品は簡単に入手できるということになる。病院へのアクセスが自由であるからこそ発生しうる事件なのかもしれない。これも氷山の一角なのだろう。
カナダでは、家庭医制度といって最初にかかるDrが決まっており、病院もすべて推薦状によりかかることができる。また、患者医療情報データーベースにより、いつどこで薬をどれだけ手に入れたかもデータ化されているため、多重受診や多重医薬品入手ということが出来ない仕組みになっている。あらゆる意味でも有効なシステムである。


テロ救助でがん発症増加 19%、NYの消防士 「米同時テロ10年」
2011年9月2日 提供:共同通信社  ※m3.com閲覧には会員登録が必要です

[要訳]
2001年の米中枢同時テロで崩壊した世界貿易センタービル跡地で救助活動した消防士は、ほかの消防士に比べ、がんの発症率が19%高いことを突き止めた。アスベスト(石綿)やダイオキシンなど有害物質にさらされた影響とみられる。がんの部位別では、胃がん、大腸がん、膵臓(すいぞう)がんなど10種類で通常よりも発症率が高かったが、肺がんは通常よりも58%低かった。

*comment*
911の文字がちらつく時期になったのではないだろうか。カナダでも毎日ニュースで取り上げられている。救助活動した消防士の中には、精神的な被害を被った人も少なくないと考えられる。それに追い打ちをかけるように癌の発症増加。なんとも残念なニュースである。
アスベストを吸い込んでいる割に、肺がんの発症率が低いというのも不思議な結果がでているように感じるのは私だけだろうか。


【肝炎治療戦略会議】B型肝炎治療薬「ペグインターフェロン」を医療費助成の対象に追加 
2011年9月9日 (金) 薬事日報

[要訳]
現在、B型肝炎患者の治療薬としては、核酸アナログ製剤やインターフェロンが医療費助成されている。従来のインターフェロンは、週2~3回の注射が必要だが、ペグインターフェロンは、週1回の注射で済む。助成の対象について、HBV‐DNA陽性の慢性活動性肝炎で、肝癌を合併していない患者とする方針を示した。また、助成回数は1回で、助成期間は1年以内(48週の週1回投与)、過去にインターフェロン治療の医療費助成を受けた患者も対象とする予定。


【OTC薬協調査】第1類薬売上低下に歯止めかかる‐法改正後の販売状況を分析
 2011年9月5日 (月) 薬事日報

[要訳]
第1類薬の販売金額は、改正薬事法が施行された09年6月が35・4億円で、前年よりマイナス17・3%と大きく低下。10年5月までは低迷が続いた。しかし10年6月以降は、前年同期を上回る月もあり、低下に歯止めがかかっている。OTC薬の年間購入金額(10年7月~11年6月)は、世代が上がると共に高くなる傾向が見られ、10%強がOTC薬を年間に1度も購入していなかった。

*comment*
一類医薬品の認知度が上がってきたということだろうか。低下に歯止めがかかった理由なども同時に確認できれば面白かったかもしれない。一類を購入するきっかけになった事例なども含めて興味がある。薬剤師のいるカウンターに行けばすぐに手に入るからなのか?薬剤師の説明があるから安心して購入できるのか、効果が他の薬に対して高かったためか?その辺も調査してみたらおもしろいかも。


サマータイム:不眠に注意 出勤早まり就寝変わらず…寝不足から自律神経失調へ
毎日新聞 2011年9月5日 東京朝刊

[要訳]
夏場に企業や自治体が始業と終業の時間を繰り上げるサマータイム(夏時間)。節電をねらい今夏、実施したところが多かった。ただ、欧米のように国内のすべての時計が一斉に進んだわけでなく、職場と家庭で「二重生活」を送る人がほとんどだ。生活のリズムが狂って睡眠不足になる人も出ており、専門家が注意を呼びかけている。
「急激な環境の変化は、うつ病などの気分障害の発症につながる。時間を急に戻すのでなく、たとえば10分ずつ、ゆっくりと戻すような工夫が体に優しい」と話す。

*comment*
最近イライラしたり眠れなくなったという人は、これが原因の一つかもしれない。


米で新種の豚インフル 09年流行の遺伝的特徴 監視強化呼び掛け
2011年9月5日 提供:共同通信社  ※m3.com閲覧には会員登録が必要です

[要訳]
米国内の子ども2人が新種の豚インフルエンザウイルスに感染したと発表した。2人の健康状態は既に回復しており、今のところ感染の広がりはない。ウイルスは2009年に発生し、世界的に流行したH1N1型インフルエンザの遺伝的特徴を持っているという。8本ある遺伝子のうちの1本が、2009年に世界的に大流行したH1N1型由来の遺伝子に入れ替わっており、豚の体内などで交雑して新たなウイルスができた可能性がある。ウイルスがH1N1由来の遺伝子を持ったことで、人から人へ感染しやすくなる恐れがあることを指摘する研究者のコメントを紹介している。

*comment*
2年前の豚インフルエンザには嫌な思いでがある。またあの時のような混乱が起きると大変なので、医療従事者達、特に一般小売店等で働いている人たちはできるだけ正確な情報の提供と予防の声かけを徹底して頂きたい。

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