<Today's news>
1. 3剤で使用上の注意改訂
2. 薬害で医薬品医療機器総合機構(PMDA)職員の権限をどうするか
3. 花粉症には「使い捨てコンタクト」を
4. FDAが皮膚局所麻酔薬の危険性を警告
おまけ. NEC、米NYセイント・ジョセフ病院にRFIDタグを活用した温度管理システム構築
3剤で使用上の注意改訂
2009年01月15日-薬事日報
[要約&コメント]
3種類の薬の使用上の注意改訂版が発表されたので紹介する。
①関節リウマチの治療薬「エタネルセプト」(商品名:エンブレル、ワイスが製造販売)
改訂内容:
1) 「警告」の項の結核に関する記載に「ツベルクリン反応などの検査が陰性の患者において、投与後活動性結核が認められた例も報告されている」ことを追記(症状の顕在化や悪化の恐れがあるため)
2) 「重大な副作用」の項に「皮膚粘膜眼症候群、中毒性表皮壊死症、多形紅斑、抗好中球細胞質抗体(ANCA)陽性血管炎、急性腎不全、ネフローゼ症候群」を追記
②悪性神経膠腫治療薬「テモゾロミド」(テモダールカプセル、シェリング・プラウが製造販売)
改訂内容:「重大な副作用」に「間質性肺炎」を追記
③B細胞性非ホジキンリンパ腫治療薬「リツキシマブ」(リツキサン、中外製薬が製造販売)
改訂内容:「重大な副作用」に「細菌、真菌、ウイルスによる重篤な感染症」と「進行性多巣性白質脳症」を追記
知識のアップデートにご利用ください。
薬害でPMDA職員の権限をどうするか
2009/01/15 22:17-キャリアブレイン
[要約&コメント]
厚生労働省の「薬害肝炎事件の検証及び再発防止のための医薬品行政のあり方検討委員会」が開かれ、薬害における独立行政法人「医薬品医療機器総合機構(PMDA)」の権限について多くの意見が出た。
提言取りまとめのために事務局が整理した論点は、
(1)薬害肝炎事件の経過から抽出される問題点
(2)これまでの主な制度改正等の経過
(3)薬害再発防止のための医薬品行政等の見直し―の3点で構成。(感染リスクの高い生物由来製品について、医療機関や企業以外に患者本人へ製剤名やロットなどを公開記録できるようにする方針を検討)
人数を増やすだけでなく、権限の範囲等も再検討が必要であるという主張もあり、検討が必要と考えられる。
参考記事:厚労省:薬副作用、分析を強化 来年度から、担当者を100人増員--方針(毎日新聞)
Saya's 薬学ニュース vol.55で紹介したPMDA増員の記事。PMDAで実際増員されるのは、公務員ではなく、現場経験の豊富は医療関係者など(医師、薬剤師、統計学の専門家ら)であり、国家公務員でないことから裁量に関する疑問も上がっている。
花粉症には「使い捨てコンタクト」を
2009/01/15 22:21-キャリアブレイン
[要約&コメント]
コンタクトレンズ使用者を対象に、「花粉症についての意識調査」を実施したところ、花粉の飛散時期にもコンタクトレンズを使用している人は74.5%で、「できればコンタクトレンズの使用を継続したい」と考えている人は88.3%もいたという。
眼科の専門家は、症状が出る前(1月)に眼科を受診することや、一度付着した花粉を完全に洗い流すことは難しいため、『1日使い捨てタイプ』に切り替えることを勧めている。
コンタクトの使用はもはや必須の時代になっているのかもしれない。そんな中でメガネをかけなさい、という指導はナンセンスであるため、どうにか影響を最小限に抑えるためにも、症状が出る前の受診はお勧めである。また、抗アレルギー薬は人によって合うものと合わないものがあるので、一つの薬が合わなくても医師と相談して合う薬を見つけるよう根気強く続けることも重要である。さらに、花粉症治療として目薬の使用が最も多いことも、コンタクトレンズの使用において注意すべき点である。
FDAが皮膚局所麻酔薬の危険性を警告
2009年1月16日/HealthDay News
[要約&コメント]
米国食品医薬品局(FDA)は消費者および医療従事者に対し、処方薬・市販(OTC)薬ともに皮膚に塗布する局所麻酔薬の不適切な使用により、生命にかかわるリスクが生じるとの警告を発した。
該当する麻酔薬は、皮膚表面に近い神経末端の感覚を鈍らせる作用のあるリドカイン、テトラカイン、ベンゾカイン、プリロカインなどの麻酔成分を含有するもので、クリーム、軟膏およびゲル剤がある。不適切な方法で使用すると、薬剤が血流に取り込まれ、不整脈、痙攣(けいれん)、呼吸困難、昏睡さらには死亡などの反応を引き起こす可能性があるという。
リドカインを含むものには痔の治療薬(ex.ネリプロクト)などがある。特に、傷がある部分や、熱を持った部分に使用すると血中濃度が上昇しやすい傾向にあるため、その点を患者に指導する必要がありそうである。
おまけ…海外の病院
NEC、米NYセイント・ジョセフ病院にRFIDタグを活用した温度管理システム構築
2009年1月14日 12:01-RBB Today
[要約&コメント]
NECならびにNEC Unified Solutionsは、米国ニューヨーク州のセイント・ジョセフ病院において、アクティブRFIDタグを活用した温度管理システムを構築したことを発表した。
このシステムは、同病院内の薬品や血液などが格納されている冷蔵・冷凍庫に温度センサー付アクティブRFIDタグを設置し、同タグより定期的に温度データを収集することで、病院内に保存されている薬品や血液などの温度管理を行うもの。物質の温度に加え、物質の状態や位置情報の24時間常時監視が可能となり、より精密な品質管理が実現した。
日本の病院での温度管理はどのようになっているのだろうか。この記事を読んでふと疑問に思った。研究にも応用できる技術であるが、利用している施設はあるのだろうか?
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