<Today's news>
1. 40歳以上の3割が糖尿病‐半数は未治療者
2. ヒアルロン酸 しわ取り、自己注射「ダメ」 ネット頼り個人で輸入、後遺症に悩む例も
3. 喘息患者へのアプローチ
4. インフルエンザ、流行指標の4.7倍に増加
おまけ. サブプライム化する米国の医療『米国医療崩壊の構図』
40歳以上の3割が糖尿病‐半数は未治療者
2009年01月09日-薬事日報
[要約&コメント]
厚生労働省の2007年度「国民健康・栄養調査」で、糖尿病が疑われる人は予備軍も含め、前年度より340万人増え2210万人に達し、特に40歳以上では29.0%と、10人に3人は糖尿病が疑われことが明らかになった。糖尿病が強く疑われる人で、治療を受けている人の割合(55.7%)は10年前に比べ改善したが、指摘を受けた人の半数は治療を受けていないことが分かった。
神経障害が最も多く11.8%、次いで腎症11.1%、網膜症10.6%、足壊疽0.7%の割合。
糖尿病は自覚症状が薄い分、医師から指摘されても危機感を感じにくい。「自分は大丈夫だろう」という理由のない自信を持ちたがる。これは、患者の無知からくるものが大きいように思う。せっかく検査を受けて早期発見ができても、治療に取り掛からなければ症状は悪化する一方。知識がない中で自分流に食生活を変えるだけでは改善が非常に難しい。早めに対応すれば、急激な悪化は防げるし、目を失ったり足を失ったり、透析のために毎日病院に通う必要もない。患者への情報公開を薬局でも積極的にやっていけるのではないだろうか。
ヒアルロン酸 しわ取り、自己注射「ダメ」 ネット頼り個人で輸入、後遺症に悩む例も
2009年1月11日-m3.com 提供:毎日新聞社
[要約&コメント]
インターネットで購入したヒアルロン酸を、自分で顔などに注射する行為が広がっている。ヒアルロン酸は関節や真皮に含まれ、化粧品の保湿成分として使われる。美容クリニックなどでは、しわの下に注射して目立たなくさせる美容法が提供されている。
ある患者は、クリニックで使用していたものと同じメーカーのヒアルロン酸を、香港の輸入代行業者を通して購入を試みた。掲示板の体験談などを基に07年12月、自分のほおや目の下に注射したところ、2、3カ月後、注射した部分の一部が膨らみ、しこりになった。クリニックでヒアルロン酸を分解する注射を打ったがしこりはなくならず、皮下にひきつれが起きる「異物肉芽腫症」と診断された。完全に元に戻すことは難しく、女性は「すごく後悔している」と話す。
美容整形は女性の綺麗になりたい、若くありたいという本能を魅惑する天国のような存在なのだろう。しかし、治療費は高いし、期間はかかるしで、道を踏み外してしまう人も少なくはないようだ。美容整形での治療は専門知識を持っている医師による施術(少なくとも免許を持っている医師であれば)なので、安全性はある程度確保されるが、インターネットでの購入を「ダメ」というのは賛成である。頭ごなしに否定しているわけではなく、それは、あなたのためだからなのです。手を出す前に賛否両論きちんと把握し、危険性を知ることは重要です。
喘息患者へのアプローチ
2009年1月12日-週刊医学界新聞
[要約&コメント]
喘息の重症度を決めるフォーカスを絞った問診がKeyとなる。日中に発作はあるか,夜間寝ている間の発作はあるかなど細かな問診が患者の長期治療戦略に大きく関係してくることは見落としがちだ。そのほか,何が誘発因子だったのか,アレルゲンへの曝露,感染症の有無,ピークフロー,肺機能検査の有無,救急外来での治療,なども重要なポイントである。
〈急性期の治療の基本〉
基本はβ2刺激薬(ベネトリン®)吸入,そしてステロイド(経口/注射)の投与。その他抗コリン薬の使用も重要。テオフィリン製剤に関しては明確なエビデンスがなく、他の薬剤との相互作用や血中濃度を考えると使いづらい点もある。
〈慢性期の治療の基本〉
急性増悪の予防のための教育とコントローラーの組み立て。(重症度を見分けることがポイント)
<ステップに応じた投薬内容の決定>
〈治療のステップの背景〉 治療の基本は吸入ステロイドである。これに長時間作用性β2刺激薬を組み合わせたり,モンテルカストなどのロイコトリエン拮抗薬を組み合わせたりしてコントロールを図る。長時間作用性β2刺激薬だけで治療することは避ける。
〈薬物療法以外で重要な治療 〉
環境改善:喫煙歴,ネコなどペットに対するアレルギー,ゴキブリの有無など
ちょっと長くなってしまったが、医師がどのような考え方で薬を処方しているのかがわかりやすく記載されていたので掲載した。患者さんへの服薬指導にも応用できそうだ。
インフルエンザ、流行指標の4.7倍に増加
2009/01/13 15:43-キャリアブレイン
[要約&コメント]
インフルエンザが増加しており、昨年の第51週には、全国的な流行開始の指標である定点当たり報告数「1.0」を大幅に上回る「4.68」に達し、今シーズン最高を更新したことが明らかになった。
シーズンの12月までに全国的な流行が始まった場合、流行のピークが翌年の1月末または2月初旬になっており、今後さらに増加する可能性が高いとし、より一層の注意を呼び掛けている。
毎日話題に上るインフルエンザのニュース。つきませんね。さらに増加が見込まれるというのは良いニュースではありませんが、引き続き注意を要するということで、掲載しました。
おまけ...本紹介「米国の医療」
サブプライム化する米国の医療『米国医療崩壊の構図』
2009年1月9日-NBonline(日経ビジネス オンライン)
[要約&コメント]
本書は米国医療システムに関して論じるレジナ・ヘルツリンガー・ハーバード大学経営大学院教授の3冊目の翻訳書である。2部構成で、前半が現在の米国医療サービス市場の“診断書”、後半がその病根を治療する“処方箋”となっている。
診断書の要点はジャック・モーガンという腎臓疾患患者が、民間医療保険を持ちながらも移植が間に合わず亡くなった理由を、1つのケーススタディーとして追求し、医療保険会社、非営利大病院、雇用主企業、連邦政府とあらゆる種類の規制に関して意見する専門家集団のすべてに、応分の責任があることを解明していく。
海外の医療制度比較などを行っている身としては、とても興味深い内容で読んでみたいと自然に思ったのだが、皆さんはどうでしょうか。実際カナダでも、手術まで待たされ、待たされ。。。。挙句の果てに待てずに亡くなるというケースがあるのが事実です。症例としては似ているかもしれませんが、この2カ国で決定的に違うのは何なのか。皆さんは気になりませんか?
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