2009/01/03

Saya's 薬学ニュース vol.47-インフルエンザウィルス薬の確保/肥満と糖尿病、心拍数の関係/ネット販売被害、対応の遅れ/無免許で医薬品販売/エイズキャンペーン成功!

<Today's news>
1. 抗インフルエンザウイルス薬の安定供給、医療機関、卸売販売業に周知要請 
2. 高い心拍数は肥満と糖尿病の素因
3. 楽天に市民団体が質問書 ネット購入薬の自殺未遂で  
4. 無免許で医薬品販売 ダイエーの全国39店舗 

おまけ. 成果みえてきた大阪市のエイズ対策 検査体制整備とキャンペーンが相乗効果  

抗インフルエンザウイルス薬の安定供給、医療機関、卸売販売業に周知要請 
2008/12/23 00:00-厚生政策情報センター 

[要約&コメント]
抗インフルエンザウイルス薬の安定供給を図るために、患者数等の動向を勘案して必要量を精査した上で、特定の医療機関、薬局に過剰な量が供給されないことがないよう、管内の医療機関や卸売業者等に対し、周知徹底するよう求めている。具体的には、卸売業者は注文量への配慮や分割納入への協力、納入時期等の情報を提供するよう記載されている。

今年のインフルエンザの流行りは、昨年に次ぐ早いものとなっているという記事も掲載されているため、各薬局で薬確保の勢いが大きくなることが予想される。薬の確保はもちろん重要であるが、自分の薬局だけがしっかり確保していればいいというわけではない。隣の地域では確保ができずにインフルエンザが流行って感染が拡大して…となっては全く意味がないのである。このような場合、お互い助け合えるようなコミュニティが作られればより効率が良いのではないだろうか。
参考記事:インフルエンザ流行開始 昨年に次ぐ早さ 感染研が発表 

高い心拍数は肥満と糖尿病の素因
2008年12月24日-m3.com 提供:Medscape ※m3.com閲覧には会員登録が必要です

[要約&コメント]
健康被験者を20年間にわたって追跡した研究グループが、調査開始時に心拍数が高かった者は肥満になる傾向が2倍、糖尿病を発現するリスクが5倍大きいことを報告した。肥満と糖尿病、いずれの発現にも交感神経系が関与していることを意味している。
参考記事:糖尿病の先在によって癌患者の死亡リスクが上昇する(m3.com 提供:Medscape)(癌診断時に糖尿病が先在する癌患者では、非糖尿病患者に比べて死亡のリスクが高い。)

血圧を測る際、心拍数も検査されることが多い。しかし、いつも気にしてみる項目は、収縮期血圧と拡張期血圧。心拍数は、100以上になっていないかなどを基準にしか見ていなかったのが、今回の記事で把握の必要性が感じられた。患者に対し注意を促すだけでも、効果のある実験といえる。

楽天に市民団体が質問書 ネット購入薬の自殺未遂で  
2008年12月24日-m3.com 提供:共同通信社 ※m3.com閲覧には会員登録が必要です

[要約]
インターネットで大量購入した一般用医薬品(大衆薬)の鎮静剤で当時19歳の少年が自殺を図り、重い後遺症が出た問題で、市民団体「薬害オンブズパースン会議」などは22日、少年が利用したサイトを運営する楽天に、この自殺未遂を把握していたかどうかなどをただす質問書を提出した。
購入者が年齢を入力せずに注文できたり、厚生労働省の通知に反する医薬品を買えたりする例が複数あるという。

無免許で医薬品販売 ダイエーの全国39店舗 
2008年12月24日-m3.com 提供:共同通信社 ※m3.com閲覧には会員登録が必要です

[要約&コメント]
大手スーパーのダイエーは22日、医薬品を販売するために必要な免許を取得していないグループの39店舗が2006年3月から今月14日までに計106品目、1121個の医薬品を販売していたと発表した。詳細は調査中という。各店舗に対して本部が商品を納入する際の手違いや、各店舗が発注する際に免許が必要なことを知らずに医薬品を発注したことが原因とみられている。

今までの医薬品販売のずさんさが浮き彫りになっている記事を紹介した。ネット通販の是非が話し合われている最中、このような対応をしている販売会社に対し、どの程度信頼を置けるだろうか。まだ話し合いが行われてからそんなに長くはないので、システムが間に合っていないとしても、今この時点でネット販売の意義や、対応変化を見せられなければ、生き残りは厳しいように思う。

おまけ... エイズ(HIV,AIDS)

成果みえてきた大阪市のエイズ対策 検査体制整備とキャンペーンが相乗効果  
2008年12月19日-m3.com 提供:じほう

[要約&コメント]
大阪市が昨年6月に策定した、2007年から11年まで5年間の「エイズ対策基本指針」が、早くも成果を挙げ始める兆しをみせている。特にHIV抗体検査の検査機会を増やす試みが奏功したとみられ、早期発見・早期治療への関心が高まれば、HIV感染の拡大が抑制できるため関係者の期待は高い。

つい最近(1か月近く前だが)Saya's 薬学ニュース vol.27でも紹介した、大阪でのHIV感染の拡大が、政策により徐々に変化を見せていることが今回わかった。市を掲げての啓もう活動が、このようにしっかりと形として成果が現れてくるのはとてもうれしいことである。大阪を例に次に動き出すのはどの都道府県であろうか。
参考記事:大阪のHIV感染、最多200人超 「潜在」はさらに…

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