腎臓病の新薬開発へ成果
2008/11/24 03:00-キャリアブレイン
[要訳&コメント]
塩分摂取が慢性腎臓病に与える分子メカニズムを、東大医学部附属病院のグループが、マウスを使った実験などで解明した。腎臓病の新治療薬開発につながると期待されている。
塩分の過剰摂取が高血圧を引き起こしたり、心臓や腎臓の機能に障害を与えたりすることは知られているが、その原因やプロセスについては、不明な点が多かった。今回塩分の過剰摂取がRac1とMRを活性化させ、腎臓障害を発生しやすくすることを突き止めた。
腎生涯の患者はどんどん増えており、現在慢性腎臓病患者はおよそ400万人。このうち約27万人が透析治療を受けているという。透析になると頻繁な通院が必要になり、透析の後の疲れなどもあり患者のQOLを低下させている。今回新たなメカニズムが明らかになったことで、新薬開発に一歩前進したしたようだ。腎疾患患者に対する投薬においても、一つ伝えられる事実が増えたのではないだろうか。
C型肝炎の治療薬、2ウイルスに効果 研究成果
2008年11月24日 20:37-AFPBB News
[要訳&コメント]
C型肝炎の治療薬として試験中の薬剤が、ラッサ(Lassa)熱ウイルスと同系列のウイルスなど2種類のウイルスに対し、大きな効果を発揮すると発表された。
薬剤名:Bavituximab
薬効:C型肝炎の治療薬として臨床試験段階。
作用機序(今回発見されたウイルスへの作用):ウイルスが細胞に感染した時点で、通常は細胞壁の内側表面に存在するリン脂質、ホスファチジルセリン(phosphatidylserine)が細胞の外側に現れると、Bavituximabがホスファチジルセリンに取り付き、感染細胞を破壊するために白血球細胞を送るよう免疫系に危険信号を送る。
製薬会社:ペレグリン・ファーマシューティカルズ(Peregrine Pharmaceuticals)
今回ウイルスへの効果が試験されたのは、生物兵器テロに用いられる可能性のあるウイルスへの効果を見るためであったという。C型肝炎だけでなく、他のウイルスにも新しい作用で効果を持つようになれば、抗生剤や抗ウイルス剤の耐性や変異などの問題への解決策として期待できる。ただし、臨床検査段階での副作用の有無や重症度などは記載されていないのが気になる。果たして承認されうる薬剤なのだろうか。
こころとからだの相談室:漢方薬の服用上の注意(2)西洋薬と漢方薬
2008年11月24日-毎日新聞
[要訳&コメント]
質問内容:最近、どこの薬局でも漢方薬のコーナーが設けられ、一般の薬と同じように購入できるようになりました。漢方薬をあまり知らない人が使用する際の注意点など教えてください。
最近売られている漢方薬は、服用する上で利便性からエキス剤の顆粒が多いが、本来は、生薬を煎じたものを服用する方法が吸収量にも優れていることから最も効果的と考えられている。市販されているものを服用する場合は、水で服用するよりもお湯に溶かして服用するとより吸収率が良くなるという。
また、お茶・牛乳やジュースで服用すると吸収が低下してしまうので、できるだけ水または白湯での服用がベスト。
小児や高齢者の場合は、服用量にも注意する必要がある。漢方薬を複数服用する場合、同じ成分が入っているものもあるので、成分なども確認していただきたい。特に多くみられるのが「甘草(カンゾウ)」。足のつりや痛みを和らげる処方でよくでる「芍薬甘草湯(シャクヤクカンゾウトウ)」を服用している高齢者は多いので、他に服用している漢方薬に甘草がはいっていないか確かめることが重要である。もし、違う処方にも甘草が含まれている場合、「むくみ、高血圧、手足の筋肉に力が入らない」などの症状が現れていないか、再確認してもらいたい。
*その他の注意すべき症状
地黄(ジオウ)、当帰(トウキ)、川きゅう(センキュウ)、山梔子(サンシシ)、大黄(ダイオウ)、芒硝(ボウショウ):吐き気、食欲不振、胃もたれ、腹痛、下痢などの胃腸症状
(特に大黄、芒硝:腹痛や下痢)
柴胡剤(サイコザイ):間質性肺炎や肝障害
気になる症状が出てきた場合、常用量を続けて飲むのではなく、飲む回数や1回の量を減らすなど工夫するとよい。多数の西洋薬を服用している患者さんや、腎疾患などで透析をしている場合は、漢方の服用には制限があるため、専門家に相談することをお勧めします。
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