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2009/05/13

Saya's 薬学ニュース vol.95-胃の「キリキリ」痛みを緩和します!/インフル専門家会議「大流行前ワクチン」を了承/療抵抗性統合失調症治療薬「クロザリル」の製造販売承認を取得/メタボより高血圧対策が重要/米カリフォルニア州で子ども2人が豚インフルに感染 人から感染か

<Today's news>
1. 胃の「キリキリ」痛みを緩和します!
2. インフル専門家会議「大流行前ワクチン」を了承
3. ノバルティス、治療抵抗性統合失調症治療薬「クロザリル」の製造販売承認を取得
4. メタボより高血圧対策が重要

おまけ. 米カリフォルニア州で子ども2人が豚インフルに感染 人から感染か

胃の「キリキリ」痛みを緩和します!
2009/4/22

[要約&コメント]
大正製薬は2009年4月21日、一般用鎮痛胃腸薬「ストパン」を発売した。「医療用医薬品」で使われている成分「チキジウム臭化物*」のスイッチOTCである。用法・用量は1回1カプセル、1日3回まで。
1カプセル中チキジウム臭化物…5mg
参考HP:ストパン公式HP(大正製薬)
参考記事:チキジウムのOTC薬、スイッチ化承認から3年経て発売 (5/7日経DI)
*チキジウム臭化物
商品名:チアトン
効能効果:副交感神経を抑制して,消化管などの筋肉(平滑筋)のけいれんを抑制する
副作用:排尿障害,視力の調節障害,動悸,肝機能障害等

HPを参照すると、15歳以上の服用に限定されている。また、1カプエセル中に5mg含有しているため、医療用医薬品のチアトンと比較すると半量であることがわかる。尚、チアトンの添付文書では1回5~10mgを1日3回経口投与する.との記載があるため、これらの違いも把握しておく必要がありそうだ。

インフル専門家会議「大流行前ワクチン」を了承
2009/04/22(水)-ケアネット.com 提供:読売新聞 ※ケアネット.com閲覧には会員登録が必要です
[要約&コメント]
厚生労働省の新型インフルエンザ専門家会議は20日、大流行が起きる前に接種する「プレパンデミック(大流行前)ワクチン」の効果と安全性について、「大きな問題はない」として了承した。高病原性鳥インフルエンザウイルス(H5N1)から製造されたワクチンであるが、一部の試験者から副作用が出たため、どの程度をワクチンの対象にするか検討中である。

今話題の豚インフルエンザ。日本から私の無事を確かめるメールが相次いでいるが、正直日本と現地(カナダ・アメリカ)での温度差を感じる。問題が起きている現地では楽観的な人が多く、マスクをつける傾向もなく、マスクの仕入れも未だに整っていない状態である。薬局に1名だけマスクを購入しにきた客がいたが、その人は医療機関で働いており、エイズ患者の対応をしているため、とのこと。現地の人間の楽観さには呆れてしまうくらいであるが、被害者が一名も出ていない中で大騒ぎをしていた日本も少し問題であるように感じた。とうとう感染者が日本国内に入ったことから騒ぎは広がったことと思うが。現地の人間にも、自己予防として、手洗いうがいは徹底して行ってもらいたいものである。

ノバルティス、治療抵抗性統合失調症治療薬「クロザリル」の製造販売承認を取得
~治療抵抗性統合失調症治療薬「クロザリル(R)錠25mg/100mg」の製造販売承認を取得~
2009/04/22-NIKKEI NET プレリリース

[要約]
「クロザリル」は、日本で初めて「治療抵抗性統合失調症」の適応症を認められた抗精神病薬です。すでに世界97カ国で承認されており、日本でも統合失調症で入院中の9%の患者さんが、本剤の適応となると見込まれている。他国で抗精神病薬として販売後死亡を含む無顆粒球症の発現が報告されたため、販売を中止する国もあったが、治療抵抗性の統合失調症に対しては効果があることが認められ、血液検査を義務付けた上で販売が承認されている。また、適正なモニタリンを可能とするため、登録を受けている医療機関でのみ処方及び調剤が行われている。
参考:ノバルティス ファーマ株式会社HP(ノバルティス ファーマ株式会社)

メタボより高血圧対策が重要
2009年4月23日-読売新聞

[要約&コメント]
脳卒中や心筋梗塞(こうそく)など循環器疾患の予防には、肥満に重点を置いたメタボリックシンドローム対策よりも高血圧対策が重要であることがわかった。
もし全員の血圧を正常にした場合、男性で48%、女性で45%の心筋梗塞や脳梗塞を減らせると推計された。一方、メタボを解消しても男性で12%、女性で8%の改善効果しかないと考えられるという。

メタボリックシンドロームという言葉が数年前から流行りだし、肥満が万病のもとであるというのが一般的な認識であろう。それよりも血圧のコントロールがより重要であるというのは、興味深い話であったので掲載した。

おまけ...豚インフルエンザ

米カリフォルニア州で子ども2人が豚インフルに感染 人から感染か
2009年4月23日-m3.com 提供:共同通信社 ※m3.com閲覧には会員登録が必要です

[要約&コメント]
カリフォルニア州でインフルエンザの定期健診を受けた2人の子どもが豚インフルエンザに感染していたことが判明した。2人はメキシコと国境を接するカリフォルニア州南部のサンディエゴ郡とインペリア郡に在住する10歳の男児と9歳の女児(二人は回復済み。一人は一時40℃近くの熱を出したという。)。2人とも豚と接触したことはなく、これまでのところ感染源は特定できておらず、人から感染した可能性が強くなっている。

カナダのアルバータ州でも、初めて一人豚インフルエンザにより死亡者が出たと報じられたが、新聞を読んでみると、実はその前から喘息の治療で入退院をしており、死亡した時に病院へ行ったのもそのぜんそく症状のためだったという。死亡後検査をしてみると豚インフルエンザの型が検出されたということで、実際の死因が豚インフルエンザによるものなのか、喘息によるものなのかははっきりしないとのこと。For your information...

2008/11/07

Saya's 薬学ニュース vol.4-大日本住友製薬と大阪大学、精神神経創薬コンソーシアムを設立/アルツハイマー病などの治療薬開発に期待/仏サノフィの抗肥満薬、EUで販売中止へ

今日のニュースでは、大阪梅田で起きたひき逃げ犯の新たな事件裏が見えてきましたね。飲酒運転に関しては予想できましたが、まさか保険金詐欺事件の執行猶予中だったとは…さらに、シートベルト非着用や速度超過、酒気帯び運転などの交通違反を重ねて、1年間の免許取り消し処分を受けていた上に、懲りずに無免許で飲酒運転を続ける…この事件が起きる前になんとか食い止められなかったものなのか。

事件は起こってから気づき反省するというのは、被害者にとっては何とも皮肉な話ですね。このような最悪な事件が二度と起こらないようにするためにも、今回の反省から無免許運転者や飲酒運転者に対する検挙方法が考案されるとよいのですが。

悲しいニュースが続きますが、気持ちを新たに薬学のニュースに関してみていきたいと思います。

大日本住友製薬と大阪大学、精神神経創薬コンソーシアムを設立
2008/10/24-IP NEXT ニュース
大日本住友製薬は23日、大阪大学大学院医学系研究科と薬学研究科の計5講座とともに「精神神経創薬コンソーシアム(NDDC)」を11月に設立すると発表した。統合失調症やうつ病などの精神疾患について遺伝子・分子レベルで研究し、新規創薬標的を見出していく。 ...

[要訳とコメント]
大日本住友製薬は、大阪大学大学院医学系研究科と協同で、統合失調症やうつ病などの精神疾患について遺伝子・分子レベルで研究し、新規創薬標的を見出していく旨を発表した。

大学と製薬企業が共同研究を行う話は前にも聞いたことがありますが、非営利による研究を行う大学と研究費を出せる企業とが組むのは個人的には良いと動きであると思います。大学内には優秀な研究者がたくさんいる訳であるし、研究費の獲得が難しい大学にとっては研究の幅も広がり社会に還元できる良い機会、と考えるのですがいかがなものでしょうか?


アルツハイマー病などの治療薬開発に期待
2008/10/24 21:56-キャリアブレイン
「S100B」は、アルツハイマー病やてんかんなど神経疾患患者の脳脊髄液で濃度が高く、理研では、「今回の研究が、神経疾患の予防や治療薬の開発に寄与できる」としている。成果は、米国の科学雑誌「The Journal of Neuroscience」に掲載された。 「グリア細胞」は、人間の ...

[要訳とコメント]
理化学研究所脳科学研究センターと金沢大大学院医学系研究科の研究グループが、ニューロン(神経回路)と共に脳を構成している「グリア細胞」の中で最も数が多い「アストロサイト」が、神経活動の強化に伴って「S100B」というタンパク質を分泌し、神経活動を調節していることを発見した。「S100B」は、アルツハイマー病やてんかんなど神経疾患患者の脳脊髄液で濃度が高く、理研では、「今回の研究が、神経疾患の予防や治療薬の開発に寄与できる」としている。

アルツハイマー病は、今のところ進行を止める薬しか存在せず、治す薬の開発が期待されています。その大きな一歩を踏み出したのではないでしょうか。また、この詳細が解明されれば、ボケにくい体を作る予防策も新たに分かってくるかもしれないので、今後に期待したいですね。


仏サノフィの抗肥満薬、EUで販売中止へ
2008年10月26日 19:53 発信地:パリ/フランス-AFPBB News
パリで撮影された、仏製薬大手サノフィ・アベンティス(Sanofi-Aventis)の抗肥満薬「アコンプリア(Acomplia)」(2008年10月23日撮影)。(c)AFP/ERIC PIERMONT 【10月26日 AFP】仏製薬大手サノフィ・アベンティス(Sanofi-Aventis)は23日、同社の抗肥満 ...


[要訳とコメント]
サノフィ・アベンティスは抗肥満薬「アコンプリア(Acomplia)」の欧州連合(EU)域内での販売を一時中止したと発表した。米国では、うつ病の病歴がない肥満患者に、自殺願望や自殺行為を引き起こすリスクを増加させるとして、同医薬品の販売を見送っていたが、EUでは2006年から販売が許可されていた。


ダイエット経験者には手に入れたい一品だが、利点も大きい分リスクも大きいようである。"肥満は万病のもと"と言われていることもあり、肥満治療に対しては反対していないが、スリムになりたいという願望で薬を服用するのは十分に気をつけてもらいたい。このように国の厳しいチェックにより承認を経て販売開始された薬においても健康被害が出ている訳であるから、ネットで出回っているような"ダイエット薬"の危険性は十分想像でき得るものであろう。

See ya~

2008/11/05

Saya's 薬学ニュース vol.2-難治性便秘薬の皮下注射剤が日本で販売?!/違法薬販売の世界最大級スパム送信組織を摘発/医師の問診不十分で誤投薬

今日は黒人初米大統領当選のニュースや大阪梅田で起きたひき逃げ事件の犯人が捕まったりと盛りだくさんの日でしたね☆ひき逃げ事件の犯人に関しては、あんな悲惨な事故を引き起こしたのにも関わらず、よくのうのうと生きていられるなぁ、と信じられない気持でしたが、まさかホストに転向して普通に暮らしてるとは…しかも、引きずれば死ぬことはわかってただなんて…世の中にはとんでもない人がいるものです。被害者の遺族の気持ちを思うといたたまれないですね。

少し古いですが、たまりにたまった薬学ニュースの続きを載せていきたいと思います。

小野薬品、米社とライセンス契約-難治性便秘薬の皮下注射剤で
2008/10/17-IP NEXT ニュース

小野薬品工業は17日、米Progenics Pharmaceuticalsと、麻薬性鎮痛薬の使用に伴う難治性便秘治療薬「メチルナルトレキソン臭化物(MNTX)」の皮下注射剤に関するライセンス契約を締結したと発表した。この契約により、同剤を日本で独占的に開発・販売する権利を取得する。 ...

[要訳*コメント]
麻薬性鎮痛薬の副作用で起こる難治性便秘を治療する薬として、皮下注射剤が今後新たに日本でも販売される見通しです。
薬品名:メチルナルトレキソン臭化物(MNTX)
剤形:皮下注射剤
会社:小野薬品工業

麻薬性鎮痛薬を使用する末期がん患者さんにとっては嘔吐を併発している事も多いので、経口剤の服用が困難な患者さんにはうれしいお話ですね。しかし、皮下注射剤となると薬局での取扱いはないので、病院での入院患者さんに対する朗報になるでしょう。

FTC、国際規模のスパム送信組織を摘発
2008年10月16日 08時18分-ITmedia

バイアグラと同様の効果があるとする薬やダイエット薬、処方箋薬などを違法に販売するためのスパムメールを大量に送信していた組織に、差し止めの仮処分が言い渡された。米連邦取引委員会(FTC)は10月14日、処方先薬や強壮剤と偽った製品を宣伝するスパムメールを世界 ...

[要訳*コメント]
スパムメールを送信する組織としては(ブラックリストに載るほどの)世界最大級の「スパムギャング」らが、自らを米政府公認の薬局と偽り、米食品医薬品局に認可されていない処方せん薬や、記載された成分がまったく含まれていない薬などを販売していた。裁判所は、この組織に対しスパムの送信と誤った製品広告の一時的な差し止めを命じるとともに、消費者救済裁判に備え、被告の資産を差し押さえた。

私のところにも来るこのスパムメール、引っかかる人は多く300万件以上の苦情が出ているという…こんなのでひっかかるのか?と簡単に考えていたけれど実際の数は想像をはるかに超えるものでした。バイアグラに関して言えば、心臓の疾患や薬を飲んでいる人が一緒に服用すると血圧が急激に低下するなどの副作用が起こり大変危険であるし、その他血圧の高い人や逆に低血圧の人、泌尿器の薬を飲んでいる人の中にも併用に注意しなければならないケースなどがあります。性交のため、とやたらと購入して飲んでしまうと健康にも被害が出る可能性があるので、購入を考えている人はその点を把握した上で検討していただきたいものです。

医師の問診不十分で誤診
2008年10月29日-読売新聞医療情報部

妄想や幻覚が表れる統合失調症で、治療を受けている患者は約70万人にのぼるとされる。一方、うつ病など心身の不調で受診したところ、統合失調症と誤診され .....

[要訳*コメント]
東京都の男性会社員(55)は、ひどいだるさや不眠に悩まされ、仕事の集中力が低下し、「社内での会話を盗聴されているのではないか」とおびえ、妻(48)を「スパイじゃないか」と疑うことがあったという。近くの病院の精神科を受診した際、問診票への記載で「被害妄想がある」といった項目に「○」印をつけたばかりに、10分ほどの診察の末「統合失調症」と診断され投薬が始まった。しかし、1年の服用を続けても状態は一向に良くならず、実際は統合失調症ではなく、うつ病や心身の一時的な不調にすぎなかったという。
統合失調症の診断には、症状や、生活歴や仕事内容などについても十分に問診し、発症までの経過などを聞くことが必要になるとのことだ。

統合失調症とうつ病などの心の病気との見分け方は正直難しいと思われますが、両者で体内で起こっている状態は違うものなので、間違った薬を飲み続けていても改善はされません。また、統合失調症の場合、薬の服用により社会に適応する能力にまでは回復するものの、完治することはないので、そこもうつ病などとは違う点です。

※統合失調症とは?(お薬110番より)-脳の情報伝達系に不具合を生じ、現実を正しく認識できなくなったり、思考や感情のコントロールが上手にできなくなる病気です。幻覚や幻聴、妄想も特徴的です。心の病気というより、脳内の「内因性」の病気です。ただ、精神的ストレスも症状悪化の引き金になります。統合失調症は、脳内の神経伝達物質「ドパミン」の過剰伝達が原因のひとつと考えられます。