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2011/09/17

vol.126

<Today's news>
1. アルツハイマー、歯に注意 かみ合わせ悪いと影響
2. 国が勧奨、8疾患のみ ワクチン“後進国”なぜ/上
3. ワクチン“後進国”なぜ:/中 感染で後遺症負う恐れ
4. 認知症は免許停止など対象 府警「重大な認識持って」
5. 東電、作業員1991人の被曝状況を発表
6. 致死量3人分…筋弛緩剤紛失、千葉の病院で


アルツハイマー、歯に注意 かみ合わせ悪いと影響
2011年9月16日 提供:共同通信社  ※m3.com閲覧には会員登録が必要です

[要訳]
歯のかみ合わせが悪いと、アルツハイマー病の原因とされる「アミロイドベータ」と呼ばれるタンパク質が脳の海馬に増えることを岡山大大学院医歯薬学総合研究科の森田学(もりた・まなぶ)教授のチームがラットで突き止め、15日発表した。
アルツハイマー病はアミロイドベータが脳内に蓄積し、海馬では神経細胞に影響して記憶障害を起こすのが一因とされる。チームは「歯が抜けたり、入れ歯が合わなかったりする人は、治療をすることでアルツハイマー病の予防や進行を抑えられる可能性がある」としている。「かみ合わせが悪いと脳に刺激が伝わりにくくなり、ストレスを感じて、アミロイドベータが増えるのではないか」と分析している。

*comment*
ラットレベルの議論ではあるが、噛み合わせは脳だけでなく健康の面でも影響が出るので、一度確認してみては?


国が勧奨、8疾患のみ ワクチン“後進国”なぜ/上
毎日新聞 2011年9月15日 東京朝刊

[要訳]
米国では現在、B型肝炎、おたふく風邪、水痘(水ぼうそう)など13の疾患について国の責任でワクチン接種を実施し、基本的に無料だ。「米国では病院でかかる医療費が高いという事情もあり、ワクチンで防げる病気は予防接種で減らそうという意識が高い」とのこと。一方、日本のワクチン接種は、国が勧奨し公費で負担する「定期接種」と、希望者が自己負担で受ける「任意接種」に大別され、「定期接種」はジフテリア、麻疹(はしか)、日本脳炎など8疾患に過ぎない。「日本のワクチン接種が遅れたのは訴訟による影響が大きい」と見る。厚生科学審議会での予防接種制度の見直し論議も進むが、「財政が厳しく、定期接種を増やすと予算がかかるのがネック」とのこと。

*comment*
訴訟の多いアメリカで予防接種が進んでいて、訴訟の少なかった日本では進まなかったというのも不思議な理由である。しかし、国がワクチンを本人の選択に任せ、かかっても自分の責任、ワクチンで被害が出ても自分の責任というのはなんだか国に守られているんだか守られていないんだか、といったイメージを受ける。少子化ということもあるので、子供たちの健康を維持するためには少子化対策として本気で取り組んでもいい内容なのでは?


ワクチン“後進国”なぜ:/中 感染で後遺症負う恐れ
毎日新聞 2011年9月16日 東京朝刊

[要訳]
下痢を起こす感染症の原因としては、病原性大腸菌O157やノロウイルスがよく知られているが、ロタウイルスは実は、乳幼児の急性胃腸炎の最大の原因。ほとんどの乳幼児が5歳までに感染する。嘔吐や発熱が生じ、コメのとぎ汁のような白い下痢便が続くのが特徴だ。ロタウイルスは重症化すると脳炎を起こし要注意だとのこと。乳幼児に生じる脳炎、脳症の原因で最多はインフルエンザウイルス、次に突発性発疹で、3番目がロタウイルスという。現在まで、ロタウイルスを撃退する抗ウイルス薬はない。
世界保健機関(WHO)は09年、ロタウイルスのワクチンを乳幼児の感染症防止で最重要ワクチンの一つと位置づけた。世界では既に100カ国以上がワクチン接種を導入している。一方、日本では外資系製薬会社が開発したワクチンが、今年7月に承認されたばかり。年内には使える見込みだが、公費の定期接種ではなく任意接種となる。
日本ではヒブワクチンが08年12月、任意接種として始まったが今年3月、ワクチン接種が一時中止された。二つのワクチンの同時接種後に、全国で7人の乳幼児が死亡していたためだ。専門家の検討会議で「明確な因果関係は認められない」との結論が出て、4月1日から再開されたが、「接種率は元に戻っていない」(同省)という。

◇母子手帳とワクチン接種
 乳幼児期に接種するワクチンのうち、国が行う「定期接種」は種類や接種スケジュールが母子健康手帳に記されているが、自己負担の「任意接種」は手帳に記載がなく、行政からの情報提供も少ない。片岡正医師は「任意、定期とも疾患予防の重要度に差はない」と話している。
 母子手帳には定期接種を受けたかどうかの履歴が残るため、成人後も保管しておくと、感染症が流行した時や海外旅行などの際に役立つ。母子手帳と分離し、「予防接種手帳」などを配布している自治体もある。

*comment*
定期接種に含まれていない場合は、「必要ない予防接種」として見られるケースも少なくない。薬剤師による薬局での呼びかけなども重要なのではないだろうか。


認知症は免許停止など対象 府警「重大な認識持って」
2011年9月16日 提供:共同通信社  ※m3.com閲覧には会員登録が必要です

[要訳]
京都府警は16日、2月に京都市で起きた多重衝突事故で、運転していた男性(61)の認知症発作が引き金になったとして書類送検に踏み切った。府警幹部は「(認知症での運転は)重大事故になりかねないという認識を本人や周囲の人に持ってもらいたい」と話す。
関連記事: 
認知症事故疑いで書類送検 同乗の2人も、京都府警(2011年9月16日 提供:共同通信社)
認知症、運転中に気絶…13人死傷家族は止めず (2011年9月16日14時12分 読売新聞)

*comment*
認知症は、本人の自覚がないこともあるため周りの家族などが責任を持って判断することが望まれる。ただし、その場合本人が免許証を持っていないことまで忘れて運転しないかが少し不安である。


東電、作業員1991人の被曝状況を発表
2011年9月15日19時58分 読売新聞

[要訳]
 緊急作業時の上限の250ミリ・シーベルトを超えた人はいなかった。20~50ミリ・シーベルトを被曝していたのは6人。作業員の被曝線量は低下 傾向が進んでおり、3月以降で初めて1けた台となった。


致死量3人分…筋弛緩剤紛失、千葉の病院で
2011年9月15日 読売新聞

[要訳]
国立病院機構千葉医療センター(千葉市中央区)は13日、手術時の麻酔薬に使われる筋弛緩(しかん)剤「エスラックス」(液体、5ミリ・リットル)が入ったガラス瓶1本を紛失したと発表した。薬事法上の毒薬で、成人3人分の致死量に相当する。

vol.125

<Today's news>
1. 放射性検査薬の投与量を全国調査へ- 放射線技師会
2. DPP-4阻害薬トラゼンタを発売- ベーリンガーとリリーが共同販促
3. 年内にも登場する新薬により3剤併用が標準に
4. 【登録販売者と薬剤師の連携を】JPEC/日薬が研修会‐「問題解決型」の顧客対応が重要
5. 9/15号 「たばこ、1箱1000円に」が過半数
6. 9/16号 「患者から1万円徴収」、受診時定額負担の代替案


放射性検査薬の投与量を全国調査へ- 放射線技師会
2011年09月15日 16:48 キャリアブレイン ※会員登録が必要です
[要訳]
甲府市立甲府病院(山梨県甲府市)で行っていた腎臓の放射線検査で、日本核医学会が推奨する投与量を大きく上回る放射性の検査薬「テクネチウム」が投与されていた問題で、日本放射線技師会は放射線検査を実施している病院など全国の約1100施設を対象に、検査薬の実際の投与量をアンケート調査すると発表した。    

DPP-4阻害薬トラゼンタを発売- ベーリンガーとリリーが共同販促
 2011年09月15日 18:44 キャリアブレイン ※会員登録が必要です
[要訳]
トラゼンタは腎臓ではなく主に胆汁から排泄されるため、腎機能の程度に応じた用量調節を必要としないという。
既存のDPP-4阻害薬がほかの種類の糖尿病治療薬との併用が可能なのに対し、トラゼンタは単独療法でのみ承認されている。通常、5mgを1日1回経口投与する。
主な副作用は、便秘(発現率1.9%)、鼓腸(1.5%)、腹部膨満(1.0%)など。また、重大な副作用として低血糖症(0.7%)が報告されている。

*comment*
DPP-4阻害薬の処方数は増えているため、腎臓の負担をかけない薬として注目されそうだが、併用できない点で単剤でどこまで血糖コントロールができるかがキーポイントになりそうである。

年内にも登場する新薬により3剤併用が標準に
2011. 9. 15 日経MD ※会員登録が必要です

[要訳]
田辺三菱製薬は今年1月、国内初のプロテアーゼ阻害薬であるテラプレビルの製造販売承認を厚労省に申請した。
「3剤併用(ペグインターフェロン(IFN)とリバビリンとテラプレビルの)した症例の約90%で、治療開始から4週までにHCV-RNAが陰性化していた。従来の治療と比べ、より早い時期から効果がある印象だ」とのこと。
副作用として貧血と皮疹が問題視されている。「頻回に血液検査を行い、貧血兆候が認められた際には早期にリバビリンを減量するなど、安全に治療を継続できるよう努めた」。「皮疹には抗ヒスタミン薬や外用ステロイドで対処する。皮膚科との連携も重要だ」。

*comment*
C型肝炎治療の新たな方法に、今まで薬物では対応できなかった型の人たちにも明るい道が提供されるのか?新薬やインターフェロンなどは高価でもあるため、患者に負担は強いられるだろう。B型肝炎のインターフェロン療法が保険適応になるなどの記事も出てきている。C型肝炎患者のどこまで補償が適用されるのか、今後見守っていきたい。


【登録販売者と薬剤師の連携を】JPEC/日薬が研修会‐「問題解決型」の顧客対応が重要
2011年9月16日 (金) 薬事日報

[要訳]
日本薬剤師研修センター(JPEC)と日本薬剤師会は都内で、「登録販売者のための一般用医薬品基礎知識研修会~薬局店頭で適切な情報を提供するために~」を開いた。研修会では、登録販売者と薬剤師が連携し、お互いを高め合う関係を構築していくことの重要性が示されたほか、登録販売者も患者・消費者の問題を解決する役割を担うべきことが指摘された。
登録販売者の役割に関して、「単に指名商品を販売するだけではプロの仕事とは言えない」と指摘。医薬品などを販売することが最終目的ではなく、消費者が抱えている問題の解決に向けて、情報を収集し、状況を見極めて、消費者にとって適切な製品を選択し、適切な情報提供を行う必要があるとした。

*comment*
現場にいたとき、正直登録販売者のレベルの格差にとまどう部分はあった。試験に受かっても患者様に提供できるほどの知識は正直備わっていない。どんな些細な質問でも、薬剤師がいればすべて薬剤師に託すといった行動もよく見られた。また、多くのケースで登録販売者が他の業務に追われ、医薬品販売業務にかかわることのできない現状も見受けられた。これではいつまでたっても登録販売者は成長しないし、会社の発展にもつながらない。薬剤師と協力をして店舗単位やグループ単位で高めていく必要性は十分にあるように思う。


9/15号 「たばこ、1箱1000円に」が過半数
2011年09月15日 ※m3.com閲覧には会員登録が必要です

[要訳]
小宮山厚労相が就任早々、たばこ税を引き上げ、1箱700円程度にしてはどうか、と発言し、波紋を広げているのを受け、m3.com意識調査で、「たばこ増税、賛成?反対?」をお聞きしました。
たばこは現在、1箱約400円。「いくらにすべきか」を聞いたところ、最も多かった回答が、「1000円」でした(Q1、詳細な結果はこちら)。医師会員では過半数を超え、57%、医師以外の会員でも47%。次いで多かったのが、「800円以上」あるいは「現在のまま(約400円)」。今の喫煙状況は、本数にかかわらず、「日常的に吸う」の回答は、医師会員の11%、医師以外の会員の17%(Q2)。Q1でたばこ1箱の値段を「現在のまま(約400円)」と回答者数(医師会員10%、医師以外の会員15%)とほぼ一致する数字です。

*comment*
たばこに関しては、禁煙を押している医療者が多いようである。1箱1000円という値も、禁煙者ならではの回答。どうせ自分は買わないからいくら高くてもいいという風にも取れる。「現在のまま」の回答が喫煙者の割合と同じであるのも納得である。果たしていくらになるのだろうか??


9/16号 「患者から1万円徴収」、受診時定額負担の代替案
2011年09月16日 m3.com ※m3.com閲覧には会員登録が必要です

[要訳]
 「受診時定額負担に代えて、病院と診療所の役割分担などを考慮して、例えば、大病院での外来受診時のみ定額負担を求めることをどう考えるか。受診時定額負担100円と同規模の財源を確保するには、大病院の初診1回につき、7000円から1万円程度の追加負担をお願いすることになる」紹介状のない患者さんの「大病院集中」を是正する効果を期待したものと思われます。

「7000円から1万円の追加負担」の試算は次のようなものです。
・ 2009年4月から2010年3月までの医科、歯科の外来の年間受診延日数:20.6億日(うち初診は、3.5億日)
・ 大病院(200床)以上の初診の年間受診延日数:約0.3億日(再診は2.4億日)
・ 100円×20.6億日÷0.3億日=約7000円
・ 紹介状なしの患者からのみ徴収する場合は、1万円程度(地域医療支援病院の外来では約7割、特定機能病院の外来では約5、6割)。

*comment*
受診時定額負担の新たな考え方の一つとして紹介。受診時1回100円に比べて、大学病院初診7000円~1万円というのは大きな差。確かに紹介状のない患者さんの大学病院への集中受診は、本当に必要な人への医療の提供が遅れることにもつながり改善すべき問題ではあるが、それをお金で解決するのが唯一の手なのだろうか。効果がなくはないと思うが。


2011年9月16日 橋本佳子(m3.com編集長) ※m3.com閲覧には会員登録が必要です

[要訳]
「女性医師の就労環境に関する実態調査」によると、5年前に比べて院内保育施設の設置が進むなど、就労環境の改善が進むものの、いまだ女性医師は常勤医と非常勤医は半々であり、今後取り組むべき課題として、「複数主治医制」を挙げた院長が多いことが明らかになった。2006年度にも同様の調査を行っており、院内保育施設が「ある」と回答したのは、2006年度の56%から、89%(80大学中71大学)に増加した。以前は院内保育施設を看護師に限るケースも見られたが、現在は医師も利用可能な施設がほとんどであり、保育時間も延長した。
短時間勤務でも常勤医として認めるなど、多くの大学で「女性医師の就労継続支援を目的とした勤務制度」を持っており、育児だけでなく介護の場合にも利用できるほか、80%の大学では男性医師も利用可能になっている。また、短時間勤務制、産休・育休取得の可否や育児期間中の当直免除など、就労継続支援や過重勤務緩和に有効な対策を聞いたところ、多くの院長が「複数主治医制」に高い関心を示した。

*comment*
女性医師のキャリアを考えた「複数主治医性」。患者側としては、一人に医師に把握してもらうほうが何かと利便性があるが、現状を考えると取り入れる必要性も出てくるのではないだろうか。患者の状況にも合わせ、うまく連携が取れるのであれば「複数主治医性」もありなのでは?

2011/09/13

vol.121

<Today's news>
1. 文科省、チーム医療推進事業に8大学病院を選定
2. 受診時定額負担に反対続出
3. 【厚労省】第三次補正案まとまる‐復興のロードマップも
4. 小宮山洋子厚生労働相インタビュー- 介護労働者の4万円賃上げ「容易でない」
おまけ. 自転車は長く乗るより速く走る方が死亡や冠動脈性心疾患死のリスク低減に効果大

文科省、チーム医療推進事業に8大学病院を選定
2011. 9. 9 日経MD ※会員登録が必要です

[要訳]
「チーム医療推進のための大学病院職員の人材養成システムの確立」は、大学病院人材養成機能強化事業の一環として、大学病院における専門職種の積極的な活用、多職種間の協働の推進、効率的なサービスの向上を目ざすもの。文科省は2011年度より、チーム医療の推進ならびに、医療従事者の人材養成のための教育プログラムを開発・実践する大学病院を支援するため、同事業を開始。選定された施設ならびに取り組み内容は以下の通り。
 ・東北大(国立)  高度専門医療チーム活性化システムの開発
 ・筑波大(国立)  患者中心の医療を実践する人材養成の体系化
 ・昭和大(私立)  多職種協働の救急チーム人材養成システム
 ・近畿大(私立)  救急災害医療のためのチーム医療推進
 ・岡山大(国立)  岡山大学病院ペリオ人材育成研修センター
 ・広島大(国立)  高度急性期医療を支援する医療人教育モデル
 ・九州大(国立)  先進的チーム医療の推進とその安全性確立
 ・産業医大(私立) 医療連携アドバイザー養成プログラム
事業の実施期間は、2011年9月下旬~10月上旬から2013年3月末まで。実施先に指定された施設は、毎年度末に、文科省に報告書を提出し、事業の成果・実績については、各大学のホームページ上で公開する。

*comment*
このチーム医療には薬剤師は含まれているのだろうか。取り組みなどに興味あり。報告や実績等の発表を確認してみよう。


2011. 9. 13  日経MD ※会員登録が必要です

[要訳]
高額な医療費がかかる癌患者などの負担軽減のため、高額療養費制度で定めた月額負担の上限を下げる一方で、外来患者の窓口負担を増やす考えが示された。
これに対し、「100円とはいえ受診するたびに負担を強いられれば、患者の反発は強まるはず。国民全体で(高額療養費見直しの費用を)負担する制度にすべきではないか」。
「受診回数の多い高齢者の重荷になるほか、当初は定額100円だとしても、将来、額が引き上げられるのは明らかで受診抑制が起こる」。
「公費、保険料、患者の自己負担の3つを調整して医療費増をどう補うかを議論した上で、ベストな方法として定額負担を提案するのであればまだいいが、今回はその議論が全くされていない」などの反対意見が出ている。

*comment*
受診抑制に関しての懸念が見られるが、ある程度受診抑制があったほうがいいのではないかと思う。日本は少し病院にかかりすぎているイメージがある。その受け皿として、薬局などがプライマリケアとして機能するようにならなければならない。


2011年9月12日 (月) 薬事日報

[要訳]
三次補正では、東北発の革新的医療機器創出・開発促進事業として43億円を計上した。地域医療体制提供体制の再構築には720億円を充て、これも再生基金を積み増す。被災3県が策定する医療の復興計画に基づいて、病院の機能分化、診療所の在宅当番医制への参加、在宅療養支援病院・診療所の整備などを進める。医療機関相互の情報連携の基盤整備や医師・看護師ら人材の確保にも取り組む。

*comment*
問題となっている福島の医療従事者人員不足にどの程度この資金が費やされるのだろうか。早急な対応が必要である。


2011年09月09日 20:59 キャリアブレイン ※会員登録が必要です

[要訳]
効率化すべきところはしっかり効率化する、高額所得者には今まで以上にご負担いただく、というように、社会的な公平や公正の面から、切り込むべきところには切り込む考えです。
国民が安心できるような医療や介護、年金、子育ての青写真を示したいと思っています。それを見ていただければ、消費税率を10%まで引き上げることに理解が得られるのではないでしょうか。こうして税をご負担いただきながら、安心できるレベルの医療、介護、年金、子育てを確保していきたいです。
政府が策定した復興の基本方針では、被災地を元に戻すだけでなく、これからの日本を先取りする新しい地域づくりのモデルにすることを目指しています。介護では地域包括ケアのモデルをつくったり、医療では大学と連携したり、日本が国際的にも力を持って発信していけるような医薬品を開発したりと、特区制度などを活用しながら先端的な取り組みをしていきたいと思います。
マニフェストの実現が難しい部分に関しては、しっかりと理由を説明した上で、「できません」とか「実現しますが、期限を延ばします」などと、現実的に修正していく必要があると思っています。

*comment*
特に興味深い点としては、被災地の医療の取り組みである。壊滅的である状態から、お金を投入して新しいモデルを作っていくという部分に魅力を感じる医療者達が、新しい医療を展開していけるような仕組みづくりができれば面白いかもしれない。

2011. 9. 2 日経MD ※会員登録が必要です

[要訳]
例えば、1日30分未満、ゆっくりした速度で自転車に乗るよりも、速い速度で乗った方が、生存期間の期待値は男性で5.3年、女性で3.9年増加するという。

*comment*
1時間以上乗った場合に死亡率が高くなるなどの結果より、タイトルの内容が必ずしもあてはまるとは言えないかもしれないが、激しい運動のほうが心血管疾患のリスクが高くなると思い込んでいた筆者にとっては興味深い記事であった。

vol.120

<Today's news>
1. 福祉分野は「経済成長につながる」- 小宮山厚労相
2. 次期改定で「薬剤師の病棟配置」の評価を- 日病薬が要望書
3. “介護職員の医行為”検討した日医・三上氏- 「たん吸引、医行為から外して実施すべき」
4. 高血圧診断の指標にすべきは24時間自由行動下血圧
5. 医薬品ネット販売で改正省令を施行- 第2類移行後も継続使用者にはネット販売可
6. 医療・福祉業界の7月分給与は32万7426円 厚労省・毎月勤労統計調査
おまけ.  人材不足に資金難、入院再開なお見通せず- 震災半年・福島(1)
おまけ. 仮設住宅での「健康カフェ」~お茶っこ健康相談~

福祉分野は「経済成長につながる」- 小宮山厚労相
 2011年09月12日 19:01 キャリアブレイン ※会員登録が必要です
[要訳]
小宮山洋子厚生労働相は、福祉分野について「介護の処遇を含め、これからしっかり処遇すれば、そこで雇用が生まれて(経済)成長につながる」との考えを示した。「削れるところは効率化するとか、(国民に)ご負担していただくところは負担していただくとか、痛みの伴うこともしっかり説明して実行していかないと、どんどん膨れる一方だと思う」と指摘した。
*comment*
この処遇をどのようにするかが今後の課題なのでは?


次期改定で「薬剤師の病棟配置」の評価を- 日病薬が要望書
 2011年09月09日 14:41 キャリアブレイン ※会員登録が必要です

[要訳]
「薬剤師の病棟配置に関する評価」をめぐっては、「現状では病棟で勤務する薬剤師が少なく、評価が難しい」ことを理由に見送られた。日病薬は、薬剤師の病棟配置の実態などについて調査した結果、薬剤師の病院配置(病床当たり人数)が多いほど病棟業務時間が長くなり、これが増えるほど、診療報酬上では評価されていない病棟業務(薬剤管理指導業務以外の薬剤業務)にも積極的に取り組む施設割合が増加することが明らかになったと指摘。その上で、次期改定で「薬剤師の病棟勤務により、医療の安全と質のさらなる向上に努める医療機関の体制を『入院基本料の加算』として評価するよう強く要望する」とした。
また、「後発医薬品使用体制加算の算定要件の緩和」にいて、「医薬品の採用品目数の多い施設で、後発品の使用を推進するためのインセンティブになっていない傾向にある」と指摘。算定要件を「採用品目の割合」から「使用数量の割合(すべての医薬品の使用数量に占める後発品の使用数量の割合)」に変更するよう要望した。

*comment*
病棟活動が患者にとってのメリットになり、金銭的な利益をうむようになれば、病院としても薬剤師の価値を評価するようになる。ただし、利益を生むようになるまでには、誰かの無償の努力が強いられる。今はその時期なのかもしれない。誰かの努力が無駄にならないよう、連盟などはうったえ続けてほしい。


“介護職員の医行為”検討した日医・三上氏- 「たん吸引、医行為から外して実施すべき」
2011年09月10日 10:00 キャリアブレイン ※会員登録が必要です

[要訳]
6月に成立した「改正社会福祉士及び介護福祉士法」により、来年度から、一定の研修を受けた介護福祉士やホームヘルパーなどの介護職員にたん吸引などの医行為を認める新たな制度が始まる。
現在医行為とされているもので、リスクの少ない医行為について介護職員に認めるならば、まずは医行為から外すべきです。医行為を行う場合、介護職員には50時間の講義を含む基本研修と、実地研修が義務付けられます。しかし、リスクの高い鼻腔内や気管カニューレ内部のたん吸引に関しては、その程度の研修で認めるべきではありません。
医行為をばらばらにして、1つずつ片付けていくような考え方は全くおかしいです。本来は医学を体系的に学び、全身のことを理解してさまざまな判断を下すための知識が必要です。そうすることで高齢者の安全が守られるのです。
今回できる制度の下で事故が起これば、制度を修正することが必要だと考えています。


高血圧診断の指標にすべきは24時間自由行動下血圧
2011. 9. 12 日経MD ※日経メディカル閲覧には会員登録が必要です

[要訳]
高血圧の診断は長らく、複数回測定した外来血圧値を指標に行われてきた。だが、家庭で測定された血圧や、24時間自由行動下血圧測定(Ambulatory blood-pressure monitoring;ABPM)の値の方が、心血管リスクとの相関が強いことが示されている。
外来で1回測定した血圧が高かった広範な年齢の男女の高血圧診断において、ABPMは、誤診を減らし、QALYsを延長し、生涯コストを抑えることが明らかになった。

*comment*
A&D Medicalによると、睡眠時に血圧が下降しない場合や起床後急激に血圧が上昇するケースなど、様々な疾患との相関性が高いという。睡眠中などは自分で測ることはできないため、こういった理由からも、家庭で測定した結果よりも24時間自由行動下血圧測定のほうが有効であるといえるのであろう。診療報酬点数の適用(※1)もあるため、これらを利用して始めるきっかけにはなるかもしれない。
ただし、24時間血圧計を付けていなければならないというのは患者にとっても負担が大きいという欠点もある。

※1【D225-3 24時間自由行動下血圧測定】
24時間自由行動下血圧測定は、日本循環器学会、日本心臓病学会及び日本高血圧学会の承認を得た「24時間血圧計の使用(ABPM)基準」に関するガイドライン」に沿って行われた場合に、1月に1回に限り算定する。 厚生労働省 2008年3月5日発表
参考:A&D Medical HP:http://www.aandd.co.jp/adhome/products/me/ambulatory/index.html
 
 
医薬品ネット販売で改正省令を施行- 第2類移行後も継続使用者にはネット販売可
2011年09月09日 18:47 キャリアブレイン

[要訳]
09年6月に施行された「薬事法施行規則等の一部を改正する省令」では、副作用のリスクが最も低い第3類を除き、一般用医薬品のネット販売などを禁止。一般用医薬品のリスク区分の見直しで、第3類から第2類に移行する「リスク区分変更医薬品」について、2013年5月31日までに限り、継続使用者へのインターネット販売などを認める改正省令を公布、即日施行された。

医療・福祉業界の7月分給与は32万7426円 厚労省・毎月勤労統計調査
2011/09/12(月) ケアネット.com ※ケアネット.com閲覧には会員登録が必要です

[要訳]
7月分の毎月勤労統計調査の結果速報によると、医療・福祉業界の1人当たり現金給与総額は前年同月比1.9%減の32万7426円だった。全産業平均は0.1%減の36万7738円。医療・福祉業界の現金給与総額の内訳は、所定内給与が23万5497円(同0.3%増)、所定外給与が1万3751円(同2.4%減)で、特別に支払われた給与が7万8178円(同8.3%減)。

人材不足に資金難、入院再開なお見通せず- 震災半年・福島(1)
2011年09月11日 09:00 キャリアブレイン ※会員登録が必要です

[要訳]
常勤医の数は、従来の10人から3人にまで減った。 「常勤医3人では宿直に対応できない。入院診療の再開は無理だ」とのこと。本来なら新卒看護師を4月に迎え、診療報酬がより高くなる「10対1」の看護配置を敷くはずだったが、それも不可能に。渡辺病院では、月に2億円あった売り上げが事故後は2000万円程度に落ち込んだ。10月からは、スタッフの給与3割カットに切り込むほかない。

*comment*
福島の医療従事者人材不足に資金難はしばらく続きそうであり、回復の見込みも見えない問題となりそうである。


仮設住宅での「健康カフェ」~お茶っこ健康相談~
2011. 9. 13 日経MD ※会員登録が必要です
[要訳]
健康相談が主な目的ではありますが、仮設住宅の中に引きこもりがちな人たちも引っ張り出す仕掛けとして「お茶っこ」、つまりお茶やハーブティーなどが無料で飲めるイベントにしよう、ということになりました。「お茶っこ」というのは、近所の方々と漬け物や煎餅でお茶を飲みながらおしゃべりを楽しむという東北地方の文化だそうです。
慢性疾患を抱える高齢者の方には、血圧を測りながら、どのようなことに不安を感じているかといったお話を伺いました。ほとんどの方は通院されていてお薬も内服されていましたが、やはり通院は不便であること、以前のように近くに医療機関がないことの不安などを語られました。医師、看護師、薬剤師、臨床心理士などの6人が参加しました。さらに法律相談もできるよう司法書士さんもお呼びしました。

*comment*
ボランティア活動の一つを紹介しました。このような一つ一つの活動が、東北の皆さんの心を少しずつ癒しているのかもしれませんね。

2011/09/11

vol.119

<Today's news>
1. 精神安定剤不正入手「偽造、見抜くのは困難」
2. テロ救助でがん発症増加 19%、NYの消防士 「米同時テロ10年」
3. 【肝炎治療戦略会議】B型肝炎治療薬「ペグインターフェロン」を医療費助成の対象に追加
4. 【OTC薬協調査】第1類薬売上低下に歯止めかかる‐法改正後の販売状況を分析
5. サマータイム:不眠に注意 出勤早まり就寝変わらず…寝不足から自律神経失調へ
6. 米で新種の豚インフル 09年流行の遺伝的特徴 監視強化呼び掛け

精神安定剤不正入手「偽造、見抜くのは困難」
2011年9月3日 提供:読売新聞

[要訳]
静岡市内の薬局に偽造された処方箋が提出され、精神安定剤が不正に処方されていた問題で、偽造の手口はカラーコピーという至って簡単なものだが、薬局関係者は「精巧で見抜くのは難しかった」と口をそろえる。2008年から約3年間にわたり、同市内の薬局約30軒で約400枚の処方箋が提出され、精神安定剤約7万錠が処方された。
不正に処方されたのは、精神安定剤「エチゾラム」。患者が複数の医療機関で受診する「多重受診」をして、大量の薬の処方を受けることを見抜く方法がないのが現状。再発防止策については、「コピーすると『複写』という文字が浮かびあがる処方箋にするなど、医療機関側の対応が必要だ」と提言する。

*comment*
以前にも取り上げたこの内容の記事。確かに、病院によってはコピーように見える処方箋もある。押印がされているのでそのまま調剤してきたが、カラーコピーの精度が上がれば見分けにくくなるのも仕方のないこと。処方箋事態に工夫を凝らして「複写」の文字が浮かびあがる処方箋も存在するが、「多重受診」をしてしまえば、医薬品は簡単に入手できるということになる。病院へのアクセスが自由であるからこそ発生しうる事件なのかもしれない。これも氷山の一角なのだろう。
カナダでは、家庭医制度といって最初にかかるDrが決まっており、病院もすべて推薦状によりかかることができる。また、患者医療情報データーベースにより、いつどこで薬をどれだけ手に入れたかもデータ化されているため、多重受診や多重医薬品入手ということが出来ない仕組みになっている。あらゆる意味でも有効なシステムである。


テロ救助でがん発症増加 19%、NYの消防士 「米同時テロ10年」
2011年9月2日 提供:共同通信社  ※m3.com閲覧には会員登録が必要です

[要訳]
2001年の米中枢同時テロで崩壊した世界貿易センタービル跡地で救助活動した消防士は、ほかの消防士に比べ、がんの発症率が19%高いことを突き止めた。アスベスト(石綿)やダイオキシンなど有害物質にさらされた影響とみられる。がんの部位別では、胃がん、大腸がん、膵臓(すいぞう)がんなど10種類で通常よりも発症率が高かったが、肺がんは通常よりも58%低かった。

*comment*
911の文字がちらつく時期になったのではないだろうか。カナダでも毎日ニュースで取り上げられている。救助活動した消防士の中には、精神的な被害を被った人も少なくないと考えられる。それに追い打ちをかけるように癌の発症増加。なんとも残念なニュースである。
アスベストを吸い込んでいる割に、肺がんの発症率が低いというのも不思議な結果がでているように感じるのは私だけだろうか。


【肝炎治療戦略会議】B型肝炎治療薬「ペグインターフェロン」を医療費助成の対象に追加 
2011年9月9日 (金) 薬事日報

[要訳]
現在、B型肝炎患者の治療薬としては、核酸アナログ製剤やインターフェロンが医療費助成されている。従来のインターフェロンは、週2~3回の注射が必要だが、ペグインターフェロンは、週1回の注射で済む。助成の対象について、HBV‐DNA陽性の慢性活動性肝炎で、肝癌を合併していない患者とする方針を示した。また、助成回数は1回で、助成期間は1年以内(48週の週1回投与)、過去にインターフェロン治療の医療費助成を受けた患者も対象とする予定。


【OTC薬協調査】第1類薬売上低下に歯止めかかる‐法改正後の販売状況を分析
 2011年9月5日 (月) 薬事日報

[要訳]
第1類薬の販売金額は、改正薬事法が施行された09年6月が35・4億円で、前年よりマイナス17・3%と大きく低下。10年5月までは低迷が続いた。しかし10年6月以降は、前年同期を上回る月もあり、低下に歯止めがかかっている。OTC薬の年間購入金額(10年7月~11年6月)は、世代が上がると共に高くなる傾向が見られ、10%強がOTC薬を年間に1度も購入していなかった。

*comment*
一類医薬品の認知度が上がってきたということだろうか。低下に歯止めがかかった理由なども同時に確認できれば面白かったかもしれない。一類を購入するきっかけになった事例なども含めて興味がある。薬剤師のいるカウンターに行けばすぐに手に入るからなのか?薬剤師の説明があるから安心して購入できるのか、効果が他の薬に対して高かったためか?その辺も調査してみたらおもしろいかも。


サマータイム:不眠に注意 出勤早まり就寝変わらず…寝不足から自律神経失調へ
毎日新聞 2011年9月5日 東京朝刊

[要訳]
夏場に企業や自治体が始業と終業の時間を繰り上げるサマータイム(夏時間)。節電をねらい今夏、実施したところが多かった。ただ、欧米のように国内のすべての時計が一斉に進んだわけでなく、職場と家庭で「二重生活」を送る人がほとんどだ。生活のリズムが狂って睡眠不足になる人も出ており、専門家が注意を呼びかけている。
「急激な環境の変化は、うつ病などの気分障害の発症につながる。時間を急に戻すのでなく、たとえば10分ずつ、ゆっくりと戻すような工夫が体に優しい」と話す。

*comment*
最近イライラしたり眠れなくなったという人は、これが原因の一つかもしれない。


米で新種の豚インフル 09年流行の遺伝的特徴 監視強化呼び掛け
2011年9月5日 提供:共同通信社  ※m3.com閲覧には会員登録が必要です

[要訳]
米国内の子ども2人が新種の豚インフルエンザウイルスに感染したと発表した。2人の健康状態は既に回復しており、今のところ感染の広がりはない。ウイルスは2009年に発生し、世界的に流行したH1N1型インフルエンザの遺伝的特徴を持っているという。8本ある遺伝子のうちの1本が、2009年に世界的に大流行したH1N1型由来の遺伝子に入れ替わっており、豚の体内などで交雑して新たなウイルスができた可能性がある。ウイルスがH1N1由来の遺伝子を持ったことで、人から人へ感染しやすくなる恐れがあることを指摘する研究者のコメントを紹介している。

*comment*
2年前の豚インフルエンザには嫌な思いでがある。またあの時のような混乱が起きると大変なので、医療従事者達、特に一般小売店等で働いている人たちはできるだけ正確な情報の提供と予防の声かけを徹底して頂きたい。

2011/09/09

vol.116

<Today's news>
1. 【糖尿病網膜症】血管新生阻害薬が新たな選択肢に
2. 『ランセット』が日本特集発行
3. 1日に15分の運動でも死亡リスクが14%低下
4. 躁病の急性期治療に有効なのは、リスペリドン、オランザピン、ハロペリドール
5. 日本人の一次予防患者でも積極的LDL-C低下療法の優位性を実証
おまけ. “新型”の手足口病が大流行
おまけ. MRは、本当にやりがいのある仕事なのか

【糖尿病網膜症】血管新生阻害薬が新たな選択肢に
2011. 9. 6 日経MD ※日経メディカル閲覧には会員登録が必要です

[要訳]
 「糖尿病網膜症の治療法としては、網膜にレーザー光を照射する光凝固法と硝子体手術の2つが確立されているが、最近、血管新生阻害薬(抗VEGF薬)が登場。従来の治療方法としては、増殖前網膜症の時期に光凝固、増殖網膜症の時期になったら硝子体手術が標準で、単純網膜症に対しては、有効性が確認された治療手段はなかった。ステロイドの眼内注射は有効だが、眼圧上昇などの副作用もある。その点、抗VEGF薬は血管新生を抑えるだけでなく、血管の透過性亢進を抑える働きもあり、「浮腫に対しても効果が期待できる」


『ランセット』が日本特集発行
2011. 9. 1 日経MD ※日経メディカル閲覧には会員登録が必要です

[要訳]
英医学誌の『ランセット』は9月1日、日本の保健医療の現状をまとめた日本特集号を発刊した。副題は「Japan : Universal Health Care at 50 Years(日本:国民皆保険達成から50年)」。同特集号は、日本が戦後、短期間で長寿社会を実現した要因を探るととともに、国民皆保険制度の限界や、現行の保険医療システムの問題点を指摘。
特集号の論文は『ランセット』のウェブサイト(http://www.thelancet.com/japan)、日本国際交流センターのウェブサイト(http://www.jcie.or.jp/japan/csc/ghhs/lancetjapan/)で読むことができる。日本語版の出版物(1部1300円+税)は、日本国際交流センターのウェブサイトで購入可能。

*comment*
友人が購入しているので、帰国後さっそく読んでみたい内容である。日本の国民皆保険制度はどこまで持つのだろうか。そして、今後生き残るとしたらどのような変化を遂げていくのだろうか。日本国外からではあるが見守っていきたい。


1日に15分の運動でも死亡リスクが14%低下
2011. 9. 5 日経MD  ※日経メディカル閲覧には会員登録が必要です

[要訳]
これまでに、週に150分以上の運動>の利益を示すエビデンスは蓄積されている。しかし、150分に満たない運動の健康への影響は明らかではなかった。
1日の運動量と全死因死亡の関係を調べたところ、15分から最長100分まで、15分伸びるごとに全死因死亡リスクは4%(2.5-7.0%)ずつ低下した。癌死亡のリスクも1%(0.3-4.5%)ずつ低下していた。
運動による全死因死亡リスク低減はあらゆる年齢の男女に見られること、心血管リスクが高いと考えられる人々にも同様に認められることが示された。毎日15分、または週に90分程度の運動が、多くの人々に生存利益をもたらすことが示された。

*comment*
この運動量であれば、私たちの生活にも大いにあてはまることがわかる。毎日15分間ウォーキング程度の運動であれば、通勤時間でもクリアできる内容であるし、日本人にもぜひ試してもらいたい内容である。しかし、この試験は台湾で行われたため、食事(日本食VS台湾食)による影響がどの程度あるかはわからないが、同じアジア人として似たようなデータになることが予想される。
さて、毎日15分間のウォーキング、初めてみませんか?


躁病の急性期治療に有効なのは、リスペリドン、オランザピン、ハロペリドール
2011. 9. 6 日経MD ※日経メディカル閲覧には会員登録が必要です

[要訳]
急性躁病治療に関するガイドラインであh、有効性に基づく治療薬の順位付けをしていなかった。
全体として、急性期の躁病治療においては気分安定薬に比べ抗精神病薬の方が有効で、現在の選択肢のうちのベスト3は、リスペリドン、オランザピン、ハロペリドールであることが示された。偽薬が最善の治療である確率は23%で、下から4番目だった。
偽薬より下位にあったのはラモトリギン(21%)、トピラマート(7%)、ガバペンチン(3%)だった。

*comment*
これらの研究により、一定の選択肢を提示するきっかけになったのでは?偽薬よりも下位であった医薬品に関しては、急性の躁病治療においては検討されなければならないかもしれない。


日本人の一次予防患者でも積極的LDL-C低下療法の優位性を実証
2011. 8. 29 日経MD ※日経メディカル閲覧には会員登録が必要です

[要訳]
血清LDL-C値は強化療法群では163.7mg/dLから84.4mg/dLに-47.0%、従来療法群では166.8mg/dLから119.1mg/dLに-27.4%、それぞれ低下し、低下率は強化療法群で有意に大きかった。他にも強化療法群では従来療法群に比べて、LDL-C/HDLコレステロール(HDL-C)比、non HDLコレステロール値、トリグリセリド値が有意に改善した。
「日本人の動脈硬化性疾患の一次予防においても、より強力なスタチンを用いた“the lower, the better”の意義を明らかにすることができた」と結論した。

*comment*
これらの内容は、患者への情報提供時にも有効に活用してもらいたい。「薬を飲まなければならないのか?」と悩んでいる患者さんに、効果のほどを伝えて説得してみては?


“新型”の手足口病が大流行
2011. 9. 1 日経MD ※日経メディカル閲覧には会員登録が必要です

[要訳]
今夏、手足口病が大流行した。例年とは異なり、高熱や大きな発疹が広範囲に現れるため、水痘などと誤診されるケースもある。「水痘の場合は発疹が体幹を中心に頭髪部にも現れるが、手足口病では四肢が中心となる」という。さらに、発症から1~2カ月後に爪甲が脱落する患児も報告されている。事前に、爪が剥がれても自然と生え替わることを説明しておくとよいだろう」と話す。

*comment*
同様のケースで水痘の診断で来た場合は注意すべき疾患である。

 
MRは、本当にやりがいのある仕事なのか
2011/09/07 05:00 ミクスOnline

[要訳]
MRには2つのことが求められている。その1つは、医薬品が適正に使用されるよう、医療関係者の診療活動に役立つ信頼性の高い情報を提供・収集・伝達するという社会的使命を果たすこと。MRが日々接するのは医療関係者だが、その背後には疾病と闘っている患者がいるということを忘れてはならない。
もう1つは、自社医薬品の普及を図ること、すなわち担当医療機関や担当エリアにおける営業目標を達成するという、製薬企業の営業担当者としての責任を果たすこと。

*comment*
将来MRになりたいと考えている学生さんたちも、一度目を通してみてはいかがだろうか?

2011/09/01

vol.111

<Today's news>
1. 日本の保険制度、英医学誌ランセットが特集
2. 厚労省、後発薬普及へ承認データ活用、科学的根拠など官学共同で公開
3. アストリム、軟骨成分摂取サプリ発売
4. ユニ・チャーム、9月からピンクリボン活動、中国でも実施
5. 「医療費にも消費税を課税すべき」 日本病院会・堺会長
おまけ. “世界で百人”の青年医師が特別講演へ、今は…

日本の保険制度、英医学誌ランセットが特集
2011年8月31日14時35分 読売新聞

[要訳]
国際的に見れば低い医療費で公平な保険制度を構築できた要因として、並行して進めた公衆衛生政策のほか、経済成長、高い識字率、教育水準、伝統的な食習慣と運動などをあげた。
ただ、現状は人口の高齢化、政治停滞、景気低迷などで、「日本の保険医療制度は大きな課題に直面している」と指摘した。「過去の成功は必ずしも将来のトップレベルの成果を保証しない」と警告している。

*comment*
日本の保険制度はまさに破たん寸前、過去には誇っていた時期もあったかもしれないが、逆にこの失敗から学ぶところがあれば、と思う。機会があれば特集を読んでみたい。


厚労省、後発薬普及へ承認データ活用、科学的根拠など官学共同で公開
2011/09/01(木) ケアネット.com ※ケアネット.com閲覧には会員登録が必要です

[要訳]
後発薬の使用は増加傾向だが、すんなりと普及が進まない実態もある。その理由の1つが医師が抱く後発薬品質への不安だ。同省ではこれを払拭するために、後発薬を承認した科学的根拠を広く示す構えで、審査機構や関連学会の協力を得て、ホームページなどを通じ、早ければ今年度中に公開する。

*comment*
最も有効な後発医薬品を選定する際、比較する材料(資料)の確保がまず大変であり、情報源も様々である。ある一定の比較できる文献やサイトなどが出来れば、普及にもつながるのでは?


アストリム、軟骨成分摂取サプリ発売
2011/09/01(木) ケアネット.com ※ケアネット.com閲覧には会員登録が必要です

[要訳]
プロテオグリカンをはじめ、2,型コラーゲンやヒアルロン酸、N-アセチルグルコサミンを配合し、バランス良く軟骨成分を摂取することができる。
関節痛やロコモティブシンドローム(運動器症候群)に対応した商品として初年度1万個以上の販売を目指す。

*comment*
コンドロイチンやグルコサミンなどは、実際にどの程度軟膏成分として取り込まれているかは、定かにはなっていない。ヒアルロン酸なども分子量が大きいため吸収できないと考えられているが、その辺はどのような取り組みがなされているのだろうか?


ユニ・チャーム、9月からピンクリボン活動、中国でも実施
2011/09/01(木) ケアネット.com ※ケアネット.com閲覧には会員登録が必要です

[要訳]
ピンクリボン活動(乳がん早期発見啓発活動)を9月1日から10月31日まで実施すると発表した。同活動は4年目を迎えるが、今年からは中国にも拡大。

*comment*
中国の乳がん罹患率などは日本と比較してどのようになっているのだろうか??


「医療費にも消費税を課税すべき」 日本病院会・堺会長
2011/08/31(水) ケアネット.com ※ケアネット.com閲覧には会員登録が必要です

[要訳]
社会保障と税の一体改革の中で消費税増税が検討されていることについて、医療費にも課税すべきとの見解を示した。「あきらかに不平等な税制で医療機関の負担は増大した。」と主張している。

*comment*
医療費に税金がかからないのは当たり前のことのように思っていたが、果たして課税すべきなのか、すべきでないのか??
他の国民皆保険制度が無料で医療を提供している中で、医療費に課税というのは個人的にあ抵抗のある話であるが、他の課税であまかない切れない今の日本にとっては仕方のないことなのだろうか。


“世界で百人”の青年医師が特別講演へ、今は…
2011年8月31日 読売新聞

[要訳]
東日本大震災が起きた3月11日、4階まで津波が押し寄せた宮城県南三陸町の病院で患者の避難・治療にあたった医師の菅野武さん(32)が9月2日、出身の自治医科大(栃木県下野市)に招かれ、特別講演を行う。
菅野さんは4月、勇気ある行動で米誌タイムの「世界で最も影響力のある100人」にも選ばれた。講演では、47都道府県に地域医療を支える医師約3200人を送り出している同医大の教員や学生に、「絶望的な状況でもあきらめず、自分にできることを考えてほしい」とメッセージを送る。

2011/08/26

vol.102

<Today's news>
1.「受診時定額負担」で4000億円削減、うち半分は受診抑制効果
2.高齢者への抗うつ薬、薬剤の種類により有害転帰の出現率に差
3.計画停電時の医療機関公表 東日本15都県の373施設
4.薬剤師も聴診器活用、副作用など早期発見
5.【薬事法違反】薬局製剤にステロイド混和‐広島市が業務停止命令
6.【11年情報通信白書】4人に1人がWebサイトで健康・医療情報

[要訳&コメント]
「受診時定額負担」で4000億円削減、うち半分は受診抑制効果
2011年08月09日 m3.comメッセージ ※m3.com閲覧には会員登録が必要です
政府・与党社会保障改革検討本部が6月30日に、「社会保障・税の一体改革成案」を決定して以降、医療界では様々な議論が沸き起こっています。
注目点の一つが、「受診時定額負担」。
「受診時定額負担」とは、初再診時に、定率の窓口負担金とは別に、例えば、「100円」などの定額負担を、患者に求める仕組み。高額療養費制度を見直し、長期高額医療を受ける患者などの負担を軽減するための財源確保が目的です。
。「年間の入院外の受診延日数は、医科(約16億日)と歯科(約4億日)を合わせ、約20億日なので、100円の定額負担を徴収すると、約2000億円。外来負担を引き上げると受診抑制が働くため、これまでの経験を踏まえ、その額は約2000億円と推計され、合わせて約4000億円の財政効果があると見込まれる。公費負担は医療費の約3割なので約1300億円になる」

「受診抑制」はセルフメディケーションにもつながるが、100円程度で果たして影響はあるのか?一方たかが100円でも負担が厳しくなる高齢者もいる中で、一定に負担を設けるというのはさらに考えなければならないポイントでもある。でも、どこで線引きを設けるか?ただ、国民の負担を少しずつ増やさない限り日本の復活は見込まれないのも事実。

その他の関連記事
受診時定額負担は「弥縫策」にすぎず - 安達・中医協委員2011年8月9日 安達秀樹


高齢者への抗うつ薬、薬剤の種類により有害転帰の出現率に差
2011年08月05日 ソース:BMJ(論文一覧) カテゴリ: 精神科疾患(関連論文) ・神経内科疾患(関連論文) ・投薬に関わる問題(関連論文)

[要訳&コメント]
65-100歳のうつ病患者6万746人を対象に、抗うつ薬と有害転帰との関連を集団ベースのコホート研究で調査。三環系抗うつ薬に比べ、選択的セロトニン再取り込み阻害薬と他種の抗うつ薬は、転倒、全死因死亡などの有害転帰リスクの有意な上昇と関連していた。個々の薬剤では、トラゾドンやミルタザピンなどが有害転帰の高リスクと関連していた。
原文

※トラゾドン:日本での商品名「デジレル®」や「レスリン®」
※ミルタザピン:日本での商品名「リフレックス®」や「レメロン®」

計画停電時の医療機関公表 東日本15都県の373施設
2011年8月8日 提供:共同通信社

[要訳&コメント]
政府は5日、計画停電が実施された場合でも人命救助などに支障が出ないよう特別に電気の供給を続ける医療機関として、東京電力と東北電力管内の15都県にある373施設のリストを公表した。両社は計画停電を原則行わないとしており、万が一に備えたもの。
対象は、重篤な患者を受け入れる「救命救急センター」に指定された病院や大学病院などで、東京電力管内の8都県の261施設と、東北電力管内の7県の112施設。
医療機関名リスト http://setsuden.go.jp/

薬剤師も聴診器活用、副作用など早期発見
11/07/21記事:読売新聞

[要訳&コメント]
長崎市の長崎大病院で、医師や看護師が使う聴診器を薬剤師も活用するようになった。

患者の体調を把握するフィジカルアセスメントを通じて、副作用の早期発見などにつなげるのが狙い。九州・山口の医療機関では珍しい取り組みで、フィジカルアセスメントの技術を持つ薬剤師を増やしていく方針だ。
日本病院薬剤師会によると、薬剤師によるフィジカルアセスメントは医療行為とみなされ、医師法に抵触する可能性があるとされてきた。しかし、厚生労働省が昨年4月、医療現場での薬剤師の積極活用が求める通知を出したことを受け、同会は「医療行為には当たらない」との解釈を公表。こうした動きを背景に、各地の医療機関で研修を実施するなどの動きが広がったという。
長崎大病院は昨年2月、フィジカルアセスメントの技術を持った薬剤師の育成に向け、研究会を設立。月1回、医師や歯科医師らが指導する講習を開き、受講を終えた8人が今年1月から入院患者のフィジカルアセスメントを実施。副作用の有無の確認や、医師に対する薬の処方提案に生かしている。

フィジカルアセスメント:患者の体の打診や聴診を通じて状態を把握する行為。
どの程度薬剤師によるフィジカルアセスメントの動きが広まっているのだろうか。薬剤師達が自ら動くことで法律を変えていくという動きがみられるのはうれしいことだ。徐々に積極的な薬剤師が増えることを希望する。

【薬事法違反】薬局製剤にステロイド混和‐広島市が業務停止命令
2011年8月12日 (金) 薬事日報

[要訳&コメント]
広島市は、ムラオカ薬局(広島市西区)に対し、薬事法に基づく業務停止を命じた。ステロイドを含む処方箋薬を粉砕して漢方製剤に混和し、処方箋交付のない患者に販売したもの。違反品は薬局製剤の「ムラオカ鼻炎薬」の一部で、2008年2月から今年4月まで販売していた。
市は、違反品の服用中止や、健康被害が疑われる場合に医療機関を受診するよう呼びかけると共に、同製品によって緑内障や糖尿病の発症、免疫機能低下による感染症悪化などが現れる可能性があると、注意喚起している。

薬事法に違反していることはもちろん問題ではあるが、一番の問題は果たしてステロイドを含有していることで受ける影響を患者に説明していたかどうかである。これらを説明していなかったとしたら、薬事法に違反している以上に薬剤師としての資質が疑われる。

【11年情報通信白書】4人に1人がWebサイトで健康・医療情報
2011年8月11日 (木) 薬事日報

[要訳&コメント]
総務省の2011年版情報通信白書は、インターネットの普及に伴う国民の情報収集行動の変化を分析している。健康・医療関連の情報源は、05年に11・6%だった「パソコンのWebサイト」が10年には23・8%まで拡大し、「友人・家族」の22・6%を抜いた。「携帯情報サイト」は0・6%から5・3%に伸びた。ただ、最多は「テレビ」の45・6%で05年と同じだった。

今後さらにネットを利用した情報の収集が発展していく可能性があるので、情報の正確性が求められる。Webの情報はでたらめである可能性も多いので、利用者は100%情報をまにうけないよう、そして医療者はこの現状を受け止め、より正確な情報を提供できるよう知恵をしぼって行く必要がある。

2009/08/19

Saya's 薬学ニュース vol.99-糖尿病入院患者の低血糖が高死亡率に関連/60歳以上の97%が“COPD”の疑い/「レーシック手術で感染症」50人が提訴/抗精神病薬「クロザリル」を発売/ 医療改革“真夏の戦い”へ

<Today's news>
1. 糖尿病入院患者の低血糖が高死亡率に関連
2. 50代の69%、60歳以上の97%が“COPD”の疑い
3. 「レーシック手術で感染症」50人が提訴
4. 抗精神病薬「クロザリル」を発売 ノバルティスファーマ

おまけ. 医療改革“真夏の戦い”へ 米大統領に妥協圧力

みなさんこんにちは。
大変ご無沙汰しております。時間に余裕が出てきましたので、さっそく薬学ニュースを再開させたいと思います。今後とも皆さんよろしくお願いいたします。


糖尿病入院患者の低血糖が高死亡率に関連
2009/07/31(金)-ケアネット.com ※ケアネット.com閲覧には会員登録が必要です

[要約&コメント]
入院中に低血糖症を起こした糖尿病患者は、入院中あるいは1年以内の死亡リスクが有意に高いことが新しい研究で示された。 低血糖症を来した日が1日増えると、入院中の死亡リスクが85.3%増加し、退院後1年間の死亡リスクも65.8%増加した。さらに、低血糖症を来した日が1日増えると入院日数も2.5日伸びることが判明した。「直前に食べた食事のような明らかな理由による低血糖症であっても、自然に生じた低血糖症と同様にリスクが高いのかどうかを調べる総合的分析はできない」と述べている。

この内容からみると、ここで述べられている低血糖症状とは、自然に起きる低血糖症状のことを主に指していることがわかる。特に入院患者の場合は状態が重症化し、食事を摂れないケースもある。そんなときに入院前とお同じ治療をしていては低血糖を引き起こすリスクも高くなるということである。
低血糖のリスクはみな承知の上であるが、このように具体的な数字でみると1日の低血糖発現も侮ることはできない。

50代の69%、60歳以上の97%が“COPD”の疑い
2009/07/31(金)-ケアネット.com ※ケアネット.com閲覧には会員登録が必要です

[要約&コメント]
40歳以上で10年以上の喫煙者のCOPDの疑いが、40代で20%、50代で69%、60代では97%と、年代とともにと急増するという。ファイザー株式会社が行った調査からわかった。また、COPDの疑いがある人のうち68.4%(253/370人)は、ニコチン依存症であることもわかったという。
私の祖父もCOPDで他界した。何度言ってもタバコだけはやめなかった。そして病院にも行こうとしなかった。祖父は当時80近くだったので、この割合を知っていたら…と思うことがある。すでに依存症だったのだろう。

「レーシック手術で感染症」50人が提訴
2009/08/03(月)-ケアネット.com 記事提供:読売新聞 ※ケアネット.com閲覧には会員登録が必要です
[要約&コメント]
東京都中央区の診療所「銀座眼科」(閉鎖)で、レーザーを照射して視力を矯正する「レーシック手術」を受けた患者に感染症被害が多発した問題で、患者50人が「感染症の危険を知りながら手術を続けた」として、元院長などに計約1億3000万円の損害賠償を求める訴訟を東京地裁に起こした。 手術を受けた患者が感染性角膜炎になり、「衛生管理を見直さず、感染被害を続発させた責任は大きい」と主張している。

今はやり(?)のレーシック手術。友人の何人かもすでに手術を受け、良好な視界を手に入れたことを喜んでいる。ただし、おこなう場所に関しては選らぶ必要がありそうだ。実際に手術を行った友人の紹介など、信頼を重視して選ぶほうがよさそうだ。

抗精神病薬「クロザリル」を発売 ノバルティスファーマ
2009年8月3日 (月)-薬事日報

[要約&コメント]
ノバルティスファーマは、抗精神病薬「クロザリル錠25mg、同100mg」(一般名:クロザピン)を新発売した。クロザリルは、日本初の治療抵抗性統合失調症治療薬。2種類以上の抗精神病薬で十分な効果が得られない患者に対して、効果を発揮する。ただし副作用発現が多くみられたことから、「クロザリル患者モニタリングサービス」(CPMS)が運用され、医師や保険薬局はCPMSへの登録が義務となる。

この薬が開発されたのは1960年代と古く、他の向精神薬開発の糸口となった薬であるという。ただし、無顆粒球症等の重篤な副作用のため開発は中止された。他の薬で治療困難な患者に効果が認められ今回販売に至ったが、使用には厳格な副作用・血中濃度モニタリングが必要となる。副作用発現に十分注意する必要のある薬なので要注意である。

商品名: クロザリル錠
一般名:クロザピン
規格:25mg、100mg
用法用量:初日は12.5mg(25mg錠の半分)、2日目は25mgを1日1回経口服用する。3日目以降は症状に応じて1日25mgずつ増量し、原則3週間かけて1日200mgまで増量。維持量は1日200~400mgを2~3回に分けて経口服用。最高用量は1日600mgまで。
副作用:無顆粒球症、めまい、立ちくらみ、吐き気、口渇等
注意:糖尿病患者には原則投与しない、白血球数検査が必要

おまけ...米国の国民皆保険制度改革

医療改革“真夏の戦い”へ 米大統領に妥協圧力
2009年8月3日-ケアネット.com  提供:共同通信社 ※ケアネット.com閲覧には会員登録が必要です

[要約&コメント]
オバマ氏は、約4700万人が無保険状態であることに加え「重病にかかったり失業すると保険が適用されない」という現状のいびつさを指摘。保険会社の「もうけすぎ」も批判し、公的保険の導入で競争を強め、健全化を図ると訴えている。これに対し、改革反対の共和党デミント上院議員らは「政府は余計な手を出すな」との立場。政府主導の国民皆保険は「社会主義への一歩で米国の自由に対する脅威」という保守派の価値観が根底にある。
7月30日付のニューヨーク・タイムズ紙の世論調査結果によると、69%が「公的保険を導入し国民皆保険となれば、自分の保険の質が低下する」と懸念を表明。一方で、公的保険がなければ「いつか自分の保険がなくなる」との回答も66%に上り、有権者の揺れる気持ちを示した。

医療ニュースではホットな話題の一つでもある米国の国民皆保険制度に関する議論。1兆ドル(約94兆6500億円)規模の支出を伴う改革をどう乗り切るのか。世論の反応も期待と不安が混ざっているのがわかる。しばし見守っていきたい議論である。

2009/02/13

Saya's 薬学ニュース vol.76-後発品と「患者への通知」/FDAが皮膚局所麻酔薬の危険性を警告

<Today's news>
1. 後発品による自己負担減額幅‐「患者へ通知」が努力義務に
2. FDAが皮膚局所麻酔薬の危険性を警告


後発品による自己負担減額幅‐「患者へ通知」が努力義務に
2009年01月22日-薬事日報

[要約&コメント]
厚労省は、国民健康保険における後発品の普及促進策について説明。市町村国保が被保険者に対し、後発品に切り替えた場合の自己負担の減額幅について周知する取り組みを、努力義務とすることを明らかにした。「後発医薬品希望カード」を全ての被保険者に配ることも求めた。
、「医療の質を落とすことなく、医療費全体の適正化が図られ、保険財政のためになるという重要な取り組み」と協力を呼びかけた。

厚労省の動きも積極性が見受けられる。「後発医薬品希望カード」の内容に関しても概要が見えてきた分、納得できるものに思えてきた。今までは、制度に手を加えることで処方や調剤する側の体制が整えられてきたが、希望する側(患者)への啓蒙により新しい動きが生まれるかもしれない。

FDAが皮膚局所麻酔薬の危険性を警告
2009.1.16-薬事日報

FDAは消費者および医療従事者に対し、薬ともに皮膚に塗布する局所麻酔薬の不適切な使用により、生命にかかわるリスクが生じるとの警告を発した。該当する麻酔薬は、皮膚表面に近い神経末端の感覚を鈍らせる作用のあるリドカイン、テトラカイン、ベンゾカイン、プリロカインなどの麻酔成分を含有するもので、クリーム、軟膏およびゲル剤がある。

痛みを取り除いて、手術などをしやすくする。そんな役割を持つ麻酔薬も、あくまで薬であることを忘れてはならない。少し警告が遅いようにも感じたが・・・。気のせいだろうか

2009/01/31

Saya's 薬学ニュース vol.70-ワクチンの予防接種後副反応報告書を公表/レセプト請求電子化は違憲/薬害C型肝炎訴訟和解の困難さ/アルツハイマー患者に抗精神病薬は死亡率をUPさせる?/フランと日本の医療

<Today's news>
1. 各種ワクチンについて予防接種後副反応報告書を公表  厚労省
2. レセプト請求電子化は違憲 「営業侵害」医師ら提訴へ
3. 国の同意、2割不透明:薬害C型肝炎訴訟 「フィブリン糊、判断困難」
4. アルツハイマー病患者において抗精神病薬により長期死亡率が上昇する

おまけ. わが国の在宅医療とフランスからの示唆

各種ワクチンについて予防接種後副反応報告書を公表  厚労省
2009年1月15日-m3.com 提供:WIC REPORT(厚生政策情報センター)

[要約&コメント]
厚生労働省は平成18年度の「予防接種後副反応報告書」を公表した。これは、平成18年4月1日から平成19年3月31日までの間に厚労省に報告された予防接種後副反応報告を報告基準にある臨床症状ごとに単純集計し、まとめたものである。
対象とされたワクチンは、定期接種として実施されたジフテリア・百日せき・破傷風混合、ジフテリア・破傷風混合、麻しん、風しん、麻しん・風しん混合、日本脳炎、ポリオ(急性灰白髄炎)、BCG、インフルエンザである。
参考資料:予防接種後副反応報告制度について(PDFファイル)

ここでは詳しく紹介しませんが、参考資料のPDFファイルにそれぞれのワクチンによる副反応事象が記載されています。是非活用下さい。

レセプト請求電子化は違憲 「営業侵害」医師ら提訴へ
2009年1月16日-m3.com 提供:共同通信社 ※m3.com閲覧には会員登録が必要です

[要約&コメント]
診療報酬明細書(レセプト)のオンライン請求を義務化するのは「営業の自由の侵害で違憲だ」として、国に対しオンライン請求の義務がないことの確認と一人当たり100万円の慰謝料を求め、横浜地裁に提訴することが15日、分かった。(提訴は21日)
弁護士は「オンライン請求には高額の設備投資が必要で、対応できない医療機関は廃業するしかない。国会の立法によらない省令で一律に義務化するのは、憲法の保障する営業の自由の侵害だ」と訴えている。
類似記事:診療報酬の「電子申請義務化は違憲」…国を提訴へ(ケアネット 提供:読売新聞)

とうとう提訴に至ったレセプトオンライン請求義務化に対するの問題。先日匿名さんにコメントを頂いたように、オンライン化が義務化されれば、地域医療や歯科医療に多大な損害を与えることとなる。この訴訟により、オンライン化への動きも大きく変化を加えられるのではないだろうか。引き続き、今後の動きに注目したい。

国の同意、2割不透明:薬害C型肝炎訴訟 「フィブリン糊、判断困難」
2009年1月16日-毎日新聞社

[要約&コメント]
薬害C型肝炎訴訟の原告約1400人のうち、被害者救済法に基づく和解に国が同意するかどうか未定(保留)の被害者が、全体の2割の約270人に上ることがわかった。薬害肝炎被害者は、病状に応じ1200万~4000万円の給付を受けられるが、その前に国と裁判上の和解が必要になる。
保留のケースは...
(1)血液製剤フィブリノゲンを接着剤として調合した「フィブリン糊(のり)」で感染した...因果関係の判断ができない<160人>
(2)ウイルス処理が比較的有効だった時期(85年8月以前)に投与され、大量の輸血も受けた<10人>
(3)医師らの投薬証明だけでカルテなどがない...投薬証明に加え、医師らを尋問した上で判断が必要<100人>
--に大別される。

保留にされている間に、病状は進行し続け、死に至ることも実際に起きている。これらの訴訟には時間がかかり、さらに実際感染が多数起きた時期は40年近くも前のことになるので、もちろん証拠となる書面を入手することももはや困難である。国としては救済したい思いがあっても、どの程度でラインを引くべきなのか最も難しい部分なのだろう。両者の間で、よい方法が生み出されることを祈るばかりである。

アルツハイマー病患者において抗精神病薬により長期死亡率が上昇する
2009年1月19日-m3.com  提供:Medscape ※m3.com閲覧には会員登録が必要です

[要約&コメント]
新しい試験で抗精神病薬の処方を受けるアルツハイマー病患者の長期死亡率上昇が示され、アルツハイマー病患者の神経精神症状の治療のため有害性の少ない代用療法の必要性が浮き彫りになっていると研究者は述べる 。抗精神病薬(チオリダジン、クロルプロマジン、ハロペリドール、トリフロペラジン、リスペリドン等)は複数の症状(攻撃性、苦痛等)がみられる患者においてのみ使用し、例外的状況を除いて、3ヵ月以上使用すべきではないと訴えている。

実際、6~12週間抗精神病薬を投与した場合、中程度の効果が得られているとのことなので、精神症状には第一選択薬として広く用いられているとのこと。ガイドラインもあくまでガイドラインでしかなく、新たな知見に合わせて改良されていくべきである。

おまけ...フランスの医療

わが国の在宅医療とフランスからの示唆
2009年1月19日-医学書院

[要約&コメント]
フランスと日本の医療制度には,極めて多くの共通点がある。医師は自由開業制であり,患者は受診におけるフリーアクセス権を持つ。また,国民皆保険のもと豊富な種類の保険があり,保険会社・医療・被保険者は良好な関係がみられる。
フランスでは,在宅入院という概念があるのである。入院で行うことを在宅で行うという概念である。代表的なものは抗がん剤による化学療法である。対象にはその他手術後の管理,リスクの高い妊娠,点滴などがある。今後の日本でも,フランスのような高度な在宅医療が求められていく。その中で,診療所の医師が,どこまで在宅医療を担えるのかは大きな課題である。

フランスの医療が日本の医療と似ていること、ご存知でしたか?私は知りませんでした...医療費などはどうなっているのでしょうか?日本と同じようにたくさんの負債を抱えているのでしょうか?
新たな薬剤師の職能拡大域として、在宅医療が注目されている。癌患者の多くも、自宅での療養を望んでいる人が多い事もあり、フランスでニーズが拡大したのも納得である。しかし、癌のような疾患を在宅で行う事を可能にするのは、日本にとって大きな課題となるであろう。他国では可能にしている、という事は日本でも不可能ではない。いい手本があるのであれば、有効に利用するべきである。

2009/01/22

Saya's 薬学ニュース vol.61-糖尿病疑いありの半数は未治療のまま/ヒアルロン酸自己注射の危険性/インフルエンザ今後も増加の可能性高い/米国医療の真相はいかに(本紹介)

<Today's news>
1. 40歳以上の3割が糖尿病‐半数は未治療者
2. ヒアルロン酸 しわ取り、自己注射「ダメ」 ネット頼り個人で輸入、後遺症に悩む例も
3. 喘息患者へのアプローチ
4. インフルエンザ、流行指標の4.7倍に増加

おまけ. サブプライム化する米国の医療『米国医療崩壊の構図』 

40歳以上の3割が糖尿病‐半数は未治療者
2009年01月09日-薬事日報

[要約&コメント]
厚生労働省の2007年度「国民健康・栄養調査」で、糖尿病が疑われる人は予備軍も含め、前年度より340万人増え2210万人に達し、特に40歳以上では29.0%と、10人に3人は糖尿病が疑われことが明らかになった。糖尿病が強く疑われる人で、治療を受けている人の割合(55.7%)は10年前に比べ改善したが、指摘を受けた人の半数は治療を受けていないことが分かった。
神経障害が最も多く11.8%、次いで腎症11.1%、網膜症10.6%、足壊疽0.7%の割合。

糖尿病は自覚症状が薄い分、医師から指摘されても危機感を感じにくい。「自分は大丈夫だろう」という理由のない自信を持ちたがる。これは、患者の無知からくるものが大きいように思う。せっかく検査を受けて早期発見ができても、治療に取り掛からなければ症状は悪化する一方。知識がない中で自分流に食生活を変えるだけでは改善が非常に難しい。早めに対応すれば、急激な悪化は防げるし、目を失ったり足を失ったり、透析のために毎日病院に通う必要もない。患者への情報公開を薬局でも積極的にやっていけるのではないだろうか。

ヒアルロン酸 しわ取り、自己注射「ダメ」 ネット頼り個人で輸入、後遺症に悩む例も
2009年1月11日-m3.com 提供:毎日新聞社

[要約&コメント]
インターネットで購入したヒアルロン酸を、自分で顔などに注射する行為が広がっている。ヒアルロン酸は関節や真皮に含まれ、化粧品の保湿成分として使われる。美容クリニックなどでは、しわの下に注射して目立たなくさせる美容法が提供されている。
ある患者は、クリニックで使用していたものと同じメーカーのヒアルロン酸を、香港の輸入代行業者を通して購入を試みた。掲示板の体験談などを基に07年12月、自分のほおや目の下に注射したところ、2、3カ月後、注射した部分の一部が膨らみ、しこりになった。クリニックでヒアルロン酸を分解する注射を打ったがしこりはなくならず、皮下にひきつれが起きる「異物肉芽腫症」と診断された。完全に元に戻すことは難しく、女性は「すごく後悔している」と話す。

美容整形は女性の綺麗になりたい、若くありたいという本能を魅惑する天国のような存在なのだろう。しかし、治療費は高いし、期間はかかるしで、道を踏み外してしまう人も少なくはないようだ。美容整形での治療は専門知識を持っている医師による施術(少なくとも免許を持っている医師であれば)なので、安全性はある程度確保されるが、インターネットでの購入を「ダメ」というのは賛成である。頭ごなしに否定しているわけではなく、それは、あなたのためだからなのです。手を出す前に賛否両論きちんと把握し、危険性を知ることは重要です。

喘息患者へのアプローチ
2009年1月12日-週刊医学界新聞

[要約&コメント]
喘息の重症度を決めるフォーカスを絞った問診がKeyとなる。日中に発作はあるか,夜間寝ている間の発作はあるかなど細かな問診が患者の長期治療戦略に大きく関係してくることは見落としがちだ。そのほか,何が誘発因子だったのか,アレルゲンへの曝露,感染症の有無,ピークフロー,肺機能検査の有無,救急外来での治療,なども重要なポイントである。

〈急性期の治療の基本〉
基本はβ2刺激薬(ベネトリン®)吸入,そしてステロイド(経口/注射)の投与。その他抗コリン薬の使用も重要。テオフィリン製剤に関しては明確なエビデンスがなく、他の薬剤との相互作用や血中濃度を考えると使いづらい点もある。
〈慢性期の治療の基本〉
急性増悪の予防のための教育とコントローラーの組み立て。(重症度を見分けることがポイント)
          <ステップに応じた投薬内容の決定>

〈治療のステップの背景〉 治療の基本は吸入ステロイドである。これに長時間作用性β2刺激薬を組み合わせたり,モンテルカストなどのロイコトリエン拮抗薬を組み合わせたりしてコントロールを図る。長時間作用性β2刺激薬だけで治療することは避ける。
〈薬物療法以外で重要な治療 〉
環境改善:喫煙歴,ネコなどペットに対するアレルギー,ゴキブリの有無など

ちょっと長くなってしまったが、医師がどのような考え方で薬を処方しているのかがわかりやすく記載されていたので掲載した。患者さんへの服薬指導にも応用できそうだ。

インフルエンザ、流行指標の4.7倍に増加
2009/01/13 15:43-キャリアブレイン

[要約&コメント]
インフルエンザが増加しており、昨年の第51週には、全国的な流行開始の指標である定点当たり報告数「1.0」を大幅に上回る「4.68」に達し、今シーズン最高を更新したことが明らかになった。
シーズンの12月までに全国的な流行が始まった場合、流行のピークが翌年の1月末または2月初旬になっており、今後さらに増加する可能性が高いとし、より一層の注意を呼び掛けている。

毎日話題に上るインフルエンザのニュース。つきませんね。さらに増加が見込まれるというのは良いニュースではありませんが、引き続き注意を要するということで、掲載しました。

おまけ...本紹介「米国の医療」
サブプライム化する米国の医療『米国医療崩壊の構図』 
2009年1月9日-NBonline(日経ビジネス オンライン)

[要約&コメント]
本書は米国医療システムに関して論じるレジナ・ヘルツリンガー・ハーバード大学経営大学院教授の3冊目の翻訳書である。2部構成で、前半が現在の米国医療サービス市場の“診断書”、後半がその病根を治療する“処方箋”となっている。
診断書の要点はジャック・モーガンという腎臓疾患患者が、民間医療保険を持ちながらも移植が間に合わず亡くなった理由を、1つのケーススタディーとして追求し、医療保険会社、非営利大病院、雇用主企業、連邦政府とあらゆる種類の規制に関して意見する専門家集団のすべてに、応分の責任があることを解明していく。

海外の医療制度比較などを行っている身としては、とても興味深い内容で読んでみたいと自然に思ったのだが、皆さんはどうでしょうか。実際カナダでも、手術まで待たされ、待たされ。。。。挙句の果てに待てずに亡くなるというケースがあるのが事実です。症例としては似ているかもしれませんが、この2カ国で決定的に違うのは何なのか。皆さんは気になりませんか?

2009/01/13

Saya's 薬学ニュース vol.55-厚労省副作用の分析を強化する旨を発表/後発品推進のため、6.1億円を予算にプラス/ネット販売の議論未だに続く/鳥インフルエンザで死亡-中国

<Today's news>
1. 薬副作用、分析を強化 来年度から、担当者を100人増員 厚労省方針
2. 後発医薬品関連は9.2億円‐「カード」配布などを実施
3. 薬の通販 規制で火花

おまけ. 鳥インフルエンザで死亡 北京の19歳女性

薬副作用、分析を強化 来年度から、担当者を100人増員 厚労省方針
2009年1月8日-m3.com 提供:毎日新聞社 ※m3.com閲覧には会員登録が必要です

[要約&コメント]
厚生労働省は来年度、発売された医薬品の副作用の原因を分析し、安全対策を検討する体制を強化する方針を固めた。担当者を約100人増やして現行の2倍以上とし、迅速な安全情報の提供や副作用の原因解明を目指す。最近、抗がん剤や関節リウマチなどで効き目の高い薬が登場する一方、重い副作用を伴うケースも増えているが、監視と分析の体制は欧米に比べ手薄になっていた。
現在、1日当たり約130件の副作用情報が寄せられているが、処理されているのは死亡例や特に重い副作用のある同約40件にとどまる。また、対応の遅れで被害が拡大した薬害肝炎の問題を重視した。

薬害肝炎の問題は、私が学生の時から徐々に活動が始まり、決着がつくまで長い年月がかかった。始めは支援する会の会員として活動に参加していたが、徐々に参加する時間がなくなり、最後はML(メーリングリスト)のみでの参加になってしまった。すべての結果が良い方向に向き、活動した人たちの思いがかなったことがうれしかったことを覚えている。
処理件数が130件に対して40件...処理されていないものが公表されずに苦しむ人の姿を想像しただけでも恐ろしい。これも従業員不足だったというのだろうか。

後発医薬品関連は9.2億円‐「カード」配布などを実施
2009年01月07日- 薬事日報

[要約&コメント]
厚生労働省の2009年度予算案で、後発品の使用促進関連費用が9・2億円に上ることが分かった。昨年12月20日の財務省原案内示では、9・2億円だったものの、同日の厚労省当初内示には、後発品使用を希望する患者の意思表示を容易にする「後発医薬品お願いカード」の配布に対する補助金約6・1億円が盛り込まれていなかったため、3・1億円と公表されていた。
厚労省医政局の「後発品の使用促進」は、前年度の4483万円を大幅に上回る1億1500万円となった。

後発品の使用促進は、この数字を見ると大きく前進したように見られる。保険者がすべての被保険者に「カード」を配布する方針は、どのような効果を得られるか。患者の多くが後発医薬品での処方や調剤を希望しているというアンケートから見れば、これも大きな前進につながるように感じる。認知度はすでに高くなっているので、これをどのように実行に移すかである。


薬の通販 規制で火花
2009年1月8日-m3.com 提供:読売新聞 ※m3.com閲覧には会員登録が必要です

[要約&コメント]
今年6月の改正薬事法施行に伴い、厚生労働省は近く省令を改正し、市販薬のインターネット販売やカタログ販売は一部を除き禁止する。店舗での対面販売による安全な薬の提供を目指し法律を改正した。これに対し、ネット業界など関係者や内閣府の規制改革会議は反発、利便性と安全性をめぐり、対立を深めている。
鎮静剤で自殺図った男性のニュースでは、思い立ってから実行まで、わずか5日間。命は取り留めたが重い障害を負った男性は「びっくりするほど簡単に手に入ったから、あまり深く考えずにのんでしまった。後悔している」と話しているという。

Saya's 薬学ニュース vol.48の記事でも紹介したように、厚労省の思い通りに決定が下されたネット通販の件。未だに様々な人が意見をぶつけ合っているとの事だ。ネット販売の議論では、最後のほうで鎮静剤で自殺を図った男性のニュースが大きく取り上げられたが、今回初めて男性の生の声を聞いた。あまり深く考えずに薬を大量服用するということが本当に起きるのだろうか。TVや本の影響が大きいのかもしれない。ネット販売反対に関しては、今まで野放しにされていた内容をしっかりと規制していくという点から考えると妥当であるが、規制を行うだけで利便性を失う人たちに対する対応が語られないのが私としては気になる。何度も話している内容だが、誰か気づいてくれないものだろうか。

おまけ...鳥インフルエンザ

鳥インフルエンザで死亡 北京の19歳女性
2009年1月7日-m3.com 提供:共同通信社 ※m3.com閲覧には会員登録が必要です

[要約&コメント]
北京市衛生局は6日、市内に住む女性(19)が鳥インフルエンザウイルス(H5N1型)に感染し、5日朝に死亡したと発表した。女性は昨年12月24日に発病し、症状が重くなったため同月27日に入院した。新華社電によると、女性は福建省出身で同月19日、同郷の友人2人と河北省の市場に行き、アヒルを9羽買った。
中国では、07年末から08年初めにかけても、江蘇省や湖南省などで鳥インフルエンザ感染による死者が出た。中国では鳥インフルエンザの感染者は計31人、死者は計21人となった。

鳥インフルエンザの影響がいまも続いている。感染者に対する死者の割合も2/3。これは少ないとは言えない数字である。ワクチンなどがない分、感染したら怖い病気であることは間違いない。とにかく鳥との接触をなるべく避けるということしかないのではないだろうか。

2009/01/07

Saya's 薬学ニュース vol.51-ニューディール計画に医療の雇用を/進む療養病床削減

<Today's news>
1. 雇用創出は医療・介護重点に…政府がニューディール計画
おまけ. 日本の医療の根幹が崩壊-2008年重大ニュース(5)「進む療養病床削減」

雇用創出は医療・介護重点に…政府がニューディール計画
2009年1月1日-m3.com 提供:読売新聞


[要約&コメント]
雇用情勢の急激な悪化に対応して政府が策定する「雇用ニューディール(新規まき直し)計画」(仮称)の全容が31日、明らかになった。人手不足が指摘される医療・介護分野の資格取得を支援するなど職業別に雇用創出を図る。失業の急増が問題化している非正規雇用者については、職業訓練にかかる費用の給付と訓練期間中の生活資金支援の拡充に取り組み、労働条件などを巡る権利を守るための法制度の見直しを検討する。

「雇用ニューディール計画」の骨子
〈1〉医療、介護、農業など職種別に雇用創出計画を策定
〈2〉リストラに伴う失業者の再就職を助ける「雇用再生集中支援事業」を再開
〈3〉林業就業を促す「緑の雇用」事業を再開・拡充し、国や自治体、関係機関も臨時雇用の場を提供
〈4〉非正規雇用者の権利保護法制を検討
〈5〉育児休業者への所得補償を段階的に引き上げ、世界最高水準の育児休業制度を目指す
〈6〉起業後の法人税軽減や家庭菜園への農地貸与で高齢者を支援

その手があったか...医療者の不足がうたわれていたが、このことに気付かない私はかなり疎いのかもしれない。ただし、医療従事者の場合、資格の取得が一つの壁となるだろう。資格取得までの期間と費用をどのような方法でカバーしていくのか。

おまけ...療養病床

日本の医療の根幹が崩壊-2008年重大ニュース(5)「進む療養病床削減」
2008/12/29 10:00-キャリアブレイン

[要約&コメント] 2008年は、療養病床*の削減を進めようとする国と、存続を求める自治体や現場との攻防が繰り広げられた年だった。自治体や現場からは「高齢者の行き場がなくなる」と、療養病床の存続を求める声がやむことはない。年々増え続ける医療費の削減か、手厚いケアの確保か―。先行きは全く不透明だ。 療養病床の削減計画は、06年の小泉政権下で打ち出された医療制度改革の柱の一つだという。
*療養病床には、医療保険適用の医療型療養病床と、介護保険適用の介護型療養病床の2種類がある。両者は報酬体系は異なるものの、慢性期医療を必要とする患者を受け入れており、実際に提供しているサービスに大きな違いはない。

このまま療養病床が減少した末の、高齢者の行き場所は?医療費の削減は大いにかまわないが、国民の健康と安全が保障されない未来を創造するための医療費の削減には、どんな未来が待っているのだろう。医療費の削減では、できるだけ政府の方針を後押ししたい一方、やり方には現場を見ていただきたいという気持ちも強くなるのは私だけだろうか。

2009/01/02

Saya's 薬学ニュース vol.46-健康食品にシルデナフィルを含有/肥満症治療薬の新薬誕生なるか?!/ネット販売のさらなる議論が展開/たんぱく尿について/無保険救済法が成立

A happy new year!! 明けましておめでとうございます。
ここカナダでも、16時間遅れて年を越しました。日本の厳かな正月とは違い、花火が上がったり、大晦日パーティに参加するとダンスをしながらカウントダウン…と別世界のようですね。今年も皆様にとって実りある一年になりますように。薬学のさらなる発展も祈りつつ…

<Today's news>
1. 健康食品に医薬品成分 
2. 武田、肥満症治療薬の臨床第3相試験を日本で開始
3. 医薬品の通販、規制強化は是か非か?
4. 蛋白尿について

おまけ. 無保険救済法が成立 中学以下の受診控え解消 与野党、短期証を交付 

健康食品に医薬品成分 
2008年12月19日-m3.com 提供:共同通信社 ※m3.com閲覧には会員登録が必要です

[要約&コメント]
福岡市内の業者「イノーバ ジャパン インク」がインターネットで強壮用健康食品として販売している「サプ・ライズ」から、性的不能治療薬バイアグラと同じ医薬品成分「シルデナフィル」を検出したと発表した。福岡県は同日、販売中止と回収を同社に指導した。現在までに健康被害の訴えはないという。

「サプ・ライズ」を検索してみたところ、サイトが見つかった。そのサイトでは、「年代に関係なくバイアグラやレビトラと同等(もしくは以上)の効果。しかも動悸等の副作用は感じません。」同じ成分が入っていれば、同等の効果が得られて当り前ですね。
このような薬は、これに限定することなく、出回っているのかもしれません。健康食品の場合は効果についてうたってはならないはずなのに…ネット販売においては、規制が追い付いておらず、やはり危険な情報が出回っていますね。

武田、肥満症治療薬の臨床第3相試験を日本で開始
2008年 12月 22日 17:23-ロイター

[要約&コメント]
武田薬品工業は、日本で肥満症治療薬「ATL─962」の臨床第3相試験を開始したと発表した。脂肪の分解酵素の働きを阻害することで、食事からの脂肪の吸収を抑え、体重を減少させる効果が期待されている。

肥満薬の販売により、生活習慣病の最大の原因となっている肥満の率を減少させることができるだろうか…現在保険適応の肥満症治療薬としては、サノレックス(一般名:マジンドール)*が販売されているが、これはあくまで食欲中枢に働きかけて食欲を低下させるものなので、食事制限や運動療法などの併用が必要である。
*肥満症治療薬
商品名:サノレックス
一般名:マジンドール
規格:0.5mg
効能:あらかじめ適用した食事療法及び運動療法の効果が不十分な高度肥満症(肥満度が+70%以上又はBMIが35以上)における食事療法及び運動療法の補助。
副作用:口の渇き、吐き気、便秘、不眠、頭痛、動悸など、依存に注意。

医薬品の通販、規制強化は是か非か?
2008/12/22 22:26-キャリアブレイン

[要約]
一般用医薬品のインターネットを含む通信販売の規制をめぐって、政府の規制改革会議(議長=草刈隆郎・日本郵船会長)と厚生労働省の間で激論が続いている。同会議の委員から「ネット販売は対面販売と比べてなぜ安全性が劣るのか、きちんとエビデンスを出してほしい」との問いに対し、厚労省は『エビデンスはないが、インターネットの方が、安全性が劣っている。(規制強化のための)省令は出す』という回答している。
「国内だけ(医薬品販売の)規制を厳しくして、外国からもっとひどいもの(薬)が入って来ては元も子もない。その点も考えていかなければならない」、「厚労省の省令はまだ出ていないが、省令は行政命令にすぎず、法律の範囲内でなければならない。法の範囲を超えて人の権利・義務を制限することはできない。(省令が)違法性があるものであれば、取り消される可能性も高い」との意見を述べている。

蛋白尿について 
2008年12月22日-毎日新聞

[要約]
質問内容:検診で蛋白尿が出ました。特に体調が悪いわけではないのですが、精密検査を受けるように言われました。どういう病気のときに尿に蛋白が出るのでしょうか。また、体調に異常がなくても精密検査を受けるべきなのでしょうか?(50歳、男性)

蛋白尿はどの年齢でも出ますが、しかしそれぞれの年代によって若干蛋白尿のもつ意味が異なってきます。まず10歳代、20歳代くらいまでに検診で見つかる蛋白尿は、国内の場合は、IgA腎症という病気が考えられます。一方、それが30歳代、40歳代あるいは、50歳代で蛋白尿が出てきたばあい、膜性腎症、あるいは2次性の疾患に伴う蛋白尿です。膠原病、肝炎、高血圧、腎硬化症、糖尿病によっても出てきます。
一般的に蛋白尿は激しい運動をしたり、熱があったり、風邪の後では、正常の人でも出る場合があります。したがって検診の時にたまたまそのような状態であると正常の人でも蛋白尿が陽性となります。そこで、蛋白尿が出た場合には、第1段階としてもう一度尿検査をして、本当に蛋白尿が出るのか、さらに潜血反応や、沈渣を見ることによって円柱細胞があるかないかを調べます。

無保険救済法が成立 中学以下の受診控え解消 与野党、短期証を交付 
2008年12月19日-m3.com 提供:共同通信社 ※m3.com閲覧には会員登録が必要です

[要約&コメント]
親などが国民健康保険の保険料(税)を滞納して「無保険」状態になっている子どもを救済する改正国民健康保険法が、19日の参院本会議で全会一致により可決、成立した。親などが保険料を滞納していても、中学生以下の子どもには短期保険証を一律に交付。全国で約3万3000人いるとされる中学生以下の無保険の子どもが、病院の受診を控えなくてもよくなる。
短期証は有効期間が6カ月。期限を短くして、短期証を更新する際に親などと接触する機会を増やし、市町村が滞納保険料の納付をあらためて促す狙いだ。

保険料の滞納者が年々増え、病気をしても病院へ行けない子供たちが増えているという。子供たちに罪はない、対応している親の責任である。そんな子供たちを救済する法律が成立され、正直安心した。喘息やインフルエンザなど、早期及び継続治療が必要な子どもたちは実際に多い。高校生らへの適用を求める声も上がっているが、義務教育までという部分で線引きをしているとのことだ。

2008/12/26

Saya's 薬学ニュース vol.40-死因第4位の肺炎の予防法は?/「頓服」=鎮痛薬?/新たなワクチン承認/エイズの感染機序が明らかに?!/後期医療・無保険者の高齢者10数万人?!

<Today's news>
1. 肺炎 国内の死因第4位で9割は高齢者。予防法は。 
2. 「頓服」、自分が処方された経験からの誤解多数 
3. 「ヒブワクチン」、19日から任意接種が可能に 
4. HIVは正常な女性性器の皮膚を短時間で通り抜ける

おまけ. 「『後期医療』は見直しではなく廃止を」、「無保険」の高齢者、十数万人の恐れ

肺炎 国内の死因第4位で9割は高齢者。予防法は。 
2008年12月16日-m3.com 提供:毎日新聞 ※m3.com閲覧には会員登録が必要です。

[要訳&コメント]
インフルエンザが流行する季節は肺炎も多発する。肺炎が原因で亡くなる人はがん、心疾患、脳血管疾患に次ぎ、4番目に多い。肺炎で死亡する人の9割以上は65歳以上。高齢者をかかえる家族は、肺炎にならない予防策を取ることが大切だ。
肺炎球菌による肺炎の治療ではペニシリン系の抗生物質を使うが、最近は薬が効きにくい耐性菌が現れてきた。そこで注目されているのがワクチン接種だ。ワクチン接種した人はしない人に比べ、死亡率は約7割も下がる。欧米では子ども専用ワクチンが認められている。

意外に多い死因となっている肺炎。最近では、耐性菌の発生によりさらに事態は深刻になっている。ワクチンの摂取により7割も死亡率が下がるのであれば、徹底する必要があるのではないだろうか。相談窓口などがあるといいのだが。

2008年12月16日-m3.com

[要訳&コメント]
国語研調査では、患者の34.1%が「鎮痛剤」と誤解、33.4%が「解熱剤」、16.2%が「包装紙に包んだ薬」と誤解していた(他にも「粉薬」、「座薬」など)。これは、自分が過去に「頓服」として処方された薬を「頓服薬」として思い込んでしまう(例えば、解熱剤を「これは頓服です」として処方されたことのある患者は「頓服」イコール「解熱剤」と思い込むなど)ことが原因とされている。

薬局でも、「頓服」という言葉をよく使うが、あまり気にとめていなかった。こんなにも勘違いがみられるとは。薬袋に「頓服」と書かれていても、必要時に服用する薬であることをしっかり説明しておく必要があると感じた。

2008/12/17 09:10   キャリアブレイン

[要訳]
子どもが感染しやすい「細菌性髄膜炎*」を予防する「ヒブワクチン」が、12月19日から任意接種できる。
*「細菌性髄膜炎」
脳を浮かべる髄液の中に菌が侵入して炎症を起こす。日常的に存在するヒブ(ヘモフィルスインフルエンザ菌b型)や肺炎球菌などによって発病する。

2008年12月16日/HealthDay News Nikkei NET

[要訳&コメント]
エイズの原因ウイルスであるHIV(ヒト免疫不全ウイルス)が男性から女性に感染する新たな経路が明らかにされた。長い間、正常な膣上皮は性交時にHIVの侵入を防ぐ壁となると考えられてきたが、HIVが正常な性器の組織を通り抜け、約4時間で免疫細胞に到達することを突き止めたという。

ウィルスの感染経路や特徴がつかめてくれば、新たな治療薬にも大きく近づける。Saya's 薬学ニュース vol.31でもエイズ(HIV)のワクチン開発により新たな感染者の根絶を意気込んでいるが、数年後にはもしかしたらエイズの新たな感染者数が大きく減少する、という夢が見られるかもしれない。しかし、今の時点でできることはコンドームをつけて自分の身は自分で守ること。それが唯一の、一番の回避方法なのである。
参考記事:HIV感染、数年内根絶も ノーベル賞のモンタニエ氏(産経新聞)
おまけ...後期医療
2008/12/15 13:55-キャリアブレイン

[要訳]
4月に始まった「後期高齢者医療制度」は、「国民を年齢で機械的に差別する人間の尊厳を無視した世界に例がない差別的医療制度」として、35を超える各種団体でつくる「後期高齢者医療制度の廃止を求める東京連絡会」が、「12・14後期高齢者医療制度の廃止を求める東京大集会」を開いた。廃止を求める署名が75歳以上の都民の半数を超える63万人余りに達していることなどを紹介。
 
2008/12/16 21:39-キャリアブレイン
 
[要訳&コメント]
「後期高齢者医療制度」の保険料徴収で、年金受給額が年額18万円未満の人などを対象にした「普通徴収」の滞納率が福岡や青森県で10%を超えることが、明らかになった。低所得の高齢者は全国で約200万人と見られており、この数値から推計すると、「無保険」の高齢者が十数万人に及ぶ可能性がある。
 
国民が動いた。。。
この医療制度が開始されてからは、一向に鎮まることのない反対意見。保険料の滞納により、事実上無保険の高齢者が十数万人いるという予想は恐ろしいものではないだろうか。「すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。」この言葉からも、恵まれた保険「国民皆保険」で守られてきた日本。それがどんどん形を変えてゆく。しかし、国民も忘れてはならないことは、国が大部分を保証しているということ。1割負担が2割になり、2割負担が3割負担へ…と徐々に移行してきているが、それでも7割近くは国で賄われているのだ。情勢が悪化すればもちろん生きる方法も変わる。今まで守られて来たからと言って、それがずっと続くとは思ってはいけない。守られてきたことによる甘さが見受けられる事もあるが、今は皆が協力して立て直していく必要がある、ということを、一人ひとりが再認識していただきたい。

2008/12/24

Saya's 薬学ニュース vol.38-後発医薬品の使用進まず/薬害C型肝炎訴訟が終結/副作用であるまつげの伸びる作用を美容で利用/特発肺線維症に新薬/アメリカに国民皆保険制度が導入?

<Today's news>
1. 後発医薬品の使用進まず―厚労省調査
2. 日本製薬と和解合意 社長謝罪、6年ぶり決着 薬害C型肝炎訴訟
3. 眼病薬にまつげが伸びる副作用~アラガン、美容目的で販売申請
4. 特発性肺線維症治療薬を新発売-塩野義製薬

おまけ. 米次期厚生長官にダシュル氏 オバマ氏、医療改革へ指名

後発医薬品の使用進まず―厚労省調査   
2008/12/15 14:43-キャリアブレイン

[要訳&コメント]
先発医薬品からの切り替えが進められている後発医薬品の今年4月の使用状況が、「内服薬」を除いてすべて悪化したことが、厚生労働省の調べで明らかになった。
今回の改定では、後発医薬品の使用を一層促進するため、処方せんの「変更不可」欄に医師の署名がなければ後発医薬品に変更できることになったほか、「後発医薬品調剤体制加算」が新設され、後発品の調剤率が30%以上の場合に4点の加算が取れるようになった。

薬剤師に対するアンケートをSaya's 薬学ニュース vol.36でも紹介したが、法が改定されてからも薬剤師の後発医薬品に対する動きは鈍いように感じる。患者に対するアンケートでは多くの患者が後発医薬品での処方を希望しているのに対し、逆行しているかのようだ。未だに多くの医療者が後発医薬品に対する先入観や悪いイメージをぬぐうことができず、また経営悪化の問題などもあり起こっていることのように思う。経営に関しては、何らかの法的処置をとらなければ厳しいものであるが、正しい知識を得ることは自分でも今からできることである。多くのことを誤解していることに気付いていない薬剤師は多いのではないだろうか。何のための後発医薬品推進なのか、海外でこれほどまでに一般的に使用されているのに日本では受け入れようとしないのか、薬剤師としてこの問題にしっかりと向き合うことは責務なのではないだろうか。
参考記事:ジェネリック医薬品について、依然として半数を超える薬剤師が“患者さんから尋ねられたら説明”(沢井製薬)、ジェネリック医薬品での処方・調剤を依頼する患者さんが着実に増加 前回13.2%から20.5%へ(沢井製薬)

日本製薬と和解合意 社長謝罪、6年ぶり決着 薬害C型肝炎訴訟
2008年12月15日-m3.com ※m3.com閲覧には会員登録が必要です

[要訳&コメント]
汚染された血液製剤によりC型肝炎に感染したとして、患者らが国や製薬会社に賠償を求めた薬害肝炎訴訟で、全国原告・弁護団と被告の日本製薬は14日、東京都千代田区の同社本社で、事実上の和解となる基本合意書に調印した。
原告は既に国のほか、大半の原告にとって被告企業の田辺三菱製薬(大阪市、旧ミドリ十字)などと合意。1社残っていた日本製薬とも合意したことで、2002年から全国的に起こされた集団訴訟は約6年ぶりに決着した。

5年前、薬害の問題に初めて触れることとなり、当時組織されていた「肝炎訴訟を支える会」で初期に関わっていたことがあるが、やっと決着に辿り着くところまで見届けることができた。薬害は薬の問題であるのに、薬剤師が責任を求められる事は一切なく、そのことに関し強い疑問を抱いていた。薬の責任は薬剤師にあるのでは?当時学生だった私はなぜかよく分かっていなかった。責任を求められない代わりに、職能も低い現実を目の当たりにしたのだった。
学生の頃に携わっていたが、卒業を迎えるころには良い知らせを聞けるようになり、それからは順調であった。組織も徐々に大きくなり、多くの方が懸命に活動している姿をいつの間にか客観的に見る立場へと変わってしまったが、それでも思いは皆と同じであった。ここまで頑張ってこられた原告の方々や、支援されてきた方々に感謝の意を表したいと思います。
 
眼病薬にまつげが伸びる副作用~アラガン、美容目的で販売申請  
2008年12月15日 18:31-USFL.COM - New York,NY,USA

[要訳&コメント]
食品医薬品局(FDA)の諮問委員会は15日までに、医薬品会社アラガンが申請していた緑内障治療用点眼薬「ルミガン」*の美容目的での販売について、認可すべきであるとの勧告を行った。ルミガンには上まつげの育毛効果があり、認可されれば同薬は「ラティス」の商品名で販売される。
ドライアイや目の炎症といった副作用もみられることもあった。本来は緑内障治療薬であるため眼球に触れると眼圧が低下するといった説明を医師や患者に行いながらの販売になりそうである。
類似記事:まつ毛を長く濃くする薬:緑内障の治療薬を利用(Wired Vision09/01/15)(ボトックスは、ボツリヌス菌が産生するボツリヌス毒素を使う薬で、日本でも注射剤として、眼瞼痙攣や片側顔面痙攣、痙性斜頸の適応で承認されている。近年では医療用としてだけでなく、美容外科領域において、筋弛緩作用を応用した「皺取り」や「輪郭補正(エラ取り)」の目的で使用されることが多い。)

緑内障の治療薬が美容目的で使用…インターネットで検索してみると、多くのネット販売がヒットする。しかもその値段はどれも7000円~1万を超えるものもあり高い。一生まつ毛が長いまま...という夢をかなえるには安いと思うのだろうか。ただし、医療用で使われるほどの薬であることを忘れてはならず、眼球に触れないよう指導を徹底していただきたい。
*ルミガン
商品名:LumiganOphthalmicSolution(ルミガン)
一般名:Bimatoprost(ビマトプロスト) 0.03%
効能効果:緑内障・高眼圧症治療薬
製造元:Allergan(アルゲン)

特発性肺線維症治療薬を新発売-塩野義製薬
2008/12/16 -キャリアブレイン

[要訳&コメント]
特発性肺線維症*治療薬「ピレスパ錠200㎎」(一般名・ピルフェニドン)が販売された。ピレスパ錠は、線維化そのものを抑制する新しい作用機序の薬、臨床試験でも、肺活量の低下を抑制することが確認され、無増悪生存期間も低下の抑制が見られた。

瓶が500錠、PTPが100錠。薬価は676.40円(200㎎)
*特発性肺線維症
原因不明の疾患で、肺胞壁の線維化が進行することにより、不可逆性の蜂巣肺(高分解能CTで肺が蜂の巣様に写る状態)形成を来す予後不良の疾患。一般的に拘束性障害(肺活量や全肺気量の減少)が認められる。症状(肺胞壁の線維化)が進行すると、肺での酸素と二酸化炭素の交換が困難になり、酸素吸入療法などが必要になる場合もある。特定疾患に指定されている。

 
おまけ... 米国医療制度に改革?!

米次期厚生長官にダシュル氏 オバマ氏、医療改革へ指名
2008年12月12日-朝日新聞

[要訳&コメント]
オバマ米次期大統領は11日、医療制度改革を担う次期政権の厚生長官にトム・ダシュル元民主党上院院内総務(61)を指名した。オバマ政権は国民皆保険を視野に入れた抜本的な改革が大きな目標。オバマ氏は「健康保険料は過去8年間で2倍近く高騰し、4500万人もの国民が無保険だ。医療コストを下げ、誰にとっても手頃な費用で済む医療制度を実現したい」と発言。


先進国で唯一国民皆保険制度を持たな行くにアメリカ。そのアメリカでついに国民皆保険を視野に入れた改革がオバマ氏の手によって実現するのか!?オーストラリア/カナダ/日本(+αで他国)の医療制度や薬学事情の比較を行っている私にとっては、非常に興味深いものであったので紹介した。将来アメリカに住みたいと思っている人には、大きな動機につながるかもしれない。

2008/12/17

Saya's 薬学ニュース vol.31-OTC医薬品/健康食品/セルフメディケーション/エイズ(HIV)/「アミノコラーゲン」

<Today's news>
1. 処方せんでもらうかぜ薬と市販のかぜ薬はどう違うのでしょうか?
2. HIV感染、数年内根絶も ノーベル賞のモンタニエ氏
3. 小売企業の携帯サイトで「アミノコラーゲン」販促、レシピ募集で薬のイメージぬぐい売り上げ増加
4. 深部静脈血栓症の治療に超音波の併用が有効

おまけ. 不安のトップは医療面-人口減少・高齢化地域

処方せんでもらうかぜ薬と市販のかぜ薬はどう違うのでしょうか?
2008年12月08日-毎日新聞

[要訳&コメント]
質問内容:先日、風邪を引いて医師にかかり、総合感冒薬をもらいました。薬局で買った市販の総合感冒薬が家にもあるのですが、医師がくれる総合感冒薬と市販の総合感冒薬にはどのような違いがあるのでしょうか。

製品そのもので言えば非常に類似しています。医療用で用いられている、アセトアミノフェン(解熱鎮痛成分)やサリチルアミド(解熱鎮痛成分)、マレイン酸クロルフェニラミン(抗アレルギー成分)などは、市販の総合感冒薬でもよく使われている成分です。また、標準的な用量についてもあまり差はないようです。ただし、医療用の場合は患者の状態(年齢や症状など)に合わせて量の増減や成分を選択し、オーダーメイドで処方できますが、一般用ではそれが難しいということです。
〈もっと詳しく…〉
市販の総合感冒薬はさまざまなメーカーから数多くの製品が販売されており、現在約1,000品目にもなるようです。総合感冒薬は、風邪の諸症状(熱・咳・鼻水などそれぞれ)を抑える複数の成分が1錠あるいは1包にまとまっているため、服用の際に非常に便利である半面、症状に対して不要な成分が含まれていたり、成分ごとの量の調節が難しかったり、という問題があります。一方、医療用医薬品の場合は、医師が患者個人の状態に応じて必要な成分を選び、量を調節して処方することができるよう、多くは1つの製品に1つの成分だけが含まれています。

日本の場合は、ただの風邪でも病院へ行くケースが多くみられるが、結局医師には「お薬出しておくので、ゆっくり休んでくださいね」と言われ、薬局で風邪薬をもらって帰るだけ。病院や薬局での待ち時間で1日をつぶしてしまう。という経験はありませんか?それなら、その待ち時間の中で他の菌をもらって風邪を悪化させるよりは、ゆっくり寝て栄養を取っていたほうがいいと思いませんか?
日本の場合、病院へ行くことで「大丈夫です」という安心を得に行く患者が多いように感じる。それは医療制度にも恵まれている証拠だと思うが、セルフメディケーションの観点では患者の意識が低いようにも感じる。「病は気から」という言葉からも、安心を得ることは重要である。しかし、人から大丈夫と言われなければ安心を得られないのだろうか?普段、風邪気味かな?と感じたら睡眠時間をいつもより長くとり、体を温めるものを摂り、次の日仕事で長引かせたくなければ常備薬を服用する。これを普段行えていれば、その行為に対して「これで大丈夫」と思えるのでは無いだろうか。これこそがセルフメディケーションだと思うが…病院に行ってももらえる薬は同じようなもの。総合感冒薬を服用すると不要な成分を摂取することになるというが、眠気が起こったりという軽度の症状がでるだけで、弱った体で病院に行って他の菌に汚染されるよりは良いと思うのだが。気になるならば、「咳のひどい人に」「熱・鼻水の症状に」などといった成分が限定された薬を常備しておこう。

HIV感染、数年内根絶も ノーベル賞のモンタニエ氏
2008.12.8 12:03-産経新聞

[要訳&コメント]
エイズウイルス(HIV)の発見で今年のノーベル医学生理学賞を受賞する世界エイズ研究予防財団のモンタニエ理事長(76)は、ワクチンの開発により、HIV感染を数年以内に根絶することは「不可能ではないと思う」と述べた。長年エイズ治療ワクチンの開発に取り組んでおり、会見では4、5年以内に治療ワクチンを開発することを望んでいると述べた。

唯一先進国で感染率の上昇を示している国が我が国であるという事も問題であるが、このワクチンは感染者数の多いサハラ砂漠以南の人々に有効なものとなるであろう。ただし、開発・販売当初はワクチン1本が高額になることが予想されるため、効果が見られるには数年かかるかもしれない。世界規模で支援していく必要がある。
参考記事:エイズ孤児1900万人、サハラ以南深刻 ユニセフ
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小売企業の携帯サイトで「アミノコラーゲン」販促、レシピ募集で薬のイメージぬぐい売り上げ増加
2008/12/08-ITpro

[要訳&コメント]
明治製菓が小売企業の携帯サイト上で健康食品「アミノコラーゲン」の販促に力を入れている。ドラッグストアのウエルシア関東(さいたま市)の携帯サイト「ウエルシアのe情報」上で顧客会員から料理レシピを募り予想以上の応募を集めたことで、製品の知識を深めてもらうよいきっかけとなり、同時に販売促進にもつながっているという。

食品関係でレシピを募集することは多いものの、健康食品では珍しい取り組みだという。アミノコラーゲンは私も試したことがあり、味噌汁やスープなどにといて飲んでいた時期があった。食事と一緒に楽しんで健康食品を摂取するというのは、個人的には良いと思う。ただし、健康食品は医薬品とは違い、効果を期待してはいけない。あくまで普段摂取しにくいものを補助的に摂取することで身体の健康を保つ、という意味で利用していただきたいし、摂りすぎないようにもしてもらいたい。多く摂れば効果が高い、というものではないのだ。なので、摂り忘れてしまったから、といって悩むこともないのである。

深部静脈血栓症の治療に超音波の併用が有効
2008/12/08-Dr赤ひげ.com

[要訳]
深部静脈血栓症(DVT)*の治療に、薬剤を単独使用するよりも、超音波と血栓溶解薬を併用する方が早く血栓を溶解できることが、研究で明らかにされた。従来の薬物療法に併用して超音波で血栓を溶解する治療は、血流を回復させ、弁の損傷を防ぐほか、肺塞栓の予防にも有用であるという。

*深部静脈血栓症(DVT)とは、下肢や大腿などの体の深部にある静脈に血栓ができる病態。この血栓が剥離(はくり)して肺に流入し、肺塞栓を起こしたり、心臓発作や脳卒中を引き起こしたりすることもある。米国では毎年35万~60万人がDVTを発症し、このうち少なくとも10万人が死亡しているという。

おまけ...
不安のトップは医療面-人口減少・高齢化地域
2008/12/08 22:41-キャリアブレイン

[要訳&コメント]
人口減少・高齢化の進んだ集落などを対象とした「日常生活に関するアンケート調査」を行ったところ、生活する上で最も不安な点として、「近くに病院がない」「救急搬送に時間がかかる」など、医療面が最も多く指摘された。一方、9割近くの世帯主が、今後もその地域に居住していきたいと答えているが、上記を理由に移転を希望する人たちもいる。

地域医療の問題点が浮き彫りになっている記事である。一昨日おまけで紹介した記事(Saya's 薬学ニュース vol.29)でも、レセプトオンライン請求の義務化に伴い60歳以上の地方の開業医3割が辞める意向を示していることから、地域医療は益々悪化の傾向を辿る危機を迎えている。オンライン請求でなければならない理由はどこにあるのだろうか?地域医療を悪化させてまでして進めるべき制度なのだろうか。突き進む前にもう一度現状を振り返ってみてはどうだろうか。

2008/12/16

Saya's 薬学ニュース vol.30

<Today's news>
1. 治療抵抗性高血圧患者の心血管疾患リスク予測には24時間血圧測定が優れる
2. 米11月小売りチェーン売上高 1969年以降最大の落ち込み
3. 医薬品取り違え防止で通知―厚労省
4. 【第1回登録販売者試験】合格者は4万1189人‐四国ブロックは最低水準
おまけ. 「医療崩壊」をITが救う

治療抵抗性高血圧患者の心血管疾患リスク予測には24時間血圧測定が優れる
2008/12/04 -日本経済新聞

[要訳&コメント]
治療抵抗性(難治性)高血圧患者*の心血管障害リスクを予測するには、診察室(外来)で測定した血圧値よりも、24時間自由行動下血圧測定(ABPM)による血圧値、特に夜間血圧値が優れていることが明らかにされた。その理由として、昼間(日中)よりも夜間の血圧が心血管の強い危険因子(リスクファクター)となることが挙げられている。
ただし、夜間高血圧の治療を行えば、昼間血圧を管理する従来の治療に比べて予後が向上するのかどうかは疑問」と述べており、「利便性の点で実用的ではないことが多い」という意見もある。
参考記事:同じ内容を翻訳している記事が赤ひげ.comからも紹介されている。(12/08)

診察室での測定は、確かに「白衣高血圧」となることもあり、普段の血圧とは変わってしまう事もある。時間をきめて自分で測定することは、患者本人が治療に対して前向きになっている証拠であり、薬服用による血圧の変動をみるためにもよい。特に難治性の場合は、心血管障害のリスクも高くなるということを十分に説明し、これを機に自主的に治療に参加させるよう血圧の自己測定のさらなる啓蒙を行ってもよいのではないだろうか。
*治療低抗性高血圧とは、標準的な薬物療法を行っても血圧が危険域から降下しないもののこと。利尿薬、ACE阻害薬およびCa(カルシウム)拮抗薬などの薬剤の併用が奏効することがあるという。

米11月小売りチェーン売上高 1969年以降最大の落ち込み
2008/12/04 -USFL.COM - New York,NY,USA

[要訳&コメント]
米国の国際ショッピングセンター協会(ICSC)が4日発表した11月の米主要小売りチェーン各社の既存店売上高は前年同月比2.7%減となり、調査を開始した1969年以降、最大の落ち込みとなった。
唯一好調だったのは小売り最大手ウォルマート・ストアーズで、売上高は3.0%増(前月2.5%増)。それ以外は全店減少。

ウォルマート・スターズだけが売上高の上昇。一体どのような戦略がこのような結果を産んでいるのだろうか。ドラッグストアは生活に必需な製品を販売しているため、この世界恐慌の中でも他の産業よりもがた落ちすることはないことが想像できる。しかし、ドラッグストアには、生活必需品の他にも生活に便利な雑貨なども並行して販売しているが、この不況の中で余計なものに手を出す人は少ない。いかにその部分を削って、生活必需品を他より安く提供して顧客数を獲得するか。この点が大手のチェーン店でなしえる業なのだろうか?

医薬品取り違え防止で通知―厚労省
2008/12/05 20:23-キャリアブレイン

[要訳&コメント]
厚生労働省は、各都道府県知事などに対し、「医薬品の販売名の類似性等による医療事故防止対策の強化・徹底について」と題する通知を医政局長と医薬食品局長の連名で出した。
具体的には、
・各医療機関における採用医薬品の再確認
・医薬品の安全使用のための方策についての確認・検討
・処方せん等の記載及び疑義内容の確認の徹底
・オーダリングシステム等の病院情報システムにおける工夫
・医薬品の安全使用のために必要となる情報の収集       の5点を求めている。

<医薬品販売名類似品例>
・サクシゾンとサクシン注射液
・アマリールとアルマール
・タキソールとタキソテール
・ノルバスクとノルバデックス
・アロテックとアレロック
・ウテメリンとメテナリン      等

販売名類似品には、調剤エラーの点でも神経を使う部分である。他にも相互作用のチェックや計数確認など、注意を払わなければならない部分が多いが、医薬品名に関しては対応によって大きく改善ができるポイントでもある。そもそも、こんなことがなければエラーは発生しにくかったはずなのに…
一度決めた医薬品の名前を変更するというのは、企業にとっては(特に名付け親にとっては)非常に寂しいことであると思うが、本当に服用する患者さんのためを思うのであれば、調剤過誤に関しては、薬局の注意不足ということで片付けず、製薬企業の皆様にも是非積極的に協力していただきたい内容である。

【第1回登録販売者試験】合格者は4万1189人‐四国ブロックは最低水準
2008年12月05日-薬事日報

[要訳&コメント]
10月末までに、全国で実施された2008年度第1回登録販売者試験合格者は4万1190人となった。総受験者数は6万0271人で、合格率の全国平均は68・3%。
第1回登録販売者試験の都道府県別合格率では、母数に開きがあるものの、最も合格率の高かった神奈川県(84・5%)と、低かった愛媛県(36・9%)では、実に50ポイント近い格差が生じた。
参考記事:【第2回登録販売者試験・東京都】受験出願、前回上回る (第2回登録販売者試験の出願者数は5896人で、第1回目の5223人に比べ、673人増加した。)

薬剤師にとっては気になる「登録販売者」の話題。現時点ですでに4万人を超える登録販売者が誕生していることになる。第二回目の試験の出願者数も10%以上の割合で増えているため、今後もしばらくは増加が見られるであろう。
平成18年の時点では、薬剤師届け出を行った人数が約252,500人で、薬科大学の増加等から近い将来薬剤師過多になると言われている。登録販売者制度も動き出し、六年制卒業の薬剤師ももう目前である。一体薬剤師の将来はいかに?!薬剤師としての職能をどこに持っていくか。他国の薬剤師事情を見ていると、ヒントになることがたくさんある。そんな情報を紹介していくことになるので、見てみたいという人がいれば声をかけてください。
このブログでも紹介していきます。

おまけ... レセプトオンライン請求
「医療崩壊」をITが救う-電子カルテの活用法が鍵
2008/11/28-ITpro

[要訳&コメント]
医師偏在による地方の医師不足、経営不振による病院の閉院など、問題は山積みだ。「カルテ情報の電子化」「レセプトのオンライン化」といった医療機関のIT化は、こうした問題を解決する糸口となり得る。
電子カルテは、これまでの紙のカルテを電子的なシステムに置き換え、診療情報データをデータベースに記録する仕組みである。その普及は、診療の質を向上させたり、医療機関同士の連携を密にしたりといったメリットを生み出す。一般に、電子カルテ導入には三つのステップがある。(1)電子カルテを導入しデータを蓄積する、(2)蓄積したデータを活用する、(3)院内から院外へ連携を広げる、である。

<図●医療機関のIT化によって得られるメリット>
香川県では医療機関同士で電子カルテなどをやり取りし、地域ぐるみで患者をフォローしている(「かがわ遠隔医療ネットワーク(K-MIX)」)

昨日紹介した記事(Saya's 薬学ニュース vol.29)のおまけでも紹介した、レセプトオンライン請求に関する別の切り口での記事でったので紹介する。ここでは、ITの利用によりさらなる医療の質UPに貢献できる!という魅力を語っているが、昨日紹介した記事のような、「誰もがITを導入できるほどの予算と余力はない」という現状は見えていないように感じた。IT系情報誌ならではの偏った内容であることを忘れてはいけない。
ただし、ここに記載されていることは医療者としては魅力的なもので、医療機関同士の連携や助け合いといった部分ではぜひ取り組んでいきたい内容である。プライバシーの関係もあり、情報交換は非常に難しい課題ではあるが、このように患者へのメリットを伝えていくことで理解を得られるのではないだろうか。実際私が現在住んでいるカナダのアルバータ州では、州の保険システムを利用した医療機関同士での情報共有が定着している。市民に対するパンフレットもあり、システムの意義を考えると両社にとってWin Winの内容である。この点を考えると日本のシステムは少し遅れているように感じるが、これからでも導入の意義はあると考えている。

2008/12/11

Saya's 薬学ニュース vol.26-国民の信頼感、「医療機関」がトップ/インスリン治療50年、患者を表彰…日本イーライリリー/骨粗しょう症予防にホルモン補充療法を希望したが/医療崩壊の根本原因は医療費抑制(下)日本も見習う?弱者切り捨ての米病院会社

国民の信頼感、「医療機関」がトップ
2008/11/27 18:51-キャリアブレイン

[要訳&コメント]
「議員、官僚、大企業、警察等の信頼感」に関する調査で、医療機関に対する国民の信頼感は自衛隊と並んで1位だった。医療機関に対する評価は、2004年調査で3位だったが、前回07年調査で2位に上昇、今回はさらに評価を上げた。(詳しくは、中央調査社のホームページで。 http://www.crs.or.jp/)
医療機関・自衛隊・裁判官は例年上位3位に浮上する3項目。毎年その順位に違いはあるものの、平均して信頼される項目であることがわかる。この他にも、「国民に信頼されるよう努力してほしい機関・団体」や「閉鎖的で、国民に対して情報公開が進んでいないと思う機関・団体」の順位も出ていて、現代の状況を反映しているアンケート結果であるため、非常に見ていて興味深い。下がり続ける首相への期待感。この点をどのように改善していくものか。
個人的に気になったので紹介したが、医療機関で働く職種は様々であり、医師・看護師・薬剤師など、細かい分類はどのようになっているのだろうか。そもそも、この医療機関と答えた人のイメージの中に"薬局"が含まれているかは疑問であるが。

インスリン治療50年、患者を表彰…日本イーライリリー
2008年11月28日 読売新聞

[要訳&コメント]
世界糖尿病デーの14日、製薬企業の日本イーライリリーは、インスリン治療を50年以上続けてきた患者を「リリー インスリン50年賞」として表彰した。
受賞者は、医師で糖尿病患者の中村和之さん(84)(東京)ら9人。中村さんは、多忙で不規則な生活を送っていた大学病院勤務時代に発症。自身でも血糖コントロールを行いながら、内科医として糖尿病教室の開催や患者会設立などに力を尽くしてきた。

経験から患者に対して指導ができるため、説得力も大いにあったのではないだろうか。医師と共に治療を行う。患者としては新しい間隔で医師と向き合っていたのではないかと思う。自分も病気を克服していくことで、患者に勇気を与えることができることは簡単なことではない。この賞はそんな意味で素敵だなぁと感じたので紹介した。血糖コントロールの重要性を、薬剤師の立場として伝えられるかが今後の課題である。

骨粗しょう症予防にホルモン補充療法を希望したが
2008年11月28日-毎日新聞

[要訳&コメント]
質問内容:58歳の女性。52歳で閉経しましたが、最近、卵巣の摘出手術を受けました。卵巣から出る女性ホルモンがなくなると骨粗しょう症になりやすいときき、ホルモン補充療法(HRT)を受けたいと婦人科の先生に相談しましたが、もうすぐ60歳なので必要ないと言われました。私のような場合、HRTは対象外なのでしょうか。

女性の場合、閉経して女性ホルモン・エストロゲンが減るのと合わせて、骨量も急速に減少していき、骨粗しょう症や骨折が増えるのが一般的に知られています。
ホルモン補充療法(HRT)には、足りなくなったエストロゲンを補充して骨粗しょう症を予防する効果が認められているのと合わせて、悪玉コレステロールの低下、血管が硬くなるのを防ぐ、皮膚や粘膜を乾燥から守る、記憶など脳の働きを改善するなどで、多くのデータがあります。
HRTで乳がんが増えるという不安についても、さらなる研究により、期間が5年以内なら乳がんは増えないことも明らかになっています。また、始めるタイミングについても閉経後なるべく早い時期に始めることがよい効果につながり、70歳を越すとリスクが高くなるというデータもあります。
こうしたことから、HRTはなるべく60歳までに始めるのが望ましいとされていますが、これを越えたあとでも、個々の患者さんの状態をチェックし、リスクとベネフィットを説明し納得を得た上で行うことがすすめられています。

特に医師から「何故必要ないのか」ということを説明されないと、やはり患者様というのは不安になるものなのですね。今後の服薬指導でも、自分の知っている知識のみで「NO」というのではなく、何故という部分を大切にしていかなければ、と考えさせられた記事でした。

おまけ... アメリカの医療制度続き。
医療崩壊の根本原因は医療費抑制(下)日本も見習う?弱者切り捨ての米病院会社
2008/11/21 -JanJanニュース

[要訳&コメント]
日米は同じ「小さな政府」だが、医療費を比べると米国は税金で1人当たり日本の3.5倍も負担している。日本政府が言う「公的負担は限界に達した」は誤りだ。医療保険を民間に依存する米国では貧乏人は加入できないのに加え、1人当たり医療費が日本の3倍近い。現在の日本が世界に誇る公的医療保険制度を崩壊させてはならない。
米国で民間医療保険の加入者は、総人口3億人のうちの約2億人にとどまる。高齢者や低所得者らを救済しようとする公的医療保険として、メディケア(高齢者・障害者)とメディケイド(低所得者)がある。各約4,000万人で、ほかに無保険者4,500万人がいる状態だ。
米国の保険会社は儲けを多くするため、病人を保険に入れない。自営業者の保険料が高く設定してあるのもそのためである。反対に大企業で働く人の保険料は安い。健康な人が多く、大口の顧客を獲得できるからである。そのため、公的保険に有病者が集中して加入者の負担が増すという悪循環に陥っている。医療費負債による個人破産は原因の第2位に上昇しているのも事実である。
その他混合診療のデメリットや株式会社の病院のぼったくり度合などに関しても述べている。

Saya's 薬学ニュース vol.24に引き続きアメリカの医療に関して紹介したが、これは、日本がアメリカ同様の医療に転換しつつあることへの警鐘である。みていてぞっとするような内容であり、これでは憲法第25条の『すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。』を約束できるものとは思えない。
何度も繰り返すようだが、この記事やマイケルムーア監督の映画「Sicko(シッコ)は、はあくまでもアメリカの医療の一面であることには変わりないが、本質を知っているからこそ訴えるかけるものがあるようにも思える。はたしてこのまま突き進んでよいものなのだろうか。国民もこれらの情報は知っておくべきなのではないだろうか。