<Today's news>
1. 薬剤師が後発品に変更しないワケ
2. 医師向け後発品研修会開始 不安払拭で使用促進狙う
3. 2008年AES:専門家らは抗てんかん薬と自殺リスクに関するFDAの見解に反論
4. インフルエンザ流行開始 昨年に次ぐ早さ 感染研が発表
おまけ. 「労働力」ではない「質」を見据えた医師養成を ~「6年制」は長いが、「医師バカ」を防ぐための重要な期間~
薬剤師が後発品に変更しないワケ
2008. 12. 10-DIオンライン
[要訳&コメント]
後発品への変更が可能な処方せんを受け付けたにもかかわらず、薬局での変更に至らなかった事例について、何が原因となっているのかを探った。後発品に変更しない理由を薬局薬剤師に尋ねたところ、「患者が希望しないから」が79.8%と最も多く、「先発品との価格差が小さいから」(38.3%)、「後発品の備蓄が不十分だから」(32.5%)がそれに続いた(図)。
2007年調査に比べ、情報提供体制や供給体制に対する不安は幾分解消されたものの、現場の後発品に対する不信感はまだ根強いのが実情といえる。
後発医薬品の値段が安いのは、開発費の抑制のみならず、MRの人件費削減なども含まれているということは今回初めて知った。患者が希望しない、が79.8%となっているが、沢井製薬が行った患者向けアンケートでは、後発医薬品を希望する患者の割合が92.8%でであったことから、「希望しない」のではなく、「同希望したらよいのかわからない」のが現状なのではないだろうか。薬剤師が尋ねられなければ後発品の説明をしない、という調査結果からもわかるように、患者側も対応に困っているのではないか。
参考記事:ジェネリック医薬品での処方・調剤を依頼する患者さんが着実に増加 前回13.2%から20.5%へ(沢井製薬) ジェネリック医薬品について、依然として半数を超える薬剤師が“患者さんから尋ねられたら説明”(沢井製薬)
関連記事:後発医薬品アンケート<1> 2008年の後発品調剤は前年から倍増後発医薬品アンケート<2> 医師・薬剤師が先発品にこだわる薬はこれだ!
厚生労働省 医師向け後発品研修会開始 不安払拭で使用促進狙う
2008年12月12日-m3.com 提供:じほう ※m3.com閲覧には会員登録が必要です
[要訳&コメント]
厚生労働省は、後発医薬品の使用を促進するため、医師向け研修会を今年度から開始する。研修会では、後発品の使用経験が豊富な病院の医師が、診療や経営に与える影響などについて講演する。研修を通じて、後発品使用促進のネックとなっている「医師の後発品に対する不安や疑問」を払拭したい考えだ。
処方するのは医師。後発品変更不可のサインをするのも医師。これらのことから考えられた研修だろうか。確かに、現段階ではいくら薬剤師が説明しても、医師がダメと言うなら…と医師の主張を優先させたいと考えている患者も多い。これは、利害関係によるものなのかもしれないが、薬剤師の職能の問題でもある。それにしても、薬剤師に対する研修会はないのだろうか?
2008年AES:専門家らは抗てんかん薬と自殺リスクに関するFDAの見解に反論
AES 2008: American Epilepsy Society 62nd Annual Meeting. Presented December 5, 2008.
[要訳]
抗てんかん薬(AED)は自殺リスクを高めることを示す米国食品医薬品局(FDA)の最近の見解は、てんかん患者および潜在的には今後のAED臨床試験にとって不幸な結果を招くおそれがある、とてんかんの専門家らは懸念している。
「てんかん患者の自殺リスクは3倍高いことが研究で示されている。すべての医師は、てんかん患者の評価の一環として、気分障害と不安障害の有無を検討する必要があるが、「自殺リスクの上昇はすべての薬剤に認められたわけではなく、その理由については説明されていない」とのこと。
インフルエンザ流行開始 昨年に次ぐ早さ 感染研が発表
2008年12月17日-m3.com 提供:毎日新聞
[要訳&コメント]
国立感染症研究所(感染研)は17日、全国約5000カ所の医療機関を対象に実施しているインフルエンザの定点調査で、定点あたりの患者数が1・62人(12月1-7日)に上り、全国的な流行開始の指標になる「1・0人」を超えたと発表した。過去10年間で最も早かった昨シーズンに次ぐ早い流行入りとなった。感染研は予防接種などの対策を呼びかけている。
参考記事:インフルエンザの流行始まる(キャリアブレイン)、インフルエンザ全国で流行 過去3番目に早い開始 感染症研究所速報(共同通信社)(検出が多いウイルス(9月以降)は、A香港型(52%)、B型(27%)、Aソ連型(21%)の順で、A香港型が増加傾向だという。)
今年のインフルエンザは急速に流行しており、各地で学級閉鎖などのニュースが出ている。流行の型もA香港型が他の倍近くである。米国などでは、タミフルに耐性のインフルエンザが流行しているとのことで、危険を呼び掛けている。タミフル依存の日本も、耐性の発現はすぐ間近に迫っているかもしれない。
おまけ...六年制
「労働力」ではない「質」を見据えた医師養成を ~「6年制」は長いが、「医師バカ」を防ぐための重要な期間~
2008年12月17日-m3.com
[要訳&コメント]
医学生のホンネ座談会において、座談会に参加した医学生3人とも異口同音に、「医学部6年生は長いが、多様な医師養成には必要な期間」と語る。
ある学生は、「4年間で医学教育はできるかもしれませんが、それがいいかは別。「職人」を作りたいんだったら、4年制でもいい。しかし、無駄でもいいから、いろんなことを経験させる。それで、いろんなタイプの、いろんなことを考える医師が誕生する。この点が日本の医師養成課程が、他の国とは違う特徴かという気もしています。」
「今、6年間かけて実施している教育は、6年間かけなくても十分にできると思います。ただ、「医師バカ」というか、医学のことしか知らない人が、患者さんと話しても…。だから人間としての幅を広げるためには、6年間かけることはいいことで、本を読んだり、社会に目を向けて活動する時間があることは大切。」
さらに、初期研修に関しては、「やはり1年にするのは短すぎる。後期研修で病院を変えたい場合もあるので。この初期と後期で病院を変える仕組みは残してほしい。」
などの意見が出ている。
薬学も六年制となり、未だにカリキュラムが確立していない大学も多々見られる。医師の六年制に習っている部分があるのであれが、これらの学生の意見も参考?になるかもしれない。
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