2008/11/14

Saya's 薬学ニュース vol.9-米国、小児への治療薬処方が増加 糖尿病治療薬は4年で2倍に/ドリアンの皮から重金属排出薬開発に成功/パナソニック、医療現場のニーズに応えるヘルスケア向けTOUGHBOOK/それって病気?若者に流行の「プチうつ」

米国、小児への治療薬処方が増加 糖尿病治療薬は4年で2倍に
2008年11月04日 17:37-AFPBB News

[要訳&コメント]
米国では、慢性疾患にかかった小児における糖尿病治療薬の処方が2002-05年の間に倍増しているという。
5歳から19歳までの2型糖尿病患者に対する投薬治療では、上記の3年間の中で、特に女子が147%増と、男子の38.7%を大きく上回っている。その他ぜんそくや注意力欠如障害や多動性障害への処方も40%増となっており(高コレステロール治療も15%増)、これらの疾病では男子の患者が女子の3倍に上っている。
これらの要因として、「慢性疾患の危険因子の増加や小児への早期投薬治療に対する関心の高まりなどが挙げられる。

2008/11/06 08:15-マレーシアナビ - クアラルンプール,クアラルンプール,Malaysia

[要訳&コメント]
マレーシアでは、ドリアンの皮から抽出した成分で体内の重金属を取り除くことのできる薬の開発に成功した、と発表した。この薬は「ドリアンペクチン変化物質(MDRP)」と名づけられており、体内に蓄積した鉛・水銀・ヒ素などの重金属と結びついて排出を促す機能があるという。粉末状になっており、水やジュースと混ぜて摂取することができる。
環境汚染が進み、体内への重金属の蓄積は▽腎臓▽生殖器▽肝臓▽脳▽神経系——などの疾患の原因になっていると指摘。癌細胞の変異を防ぐ効果についても研究をつづけているとのこと。

果物の王様、ドリアン。くさくておいしい果物と言ったら誰もが思い浮かべる果物ではないだろうか?この薬は、自然由来ということがまた良い点である。体にも自然にもやさしい薬と言えるのではないだろうか。
この記事を読んでいてふと思い出した友達から聞いた話の中で、検診などでたまたま医師に診てもらった時に、高値の水銀が体内に蓄積されていたことが発覚した人がいる。放っておけば腎臓の機能に影響を及ぼすほどの状態で、すぐに除去処置を行い、なんとか今は普段の生活に戻っている。原因まで詳しく聞かなかったが、このように重金属の蓄積が進んでいる人も中にはいるのではいだろうか?重金属の除去には高い治療費がかかるらしく、家計にも負担がかかるので、このような治療法が見つかったことは喜ばしいことのように思う。同時に、検診でしっかり自分の体をチェックすることも重要であることを学んだ。

2008/11/06 18:28 -Enterprise Watch

[要訳&コメント]
医療現場特有の使用環境やニーズに対応できるよう、耐衝撃/耐落下設計とファンレス設計による水やホコリの侵入を防ぐ防塵/防滴性に加え、アルコールや次亜塩素酸などの薬品に対する耐性を備えるパソコンが2009年3月10日にパナソニックから新たに販売される予定だ。
以上の利点を考えると、病院での活用は有効であるが、個人的に、薬局にとってはさほど魅力的と言えるような製品ではない。ただし、今回記事として取り上げたのは、「薬剤のチェック」などにも活用されていることを知ったからである。以前からも、薬剤の投与ミスで医療訴訟などが起きたりと、入院患者への投薬ミスなどはすでに起きていることである。どんなに努力をしてもゼロにすることができない、このヒューマンエラーを減らす方法として、このような機械が取り入れられることは、有効な手段の一つではないかと思う。現に、以下の数字が表れているので示しておく。
「患者の手首に巻いたバーコードや、薬剤自体に取り付けたRFIDなどを読み取ることが可能で、これにより米国の検証では投薬ミスが30%減少したという。」
3月からの販売開始に伴い、いかに病院内で有効に活用されるかが見ものである。
 
おまけ…
MSNヘルスケアライブラリ
[要訳&コメント]
今若者に多い「プチうつ」。職場で嫌なことがあったり仕事で挫折したりすると、「うつなので、診断書を書いてください」とやって来るそうです。しかし、こういったタイプは落ち込みの原因もはっきりしており、
「葛藤回避型うつ病」「逃避型うつ病」と呼ばれるもので、抗うつ薬などは効果がありません。もし、何人もの医師を受診し、すべての医師に「あなたは病気ではありませんよ」と言われたら、それはうつ病ではありません。病気に逃げず、現実をしっかり受け止め、乗り越える強さを持ってください。
うつの原因として現在有力なのは、「セロトニン仮説」(脳内神経伝達物質であるセロトニンの減少)だといわれています。セロトニンの前駆体は、トリプトファンというアミノ酸です。トリプトファンの形で脳内に入り、それが変化してセロトニンになるため、ネットで高額で販売しているセロトニンそのものを服用しても、うつにはまったく有効ではありません。
トリプトファン自体は、体内で作れないので食物から摂取する必要があります。(肉類)また、青魚に含まれるEPAやDHAなどもうつに効果があるという説もあります。
*うつ病治療が長引く人に朗報
自立支援医療(精神通院医療)を利用することで、自己負担を1割に抑えられます。申請には保健所などで1年に1度更新申請を行っていただき、その際医師の診断書が必要になります。
 
〈抗うつ薬分類〉 ※抗うつ薬を詳しく知りたいという人のために載せておきます。
【三環系・四環系の抗うつ剤】
うつ病治療の古典的な抗うつ薬です。三環系・四環系の違いは、薬の分子構造の違いです。古典的な薬代がもっとも安く、1日3~4回服用しても100円/1日程度です(健康保険ではその3割負担)。飲み始めてから効果が表れるまでに三環系が2~3週間かかるのに対し、四環系は1~2週間程度で効果が出ます。
●副作用(最も多い):口の渇き、吐き気、眠気、便秘〈抗コリン作用によるもの〉
●主な商品名
トフラニール(三環系)・トリプタニール(三環系)・ルジオミール(四環系)・テトラミド(四環系)など
 
【SSRI(Selective Serotonin Reuptake Inhibitors)】
選択的セロトニン再取り込み阻害薬。セロトニンだけを選び、再取り込みを抑制する抗うつ薬の一種です。シナプスのセロトニンの再吸収に働きかけることで、うつ症状の改善を目指す薬です。古典的な抗うつ薬に比べ、副作用が少ないメリットがあります。薬代は1日3~4回の服用で500円/1日程度(健康保険ではその3割負担)。
●適応外使用:PTSD、月経前不快気分障害、摂食障害、全般性障害、社会恐怖、疼痛、疼痛性障害など神経症疾患 と広い分野で利用されている。
●副作用(三環系・四環系より少ない):口の渇き、吐き気、眠気、便秘
●離脱症状注意*(パキシル):減らすときは少しずつの減量が必要!
●主な商品名
パキシル・ジェイゾロフト・ルボックス など
*離脱症状:パキシルを急に中止したり減量することで起きる症状-めまい、ふらつき、嘔気・嘔吐、倦怠感、頭痛、不安定歩行、不眠、抑うつ感の増悪、焦燥など。
再度服用を開始することで、症状は軽減。
〈理論for Pharmacists〉SSRIは℃の薬剤も半減期が短く、特にパキシル(パロキセチン)のみが非線形の薬剤で、離脱症状(退薬症状)が現れやすい。高用量服用している患者さんほど、その症状は強く出ます。
【SNRI(Serotonin & Norepinephrine Reuptake Inhibitors)】
セロトニンとノルアドレナリン再取り込み阻害薬。SSRIと同じ世代の抗うつ薬です。興奮神経を刺激して、やる気や気分を向上させる効果を発揮します。薬代は、SSRIと同様、1日3~4回の服用で500円/1日程度(健康保険ではその3割負担)です。
●副作用(三環系・四環系より少ない。1~2週間で軽減):口の渇き、吐き気、眠気、便秘
●主な商品名
トレドミン など
※これらの抗うつ薬は、聞いてくるまで2週間程度かかることがありますので、根気強く飲み続けてください。また、自分はもう大丈夫、と思って服用を中止すると、再度うつ病の症状が強く出てくることがあります。抗うつ薬とうまく付き合っていくことが、うつ病治療には欠かせないのです。
たいてい、服用継続期間は症状が改善してから6か月前後です。初めてうつ病にかかったか、再発のものかどうかによって多少前後します。早めにやめてしまうと、50%の確率で再発が起こる可能性があります。

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