2008/11/09

Saya's 薬学ニュース vol.5〈増刊号〉-海外で話題の「トランス・ファット」(=プラスチック食品、狂った油)って一体?

カナダのエドモントンでは冬本番ということで、零下は当り前となり少しずつ雪もぱらつき始めました。
冬支度ということで、今日は冬用のウォーキングブーツを購入しました。一冬だけのことだけれど、これも零下30~40になるエドモントンで冬を生き延びるための必需品ということで、持ってれば一安心です★

さて、今日はスーパーの表示で気になったある成分の実態について、増刊号として紹介します。
「トランス・ファット」って日本ではあまり見かけない言葉かもしれません。
そうです、日本では表示義務などの規制がとられていない成分なのです。でも、これを摂り続けていくと…思いもよらない障害がおこるという研究結果があり、アメリカやカナダ、その他ヨーロッパなどで規制や表示義務などの対応がなされています。
それでは、その実態についてみていきましょう。
※以下の文章は、あるWebサイトを簡単にまとめたもので、営利目的で使用するものではありません。
http://www.burgarine.com/transfat.html

-トランスファット=別名「プラスチック食品」「狂った油」
と呼ばれていて、体にはあまりよくない油のようです。
なんでよくないかというと、マーガリンを想像していただければ簡単です。
マーガリンが植物油からできてるのに、なんで固形なの?と思ったことはありませんか?
普通、動物油(ラード・バター等)は常温で固体ですが、
植物油(サラダ油・オリーブオイル等)は液体ですよね。
それを固体にするには何かが入ってるわけです。
それがトランスファットで、化学処理を(水素添加)して分子構造を変化することで固体にしてるそうです。
この化学処理をすることで、防腐剤を添加しなくても日持ちさせることができるとか。
防腐剤が入ってないからといって安心してはいけません!

-トランスファットが体に引き起こす影響
1)心臓病のリスク増加
①肝臓に悪影響を及ぼし
②血液中の悪玉コレステロールの増加
③血液中の善玉コレステロールの減少を促進
→2倍の確率で心臓病のリスクが高まるといわれています。

2)老齢化増進
①トランスファットの構造から
②体内で酸化が促進され
→早く年をとる。ボケやすくなる。老化現象は体内の酸化減少により組織が壊されていくものです。

3)発がん率増加
①自然にできたものではないので、体内で壊すこともできず蓄積。同時に酸化も引き起こすので
→発がん物質になり得る

4)クローン病罹患率の増加?
クローン病は腸の慢性炎症疾患の難病です。
腸管壁の細胞が壊れるために異物が腸から侵入、
炎症反応で腸壁に潰瘍ができる事が原因の一つと言われています。
原因不明とされていますが、トランスファットを疑う識者も少なくありません。

-日本で表示がないのは?
欧米に比べトランス油脂の摂取量が少なく(米の1/5程度)、
トランスファットの影響を低減させるリノール酸の摂取が多い(トランスファットの7倍)こともあり、
そこまで害はないと考えられているからだそうです。
しかし、海外から食品を輸入したり、食文化が欧米化している今
日本も完全に"大丈夫"とは言えない気がします。

-トランスファットを含む食品
・マーガリン
・ショートニング(パンや菓子の原料の練り込み用の固体化した植物油脂。無味無臭。ほぼ油脂100%))
・植物油 (一般的な精製する過程で高い熱を加える為、一部がトランスファットに変化)・コーヒーフレッシュ (固体化した植物油脂を乳化剤で水に溶かしたものがコーヒーフレッシュです)
・パン、菓子パン
・ケーキ
・クッキー、クラッカー、スナック菓子
・チョコレート菓子
・アイスクリーム
・コロッケ、天ぷらなどの揚げ物惣菜
・フライドチキン、フライドポテト
・ファーストフード、ファミリーレストランの調理
・カレー・シチューのルウ

※日本で表示名が「植物油」「植物油脂」「植物性油脂」「加工油脂」などの場合も、
現状ではほとんどがトランスファットを含むと考えるべきだそうです。
※「無添加マーガリン」「無添加ショートニング」として販売している商品は、
トランスファットではなく、酸化防止剤や香料を無添加、という意味なので注意が必要です。

※これらの用語はすべて同じものをさします。表示確認の参考にしてください。
「トランスファット」「トランス型脂肪酸」「Trans Fat Acid」「TFA」

-+α
["無添加"表示の落とし穴-"キャリーオーバー"って知ってますか?]
加工食品などの表示で、"無添加"という文字を見て安心するのは早いそうです。
加工する段階で添加物を使わなければ、その原料に使われている添加物に何が入っていようと
表示の義務はないようです。それを"キャリーオーバー"というそうです。
Webの中で紹介されていた例は、「だし醤油」で
原材料に記載する義務があるのは、しょうゆとカツオですが、
その使った醤油にもし添加物が含まれていても、
原材料に関する表示の義務がないので"無添加"と記載できるようです。

[面白い話]
ある人の話で、マーガリンの一かけらを常温で窓際に置いたところ、
2年間カビも雑菌も何も繁殖せずに、ただホコリをかぶっただけだった。。。
→これが意味することは、マーガリンがプラスチックと同じであるということ。
分子レベルで構造を見てみると、プラスチックの構造とほとんど同じだそうです。
フライドポテトでも同じ現象が起こったようです...恐ろしい。。。

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