2009/01/23

Saya's 薬学ニュース vol.62-糖尿病は脳機能を低下させる/喫煙は大腸がんのリスクも高めることが判明!/餅の丸のみが胃潰瘍の原因?!/花粉症対策「症状がでてから」が6割近く/医療崩壊-医師不足を切り口に-

<Today's news>
1. 糖尿病は脳機能を低下させる
2. 喫煙は大腸癌の罹患と死亡のリスクも高める
3. もち丸飲みで胃かいように
4. 花粉症対策「症状が出てから」が6割近く

おまけ. 医療崩壊 ~医師不足を切り口に~(2)

糖尿病は脳機能を低下させる
2009年1月9日-m3.com ※m3.com閲覧には会員登録が必要です

[要約&コメント]
厳格にコントロールされている場合でも、軽度糖尿病により精神機能が低下するという。糖尿病患者の反応時間と認知速度は共に正常であったが、新しい言語情報を迅速かつ正確に処理する必要のある課題については遅れがみられた。この障害は速度には影響するが、言語の流ちょう性には影響しなかった。

臨床的に重要ではないとしても、脳にも影響を与えることは確かである。視力、末梢神経、腎機能、脳、もはや全身に及ぶ影響は糖尿病の恐ろしさを表している。自覚症状がないのは幸いなのか、悪化に気づけない恐怖というべきなのか…少なくとも糖尿病の可能性があると言われた人は、全身の機能が低下してどうにもならなくなる前に、どうか治療を始めていただきたい。

喫煙は大腸癌の罹患と死亡のリスクも高める
2009. 1. 9-NMオンライン

[要約&コメント]
喫煙は、肺癌のほか、口腔、咽頭 喉頭、食道、胃、腎臓、膀胱、子宮頸部、膵臓などの癌のリスクを高めることが示されている。だが、大腸癌と喫煙の関係を調べた研究では、一貫した結果が得られていなかった。
1日の喫煙本数が10本増えるごとに、リスクは7.8%(5.7%-10.0%)上昇した。10pack-years増加当たりのリスク上昇は4.4%(1.7%-7.2%)だった。リスク上昇傾向が認められるのは約10年を経過した時点で、統計学的有意性が見られるのは30年後からだった。

喫煙者には耳が痛い話かもしれない。これを聞いてもやめる気になれない、やめられないのは本人にとってもつらい話なのだろう。しかし、私には同情はできない。強い意志をもってやめている人たちは少なからずいるからである。現在全体的に喫煙者は減少傾向にあるが、未だに男女とも30%前後の値を示しているのが現実である。

もち丸飲みで胃かいように
2009/01/13 22:15-キャリアブレイン

[要約&コメント]
「食物が異常な大きさのまま胃内に長期間滞留した場合、胃酸が出続けて出血性病変を生じる可能性がある」という。食べ物が長時間残っていたため、胃液が出続け、胃角部で接触性の粘膜障害を来し、胃かいようができてしまうケースが見つかった。このほか丸飲みしたシラタキや結びコンニャク、ギョーザ、大量の寒天などでも起こる可能性があるとのことなので、注意が必要である。

胃潰瘍らしきものを持っている自分にとっては興味深い記事だったので紹介した。これを見た限りでは、胃潰瘍の原因も様々だなぁ、と感じてしまう。コンニャクや寒天は健康食品としても販売されているので、薬局で購入する際は一言注意を呼び掛けるのも親切かもしれない。

花粉症対策「症状が出てから」が6割近く
2009/01/13 15:48-キャリアブレイン

[要約&コメント]
日本人の5、6人に1人が罹患し、「国民病」ともなっている花粉症について、花粉症を自覚している人の6割近くが、症状が出てから対策を始めていることが明らかとなった。
また、「花粉症状に対し、どのような薬で治療しているか」との問いには5056人が回答。「市販の目薬」が1471人(29.1%)で最も多く、次いで、「病院での処方薬」が1243人(24.6%)、「市販の内服薬」が819人(16.2%)、「市販の点鼻薬」が768人(15.2%)などだった。

日本にいたころは、1月頃から花粉症に控えて薬を服用していたことを覚えている。だいぶ楽になるのだが、この調査ではその有用性を多くの人は知っていないようだ。今年の花粉は例年よりも多いとのことなので、あらかじめ準備が必要なのと、投薬時に花粉症薬を服用している人のためにも、来年のアドバイスをしてあげると喜ばれるかもしれない。

おまけ...

医療崩壊 ~医師不足を切り口に~(2)
2009年1月10日-NBオンライン

[要約&コメント]
日本全国には約9000の病院がある。2006年、医療費削減により全国の病院の43パーセントが赤字であったという。医業収入よりも医業費用のほうがかかっているために、医業をやればやるほど赤字になるのが公立病院の今の現状なのである。
また、救急医療の性質上、患者の出入りは予想がつかないため、救急体制を充実させようとすれば、採算性の悪化は避けられない構造になっている。

医師不足は医療界では重要なトピックの一つである。公立病院も次々と経営難に追い込まれることももはや日常茶飯事である。なぜこんなことが起きているのか、分かりやすく説明されているので一読の意味はありそうだ。

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