個人に最適な投薬法へ日米連携
2008/11/12 18:43-キャリアブレイン
日米の研究機関でつくる「国際薬理遺伝学研究連合(GAP)」が、個人の体質の違いを遺伝子レベルで把握し、それぞれの特性に合った診断・治療・予防や薬剤の投与を可能にする「オーダーメード医療」の確立に向け、新たな共同研究に乗り出した。遺伝的素因により、様々な疾患(癌や喘息、うつ病等)の治療における有効性や副作用に大きな違いがあることがわかっており、その部分を明らかにすることで、個々の患者の体質に適合した最適な薬剤投与「オーダーメイド医療」の実現を目指している。
薬局で副作用の確認をすることは、薬剤師業務として義務であるが、副作用の発現には個人差はもちろんのこと、副作用の種類も多岐にわたりすべてを把握することはとても難しい。また、下手に副作用の可能性について伝えることで、患者に不安感を与えることもある。この不安感を与えずに、的確に患者の副作用症状を聞き出すということが、経験の薄い薬剤師達にとっては一つの課題であるろう。それを遺伝子レベルで把握していくことは、最適な薬の選択や副作用発現の回避など、現場にとって大いに助かる内容である。
「新型インフル」流行で事業継続できる?
2008/11/18 13:27 キャリアブレイン
[要訳&コメント]
「鳥から人への感染は続いており、いつ(人から人へ感染する)新型インフルエンザが発生してもおかしくない状況」である中、いざ感染が発生した場合の企業の対応についての本が出版された。
「職場の感染予防策では、個人と組織の行動変容が重要」として、▽感染者に接しない▽「せきエチケット」を徹底する▽流行時には人込みにいかない▽顔をできるだけ触らない▽アルコール度数60%以上の速乾性手指消毒剤などで頻繁に手を洗う―などを普及させることを優先事項として挙げた。
医療機関ではどうだろう?医療従事者は職場での感染リスクが高いが、感染が発生してしまった場合、医療機関を閉鎖するわけにはいかない。他の企業とはまた違い、より一層その対処法について十分な知識が必要である。各医療機関ではどの程度まで話し合われており、従業員にその内容が伝わっているのだろうか。感染はいつ起きてもおかしくない状態である。多くの人を救う側である医療従事者が倒れてはいられない。今一度、インフルエンザに対する対応を、個人が、そして医療機関単位でも考えていってもらいたい。
参考記事:新型インフル流行時に医療現場を維持できるか
09年中間決算35%経常減益-大手製薬14社
2008/11/18 12:50-キャリアブレイン
[要訳&コメント]
東証一部上場の製薬企業14社の2009年3月期中間決算(連結)の概況と通期見込みを発表し、売上高は14社で3兆4100億円(前年同期比4.7%増)だった一方、営業利益5417億円(同32.4%減)、経常利益5785億円(同35.0%減)、純利益3424億円(同38.2%減)と大幅減益となった。
海外企業の買収・子会社化に伴うインプロセスR&D費(仕掛研究開発費)や無形固定資産償却費の発生などによる販売管理費上昇が響いた。
14社の国内売上高は2兆619億円(同1.3%増)で、主力製品が伸張したものの、薬価改定の影響などにより増収幅は縮小した。海外売上高は1兆3480億円(同10.3%増)で、ベンチャー企業の買収や子会社化に伴う売り上げ増が大きく寄与。海外売上高比率は前年同期比で2.0ポイント増の39.5%となった。
おまけ…救急医療
患者受け入れ調整で「地域救急センター」設置へ―東京都
2008/11/16 19:32 キャリアブレイン
[要訳&コメント]
搬送患者受け入れの迅速化などを検討している東京都の「救急医療対策協議会」は、二次救急医療機関の機能と連携を強化するため、都内に12ある二次医療圏内にそれぞれ、患者の受け入れ調整などを行う「東京都地域救急センター(仮称)」を設置することなどを提案している。
基本的な取り組みとして、(1)救急患者の迅速な受け入れ(2)「トリアージ*」の実施(3)都民の理解と参画―の3つを挙げている。
(1)では、通常の対応で医療機関の選定が困難な場合、一時的に受け入れた救急医療機関が応急治療を行い、必要に応じて他の病院に転送する「一般受入・転送システム」導入の必要性を強調。
(2)では、救急医療における「トリアージ*」の必要性が指摘された。
(3)では、救急医療における医師など医療資源の不足から、「都民自らが『救急医療は重要な社会資源である』という認識を持ち、適切な受療行動を心がけることが重要」として、患者側の意識改革を提言。
*トリアージとは
一般に、災害時など多数の傷病者が一度に発生した際、搬送や治療の効率化のため、重症度に応じて治療の優先順位を決めること。
参考記事:「救急医療対策協議会報告について」
医師不足などの問題で、救急患者の受け入れを拒否せざるをえない状況にある中、応急処置の場所を確保するというのは非常に有効なシステムであると考える。何よりも、搬送可能な病院を確保する救急救命士の負担が大きく軽減するのではないだろうか?薬とは関係ないが、興味深い記事だったので載せてみることにした。
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