2008/11/21

Saya's 薬学ニュース vol.13-国家試験や将来像などで議論/「薬剤師に採血や聴診器を」/「薬剤師余り」への対応策を議論/スギメディカルに富士バイオ治験部門など譲渡

最近では、日中の気温がマイナスを維持するようになってしまいました。朝起きると、二重の窓には氷の結晶がきれいに作られています。夕方近くになると0(ゼロ)℃程度まで上がってくるので、少しずつ解けていく雪の結晶を見ることができます。こんな体験ができるとは。。。雪の結晶、幻想的で昔から好きなんです♪

さて、今日の薬学ニュースは??

国家試験や将来像などで議論―医道審・薬剤師分科会が初会合
2008/11/13 21:39-キャリアブレイン

[要訳&コメント]
薬剤師の行政処分や国家試験の実施方法などについて審議する医道審議会薬剤師分科会の初会合が開かれ、2006年に薬学部が6年制に移行したのに伴う、今後の国家試験の方向性や薬剤師の将来像などについて意見が交わされた。話し合われた点は以下の3点。
〈薬剤師国家試験に関して〉
・6年制に対応した新たな国家試験の実施年:H12年に実施する方向で検討中
・4年制卒の受験生への対応:6年制対象の試験と同じ内容で実施する予定
・新たな国家試験の合格発表の期日:現場の混乱を避けるため、年度をまたがないようにできるだけ早めていく方向で
〈薬剤師の行政処分に関して〉
・薬害などが起きた場合、全面的に薬剤師が責任をとれるような、スペシャリストの育成を目指していきたいとのこと。
「日本社会、そしてチーム医療の中で、薬剤師をどのように位置付けるかを見極めるべきだ」と強調した。

興味深い記事が掲載されました。6年制と4年制の学生が入り混じっている現在、6年制に対するカリキュラムさえも整っていないのが現状である。現学生(浪人生も含め)にとっても、4年制で卒業した薬剤師にとっても、気になる話題であるのは確かである。特に気になったのが「スペシャリストの育成」と最後の文章である。何をもってスペシャリストと言えるのだろうか?確かに薬学が起きたにもかかわらず、責任は国や医師。薬に関することであるのに、薬剤師という名前は全くもって出てきていなかった。薬に関して責任をとれずに、何に責任をとれるというのだろうか?
6年制のカリキュラムを決めていく中で、スペシャリストの育成を目指しているのであれば、最後の文章のように、どのような役割をスペシャリストとして担えるのか、位置づけをはっきりしないうちは何も語れないのではないだろうか。

「薬剤師に採血や聴診器を」
2008/06/12 21:24-キャリアブレイン

[要訳&コメント]
2008年春の薬剤師国家試験の合格者が初めて1万人を超え、さらにこれからも増加が間違いない状況。「薬剤師余り」がすぐそこに見えている中で、「薬剤師の職能拡大」 に関する議論がなされた。その中で出た意見が、薬剤師にも「採血や聴診器によるヘルスチェックの権利」を与えては、というもの。
医師不足、看護師不足という状況の中で、チーム医療としてある程度薬剤師の裁量を増やし、条件付きで鎮痛剤などの限られた薬に対する処方権を与えるなど、その内容は大きなものである。
それに対し、現状を考えると6年制教育でそこまで教育することは厳しいが、志願者に対し新たに研修項目を設置し、認定薬剤師のような制度を作っては、という意見もでた。

ちょっと古い記事でしたが、スペシャリスト育成の一つの例として取り上げてみました。現に、カナダのアルバータ州では、認定薬剤師にのみ処方権が認められており、上記で議論されている内容を実際に行っている国もある。もちろん医師のように全ての医薬品に関して処方できるわけではなく、一部に限定はされているが、これは普段の薬剤師業務において医師の信頼を得てきている歴史があるからこそ、可能となった、いわば薬剤師が勝ち取ってきた権利なのである。役割を果たしていないのに権利ばかり主張はできないので、これらの内容を大きな目標として掲げ、まずは「薬を買うときは薬剤師に相談して」、「処方時に投与量設定が難しい患者が現れた場合は、薬剤師との相談で決定する」ということが日常茶飯事に起こるような状態にしていくことが、6年制教育の課題なのではないだろうか。

「薬剤師余り」への対応策を議論
2008/06/12 17:12- キャリアブレイン

[要訳&コメント]
厚生労働省の「第3回薬剤師需給の将来動向に関する検討会」が開かれ、増加する一方である薬剤師の職能に関して焦点を当てて話し合われた。
1つがセルフメデュケーションのキーパーソン。地域医療の担い手、最も身近な健康相談相手という考え方である。薬局やドラッグストアで健康診査なども可能にすることで、健康相談相手でもあり、地域の健康管理と維持に努めていくことが可能になる。
もう一つが、病棟での臨床薬剤師としての役割である。

スペシャリスト育成に関する、違った視点での記事も紹介したい。現在、健康ブームもあり、TVやインターネットであらゆる"健康ネタ"を用いで視聴者に大きな影響を与えている。時には、理論をおおげさに評価していたり、ないものをあるかのように言うことで、視聴者の中で健康被害が出ていることもある。そういった情報を、客観的に判断し、正確な情報を患者に与えることも、薬剤師として重要な役割のように思う。病気になった人が処方箋を持ってくるだけの薬局ではなく、処方箋がなくても、薬の購入のために薬剤師を訪ねて薬局に来る人が増えるよう、予防や未病に一躍買えるようスペシャリストの育成もよい目標となるのではないだろうか。

スギメディカルに富士バイオ治験部門など譲渡
2008/11/20 22:42-キャリアブレイン

[要訳&コメント]
富士バイオは、非臨床事業やCRO(開発業務受託機関)事業、SMO(治験施設支援機関)事業を子会社と共に展開していたが、今回、この3事業がスギメディカルに譲渡されることになった。
スギメディカルは、調剤薬局、在宅医療、訪問看護を柱としてきたが、今回の事業譲渡を受け、他の治験関連企業や団体と連携しながら治験事業などへの参入を進めていくことになる。

調剤薬局や在宅医療をメインに行っていた会社が、治験に関する事業を展開する…あまりイメージのわかない話である。地域医療と治験をどのように結び付けていくのだろうか。薬局の顧客が治験に参加することもあるのだろうか?そうなると、薬局薬剤師の役割は?どう発展していくのか見ものである。

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