2009/01/08

Saya's 薬学ニュース vol.52-薬剤師に対する認識変革を/花粉症に新たな目薬誕生/レセプトオンライン請求義務化にストップか

<Today's news>
1. 薬剤師に対する認識変革を
2. 花粉症対策の新しい目薬を発売-ロート製薬

おまけ. レセプトオンライン請求義務化の撤回求め、国を訴える

薬剤師に対する認識変革を-08年回顧と09年の展望(4) 薬剤師認定制度認証機構・内山充代表理事
2009/01/04 10:00-キャリアブレイン

[要約&コメント]
積極的に業務分野の拡大を、とメッセージを残しているのは、薬剤師認定制度認証機構・内山充代表理事である。新しく求められる薬剤部の業務に対し、個々の薬剤師が人ごととせず、自分の問題と思って意識的に行動していく必要がある。「患者の安全を守るため」「よりよい医療にするため」といった大義名分が立つならば、薬剤師の業務や実務行為の範囲を広げることに積極的になってほしい。

彼の述べている内容は、非常に共感できるものである。自分が日々考えていることを、言葉にしてくれているような気がした。自ら積極的になるために、日々の勉強は必要である。と生涯教育の重要性に関してもしっかり述べられているが…
認定薬剤師教育の受講に関し、否定的な意見も見られるが、私は、資格取得のためというよりも、むしろ日々の知識補充のために活用している。大学で学んだ事はほとんどが風化してしまっていて、取り戻す方法を考えていた時に出会った。やはり、患者さんの健康を全体的にみるためには、薬の知識だけでなく制度の問題や疾病、栄養面まで知識を深める必要がある。カナダの知り合いの自然療法医師に言われたことは、薬剤師は薬だけでなく、もっと病態生理の部分まで掘り下げて勉強したほうがよい。そうすれば、生活習慣の指導などおのずとヒントが得られる、との事だ。日々の忙しい業務でなかなか難しいのは重々承知しているが、それで何もやらなければ、信頼される薬剤師にもいつまでたっても成り得ないのであないだろうか。
記事に載っていた言葉が、印象的だったので最後に載せておきたい。
「スキナー・ボックス」で有名な米国の行動心理学者、バラス・フレデリック・スキナーは、「学んだことがすべて忘れられた時に残る『何か』が教育(成果)である」という言葉を残しています。

花粉症対策の新しい目薬を発売-ロート製薬
2009/01/05 18:23-キャリアブレイン

[要約&コメント]
アレルギー用の目薬に炎症を鎮める成分「プラノプロフェン」を日本で初めて配合したという「金のアルガード」と、アレルギーの発生を原因から抑える抗アレルギー成分を配合した「銀のアルガード」3品、全4品を開発し、1月13日から全国の薬局・薬店で発売する。
炎症を鎮める作用を持つ「プラノプロフェン」を配合した。従来の一般用のアレルギー目薬は、主に抗アレルギー剤と抗ヒスタミン剤が配合されており、これに「プラノプロフェン」を加えたことで、「複合処方」が止まらないアレルギー症状に効果を発揮するという。「銀のアルガード」の3つの商品名は、「ロートアルガード・抗アレルギーカプセル」「ロートアルガード・ST点眼薬」「ロートアルガード・ST鼻炎スプレー」。 詳細は、ロート製薬のホームページ(http://www.rohto.co.jp/)参照。

冬が終わりに近づくと、うれしくなる半面、花粉症の人たちにとっては地獄の季節の始まり?なのでは?「プラノプロフェン」が初めて配合ということになれば、新たな効果を期待して使う人も出てくるかもしれない。「プラノプロフェン」といえば、先発薬ではニフランやプロラノンが聞きなれた名前なのではないだろうか。このOTC薬の含量記載がないので比較はできないが、副作用としては、これらの薬を例に説明するのがよいのではないだろうか。

おまけ...レセプト請求

レセプトオンライン請求義務化の撤回求め、国を訴える
2008年12月29日-m3.com ※m3.com閲覧には会員登録が必要です

[要約&コメント]
「レセプトオンライン請求義務化撤回訴訟」の原告団結成総会が2008年12月26日、神奈川県保険医協会で開催された。 この訴訟は、2011年度から原則義務化されるレセプトのオンライン請求の撤回を求めて、国を相手に行う。提訴は、2009年1月21日を予定しており、横浜地裁で行う。
今回の訴訟は、オンライン請求そのものを否定するのではなく、義務化を問題視したもので、「オンライン請求の義務化を規定した省令に従う義務が存在しない」ことを確認するのが狙い。

Saya's 薬学ニュース vol.37もおまけでも紹介しているが、予定されていた原告団結成総会開かれ、本格的に訴訟が開始されることが示されている。現時点で600人近くの原告が集まっているようで、事態は深刻化しているように思う。義務化は個人的にも反対で、地域医療を支えている開業医をやめさせてまで行うべきものなのかは疑問が残る。メインは医師で結成されているが、薬局にとっても重要な内容なので、見守っていきたい内容だ。

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