2008/12/03

Saya's 薬学ニュース vol.21-販促効果の向上を狙い、POSデータと携帯サイトの会員情報を連動/リンパ節注射による花粉症の免疫療法に期待/薬剤師の「過労死裁判」で遺族が控訴

今日は久しぶりに雪が降りました。エドモントンでは、真冬になると零下30~40℃になるといわれています。寒すぎることもあり、雪の量は少ないのですが、今年は例年に比べて寒くなるのも遅く、雪も少なく感じるといわれます。私にとってはラッキーなのですが♪

さて、まだまだたまっているニュースを徐々に紹介していきましょう。

2008/11/25-ITpro

[要訳&コメント]
関東地方などでドラッグストアを展開するウエルシア関東(埼玉県さいたま市)は2008年12月から、店頭のPOS(販売時点情報管理)データと携帯サイト「ウエルシアのe情報」の会員情報を連携させた販促強化策に乗り出す。
ポイントカードに記録するPOSの売り上げデータと会員情報を照合し、販促メールを送った顧客が来店したかどうかや、販促をかけた商品を購入したかどうかを確認できるようにする。

今は携帯サイトも便利になっていて、日々の生活を送る上でいかに携帯を使いこなすかが重要になってきている。日本のを2年近く離れていると、技術の進化についていけていない部分も大いにあるが…ファミリーレストランなどで、その場でアンケートに答えるとクーポン券が当たる、ということが行われているが、このような方法で利用されているとは。企業の裏側が少し見られた気がした。

2008/11/25-Dr 赤ひげ.com

[要訳&コメント]
リンパ節へアレルゲンを直接注射することで、従来に比べて短期間で苦痛が少なく、かつ安全性も高い花粉症治療が実現できる可能性がスイスを中心とした研究によって示された。
従来のアレルギー注射は、皮下脂肪組織への注射が標準的で、年に何回もの注射を受け、3~5年継続する必要があり、注射部位の腫れから全身的反応まで、副作用も多かった。リンパ節には神経がないため、痛みが少なく患者のQOL改善にも有効である。

花粉症で悩んでいる人にとっては朗報である。アレルギー注射は、全身性副作用があるため女性には適さないと言われたことがあり、錠剤での治療を続けていたが、眠くなったりとQOLの面から考えるとあまりよいとは考えられない。そういった面では、副作用や苦痛のすくない注射剤の開発は、とても期待ができる。また、花粉症だけでなく他の疾患に対する注射の新たな方法として取り上げられていくのではないだろうか。

2008/11/26 16:21-キャリアブレイン

[要訳&コメント]
薬学ニュースvol.14でも取り上げた 薬剤師の過労死裁判。国に対し労災不支給の取り消しを求めた行政訴訟で、一審・東京地裁の13日の判決では、「業務とうつ病の発症には、因果関係が認められない」と訴えを棄却されていた。今回東京高裁に控訴した。

業務とうつ病発症との因果関係を、どのように証明し認めさせられるかが大きなテーマとなるが、果たしてどのような手段で事を運んで行くものか。気になるのは、「時間外労働も最大で月41.25時間で長時間労働による負荷は認められない」という部分。主任薬剤師として、果たしてどの程度時間外労働を申請していただろう。多くの薬局において、主任薬剤師や管理薬剤師は残業を強いられているが、申請時間を実際に行った時間よりも短くする場合もある。原告側の話では、月50~80時間の残業となっているし、果たして何をもって41.25時間の時間外労働が長いか短いかを判断しているかは疑問である。むしろ、申請はしていないがそれ以上にサービス残業を行っていたのではないかと感じる。新システムを導入に関する仕事にくわえ、研究発表の準備などを考えると、月41.25時間(約2時間/日)とは考えにくい。その点についても話し合われていくのではないかと考えられる。

おまけ…留学生の受け入れ
08年03月21日-名城大学

[要訳&コメント]
フランスからの留学生(薬学5年生)が、名城大学の藤田保健衛生大学病院にて病院研修を2か月間行った。名城大学薬学部の大学院生や医師等とディスカッションなどをしたり、フランスの病院で経験した"Validation of analytical method"の発表をおこなったり、と充実した研修期間を送られたようである。

ふと疑問に思ったが、留学生の受け入れを行っている大学は、どのくらいあるのだろうか。東邦大学では、姉妹校であるアルバータ大学からの学生を受け入れているが、他ではあまり聞いたことがない。留学生を受け入れるということは、学生同士が互いの薬学教育について話したり、医療制度の違いなどに関しても気軽に話したりすることができる。留学生に対する経験だけでなく、在学中の学生たちに対する良い影響もあるのではないだろうか。今在学の学生は、そして薬剤師として勤務している皆さんは、留学生が来た場合にどのような内容を紹介してあげることができるでしょうか?日本独自の薬学など、皆さんは意識しながら行っているでしょうか?海外の医療や薬学と比べてみてみるのも、新たな発見があって面白いと思いませんか?

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