新薬など優先審査 先端医療開発 特区に24件
2008年11月18日-読売新聞
[要訳&コメント]
先端医療の早期実用化を促進する「先端医療開発特区(スーパー特区)」に、京都大教授のチームなど計24の研究グループを選んだ。日本が優位に立つ分野で新薬や医療機器の審査を迅速化するなどして、国際競争力を強化する狙いがある。
、〈1〉iPS細胞の応用(2件)〈2〉再生医療(5件)〈3〉医療機器の開発(8件)〈4〉バイオ医薬品の開発(4件)〈5〉がん・難病などの医薬品・医療機器研究開発(5件)が選ばれた。
新薬開発には、一つの医薬品に対し12憶程度かかる、ということをよく耳にするが、その治療薬の開発を唯一の希望として心待ちにしている人たちもたくさんいる。医療は様々な形で進化を遂げ、治療不可と考えられていた疾患までも薬での完治が可能になっている。現在死亡率No.1の癌も、近い未来治療が可能になるときが来るかもしれない。しかし治療において最も重要なことはQOLであり、ただ単に命を延ばすことではない。薬を服用することで副作用に苦しみながら生き延びることはある意味地獄である。これらの研究により、多くの人たちのQOLを挙げられるような技術が発展してほしいと願っている。
こころとからだの相談室:COPDの治療について
2008年11月21日-毎日新聞
[要訳&コメント]
質問内容:痰がからむので、受診したところCOPDと診断されました。吸入型気管支拡張剤(チオトロピウム)を処方され、3日間服用すると症状は改善しましたが、下痢など副作用がひどかったので中止。医師と相談し、緑内障もあるためチオトロピウムは、痰がからむ時だけ使用することにしました。
今後どのような治療をすればよいでしょうか? また、緑内障に影響を及ぼさず、痰のからみを改善する薬は、ないでしょうか?
COPDの患者さんにチオトロピウムを処方する場合には、気管支を拡張させて動いたときの息切れを軽減し、日常生活での活動や生活の質を向上させることを期待して使います。
チオトロピウムを使用する際に注意しなければならないのは、緑内障の患者さんと前立腺肥大症による排尿障害のある患者さんです。外用薬(吸入薬)を使うことで、血液中に入る量は吸入された薬剤の約3%程度となるため、医師はこの点を考慮した上で使用を勧め、同時に検査をまめに行っていると考えられます。
緑内障を気にせずに痰をコントロールするには、β2刺激薬という気管支拡張薬や去痰薬がよく使用されます。漢方にも去痰作用のある薬があるため、これらを併用もしくは単独使用されているケースが多いです。
おまけ…海外の医療〈米〉
医療格差の国アメリカ 「健康への無関心」で慢性疾患が増殖
2008年11月17日-DIAMOND ONLINE
[要訳&コメント]
先進国のなかで唯一「国民皆保険制度」を導入していない国、アメリカ。収入格差がそのまま医療格差に繋がっており、病気になっても十分な医療サービスを受けられない人も多い。また、米国は専門医が多いものの、プライマリーケア(かかりつけ医による日常的な診察)が一般化していない。そのため、軽症の患者が大病院に溢れ返っている。
しかし最大の問題点は、低所得者を中心とした「健康への無関心」であると、かつてブッシュ政権で医療総監を務めたリチャード・H.カーモナ氏は警鐘を鳴らす。
医療制度の話になると、よく例に挙げられるのがアメリカの医療。マイケルムーア監督の映画「Sicko(シッコ)でも、おなじみのものとなっている。アメリカの医療費は年々膨れ上がり、年間の医療費総額はGDPの16%に匹敵する2兆ドルに上っているという。これが日本の2倍を超える水準だというから驚きである。個人的には、日本の医療費増大に関して不安を感じていたが、その2倍以上の医療費がアメリカでは消費されている。人口を考えれば分からなくもないが、2兆ドルと言われてもいまいちぴんと来ないのは私だけだろうか。
メタボリックに関しては、食生活から見れば確実に日本よりアメリカでの取り組みが必要と考えられるが、政策や対応に関しては日本のほうが進んでいるというから怖い事実である。そんな遅れた対応では、生活習慣病患者が増えるのは容易に想像できる結果である。このような機会に国際協力は利用されるべきなのではないだろうか。
0 件のコメント:
コメントを投稿