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2011/09/17

vol.125

<Today's news>
1. 放射性検査薬の投与量を全国調査へ- 放射線技師会
2. DPP-4阻害薬トラゼンタを発売- ベーリンガーとリリーが共同販促
3. 年内にも登場する新薬により3剤併用が標準に
4. 【登録販売者と薬剤師の連携を】JPEC/日薬が研修会‐「問題解決型」の顧客対応が重要
5. 9/15号 「たばこ、1箱1000円に」が過半数
6. 9/16号 「患者から1万円徴収」、受診時定額負担の代替案


放射性検査薬の投与量を全国調査へ- 放射線技師会
2011年09月15日 16:48 キャリアブレイン ※会員登録が必要です
[要訳]
甲府市立甲府病院(山梨県甲府市)で行っていた腎臓の放射線検査で、日本核医学会が推奨する投与量を大きく上回る放射性の検査薬「テクネチウム」が投与されていた問題で、日本放射線技師会は放射線検査を実施している病院など全国の約1100施設を対象に、検査薬の実際の投与量をアンケート調査すると発表した。    

DPP-4阻害薬トラゼンタを発売- ベーリンガーとリリーが共同販促
 2011年09月15日 18:44 キャリアブレイン ※会員登録が必要です
[要訳]
トラゼンタは腎臓ではなく主に胆汁から排泄されるため、腎機能の程度に応じた用量調節を必要としないという。
既存のDPP-4阻害薬がほかの種類の糖尿病治療薬との併用が可能なのに対し、トラゼンタは単独療法でのみ承認されている。通常、5mgを1日1回経口投与する。
主な副作用は、便秘(発現率1.9%)、鼓腸(1.5%)、腹部膨満(1.0%)など。また、重大な副作用として低血糖症(0.7%)が報告されている。

*comment*
DPP-4阻害薬の処方数は増えているため、腎臓の負担をかけない薬として注目されそうだが、併用できない点で単剤でどこまで血糖コントロールができるかがキーポイントになりそうである。

年内にも登場する新薬により3剤併用が標準に
2011. 9. 15 日経MD ※会員登録が必要です

[要訳]
田辺三菱製薬は今年1月、国内初のプロテアーゼ阻害薬であるテラプレビルの製造販売承認を厚労省に申請した。
「3剤併用(ペグインターフェロン(IFN)とリバビリンとテラプレビルの)した症例の約90%で、治療開始から4週までにHCV-RNAが陰性化していた。従来の治療と比べ、より早い時期から効果がある印象だ」とのこと。
副作用として貧血と皮疹が問題視されている。「頻回に血液検査を行い、貧血兆候が認められた際には早期にリバビリンを減量するなど、安全に治療を継続できるよう努めた」。「皮疹には抗ヒスタミン薬や外用ステロイドで対処する。皮膚科との連携も重要だ」。

*comment*
C型肝炎治療の新たな方法に、今まで薬物では対応できなかった型の人たちにも明るい道が提供されるのか?新薬やインターフェロンなどは高価でもあるため、患者に負担は強いられるだろう。B型肝炎のインターフェロン療法が保険適応になるなどの記事も出てきている。C型肝炎患者のどこまで補償が適用されるのか、今後見守っていきたい。


【登録販売者と薬剤師の連携を】JPEC/日薬が研修会‐「問題解決型」の顧客対応が重要
2011年9月16日 (金) 薬事日報

[要訳]
日本薬剤師研修センター(JPEC)と日本薬剤師会は都内で、「登録販売者のための一般用医薬品基礎知識研修会~薬局店頭で適切な情報を提供するために~」を開いた。研修会では、登録販売者と薬剤師が連携し、お互いを高め合う関係を構築していくことの重要性が示されたほか、登録販売者も患者・消費者の問題を解決する役割を担うべきことが指摘された。
登録販売者の役割に関して、「単に指名商品を販売するだけではプロの仕事とは言えない」と指摘。医薬品などを販売することが最終目的ではなく、消費者が抱えている問題の解決に向けて、情報を収集し、状況を見極めて、消費者にとって適切な製品を選択し、適切な情報提供を行う必要があるとした。

*comment*
現場にいたとき、正直登録販売者のレベルの格差にとまどう部分はあった。試験に受かっても患者様に提供できるほどの知識は正直備わっていない。どんな些細な質問でも、薬剤師がいればすべて薬剤師に託すといった行動もよく見られた。また、多くのケースで登録販売者が他の業務に追われ、医薬品販売業務にかかわることのできない現状も見受けられた。これではいつまでたっても登録販売者は成長しないし、会社の発展にもつながらない。薬剤師と協力をして店舗単位やグループ単位で高めていく必要性は十分にあるように思う。


9/15号 「たばこ、1箱1000円に」が過半数
2011年09月15日 ※m3.com閲覧には会員登録が必要です

[要訳]
小宮山厚労相が就任早々、たばこ税を引き上げ、1箱700円程度にしてはどうか、と発言し、波紋を広げているのを受け、m3.com意識調査で、「たばこ増税、賛成?反対?」をお聞きしました。
たばこは現在、1箱約400円。「いくらにすべきか」を聞いたところ、最も多かった回答が、「1000円」でした(Q1、詳細な結果はこちら)。医師会員では過半数を超え、57%、医師以外の会員でも47%。次いで多かったのが、「800円以上」あるいは「現在のまま(約400円)」。今の喫煙状況は、本数にかかわらず、「日常的に吸う」の回答は、医師会員の11%、医師以外の会員の17%(Q2)。Q1でたばこ1箱の値段を「現在のまま(約400円)」と回答者数(医師会員10%、医師以外の会員15%)とほぼ一致する数字です。

*comment*
たばこに関しては、禁煙を押している医療者が多いようである。1箱1000円という値も、禁煙者ならではの回答。どうせ自分は買わないからいくら高くてもいいという風にも取れる。「現在のまま」の回答が喫煙者の割合と同じであるのも納得である。果たしていくらになるのだろうか??


9/16号 「患者から1万円徴収」、受診時定額負担の代替案
2011年09月16日 m3.com ※m3.com閲覧には会員登録が必要です

[要訳]
 「受診時定額負担に代えて、病院と診療所の役割分担などを考慮して、例えば、大病院での外来受診時のみ定額負担を求めることをどう考えるか。受診時定額負担100円と同規模の財源を確保するには、大病院の初診1回につき、7000円から1万円程度の追加負担をお願いすることになる」紹介状のない患者さんの「大病院集中」を是正する効果を期待したものと思われます。

「7000円から1万円の追加負担」の試算は次のようなものです。
・ 2009年4月から2010年3月までの医科、歯科の外来の年間受診延日数:20.6億日(うち初診は、3.5億日)
・ 大病院(200床)以上の初診の年間受診延日数:約0.3億日(再診は2.4億日)
・ 100円×20.6億日÷0.3億日=約7000円
・ 紹介状なしの患者からのみ徴収する場合は、1万円程度(地域医療支援病院の外来では約7割、特定機能病院の外来では約5、6割)。

*comment*
受診時定額負担の新たな考え方の一つとして紹介。受診時1回100円に比べて、大学病院初診7000円~1万円というのは大きな差。確かに紹介状のない患者さんの大学病院への集中受診は、本当に必要な人への医療の提供が遅れることにもつながり改善すべき問題ではあるが、それをお金で解決するのが唯一の手なのだろうか。効果がなくはないと思うが。


2011年9月16日 橋本佳子(m3.com編集長) ※m3.com閲覧には会員登録が必要です

[要訳]
「女性医師の就労環境に関する実態調査」によると、5年前に比べて院内保育施設の設置が進むなど、就労環境の改善が進むものの、いまだ女性医師は常勤医と非常勤医は半々であり、今後取り組むべき課題として、「複数主治医制」を挙げた院長が多いことが明らかになった。2006年度にも同様の調査を行っており、院内保育施設が「ある」と回答したのは、2006年度の56%から、89%(80大学中71大学)に増加した。以前は院内保育施設を看護師に限るケースも見られたが、現在は医師も利用可能な施設がほとんどであり、保育時間も延長した。
短時間勤務でも常勤医として認めるなど、多くの大学で「女性医師の就労継続支援を目的とした勤務制度」を持っており、育児だけでなく介護の場合にも利用できるほか、80%の大学では男性医師も利用可能になっている。また、短時間勤務制、産休・育休取得の可否や育児期間中の当直免除など、就労継続支援や過重勤務緩和に有効な対策を聞いたところ、多くの院長が「複数主治医制」に高い関心を示した。

*comment*
女性医師のキャリアを考えた「複数主治医性」。患者側としては、一人に医師に把握してもらうほうが何かと利便性があるが、現状を考えると取り入れる必要性も出てくるのではないだろうか。患者の状況にも合わせ、うまく連携が取れるのであれば「複数主治医性」もありなのでは?

2009/08/21

Saya's 薬学ニュース vol.100-SU薬が見直されている理由/どの党に投票?マニフェスト徹底比較/薬局から劇薬相次ぎ盗難/薬剤師の配置適合率は93%/タミフルが無料に

<Today's news>
1. 糖尿病治療でSU薬が見直されている理由
2. どの党に投票?マニフェスト徹底比較
3. 薬局から劇薬相次ぎ盗難 愛知・大府市
4. 薬剤師の配置適合率は93%

おまけ. タミフルが無料に
[要約&コメント]
肥満を伴う軽症2型糖尿病および肥満を伴わない軽症2型糖尿病のそれぞれについて、第1選択薬を選択してもらうアンケートにおいて、以下のような結果がでた。
肥満を伴う軽症2型糖尿病ではBG薬を選んだ人が最も多く(35.9%)、次いでSU薬(19.9%)。
一方、肥満を伴わない軽症2型糖尿病では、SU薬が35.6%と最も多く、次いでαGI。
SU薬は膵β細胞を疲弊させる可能性があるとして使用は控えられていたが、その常識が変わりつつあるという。その理由として、「確実な血糖降下作用、副作用が少ない点が評価されているほか、グリメピリドが持つインスリン抵抗性改善作用に期待する医師が増えているようだ」「インスリンとの相性がよい」というのももう一つの理由である。
2009年08月04日-m3.com ※m3.com閲覧には会員登録が必要です

[要約&コメント]
両党が言及した項目は、結構一致しています。(1)後期高齢者医療制度、(2)診療報酬改定、(3)大学病院のあり方、(4)救急・産科医療等の体制、(5)医学部定員、(6)臨床研修制度のあり方、(7)社会保険病院・厚生年金病院の存続問題、(8)新型インフルエンザ・難病・肝炎・がん対策など。
真っ向から意見が対立する施策は見当たりませんが、それぞれの内容は異なります。

衆院選に向けてマニュフェストが公表されたが、その内容の比較を行っている記事。項目は似ているものの、内容については相違点が大きくみられる。相違点を比較するのに一読してみるのもよいだろう。

[要約&コメント]
愛知県大府市柊山町の「スター薬局」で、店内が荒らされ向精神薬と降圧剤(劇薬を含む)などが盗まれているのを出勤してきた店長が見つけた。同市内で同じようなケースがみられたことから、同一犯による連続窃盗事件とみて調べている。

盗難ニュース。自分の周りでは起こらないと思っていたのに、カナダの研修先の薬局で盗難が入ったことがある。結局麻薬等のありかを突き止めら得ず、現金1万円程度盗まれただけの被害で済んだが、ドアのかぎの修理などで出費があった様子。薬が盗まれなかっただけ良かったと思ったほうがよいのだろうか。オープンして4ヶ月間ですでに2件の盗難...一度入られた薬局は二度やられるんだとか?

2009年8月3日 (月)-薬事日報

[要約&コメント]
医療法に基づく病院への立入検査の2007年度結果を公表した。それによると、医療法等に定める薬剤師配置の標準数に適合する病院の比率は92・8%で、前年から0・9ポイント上昇したことが分かった。ただ、北海道・東北や中国では90%に達しておらず、依然として地域差がみられた。
薬剤師数の適合率は改善傾向にあるが、他の項目と比べると、医師数の86・9%、職員の健康管理の87・1%、患者相談体制の92・6%に次いで低い。
近畿が97・4%、次いで関東が95・3%、北陸・甲信越と四国が94・3%、東海が94・0%と、9割台半ばの水準となっているのに対し、北海道・東北は87・8%、中国は89・8%

薬剤師不足は採用率をみていると明らかであるが、近畿地方が最も多いのは少し驚いた。関東がトップと思っていたが…北海道や東北では、医師不足の割合に近い割合を示している。これをもとに就職先を考えることもできるのではないだろうか。

おまけ...

2009/08/03 Mon 09:23-オランダニュース

[全文]
本日付AD紙によれば、早ければ来週からインフルエンザの治療薬といわれる「タミフル」が無料で薬局で入手できる。ただしホームドクターか保健所(GGD)の処方箋が必要。 今のところ保健所からの処方箋を持っていけば無料で入手できるが、ホームドクターの処方箋では数10ユーロ支払わねばならない。 現在オランダでは500万回分のタミフルが在庫にあるという。

2009/03/13

Saya's 薬学ニュース vol.82-「インターネットで買えないとイヤ」な薬、トップは?/富山薬売り、高齢者も勉強/献血者数6年ぶりに増加 HIV陽性者は過去最多を更新/ゾニサミド:少用量製剤でパーキンソン病にも適応を拡大

<Today's news>
1. 「インターネットで買えないとイヤ」な薬、トップは「サプリメント」
2. 富山薬売り、高齢者も勉強 改正薬事法、資格取得で 「スクランブル」
3. 献血者数6年ぶりに増加 HIV陽性者は過去最多を更新
4. ゾニサミド:少用量製剤でパーキンソン病にも適応を拡大


「インターネットで買えないとイヤ」な薬、トップは「サプリメント」
2009/02/20 12:31 -CNET Japan

[要約&コメント]
2009年6月の改正薬事法施行にともない、一部を除く市販薬についてインターネットなどによる通信販売を禁止する省令に対し、一般の人がどのように考えているのか調査を行った。インターネットを利用して購入できなくなると最もイヤな医薬品を聞いたところ、「どれもイヤではない」が53.2%を占めたが、「サプリメント」が13.4%、「コンタクトレンズ」が11.1%と1割を超えた。
インターネットを利用した医薬品購入でメリットだと思う点を択一選択式で聞くと、35.9%が「時間を気にせず購入できる」と回答。次いで「人目を気にせずに商品を比較・検討できる」が18.2%、「宅配してくれる」が15.2%、「わからないことをネット検索しながら購入を検討できる」が12.3%と続いた。
コンビニでの販売に関しても、肯定の意見のほうが多かった。

想定していた風邪薬などの明記がないのに少し驚かされたが、この結果を見る限り思ったよりも一般の人たちの不便さは感じとれない。500名近くにしか聞いていない事もあるのだろう。ネット販売のメリットの一つとして、「分からないことをネット検索しながら購入検討できる」が挙げられていたのに少しショックであり、現実を突きつけられた感じであった。店頭でいかに薬剤師が活用されていないかがわかる。。。

富山薬売り、高齢者も勉強 改正薬事法、資格取得で 「スクランブル」
2009年2月19日-m3.com 提供:共同通信社 ※m3.com閲覧には会員登録が必要です

[要約&コメント]
高齢者の多い「越中富山の薬売り」として知られる薬配置販売業者は、経過措置として当面は登録販売者の資格は必要ないが、「消費者の信頼を得よう」と資格取得に懸命だ。昨年10月に合格発表があった富山県の第1回試験。受験者1104人のうち、配置販売業は460人。受験した同業者の半数が60-80代で、この年代の合格率は約4割と平均を約2割下回った。
「富山の置き薬」は300年以上の歴史。しかし薬剤販売の規制緩和に反対する全国薬害被害者団体連絡協議会は「スモンの原因となった整腸剤キノホルムは大衆薬だった。置き薬の被害もあったはず」と主張。配置販売業者も試験や資格できちんとした知識を持つべきだとして「経過措置」に反対してきた。

「富山の置き薬」は薬学の知識がある人であればだれもが聞いたことのある話だろう。300年の歴史があるために、この経過措置はとられたのであろう。そんな高齢者でも、信頼を勝ち得ようと必死に学んでいる姿は、薬を扱う者としてのプライドさえも見受けられる。このような倫理感も見習うべきであるように思う。

献血者数6年ぶりに増加 HIV陽性者は過去最多を更新 日赤調査の2008年間速報値
2009/02/16(月)-Care NET

[要約&コメント]
昨年1年間の献血者数は約507万7200人と前年を約13万7700人上回った。前年比増加は6年ぶり。献血者のうちHIV陽性者と判明は、10万人当たりの陽性者数は2.107人といずれも過去最多を更新。

10万人当たりの陽性者数2.107人を多くとるか少なくとるか。自分が陽性かもしれない、と思っている人ほど献血を恐れて受けていないのも事実。病院で輸血を利用している人の割合は、献血の量に比べていったいどのくらいなのだろうか?

ゾニサミド:少用量製剤でパーキンソン病にも適応を拡大
2009. 2. 13-日経DI

[要約]
パーキンソン病のうち、レボドパ含有製剤に他の抗パーキンソン病薬*を使用しても十分に効果が得られなかった場合にゾニザミド*(商品名:トレリーフ錠25mg)が適応にあり、ゾニサミドを処方する際にはレボドパ含有製剤と併用することが定められている。
パーキンソン病治療には1日1回25mgで使用するのに対し、てんかん治療では「通常、成人は最初1日100~200mgを1~3回に分割経口投与する。以後1~2週ごとに増量して通常1日量200~400mgまで漸増し、1~3回に分割経口投与する」となっており、パーキンソン病とてんかんとでは用量が異なることに注意したい。

*おもな抗パーキンソン病薬
レボドパ含有製剤やドパミン受容体刺激薬、ドパミン放出促進薬(アマンタジン塩酸塩)、MAO-B阻害薬(塩酸セレギリン)、抗コリン薬(塩酸トリヘキシフェニジルなど)、ノルアドレナリン補充薬(ドロキシドパ)、末梢COMT阻害薬(エンタカポン)等
*ゾニザミド
長い半減期(62時間)を持つ抗てんかん薬として、錠剤(商品名:エクセグラン錠100mgほか)と散剤(商品名:エクセグラン散20%ほか)が1989年6月から臨床使用されている。

2009/02/12

Saya's 薬学ニュース vol.75-日本初の再生医療製品が保険適応/処方薬、「飲み切らない」が7割強/「リレンザ」を処方の高2男子が転落死

<Today's news>
1. 自家培養表皮「ジェイス」が保険収載 ヒトの細胞・組織を利用した日本初の再生医療製品
2. 処方薬、「飲み切らない」が7割強
3. インフルエンザ治療薬「リレンザ」を処方の高2男子が転落死


自家培養表皮「ジェイス」が保険収載 ヒトの細胞・組織を利用した日本初の再生医療製品
2009年1月21日-m3.com 提供:Japan Medicine(じほう) ※m3.com閲覧には会員登録が必要です

[要約&コメント]
自家培養表皮「ジェイス」*が1月から保険収載された。ジェイスは、ヒトの細胞・組織を利用した日本初の再生医療製品で、重症熱傷患者に使用できる。自家培養表皮治療に対する公的な保険の適用は、世界でも初めてという。同製品により、自家培養表皮の広範囲な移植が可能となり、これまで救命できなかった広範囲重症熱傷患者*を救命できる可能性があると期待されている。
*「ジェイス」
患者から採取した皮膚組織の細胞を培養して作製する表皮シートのこと。
*ジェイスの適応となるII度・III度の熱傷創が30%以上の患者は、年間約900人発生し、このうち約500人は死亡している。

熱傷創が40%を超えると、死亡する確率はかなり高くなるとのこと。その中で熱傷創90%の患者が新たな治療により一命を取り留める、という事実には正直驚いた。再生医療の是非は賛否両論であると思うが、人間らしく生きるための助けになるものであれば、このように存在してもよいように感じさせられる記事である。

処方薬、「飲み切らない」が7割強
2009/01/21 17:41-キャリアブレイン

[要約&コメント]
処方された薬を最後まで飲み切らずに余らせてしまう人の割合が全体の7割強(よくある」が23.2%、「たまにある」が49.8%)に上ることがわかった。また、処方薬を飲み忘れることがあるかとの質問では、「よくある」「たまにある」と答えた人の割合が全体の71.5%となり、飲み忘れの多い時間帯は、「昼」が53.6%で最多だった。
医師の指示を守って薬を正しく服用しているかとの質問には、全体の79.7%が「良好だと思う」と回答。
抗生物質・抗菌薬を処方されたことのある人に対し、服用を途中でやめたことがあるかと尋ねたところ、4割の人が「ある」と答えた。

昼の飲み忘れは、外出していたり、知り合いの目の前で服用したくないと感じている人が多いのではないだろうか。勤務時代素直に打ち明けてくれる人が多かった気がする。抗生物質や抗菌薬の処方が出た場合、飲みきるようにという説明は当り前のようにしてきたが、実行できていない人たちがこれだけいるとは。途中でやめるとなぜいけないのか、という理由をしっかり患者が把握できていないためではないだろうか。薬剤師の説明不足も要因になっているように感じる。

インフルエンザ治療薬「リレンザ」を処方の高2男子が転落死
2009.1.29 23:30-産経新聞

[要約&コメント]
厚生労働省は29日、インフルエンザにかかり、治療薬「リレンザ*」を処方された長野県松本市の高校2年の男子(17)が27日、自宅ベランダから転落して死亡したことを明らかにした。処方されたリレンザを服用したかどうかは不明。
*リレンザ
一般名:ザナミビル
薬効・薬理:A型,B型インフルエンザ感染症治療薬
副作用:頭痛,下痢,かすれ声,失神,ショックなど

タミフル耐性インフルエンザの出現により、リレンザが再び注目されるようになった。異常行動とタミフルの因果関係について、去年ニュースにも多々取り上げられていたが、タミフルによる服用と、インフルエンザそのものによる脳症によるものとの区別がまだついていないように感じる。

2009/02/02

Saya's 薬学ニュース vol.71-昨年の医薬部外品市場は横ばい/厚労省処方希望カードを配布 後発薬使用促進/「薬歴管理」は薬剤師の新たな役割/ パーキンソン病治療剤の製造販売承認を取得/21%の453万世帯が滞納

<Today's news>
1. 昨年の医薬部外品市場は横ばい
2. 処方希望カードを配布 後発薬使用促進で厚労省
3. 「薬歴管理」は薬剤師の新たな役割
4. パーキンソン病治療剤の製造販売承認を取得
おまけ. 21%の453万世帯が滞納 08年、国保で過去最悪 保険料上昇で支払えず

昨年の医薬部外品市場は横ばい
2009/01/21 12:22-キャリアブレイン

[要約&コメント]
昨年の医薬部外品市場は、前年とほぼ同額の1兆978億円だったことが、マーケティング会社「富士経済」の調査で分かった。項目別では、「薬用スキンケア」「薬用ヘアケア・スカルプケア」が微増だった半面、「薬用オーラルケア」や「ドリンク剤」などが減少し、全体では横ばいとなった。 4月の改正薬事法の施行に伴い、一部の医薬品が薬局やドラッグストア以外でも販売可能となるため、「機能や訴求の競合する一部の医薬部外品については、少なからず影響を受ける可能性がある」としている。

法改正によりコンビニなどで購入できるようにはなるが、この不景気ではそこまで大きな伸びを見せるかは疑問である。緊急時の薬へのアクセスが容易になることは喜ばしいことだが、安易な薬の使用などが起こることは避けたい。コンビニ内であれば、薬剤師よりも登録販売者の存在が重要となるので、4月以降の状況が楽しみでもあり、不安でもある。

処方希望カードを配布 後発薬使用促進で厚労省
2009年1月21日-m3.com 提供:共同通信社 ※m3.com閲覧には会員登録が必要です

[要約&コメント]
厚生労働省は20日までに、患者が病院窓口や薬局で提示して後発医薬品(ジェネリック医薬品)の処方を希望できる「お願いカード」を、中小企業の従業員らが対象の協会けんぽや後期高齢者医療制度の加入者に配布する方針を決めた。
後発薬の普及率は17%(06年度、数量ベース)にとどまり、12年度までに30%以上に引き上げる国の目標達成は厳しい状況。08年度の診療報酬改定で処方せんの様式が変わり、医師が後発薬への変更を認めない場合だけ「変更不可」欄にチェックするようになったが、医師や薬剤師の理解不足もあり後発薬の使用はあまり進んでいない。

後発品の普及率は17%。確か、H12年度が12%(16%?)であった気がするから、ほとんど変わっていないということである。国の政策によっても伸び悩みは隠せない状況である。処方希望カードの配布がどこまで影響を与えられるか。今までにも、すでに処方希望カードが存在していたのが少ししか利用されず、使用してもよいのか躊躇している患者も多くいた。後発医薬品の処方を希望する人の割合が多いことから、処方カードが定着すれば控え目な患者の手にも後発医薬品を提供できるようになるかもしれない。もう少し様子を見ていきたい。
参考記事:沢井製薬 患者さん対象調査報告~ジェネリック医薬品での処方・調剤を依頼する患者さんが着実に増加 前回13.2%から20.5%へ~

「薬歴管理」は薬剤師の新たな役割
2009/01/22 20:12-キャリアブレイン

[要約&コメント]
医業経営コンサルタントグループのMMPG(メディカル・マネジメント・プランニング・グループ、東京都中央区)は、「どうなる日本の医療2009!」をテーマに、定例研修会を都内で開いた。薬学部の定員増に伴う薬剤師の増加については、高齢者への重複投薬を防ぐための薬剤師の新たな役割として、『薬歴管理』を提案している。
その他、がん患者の不安を取り除くための取り組みとして、英国の任意団体「ディペックス」の映像データベースについて紹介された。消費税率引き上げの是非について言及しているが、消費税率を上げることはやむを得ないとしても、高齢者への臓器別医療やメタボ健診など医療の無駄を省くべき、と主張している。

薬歴管理に関しては、日本は進んでいるように感じる。ここカナダでも一部の州で薬歴の管理を薬剤師の仕事としてとらえているところもあれば、細かく管理していない州もある。患者一人一人の投薬記録などは勿論みたことがない。薬歴管理は勿論行っていくべきと考えているが、時に薬剤師の仕事をしばりつける原因ともなり得るとも感じている。待ち時間の延長や、患者の負担割合増加にも影響している事は確かである。薬歴の本来のあり方などを再度見直し、有効に活用されるような法規制が必要ではないだろうか。

パーキンソン病治療剤の製造販売承認を取得

2009/01/23 10:29-キャリアブレイン

[要約]

大日本住友製薬は、パーキンソン病治療剤「トレリーフ(R)錠25mg」(一般名・ゾニサミド)の製造販売承認を取得した。ゾニサミドは国内では抗てんかん剤(製品名「エクセグラン(R)*」)として1989年に発売されている。同社では、トレリーフの作用機序について「まだ完全には解明されていないが、ドパミンの放出を促進すると共に、ドパミンの分解を阻害することが考えられる」と説明している。レボドパ含有製剤と併用する。
*エクセグラン
一般名:ゾニサミド
薬効・薬理:てんかんのけいれん発作を予防
副作用:肝臓や肺の障害、血液の異常、尿路結石など

おまけ...

21%の453万世帯が滞納 08年、国保で過去最悪 保険料上昇で支払えず
2009年1月19日-m3.com 提供:共同通信社 ※m3.com閲覧には会員登録が必要です

[要約&コメント]
厚生労働省は16日、自営業者や無職の人が加入し市区町村が運営する国民健康保険*で、保険料(税)を1カ月でも滞納した世帯が2008年6月1日現在、453万世帯に上ったと発表した。同4月に75歳以上が後期高齢者医療制度に移ったため世帯数自体は減少したが、加入世帯に占める割合は20・9%で過去最悪となった。
「無所得や低収入の加入者が増え、年々上昇する保険料を支払う余裕がないため」と分析している。09年は景気後退でさらに事態が悪化する可能性が高い。
*国民健康保険
国民健康保険 農家や自営業者向けの公的医療保険として始まったが、近年は高齢者や無職者が約半数を占める。健康保険組合や協会けんぽに入っていた人が離職すれば国保加入となる。75歳以上は昨年4月から後期高齢者医療制度に全員移った。所得が低い人が多い一方で高齢化から医療給付費が膨らみ、一般的に保険料負担は健保組合などより重い。加入者全員に掛かる「均等割」と所得に応じた「所得割」を合算して保険料を決める自治体が多い。低所得者には軽減措置がある。

保険に加入していない世帯が453万。国民皆保険を誇ってきた日本にとっては信じられない数字である。景気後退によりさらなる無保険者が増えることが予想されるが、その人たちを守っていくにはどうすればよいか。Saya's 薬学ニュース vol.24とvol.26で、日本の医療はアメリカの医療に近づいている、という事実に警鐘を鳴らしている。

2009/01/29

Saya's 薬学ニュース vol.68-血糖値測定器、指定外の試薬でも作動、注意!/糖尿病治療薬で女性患者の骨折リスクが倍増/健康食品会社が効能を記載し薬事法違反/死への恐怖、がん患者より医師の方が強い

<Today's news>
1. 血糖測定器、指定外の試薬でも作動
2. 糖尿病治療薬で女性患者の骨折リスクが倍増
3. 医薬品の効能うたい無許可販売、健康食品会社を書類送検

おまけ. 死への恐怖、がん患者より医師の方が強い

血糖測定器、指定外の試薬でも作動
2009/01/16 09:30   キャリアブレイン

[要約&コメント]看護師が血糖測定器に指定外の試薬を取り付けたために、誤った血糖値に気付かないで薬剤を投与したという。試薬の取り付け間違いで計測した血糖値(67mg/dL)を元にブドウ糖を投与したが、実際の血糖値は192mg/dLだっという。
今回は、「プレシジョンエクシード」に「LFSクイックセンサー」を取り付けて起こった事例である。「指定されていない試薬を取り付けても作動し、誤った値を表示する機器があることを周知する。血糖測定器が指定する試薬がわかるよう表示する」よう注意を呼び掛けている。詳細(財団法人・日本医療機能評価機構HP) http://jcqhc.or.jp/html/accident.htm#med-safe

           <血糖測定器への指定外の試薬の取り付け>

機械が違うのに作動してしまうのは怖いことである。血糖値が3倍近くも変わってしまうのであるから。。。この財団法人に関しては、Saya's 薬学ニュース vol.37のコメントで“ここから来たDMはゴミ箱直行”と記載してあったことを思い出し、ぞっとした。今回のこの記事も各病院に配布されていても、読まれていないのではないだろうか。普段の情報提供を怠ると、こういった重要な情報も重要としてとらえられない可能性もあるので、非常に怖いことである。

糖尿病治療薬で女性患者の骨折リスクが倍増
2009/01/16-ケアネット.com 提供:HealthDayNews

[要約&コメント]
2型糖尿病治療薬rosiglitazoneロシグリタゾン(商品名:Avandia、日本国内では未承認)あるいはピオグリタゾン(アクトス)*を服用する女性患者では骨密度が低下し、骨折リスクが2倍に上昇するとのことだ。一方、男性の服用患者では骨密度には影響は見られなかった。
「2型糖尿病には多くの治療選択肢があり、骨折の原因になるような薬剤を服用し続けることが最善とは思わない。可能性のあるすべての人はこれら2剤を避けるべきと警告する必要がある」と指摘している。

アクトスは、最近添付文書の改訂で「ビグアナイド系薬剤」との併用について新たに追記されたばかりの薬である。ホルモンの関係で骨粗鬆症にかかりやすくなる女性にとって、さらに骨折のリスクを増加させるような薬を服用するのは確かに避けるべき項目と考える。
*アクトス
商品名:アクトス
一般名:ピオグリタゾン
規格:15mg,30mg
薬効:糖尿病薬(インスリン抵抗性改善)
副作用:浮腫(むくみ),心不全,急激な体重増加,息苦しさetc

医薬品の効能うたい無許可販売、健康食品会社を書類送検
2009/01/19(月)-ケアネット.com 提供:読売新聞

[要約&コメント]
健康食品を耳鳴り改善などの効能をうたって販売したとして、東京都武蔵野市の健康食品販売会社「縄文健康研究所」と社長を薬事法違反(無許可販売、貯蔵)の疑いで横浜地検川崎支部に書類送検した。「ハチの子ミミン」「鮑凄六(あわびすごろく)」を、「耳鳴り・難聴が改善する人もいる」などと効能を示し、販売した疑いがある。

特定保健用食品の記載がないもので、効能をうたっているものは注意が必要である。効能が書いてある物の場合は、必ずトクホのマークを探してください。マークの記載がなく効能の記載があれば、承認を受けずに販売している可能性が高いです。

おまけ...癌患者

死への恐怖、がん患者より医師の方が強い
2009/01/14 23:00-キャリアブレイン

[要約&コメント]
医師はがん患者よりも死への恐怖感を強く抱いていることなどが、東大医学部附属病院のアンケート調査で分かった。
「死後の世界に対する見方」の項目では、がん患者と一般市民に比べ、看護師は死後の世界を肯定し、逆に医師は否定する傾向が見られた。
がん患者の死生観について「『伝統的死生観』には頼らず、死を思い、死を恐れず、充実した今を生きている、と言えるのではないだろうか」と指摘し、医師の死生観については「医師は科学的死生観を持っている。未来を希望する一方で、死を思うことは少なく、死への恐怖も強い」とし、がん患者の生き方に学び、歩み寄る必要がある」と話している。

2008/12/30

Saya's 薬学ニュース vol.44-ニコチンパッチの正しい使い方/経口腸管洗浄薬に腎障害のリスクが.../後発医薬品使用促進/ネット販売禁止、低い問題意識

<Today's news>
1. ニコチンパッチの正しい使い方
2. FDAが経口腸管洗浄薬に腎障害リスクの警告表示を要請 
3. 後発品促進策を一層強化‐来年度予算案で方針
4. 薬のネット販売禁止、低い問題意識 


ニコチンパッチの正しい使い方 
2008年12月18日/HealthDay News Nikkei NET
[要訳&コメント]
米国家庭医学会(AAFP)は、ニコチンパッチの使い方について以下のように助言している:
・使用する直前まで包装を開封しない。準備ができたら封を開け、パッチの剥離(はくり)紙をはがす。粘着面には触れないようにする。
・上半身のパッチを貼る部位を清潔にし、乾燥させる。体毛の多い場所や、火傷、痛み、切り傷のある部分を避ける。
・皮膚にパッチを貼り(粘着面を下に)、しわができないよう伸ばして10秒間押さえる。パッチを扱った後は必ずすぐに手を洗う。パッチに含まれるニコチンにより目や鼻が刺激されるのを避けるためである。
・パッケージに表示されている時間を超えてパッチを使用しない。
・はがしたパッチは粘着面を合わせるように折りたたみ、子どもやペットが触れないようにして処理する。
・パッチを貼る部位は日によって替える。1週間空ければ同じ部位に貼ってもよい。
参考資料:原文

以上の内容を、どの程度説明できているでしょうか。いまやニコチンハップは市販で手に入るものとなりました。患者さんが安心して効果の高い使用ができるよう、初めての患者さんだけでなく、使い慣れている患者さんにも確認の意味で説明するとよいかもしれませんね。
 
2008/12/18 -日経NET

[要訳&コメント]
大腸内視鏡検査の前処理として腸管洗浄に使用される処方薬2種が、腎障害を引き起こす可能性があることが米国食品医薬品局(FDA)により報告された。
経口リン酸ナトリウム製剤Visicol*およびOsmoPrep*の2製品について、急性リン酸腎症のリスクがあることを警告として表示するよう促している。類似訳もあるが、下剤として低用量の使用は安全とのこと。リン酸ナトリウムをスクリーニングに使用する大腸癌は、米国で男女ともに診断される癌の第3位。
*Visicol:日本では、日本人に適した製剤、用法・用量に検討され、経口腸管洗浄剤「ビジクリア錠」として販売されている
*OsmoPrep:日本では未承認
 
2008年12月19日-薬事日報

[要訳&コメント]
社会保障費の自然増2200億円の圧縮財源に、健康保険組合などを助成するため年金特別会計に設けられている「特別保健福祉事業資金」の清算で1370億円、一般財源化する道路特定財源で600億円、後発品の使用促進で230億円を捻出して充てることで合意した。 着実な実施を行うための方策として以下が挙げられる
・保険者から被保険者への働きかけ:「ジェネリック医薬品希望カード」の配布
・療担規則、薬担規則の徹底
・普及啓発活動

社会保障費の財源として、後発医薬品使用促進が挙げられていることから、厚労省が後発医薬品の普及に対し大きな関心を寄せているのは間違いない。しかし、現場を見てみよう。沢井製薬が行った薬剤師に対するアンケートを見た限りでは、薬局側は後発医薬品の使用に対し意欲的でないことがわかる。患者側は後発医薬品に対し大いに関心を持っており、変更したいと考えている患者が多くみられたことから(92.8%)、ニーズがある限り改善の余地はあるように思う。ただし、薬局の経営を悪化させるような状態が続くようであれば、難しいようにも感じる。
2008/12/19 23:07-キャリアブレイン

[要訳&コメント]
一般用医薬品(大衆薬)のうち、H2ブロッカー含有薬や風邪薬などのインターネットによる販売を規制する厚生労働省の省令改正案が実現したとしても、「あまり困らない」と考えているネットユーザーが全体の7割近くに上ることが、わかった。規制の方針を見直す必要があるかどうかでも、「どちらでもよい、分からない」との回答が4割を超えており、全体的にこの問題に対する意識の低さが目立っている。
規制する省令改正案を「知らなかった」と応えのは全体の68.1%(295人)であることからもわかる。
業者や厚労省などの間では、ホットなニュースとして話題となっていたが、どうやら一般の人たちにはその声はあまり届いていないようだ。このままだとネット販売を行っている人たちの訴えはなかなかとどかないのではないだろうか。

2008/12/27

Saya's 薬学ニュース vol.41-薬剤師が後発品に変更しないワケ/医師向けの後発品研修開始/抗てんかん薬と自殺リスクの関係/インフルエンザ流行開始/六年制の意義

<Today's news>
1. 薬剤師が後発品に変更しないワケ
2. 医師向け後発品研修会開始 不安払拭で使用促進狙う
3. 2008年AES:専門家らは抗てんかん薬と自殺リスクに関するFDAの見解に反論 
4. インフルエンザ流行開始 昨年に次ぐ早さ 感染研が発表 

おまけ. 「労働力」ではない「質」を見据えた医師養成を ~「6年制」は長いが、「医師バカ」を防ぐための重要な期間~

薬剤師が後発品に変更しないワケ
2008. 12. 10-DIオンライン
[要訳&コメント]
後発品への変更が可能な処方せんを受け付けたにもかかわらず、薬局での変更に至らなかった事例について、何が原因となっているのかを探った。後発品に変更しない理由を薬局薬剤師に尋ねたところ、「患者が希望しないから」が79.8%と最も多く、「先発品との価格差が小さいから」(38.3%)、「後発品の備蓄が不十分だから」(32.5%)がそれに続いた(図)。
2007年調査に比べ、情報提供体制や供給体制に対する不安は幾分解消されたものの、現場の後発品に対する不信感はまだ根強いのが実情といえる。

後発医薬品の値段が安いのは、開発費の抑制のみならず、MRの人件費削減なども含まれているということは今回初めて知った。患者が希望しない、が79.8%となっているが、沢井製薬が行った患者向けアンケートでは、後発医薬品を希望する患者の割合が92.8%でであったことから、「希望しない」のではなく、「同希望したらよいのかわからない」のが現状なのではないだろうか。薬剤師が尋ねられなければ後発品の説明をしない、という調査結果からもわかるように、患者側も対応に困っているのではないか。
参考記事:ジェネリック医薬品での処方・調剤を依頼する患者さんが着実に増加 前回13.2%から20.5%へ(沢井製薬) ジェネリック医薬品について、依然として半数を超える薬剤師が“患者さんから尋ねられたら説明”(沢井製薬)
関連記事:後発医薬品アンケート<1> 2008年の後発品調剤は前年から倍増後発医薬品アンケート<2> 医師・薬剤師が先発品にこだわる薬はこれだ!
 
厚生労働省 医師向け後発品研修会開始 不安払拭で使用促進狙う
2008年12月12日-m3.com 提供:じほう ※m3.com閲覧には会員登録が必要です
 
[要訳&コメント]
厚生労働省は、後発医薬品の使用を促進するため、医師向け研修会を今年度から開始する。研修会では、後発品の使用経験が豊富な病院の医師が、診療や経営に与える影響などについて講演する。研修を通じて、後発品使用促進のネックとなっている「医師の後発品に対する不安や疑問」を払拭したい考えだ。

処方するのは医師。後発品変更不可のサインをするのも医師。これらのことから考えられた研修だろうか。確かに、現段階ではいくら薬剤師が説明しても、医師がダメと言うなら…と医師の主張を優先させたいと考えている患者も多い。これは、利害関係によるものなのかもしれないが、薬剤師の職能の問題でもある。それにしても、薬剤師に対する研修会はないのだろうか?
 
2008年AES:専門家らは抗てんかん薬と自殺リスクに関するFDAの見解に反論 
AES 2008: American Epilepsy Society 62nd Annual Meeting. Presented December 5, 2008.
 
[要訳]
抗てんかん薬(AED)は自殺リスクを高めることを示す米国食品医薬品局(FDA)の最近の見解は、てんかん患者および潜在的には今後のAED臨床試験にとって不幸な結果を招くおそれがある、とてんかんの専門家らは懸念している。
「てんかん患者の自殺リスクは3倍高いことが研究で示されている。すべての医師は、てんかん患者の評価の一環として、気分障害と不安障害の有無を検討する必要があるが、「自殺リスクの上昇はすべての薬剤に認められたわけではなく、その理由については説明されていない」とのこと。
 
インフルエンザ流行開始 昨年に次ぐ早さ 感染研が発表 
2008年12月17日-m3.com 提供:毎日新聞
 
[要訳&コメント]
国立感染症研究所(感染研)は17日、全国約5000カ所の医療機関を対象に実施しているインフルエンザの定点調査で、定点あたりの患者数が1・62人(12月1-7日)に上り、全国的な流行開始の指標になる「1・0人」を超えたと発表した。過去10年間で最も早かった昨シーズンに次ぐ早い流行入りとなった。感染研は予防接種などの対策を呼びかけている。
参考記事:インフルエンザの流行始まる(キャリアブレイン)、インフルエンザ全国で流行 過去3番目に早い開始 感染症研究所速報(共同通信社)(検出が多いウイルス(9月以降)は、A香港型(52%)、B型(27%)、Aソ連型(21%)の順で、A香港型が増加傾向だという。)
 
今年のインフルエンザは急速に流行しており、各地で学級閉鎖などのニュースが出ている。流行の型もA香港型が他の倍近くである。米国などでは、タミフルに耐性のインフルエンザが流行しているとのことで、危険を呼び掛けている。タミフル依存の日本も、耐性の発現はすぐ間近に迫っているかもしれない。
 
おまけ...六年制
 
「労働力」ではない「質」を見据えた医師養成を ~「6年制」は長いが、「医師バカ」を防ぐための重要な期間~ 
2008年12月17日-m3.com
 
[要訳&コメント]
医学生のホンネ座談会において、座談会に参加した医学生3人とも異口同音に、「医学部6年生は長いが、多様な医師養成には必要な期間」と語る。
ある学生は、「4年間で医学教育はできるかもしれませんが、それがいいかは別。「職人」を作りたいんだったら、4年制でもいい。しかし、無駄でもいいから、いろんなことを経験させる。それで、いろんなタイプの、いろんなことを考える医師が誕生する。この点が日本の医師養成課程が、他の国とは違う特徴かという気もしています。」
「今、6年間かけて実施している教育は、6年間かけなくても十分にできると思います。ただ、「医師バカ」というか、医学のことしか知らない人が、患者さんと話しても…。だから人間としての幅を広げるためには、6年間かけることはいいことで、本を読んだり、社会に目を向けて活動する時間があることは大切。」
さらに、初期研修に関しては、「やはり1年にするのは短すぎる。後期研修で病院を変えたい場合もあるので。この初期と後期で病院を変える仕組みは残してほしい。」
などの意見が出ている。
 
薬学も六年制となり、未だにカリキュラムが確立していない大学も多々見られる。医師の六年制に習っている部分があるのであれが、これらの学生の意見も参考?になるかもしれない。

2008/12/11

Saya's 薬学ニュース vol.26-国民の信頼感、「医療機関」がトップ/インスリン治療50年、患者を表彰…日本イーライリリー/骨粗しょう症予防にホルモン補充療法を希望したが/医療崩壊の根本原因は医療費抑制(下)日本も見習う?弱者切り捨ての米病院会社

国民の信頼感、「医療機関」がトップ
2008/11/27 18:51-キャリアブレイン

[要訳&コメント]
「議員、官僚、大企業、警察等の信頼感」に関する調査で、医療機関に対する国民の信頼感は自衛隊と並んで1位だった。医療機関に対する評価は、2004年調査で3位だったが、前回07年調査で2位に上昇、今回はさらに評価を上げた。(詳しくは、中央調査社のホームページで。 http://www.crs.or.jp/)
医療機関・自衛隊・裁判官は例年上位3位に浮上する3項目。毎年その順位に違いはあるものの、平均して信頼される項目であることがわかる。この他にも、「国民に信頼されるよう努力してほしい機関・団体」や「閉鎖的で、国民に対して情報公開が進んでいないと思う機関・団体」の順位も出ていて、現代の状況を反映しているアンケート結果であるため、非常に見ていて興味深い。下がり続ける首相への期待感。この点をどのように改善していくものか。
個人的に気になったので紹介したが、医療機関で働く職種は様々であり、医師・看護師・薬剤師など、細かい分類はどのようになっているのだろうか。そもそも、この医療機関と答えた人のイメージの中に"薬局"が含まれているかは疑問であるが。

インスリン治療50年、患者を表彰…日本イーライリリー
2008年11月28日 読売新聞

[要訳&コメント]
世界糖尿病デーの14日、製薬企業の日本イーライリリーは、インスリン治療を50年以上続けてきた患者を「リリー インスリン50年賞」として表彰した。
受賞者は、医師で糖尿病患者の中村和之さん(84)(東京)ら9人。中村さんは、多忙で不規則な生活を送っていた大学病院勤務時代に発症。自身でも血糖コントロールを行いながら、内科医として糖尿病教室の開催や患者会設立などに力を尽くしてきた。

経験から患者に対して指導ができるため、説得力も大いにあったのではないだろうか。医師と共に治療を行う。患者としては新しい間隔で医師と向き合っていたのではないかと思う。自分も病気を克服していくことで、患者に勇気を与えることができることは簡単なことではない。この賞はそんな意味で素敵だなぁと感じたので紹介した。血糖コントロールの重要性を、薬剤師の立場として伝えられるかが今後の課題である。

骨粗しょう症予防にホルモン補充療法を希望したが
2008年11月28日-毎日新聞

[要訳&コメント]
質問内容:58歳の女性。52歳で閉経しましたが、最近、卵巣の摘出手術を受けました。卵巣から出る女性ホルモンがなくなると骨粗しょう症になりやすいときき、ホルモン補充療法(HRT)を受けたいと婦人科の先生に相談しましたが、もうすぐ60歳なので必要ないと言われました。私のような場合、HRTは対象外なのでしょうか。

女性の場合、閉経して女性ホルモン・エストロゲンが減るのと合わせて、骨量も急速に減少していき、骨粗しょう症や骨折が増えるのが一般的に知られています。
ホルモン補充療法(HRT)には、足りなくなったエストロゲンを補充して骨粗しょう症を予防する効果が認められているのと合わせて、悪玉コレステロールの低下、血管が硬くなるのを防ぐ、皮膚や粘膜を乾燥から守る、記憶など脳の働きを改善するなどで、多くのデータがあります。
HRTで乳がんが増えるという不安についても、さらなる研究により、期間が5年以内なら乳がんは増えないことも明らかになっています。また、始めるタイミングについても閉経後なるべく早い時期に始めることがよい効果につながり、70歳を越すとリスクが高くなるというデータもあります。
こうしたことから、HRTはなるべく60歳までに始めるのが望ましいとされていますが、これを越えたあとでも、個々の患者さんの状態をチェックし、リスクとベネフィットを説明し納得を得た上で行うことがすすめられています。

特に医師から「何故必要ないのか」ということを説明されないと、やはり患者様というのは不安になるものなのですね。今後の服薬指導でも、自分の知っている知識のみで「NO」というのではなく、何故という部分を大切にしていかなければ、と考えさせられた記事でした。

おまけ... アメリカの医療制度続き。
医療崩壊の根本原因は医療費抑制(下)日本も見習う?弱者切り捨ての米病院会社
2008/11/21 -JanJanニュース

[要訳&コメント]
日米は同じ「小さな政府」だが、医療費を比べると米国は税金で1人当たり日本の3.5倍も負担している。日本政府が言う「公的負担は限界に達した」は誤りだ。医療保険を民間に依存する米国では貧乏人は加入できないのに加え、1人当たり医療費が日本の3倍近い。現在の日本が世界に誇る公的医療保険制度を崩壊させてはならない。
米国で民間医療保険の加入者は、総人口3億人のうちの約2億人にとどまる。高齢者や低所得者らを救済しようとする公的医療保険として、メディケア(高齢者・障害者)とメディケイド(低所得者)がある。各約4,000万人で、ほかに無保険者4,500万人がいる状態だ。
米国の保険会社は儲けを多くするため、病人を保険に入れない。自営業者の保険料が高く設定してあるのもそのためである。反対に大企業で働く人の保険料は安い。健康な人が多く、大口の顧客を獲得できるからである。そのため、公的保険に有病者が集中して加入者の負担が増すという悪循環に陥っている。医療費負債による個人破産は原因の第2位に上昇しているのも事実である。
その他混合診療のデメリットや株式会社の病院のぼったくり度合などに関しても述べている。

Saya's 薬学ニュース vol.24に引き続きアメリカの医療に関して紹介したが、これは、日本がアメリカ同様の医療に転換しつつあることへの警鐘である。みていてぞっとするような内容であり、これでは憲法第25条の『すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。』を約束できるものとは思えない。
何度も繰り返すようだが、この記事やマイケルムーア監督の映画「Sicko(シッコ)は、はあくまでもアメリカの医療の一面であることには変わりないが、本質を知っているからこそ訴えるかけるものがあるようにも思える。はたしてこのまま突き進んでよいものなのだろうか。国民もこれらの情報は知っておくべきなのではないだろうか。