2009/01/26

Saya's 薬学ニュース vol.65-癌の遅延性悪心・嘔吐予防に新薬期待/体外からコントール可能なDDS技術の開発/ED治療薬と相互作用を起こす薬56種類紹介/鳥インフルエンザ死亡者393人/脳死で「臓器提供したい」が4割越


*お知らせ*
Saya's 薬学ニュース vol.37で記載した「日本医療機能評価機構」と「オンラインレセプト請求義務化」に対する貴重なコメントを匿名さんよりいただきました。とても興味深い内容ですので、興味のある方は是非訪れてみてください。
*レセプト請求オンライン義務化によって起こる様々な弊害etc

2008. 9. 18-日経メディカルオンライン

[要約&コメント]
半減期の長い制吐剤パロノセトロンは、癌化学療法による遅延性の悪心や嘔吐にも予防効果のあることが、国内の多施設共同二重盲検無作為化フェーズ3試験で確認された。パロノセトロンは選択的セロトニン(5-HT3)受容体拮抗剤で、化学療法に伴う悪心や嘔吐を防ぎ、化学療法の継続を可能にする作用が報告されている。欧米では注射剤や経口剤がすでに承認されている。

日経メディカルオンラインのランキングに載っていた記事で、少し古いが将来有望な治験薬として紹介した。抗がん剤治療を行う人たちにとって、悪心嘔吐などの副作用は大きな障害となる。治療を続けたいのに続けられない。せっかく薬が効いているのに精神的に耐えられない人たちの少しでも救いになる薬が開発されることを、心から祈っている。


[要約&コメント]
金(ゴールド)ナノ粒子を用いた新しい薬剤送達システム(drug-delivery system:DDS)が開発された。この粒子は、赤外線への曝露により表面に付着した複数の薬剤を放出するという。
この新システムの大きな利点は、外部から操作することによって3~4種類の薬剤を送達できる可能性があること。現在、2種類の薬剤を放出できるDDSは存在するが、放出のタイミングはあらかじめ組み込まれており、体外から操作することはできない

癌の記事を続けて紹介しよう。今度は癌治療におけるDDSの技術についてだ。今回のDDS技術では、薬剤送達の分類に含まれる。抗ガン剤の多くが、癌細胞だけでなく正常な細胞までも攻撃してしまうことがある中で、このような技術は癌細胞のみへの到達率を上げることで、正常細胞の破壊による副作用を低減することも可能である。特に体外からの操作におりコントロールができるのはかなり魅力的である。

2009年1月5日/HealthDay News

[要約&コメント]
米国の消費者団体パブリック・シチズン(Public Citizen)が、勃起不全(ED)治療薬との有害な相互作用を生じる可能性のある物質56種類のリストを作成した。ある種の抗狭心症薬、降圧薬、グレープフルーツ果汁およびハーブ・サプリメントであるセントジョーンズワート(セイヨウオトギリソウ)などが含まれるという。降圧薬を使用している男性はED治療薬を避ける必要があると述べている。

EDの治療をしている人に最も気をつける内容は、心臓病の有無に関してだがそれ以外にもこれほど多くの薬に気をつける必要があるとは...アメリカの薬で記載してあるが、一般名から比較できるので活用していただきたい。

2009/01/14 11:56-キャリアブレイン
[要約&コメント]
世界保健機構(WHO)がこのほど発表した「感染確定症例数」(1月7日現在)によると、2003年11月-09年1月までに15か国で確認された「ヒトの高病原性鳥インフルエンザA(H5N1)」の確定症例数は393件、死亡例数は248件だった。
WHOの報告書は「最も重要で、かつまだ答えの分からない疑問は、なぜ、03年より動物の間では60か国で集団発生が起こっているにもかかわらず、ヒト症例の90%(03年11月-08年5月までに報告された症例中)が5か国のみから報告されているのかという点である」としている。

この感染者数と死亡者数をみて少ないと感じるか、多いと感じるか。
90%以上の症例が血縁の家族内に発生している事実も見逃せない内容である。アジア諸国での観戦も多いので、油断はできない。いつ日本で発生してもおかしくはないのである。これまで報告されたいくらかの患者のうち、鳥類との接触がみられたことから、必要以上に鳥類に近づかない事も、簡単であるが重要な予防策になるであろう。海外へ行く人は特に注意が必要である。

2009/01/13 16:32-キャリアブレイン

[要約&コメント]
脳死判定後に「臓器提供したい」と答えたユーザーが、全体の43.1%(男性:40.2%、女性:46.7%)に上ることが明らかになった。年齢別では、30歳代が45.8%と最多で、40歳代が43.3%でこれに続いた。ただ、臓器提供の意思がある回答者のうち、何らかの方法で意思表示をしていると答えたのは46.5%で、半数以上は意思表示をしていなかった。
43.8%の人が臓器移植に何らかの関心を持っていることが分かった。
アイシェアのホームページ(http://release.center.jp/2009/01/1302.html

臓器移植への関心は、自分の想像よりも以外に高かった。実際に提供したいと考えている人達は中年の人に多かったが、関心を持っているレベルでは、20代が最も多い。中年になると自分の死に関してより具体的に考えるようになるからだろうか。提供したいと思っていても、意思表示をしていない人が半分以上いるのは残念なことである。事故などで急になくなってしまう場合、意思が伝えられないからである。自分もその一人に入るが、どうにかして意思表示カード作成までの流れをより一般的に、アクセスしやすいような啓もう活動が必要と感じた。

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