2009/01/25

Saya's 薬学ニュース vol.64-タミフル耐性インフルエンザの対策は「リスク分散」が基本/登録販売者試験で替え玉受験判明/ジェネリック薬業界は順調/女性向けの健康機器ブランドを発表

<Today's news>
1. 耐性ウイルスの出現は突然、対策はリスク分散が基本
2. 耐性ウイルスを意識した抗インフルエンザ薬治療を
3. 登録販売者試験で「替え玉受験」判明
4. 急成長のジェネリック薬業界、主要企業44社の売上は前年比14%の3480億円

おまけ. テルモ、女性向けの新しい健康機器ブランド

耐性ウイルスの出現は突然、対策はリスク分散が基本
2008. 3. 13-日経メディカル

[要約&コメント]
これまでタミフル耐性株はあまり伝播しないというのがWHOなどの見方だったが、ノルウェー(66%)やフランス(39%)などでの耐性出現率をみるとこういった認識を変えなければならないことに気付かされる。アマンタジン(シンメトレル)も同様に、耐性ができにくい薬と考えられていたが、事態は急変し高頻度で耐性が見られるようになったとのことだ。タミフル一辺倒という状況を見直すなどの、「リスクの分散化」が重要になるとのこと。

Saya's 薬学ニュース vol.60で耐性の広がりなどに関して記事を記載したが、事態は昔に比べて大きく変化していることを再認識させられる。耐性ができてしまった今、どのように耐性の増加を食い止められるか、など専門家の声が必要である。

耐性ウイルスを意識した抗インフルエンザ薬治療を
2008. 12. 17-日経メディカル

[要約]
耐性ウイルスの出現が騒がれている中で、治療指針では、A型、B型別に、ザナミビル(商品名;リレンザ)、タミフル、アマンタジン(商品名;シンメトレルなど)の3種類の抗インフルエンザ薬をどのように使っていくべきかが示されている。


登録販売者試験で「替え玉受験」判明
2009年01月14日-薬事日報

[要約&コメント]
奈良県では、2008年度第2回「一般用医薬品登録販売者試験」で、大阪府豊中市の配置販売業経営の男性(54歳)が、その息子(20歳)になりすまして受験していたことが判明したと発表した。男性の受験を無効とすると共に、替え玉受験については、有印私文書偽造および同行使の容疑で告発する予定だ。
類似記事:パーマかけ眼鏡外し…でも替え玉受験の父、息子になりきれず (m3.com)

登録販売者試験の替え玉受験。親が子供の資格のために、自分で勝手に行ったことだと語っていたが、果たしてこれが子供のためになる教育なのだろうか、と疑問に感じてしまう記事である。と同時に、もしこの替え玉が発覚せず、実際に免許を交付していたらどうなっていただろうか。全く知識のない登録販売者が薬剤師のいないドラッグストアなどにいる事態が発生することになる。倫理的に考えても誰のためにもならないのが現実である。

急成長のジェネリック薬業界、主要企業44社の売上は前年比14%の3480億円
2009/01/13 17:40-MarkeZine

[要約&コメント]
ここ数年急激に業績を伸ばしているジェネリック薬企業の現状と開発戦略について調査を行った。特に業績が急伸しているのは、病院での採用が増えている売上100億円以上の大手ジェネリック薬企業で、13社合計で5年間で68%という驚異的な伸びを示している。
類似記事:ジェネリック医薬品の売上高は前年より14%増(ケアネット.com)

後発品の使用に控え目になっている薬局に対し、ジェネリック薬企業では業績が伸びているのが明らかになった。国の後押しなどもあり、今後も成長を続けていく事が考えられるが、その分新薬企業の製薬会社がどのような状態なのか比較するものがあれば面白いと感じた。

テルモ、女性向けの新しい健康機器ブランド
2009/01/12-ケアネット.com

[要約&コメント]
テルモ株式会社は、女性向け商品の新ブランド「PREMIAGE」(プレミアージュ)を立ち上げた。「PREMIAGE」は「PREMIUM+AGE」の造語で、「これからの人生をより一層いきいきと」という願いを込めたとのこと。女性ホルモン(エストロゲン)の減少による体の様々な変化に着目し、女性の閉経前後(45~55歳)から急増する高血圧など生活習慣病予防につながる商品を展開していくという。

女性は妊娠や閉経などによりホルモンバランスが変わるために、様々な疾患に対し気をつけなければならない。更年期障害で悩んでいる人、これから妊娠をする人など、何かしらの不安を抱えている人は多いのではないだろうか。そんな女性の不安を少しでも取り除くことのできる製品が開発されるといいのだが。

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