2008/11/28

Saya's 薬学ニュース vol.17-医薬品のインターネット販売に関する日本薬剤師会の見解/医薬品ネット販売の継続容認訴え、業界団体が新自主ガイドライン/「薬は健康に害がある」 中国人が世界最多

医薬品のインターネット販売に関する日本薬剤師会の見解
平成20年11月21日-日本薬剤師会HP

[要訳&コメント]
「一般用医薬品の販売は対面販売が原則であり、インターネット販売については禁止、少なくとも第三類医薬品に限定すべきである。」
この見解を導くのに、数点の理由を示している。
①医薬品には副作用がつきものである。
②対面販売でないことにより、リスクの未然回避や受診勧奨が不可能。
③副作用被害が起こることは当然であり、ネット通販による具体的事例を出すまでもない。
④ネット通販における情報は一方的なものであり、情報の真偽も確かなものではないためネット通販は安全上容認できない。
⑤今回の薬事法改正により、ネット通販に対する対応の見直しが行われていることを留意するべきである。
⑥医薬品の販売は、利便性よりも安全性がより確保できる制度のもとで行われることが重要である。

現在、国と企業間においてHOTな話題であるが、薬剤師会が正式に見解を示した。この見解は、厚生労働省の考えを支持するものであり、法規制を後押しするものととれる。以上の理由は妥当なものであり、納得出来得る。それでは、へき地などで医薬品購入の厳しい人たちへの対応はどのように考えているのだろうか?法規制により「禁止」とすることは簡単である、しかし、それにより不利益を得る人たちもいる。この場合は、これらの人達が悪い行いをしたために規制が加えられるものではない。再度、法規制による利点を欠点を洗い出し、欠点に関する対応に関しての考えていくべきではないだろうか? 参考記事:OTCネット販売、「第三類医薬品に限定すべき」―日本薬剤師会
 
医薬品ネット販売の継続容認訴え、業界団体が新自主ガイドライン
2008/11/20 17:09 -INTERNET Watch

[要訳&コメント]
一般医薬品のネット販売を行っている薬局・薬店40者が会員となっている特定非営利活動法人の日本オンラインドラッグ協会(JODA)*は20日、「安全・安心な医薬品インターネット販売を実現する自主ガイドライン」を発表した。ネット販売に際して使用上の注意事項などの情報提供を適正に行うことや購入者の状態の確認・質問を行うことなどを必要条件として定める。

このオンラインドラッグ協会(JODA)が具体的に行っていることとして、「購入ボタン」を押した顧客に対し、使用者は今までに、このお薬を使用してアレルギー症状(しっしん、かゆみ、体のむくみ等)を起こしたことがある」「使用者は緑内障あるいは前立腺肥大症のいずれかの診断を受けている」「使用者は妊娠あるいは妊娠している可能性がある」といったチェック項目を表示し、該当する項目がある場合には購入操作を継続できないようにしている。また、店舗の薬剤師に直接電話やメールによる相談もサービスの一環として提供している。「このガイドラインにのっとれば、医薬品のネット販売について、店頭での販売を上回る安全・安心を確保できる」と断言している。
この場合、店頭で薬剤師が確認すべき事項を同じように確認し、該当する人は医薬品が購入できない理由まできちんと表示することで、購入を控えることはできるのではないだろうか。あえて健康被害を望んでいる人はいないからである。ただ「禁止」とするのではなく、代替案やシステムづくりなどに目を向け、安全性と利便性の両方を維持できるような取り組みを個人的に望んでいる。
*日本オンラインドラッグ協会:http://www.online-drug.jp/

ACニールセン調査:「薬は健康に害がある」 中国人が世界最多
朝日新聞-2008年11月21日15時7分

[要訳&コメント]
世界51カ国・地域の2万8千人を対象に行われた調査で、「薬は健康に害がある」と考えている中国の消費者の割合は世界で最も多いという調査結果を発表した。
中欧・東欧・南米・北米では初期症状の際に薬を服用する習慣があるのに対し、アジア太平洋地域とベトナムでは薬で治癒するという消費者が最も多く、45%に達した。その次に多かったのがタイとインドネシアで、中国・日本・シンガポールの割合は33%でほぼ同じだった。
中国の消費者は、軽い病気だとひとまず様子を見て、自然に治らなければ薬を飲むという人が3分の2近く、今で薬を飲んだことがない人が2%だった。病気を「自然治癒」にまかせる中国の消費者のうち、7割近くは「薬は三分の毒」だと考えて薬を服用しないのだという。

薬は外にもなり得る。これは薬学の勉強をして強く感じたことである。日本の多くの人も、薬は害になり得ることを認識していながら、その認識には個人差がある。サプリメントや健康食品であれば、食品同様に安全である、と考えていては大間違いである。これらの中にも、薬より厳しい審査が行われていないことで、特に米国のものであると死亡例をだすような製品もあったり、その成分表示は意外に当てにできないものが多い。初期症状に薬を服用する人の割合が中国と同じ33%ということは、薬が害となり得るという認識ん関しては低いとしても、できるだけ薬に頼らずに行きたいと思っている日本人も多いということが分かる。中国では薬に頼らず、予防面で力を入れているという部分が、非常に感心できる内容であった。

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