2008/11/19

Saya's 薬学ニュース vol.11-糖尿病医療連携「継続的努力が必要」/レセプトオンライン請求の完全義務化、個別の判断は適当でない/HIV新規感染者が過去最多

最近栄養に興味が出てきたこともあり、NR(Nutritional Representative:栄養情報担当者)認定の資格について調べてみた。
2005年から開始されたもので、まだ多くの人が持っている資格ではない(約1,900名)。しかし、生活習慣病の罹患率が増加していることから、多くの人が"栄養"や"健康"に興味を持っているのは確かである。薬局でも、「最近TVで○○が△△に効くっていうのを観たんだけど…」という話を患者さんから耳にする薬剤師も多いのではないだろうか。ドラッグストア勤務の薬剤師に聞いたところ、"栄養"に関する質問は日常茶飯事であるとのこと。NRの資格勉強によって得た知識は、日々の勤務で有効に利用できるとの事だ。
どうやら、多くの会社で通信教育が可能のようであるし、これは一つ、挑戦してみる価値がありそうだ♪

薬剤師も、積極的に生活習慣病の予防や治療にあらゆる方面(薬だけでなく)から関わっていきたいものです。そんな風に思っている薬剤師も多いのでは?
興味のある人は以下のサイトへ☆
独立行政法人 国立健康・栄養研究所(http://www.nih.go.jp/eiken/index.html

糖尿病医療連携「継続的努力が必要」
2008/11/11 14:55-キャリアブレイン

[要訳&コメント]
「東京都糖尿病医療連携講演会―地域での取り組み事例から学ぶ」で行われたディスカッションでは、今後、都内全域に拡大される糖尿病医療連携の課題について意見交換が行われた。以下、参加医師たちによる意見。
「数年ではうまくいかないと思う。少なくとも10年スパンで考える必要があり、継続的に努力する組織が必要」
「日常の予防や、早期発見などについてボトムアップする」
「合併症が進んできた患者に対し、さらに高度な医療を提供する」
「合併症が進んだ患者については、個別の対応になり、主治医と紹介先の医師との関係が大事になってくるので、普段から顔を合わせてしっかりと連携を取っていくことが必要になる」

この中で目にとまった意見がこれ。「糖尿病患者が多いので、医師だけではなく、コメディカルといかに力を合わせていくかが、医療連携を推進する一つのカギになるのではないか」
医師が、他の医療従事者達との連携により、糖尿病医療を克服していく考えを示したことはとても興味深い。さて、これに薬剤師が含まれているかどうかは定かではないが、含まれているとしたらそれはいったいどういった内容であろうか。
・薬のコンプライアンス?
・副作用の有無の確認?
そんなことは、他の疾患でも行っている内容である。では、糖尿病だからこそ協力し合える、薬剤師の役割とは?この答えを見出し、実行することが出来れば、"コメディカル"に参加する切符を得られるのではないだろうか。

レセプトオンライン請求の完全義務化、個別の判断は適当でない  厚労省答弁
2008/11/14 00:0-厚生政策情報センター

[要訳&コメント]
厚生労働省は、診療報酬のオンライン請求の完全義務化に関する質問に対する答弁書を公表した。H20年5月分の診療分について集計したところ、現在は以下のような状況だという。(社会保険診療報酬支払基金による集計結果)
〈オンライン請求を行った施設〉
医科病院:8708施設、医科診療所:7万5902施設、薬局:4万7060施設
〈オンラインでない方法で請求を行った施設〉
医科病院:123施設、医科診療所:1万2726施設、薬局:4558施設
また、アンケートを行ったところ、「実際にオンライン請求を行っている保険医療機関等の約6割が職員の業務負荷の軽減につながり、3割が病院経営の改善につながった」と回答していることから、個別の判断にゆだねず、すべての保険医療機関等がオンライン請求の対象とするよう答弁した。

オンライン請求への移行により、医療事務職員の業務負荷が軽減することに関しては、実際目にしていることから納得できる。このアンケート調査で、逆にオンライン請求による不都合点なども指摘されているはずであり、その点に関して、にオンライン請求義務化にする前に解決していただきたいものである。

HIV新規感染者が過去最多 感染・患者累計、初めて1万5000人超す
2008.11.19 18:38-産経新聞

[要訳&コメント]
今年7月~9月に新たに報告された国内のエイズウイルス(HIV)感染者数は294人で、4半期ベースで過去最多を更新したと発表した。今期で、昭和60年の報告開始以降、初めて感染者・患者数が1万5000人(薬害患者除く)を突破した。 新規のエイズ患者数は119人で、過去2番目に多かった。
そのうち、男性は282人(96%)と大半を占める。感染経路別では同性間性的接触が211人と最多で、ほとんどが男性だった。次いで異性間性的接触が54人となった。年齢別では30代が116人と最も多く、20代が83人と続いたが、40代以上の増加が目立った。

アメリカでも、エイズの感染は同性愛者によるものが多く、差別を受けてきた形になっているが、日本でもこれほどの割合で男性が多いのは個人的にも驚いた。ほとんどが異性間性的接触によるものと勘違いしていた私は、ある意味ショックな記事であった。だからといって(個人的に同性愛者を自然と受け入れている私にとっては)同性愛者を差別する気は全くないが、エイズ感染により互いに辛い未来を歩むことになるよりは、しっかりと検査を受けた上で愛を育んでほしい、と思わずにはいられない。

おまけ…エイズ(AIDS)
性やHIV、喫煙や薬物乱用 専門医の言葉に説得力 健康教育充実へ学校と連携
2008.9.24 07:47-産経新聞

[要訳&コメント]
性の問題や心の悩み、喫煙や薬物乱用など子供たちのさまざまな健康問題に対応しようと、専門医が学校に出向いて児童生徒向けの講演や教職員対象の研修を行うなど、学校と専門医が連携して健康教育を充実させる取り組みが進んでいる。以下の内容を始めて聞く学生たちは多いという。
・先進国では減少している新規患者数が、日本だけは増加が続いていること。
・かつては必ず死に至る病とされたが、複数の薬を組み合わせて使う多剤併用療法の開発によって、病気の進行が食い止められるようになり、いまでは慢性疾患の1つになったこと。
・とはいえ、薬をずっと飲み続けなければならず、1人の生涯治療費は約1億円かかること…。
・HIVの感染経路は性行為、輸血などの血液媒介、母子感染の3通りであり、握手をしたり、一緒にご飯を食べたり、蚊に刺されたり、咳(せき)やくしゃみなどでは感染しないこと。
・クラミジアなどの性感染症に感染しているとHIVに感染しやすくなること。

日本でのエイズ感染に関しては、"無知"による感染拡大が大きな要因と考えている。しかし、これらの内容を、若い世代(10代、20代)が知っているだけでも、今後自分の身の守り方、性行為に対する考え方なども少しずつ変わってくるのではないだろうか。単純なことであるが、今までなされなかったことにより、今の現状がある。気づいたとき対策を講じれば、まだ遅くはない。このような動きが全国で起こることを願って…

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