2008/12/15

Saya's 薬学ニュース vol.29-慢性の頭痛、はり治療が薬より有効/インフルエンザ流行の兆し 患者増、昨年に次ぐ多さ/「ネットで安全は買えるのか」対面販売の重要性訴えフォーラム/乳がん検診に前向きな女性が9割超 /60歳以上開業医の約3割が「辞める」-オンライン請求義務化

とうとうエドモントンは冬本番?で-25℃をマークしました。どんだけ寒くなるのかなぁ?とずっと恐れていたけれど、日本のような底冷えはなく、しっかり防寒すれば芯まで冷える、ということはないようです。もちろん-25℃は寒いけれど、日本の寒さのほうが、どっちかというと嫌いかな・・・

さて、たまりにたまっている薬学ニュースをさばいていきましょう!!といっても、気になるニュースがたくさんありすぎて、なかなか当日のニュースまでに行きつかない状況です…

慢性の頭痛、はり治療が薬より有効=米研究
2008年 12月 2日 16:47-ロイター

[要訳&コメント]
慢性的な頭痛の軽減にはアスピリンなどの薬よりもはり治療が効くとの調査結果が発表された。

片頭痛で悩む人は、薬の確保に必死で、よく効いていた薬が製造中止になった知らせを聞いた時、すがる思いで薬局に電話をしてきたことを覚えている。その人のために薬を確保してあげたかったが、法律上それはできないので、断らざるを得なかったのが悔しかったことがある。そんな人たちへの第二の選択肢として、はり治療が有効であるという話は今回初めて聞いたが、欠点として通院が必要であるということ。最低5~6回の通院が必要であるという。薬の服用であれば、頻繁な通院は必要ない。本気で悩んでいる人は、試したいと思う記事かもしれないが、その効果の差はそこまで大きくなく、人によっては同等かそれ以下の効果しか得られない場合もあるということを覚えておいてほしい。

インフルエンザ流行の兆し 患者増、昨年に次ぐ多さ
2008.12.2 20:22-産経新聞

[要訳&コメント]
インフルエンザ患者の報告数が急増しており、近く全国的な流行が始まりそうなことが調べでわかった。全国的な流行開始の指標である、定点当たり1・00人(11月23日までの1週間で定点当たり0・56人)を近く超える可能性が高いとみている。台風が今季一度も本州に上陸せず、空気が乾燥していることが原因との指摘もある。
参照記事:大阪でインフルエンザ早くも猛威 全国の4割占め学級閉鎖相次ぐ 「お茶」 インフルエンザを予防 効果的な「うがい」 化粧水や風呂にも◎

今の時期話題のインフルエンザ、今年は昨年に続いて患者数が急増しているというのが気になるところ。高齢者や、特に小児の場合は感染率が高いようなので、予防注射はもちろんのこと、インフルエンザの流行には、空気の乾燥により鼻やのどなどの粘膜が弱ることが関係するとみられているため、うがいや手洗いなどの基本的な予防策が重要である。特にカテキンを多く含む「緑茶」でのうがいは抗菌作用の点で効果も高く、食生活から取り入れることができるので是非みなさんにも実行していただきたい。カテキンの作用は嘘ではなく、しっかりと研究により実証されおり、その効果の幅はもはや想像の範囲を超える。だまされた、と思って試した人にはいいことがあるかも☆

「ネットで安全は買えるのか」対面販売の重要性訴えフォーラム
2008/12/03 15:05-キャリアブレイン

[要訳&コメント]
薬害被害者団体や消費者団体などでつくる「緊急フォーラム実行委員会」が、東京都内で「なぜ薬は対面販売されるのか―ネットで安全は買えるのか」をテーマにフォーラムを開いた。
・「一般用医薬品では、副作用などの重要な事実が添付の文書に記されてはいるものの、簡単に、他の箇所と同じように記載されていることが多く、情報に『重み』がない。
・「薬局などで売られている医薬品は、パッケージを見れば、医薬品の情報を得ることができるが、ネットだと宣伝に都合のいい文句だけを書かれる可能性がある。」
・「わたしたちはただ、『ネット通販反対』と言っているわけではない。一般用医薬品販売の基準をどこに定めるか、ということが問題。長期間にわたる議論を経て、対面販売の原則を確立した今の段階では、きちんとその原則を貫くのが適切だろう、というのがわたしたちの主張だ」

今までも何度も取り上げてきているOTC医薬品のネット販売に関する話題だが、今回の記事は訴えている内容にも深みがあり、どこか人を引き付けるような、納得させるような意見が見られた気がする。確かにネット販売になれば、販売促進のための宣伝文句などが強調され、安全面での表示が陰になってしまう可能性も否定できない。ネット販売の継続には個人的に賛成だったが、この点がはっきりとされない限り、安全使用の面ではネット販売の継続は難しいかもしれない。ネット販売を禁止するにしても、継続するにしてもこの点は明確にしてほしい点である。

おまけ...ピンクリボン-乳がん
乳がん検診に前向きな女性が9割超
2008/12/04 13:55-キャリアブレイン

[要訳&コメント]
30-50歳代の女性の9割以上が、乳がん検診を「受けたい」と前向きにとらえていることが、意識調査の結果から分かった。一方、「検診を受けたことはないが、受けたい」と答えた339人に、今まで受診せずにきた理由を聞いた結果では、「診察中に行くことが困難だから」が17.1%(58人)で最多。以下、「マンモグラフィーは痛そうだから」16.8%(57人)、「自分が乳がんになると考えたことがなかったから」(11.7%)などが続いた。「どこで受診すればよいかわからないから」とする回答も11.7%(40人)あった。
参考:乳がん.jp

「余命1か月の花嫁」の影響で世間にも乳がんの認識が広まるようになったこともあり、イベントブースでは「乳がん検査」などの目がよく目につくようになった。気にしている女性が多いことは上記のアンケートからも明らかだが、「検診を受けたことはないが、受けたい」が45.3%(339人)を占めていることから、まだまだ検査の実施までにはいきついていないようだ。「余命1か月の花嫁」でも、早期発見・早期治療が助かるための一番の方法、と呼びかけていることもあり、認識を拡大させる次のステップとして検診の利便性が次の課題になると考えられる。それにしても、ここまで影響力をみせるTVの力には、本当に驚かされる。

おまけ...レセプトオンライン請求義務化
60歳以上開業医の約3割が「辞める」-オンライン請求義務化
2008/12/02 09:39-キャリアブレイン

[要訳&コメント]
2011年4月からレセプト(診療報酬請求書)のオンライン請求を義務化*する厚生労働省の方針に対し、60歳以上の開業医の約3割が「義務化されれば、開業医を辞める」と考えていることがわかった。「地域の患者の健康などを熟知したベテラン開業医が、オンライン請求義務化で廃院すれば、地域医療に深刻な影響を及ぼす。個々の医療機関の実情に応じた柔軟な対応が必要で、義務化は撤回すべき」と指摘している。

レセプトオンライン請求義務化に関しては、前々から取り上げているが、開業医に深刻な問題としてとらえられていることがわかる。ただでさえ医師不足で大きな問題を生んでいる状態で、しかも地方の開業医は、地域医療に欠かせない状態です。そんな医師が少なくともアンケートで答えた747人が廃業することになれば、地方の人はどのように医療の質を維持していくことができるだろうか。これは確かに無視できない結果のように感じた。
*レセプト(診療報酬)の請求については、
・手書きで紙レセプトを提出
・レセプト作成用コンピュータ(レセコン)で紙レセプトを作成・提出
・レセコンでデータ作成し、CD-Rやフロッピーディスクなどの記録メディアで提出
・レセコンで作成し、データ送信用パソコンからISDN回線やインターネット回線を用いてオンラインで電子的に請求
-の4つの方法がある。厚労省は、11年度以降原則、オンライン請求を義務化する予定だ。

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