2008/12/26

Saya's 薬学ニュース vol.40-死因第4位の肺炎の予防法は?/「頓服」=鎮痛薬?/新たなワクチン承認/エイズの感染機序が明らかに?!/後期医療・無保険者の高齢者10数万人?!

<Today's news>
1. 肺炎 国内の死因第4位で9割は高齢者。予防法は。 
2. 「頓服」、自分が処方された経験からの誤解多数 
3. 「ヒブワクチン」、19日から任意接種が可能に 
4. HIVは正常な女性性器の皮膚を短時間で通り抜ける

おまけ. 「『後期医療』は見直しではなく廃止を」、「無保険」の高齢者、十数万人の恐れ

肺炎 国内の死因第4位で9割は高齢者。予防法は。 
2008年12月16日-m3.com 提供:毎日新聞 ※m3.com閲覧には会員登録が必要です。

[要訳&コメント]
インフルエンザが流行する季節は肺炎も多発する。肺炎が原因で亡くなる人はがん、心疾患、脳血管疾患に次ぎ、4番目に多い。肺炎で死亡する人の9割以上は65歳以上。高齢者をかかえる家族は、肺炎にならない予防策を取ることが大切だ。
肺炎球菌による肺炎の治療ではペニシリン系の抗生物質を使うが、最近は薬が効きにくい耐性菌が現れてきた。そこで注目されているのがワクチン接種だ。ワクチン接種した人はしない人に比べ、死亡率は約7割も下がる。欧米では子ども専用ワクチンが認められている。

意外に多い死因となっている肺炎。最近では、耐性菌の発生によりさらに事態は深刻になっている。ワクチンの摂取により7割も死亡率が下がるのであれば、徹底する必要があるのではないだろうか。相談窓口などがあるといいのだが。

2008年12月16日-m3.com

[要訳&コメント]
国語研調査では、患者の34.1%が「鎮痛剤」と誤解、33.4%が「解熱剤」、16.2%が「包装紙に包んだ薬」と誤解していた(他にも「粉薬」、「座薬」など)。これは、自分が過去に「頓服」として処方された薬を「頓服薬」として思い込んでしまう(例えば、解熱剤を「これは頓服です」として処方されたことのある患者は「頓服」イコール「解熱剤」と思い込むなど)ことが原因とされている。

薬局でも、「頓服」という言葉をよく使うが、あまり気にとめていなかった。こんなにも勘違いがみられるとは。薬袋に「頓服」と書かれていても、必要時に服用する薬であることをしっかり説明しておく必要があると感じた。

2008/12/17 09:10   キャリアブレイン

[要訳]
子どもが感染しやすい「細菌性髄膜炎*」を予防する「ヒブワクチン」が、12月19日から任意接種できる。
*「細菌性髄膜炎」
脳を浮かべる髄液の中に菌が侵入して炎症を起こす。日常的に存在するヒブ(ヘモフィルスインフルエンザ菌b型)や肺炎球菌などによって発病する。

2008年12月16日/HealthDay News Nikkei NET

[要訳&コメント]
エイズの原因ウイルスであるHIV(ヒト免疫不全ウイルス)が男性から女性に感染する新たな経路が明らかにされた。長い間、正常な膣上皮は性交時にHIVの侵入を防ぐ壁となると考えられてきたが、HIVが正常な性器の組織を通り抜け、約4時間で免疫細胞に到達することを突き止めたという。

ウィルスの感染経路や特徴がつかめてくれば、新たな治療薬にも大きく近づける。Saya's 薬学ニュース vol.31でもエイズ(HIV)のワクチン開発により新たな感染者の根絶を意気込んでいるが、数年後にはもしかしたらエイズの新たな感染者数が大きく減少する、という夢が見られるかもしれない。しかし、今の時点でできることはコンドームをつけて自分の身は自分で守ること。それが唯一の、一番の回避方法なのである。
参考記事:HIV感染、数年内根絶も ノーベル賞のモンタニエ氏(産経新聞)
おまけ...後期医療
2008/12/15 13:55-キャリアブレイン

[要訳]
4月に始まった「後期高齢者医療制度」は、「国民を年齢で機械的に差別する人間の尊厳を無視した世界に例がない差別的医療制度」として、35を超える各種団体でつくる「後期高齢者医療制度の廃止を求める東京連絡会」が、「12・14後期高齢者医療制度の廃止を求める東京大集会」を開いた。廃止を求める署名が75歳以上の都民の半数を超える63万人余りに達していることなどを紹介。
 
2008/12/16 21:39-キャリアブレイン
 
[要訳&コメント]
「後期高齢者医療制度」の保険料徴収で、年金受給額が年額18万円未満の人などを対象にした「普通徴収」の滞納率が福岡や青森県で10%を超えることが、明らかになった。低所得の高齢者は全国で約200万人と見られており、この数値から推計すると、「無保険」の高齢者が十数万人に及ぶ可能性がある。
 
国民が動いた。。。
この医療制度が開始されてからは、一向に鎮まることのない反対意見。保険料の滞納により、事実上無保険の高齢者が十数万人いるという予想は恐ろしいものではないだろうか。「すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。」この言葉からも、恵まれた保険「国民皆保険」で守られてきた日本。それがどんどん形を変えてゆく。しかし、国民も忘れてはならないことは、国が大部分を保証しているということ。1割負担が2割になり、2割負担が3割負担へ…と徐々に移行してきているが、それでも7割近くは国で賄われているのだ。情勢が悪化すればもちろん生きる方法も変わる。今まで守られて来たからと言って、それがずっと続くとは思ってはいけない。守られてきたことによる甘さが見受けられる事もあるが、今は皆が協力して立て直していく必要がある、ということを、一人ひとりが再認識していただきたい。

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