<Today's news>
1. 非アルコール性脂肪性肝疾患への、高濃度茶カテキン飲料の効果を検証 継続摂取により、肝臓の脂肪蓄積や酸化ストレスが低減
2. クロピドグレルの血小板凝集抑制、CYP2C19遺伝子多型が関与
3. ジェネリック医薬品での処方・調剤を依頼する患者さんが着実に増加 前回13.2%から20.5%へ
4. ジェネリック医薬品について、依然として半数を超える薬剤師が“患者さんから尋ねられたら説明”
おまけ. 社会保障カードは医療費抑制など促進-保団連
非アルコール性脂肪性肝疾患への、高濃度茶カテキン飲料の効果を検証 継続摂取により、肝臓の脂肪蓄積や酸化ストレスが低減
2008年12月11日-花王株式会社
[要訳&コメント]
肥満が関わる生活習慣病の一つである非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD:non-alcoholic fatty liver disease)について、高濃度茶カテキン飲料の効果を検証したところ、肝臓への脂肪蓄積低減による肝機能改善や、活性酸素の過剰発生による「酸化ストレス」を低減させることがわかった。
カテキンの話題はなぜか気になります。知り合いが研究しているせいもあるかもしれません。その研究者の話を効いていると、カテキンは食品の中に含まれているのに、とんでもない効果を将来発揮してくれるのでは?という期待を抱かずにはいられません。こういう話を聞くと、つい効果ばかりに気を取られてしまいがちですが、同時に、食品に含まれている成分であっても、大量に摂取すると安全の域を超えて害を生じさせる危険性がある、ということも忘れてはならないのです。特に”健康食品“を過剰に信じて利用している人たち、忘れてはなりません。
クロピドグレルの血小板凝集抑制、CYP2C19遺伝子多型が関与
2008年12月11日-薬事日報
[要訳&コメント]
クロピドグレル*は、冠動脈血栓症やステント血栓症などの治療に使用されているが、血小板凝集抑制作用には個体差があることが知られている。その原因としては、薬物代謝酵素のCYP2C19遺伝子の多型の関与が示唆されている。
この遺伝子多型には人種差もあり、米の3%に対し、日は20%であるという。病院で働く人には必要な情報だろうか。
*クロピドグレル
商品名:プラビックス
薬効:チエノピリジン系抗血小板剤
特徴:チクロピジン(パナルジン)と比べ、肝障害などの重い副作用がやや少ないとされる
ジェネリック医薬品での処方・調剤を依頼する患者さんが着実に増加 前回13.2%から20.5%へ
2008年12月11日-沢井製薬(プレリリース)
[要訳]
2008年4月の制度改正から半年後の処方・調剤環境を調査するため、400名の患者に対し意識調査が行われた。患者さんの「ジェネリック医薬品」認知率は97.0%と非常に高く、ジェネリック医薬品での処方・調剤を依頼した経験のある患者さんは、20.5%(5月の調査:13.2%)と増加していた。また、実際にジェネリック医薬品を処方・調剤された患者さんも26.3%(前回18.0%)と増加傾向にある。
ジェネリック医薬品を「処方・調剤して欲しい」とする患者さんは92.8%(前回91.6%)と非常に高いのがわかる。
ジェネリック医薬品について、依然として半数を超える薬剤師が“患者さんから尋ねられたら説明”
2008年12月12日-沢井製薬(プレリリース)
[要訳&コメント]
また、上記記事に続き薬剤師300名に対する調査においては、実際にジェネリック医薬品への変更が可能な処方せんを応需した際、「常に説明している」薬剤師は14.3%、「患者さんから尋ねられたら説明をしている」薬剤師が依然として最も多く51.0%という結果になった。
参考記事:「尋ねられたら説明」が半数以上占める‐沢井製薬が意識調査(薬事日報)
ジェネリック医薬品に関する意識調査を患者側と薬剤師側とで2つの記事を紹介したが、患者の意識が高いのに対し、その期待に応えられていない状況がわかる。「常に説明しない」理由がどこにあるかを調べたら、さらに面白いのではないだろうか。それにしても、認知率が97.0%、変更希望をしている率が92.8%とう数字には驚いた。実際に現場にいても、(ジェネリックを推進している会社であったが)変更希望者は感覚的には70%程度のものと思っていた。金額の違いを見て、そこまで変化がなければあえて先発品を選ぶ患者が多かったのだ。高収入で金額を気にしないような地域で働いていたのも、一つの理由かもしれないが。
おまけ...社会保障カード?
社会保障カードは医療費抑制など促進-保団連
2008/12/10 22:49-キャリアブレインおまけ
[要訳&コメント]
来年3月末までに基本計画をまとめる「社会保障カード*(仮称)」について、全国保険医団体連合会(保団連)は、「医療費抑制や社会保障給付費の削減を図る『社会保障個人会計』につながり、導入には反対する」との見解を発表した。その理由として、医療、介護、年金などの個人情報が、国に一元管理される恐れがある」とした上で、「個人情報の流出や、国や民間保険会社などによる“データの悪用”が危惧(きぐ)される」を指摘している。
一見便利にみえるこのカード。実際はどうなのだろうか。様々なカードが別々になっており、保管に苦労している人もいれば、医療機関などへの提示の際に面倒であることも確かである。しかし、果たして国と民間保険が有する情報を統一してもよいものだろうか。この件についてはこの先も議論を重ねていきたい。
* 「社会保障カード」(仮称)
「国民一人ひとりに付けられた統一的な番号を基に、健康保険証、介護保険証、年金手帳などの機能を1枚のカードにまとめられるもの。
0 件のコメント:
コメントを投稿