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2011/09/10

vol.118

<Today's news>
1. 医療連携フォーラム:糖尿病患者減少へ 「地域疾病管理・最新動向」テーマ /香川
2. ネキシウム、オメプラール下回る薬価に
3. 医師・看護師の離職が深刻化する福島
4. 約9割がドラッグラグ解消の重要性を認識
5. 【厚労省】14日処方制限緩和など被災地措置を通知
6. うがい 医師の7割弱が感染予防や咽頭炎などの治療に意味あり メドピア調査
おまけ. 被曝事故医療の専門家が埼玉県で反省の集い


医療連携フォーラム:糖尿病患者減少へ 「地域疾病管理・最新動向」テーマ /香川
毎日新聞 2011年9月9日 地方版

[要訳]
糖尿病は完治しないが、症状は悪い時期と良い時期を繰り返す。このため、地域連携では、標準化された治療が、病院と診療所、専門医と非専門医の間で継続して行われなければならず、「何度も地域の診療所と勉強会を開き、技術移転が必要」とした。「こうした仕分けができれば、地域の中で、中核病院と診療所で役割分担ができ、結果的に、血糖コントロールの悪い患者などを減らすことができる」とした。

*comment*
カナダでも州の取り組みとして積極的に行われており、地域の連携が重要だと訴えている。このような取り組みが有効と認められれば、地域医療の活性化にもつながるかもしれない。


ネキシウム、オメプラール下回る薬価に
2011年09月08日 18:32 キャリアブレイン ※会員登録が必要です

[要訳]
アストラゼネカの消化性潰瘍治療薬(プロトンポンプ阻害剤=PPI)のネキシウムは、同じPPIで、1991年3月に収載された同社のオメプラールの改良品にもかかわらず、その薬価を下回る結果となった。
既存PPI3成分の収載から10年以上経過していた。このため、通常のルールが適用できず、既存の成分のうち最も薬価の低いパリエットに合わせた。

*comment*
会社としては非常に残念な話だが、患者としてはありがたい結果に☆処方量も増える可能性がある。


医師・看護師の離職が深刻化する福島
2011. 9. 8 ケアネット.com ※ケアネット.com閲覧には会員登録が必要です

[要訳]
医療従事者の退職は、やはり福島第一原発近くの地域で顕著です。原発事故による各病院への損害賠償はなかなか実行されず、警戒区域にある病院は全く収入のない状況が続いています。
福島病院協会では現在、厚生労働省に当面の施設基準の緩和を求めています。
医療従事者の退職を止めるために色々と考えてはいますが、なかなか改善策が見当たりま
せん。そもそも今後、放射性物質汚染がどれだけ続き、いつ収束するのか、警戒区域や緊急時避難準備区域などがいつまで設定されるのか―といったことがはっきりしない以上、医療現場では対策の打ちようがありません。国や原子力の専門家の間でしっかりと議論していってくれることを願います。

*comment*
自分が福島の医療機関で働いていたら、と思うとやはり同じ行動に出ていたと思います。医療者である限り、その場から去ることに罪悪感はあるものの、自分も生きていかなければならなない。家族のいる立場であれば仕方のないこと。安心して仕事が続けられる環境にどうにか持っていかなければ、この状況も悪化してしまうのではないでしょうか。


約9割がドラッグラグ解消の重要性を認識
2011. 9. 6 日経MD ※日経メディカル閲覧には会員登録が必要です

[要訳]
ドラッグラグに対して「関心あり」との回答は88%、「解消が重要」は87%、「政府がドラッグラグ解消のために対策を強化すべき」は88%で、いずれも高い数値だった。
一方、新薬の研究開発の実態に関してはあまり理解されておらず、開発期間の長さ、開発費用の高さ、承認までに至る新薬の開発成功率の低さについてはそれぞれ、31%、55%、68%が「知らない」と答えた。

 *comment*
新薬の研究開発に関する回答はある程度予想していた通りであるが、ドラッグラグに関する回答には少し驚いた。日本は医薬品承認に関して少し厳しすぎるイメージがある。このアンケートの結果をみたところで政府の意向は変わらないのだろうが。。


【厚労省】14日処方制限緩和など被災地措置を通知
2011年9月8日 (木) 薬事日報
[要訳]
患者の周囲にあった医療機関が全て機能していなかったり、最寄りの医療機関までの交通手段のない仮設住宅に入居して、頻繁に医療機関を受診できない場合、薬価収載後1年以内の新薬であっても、14日を超えた処方を認めることを盛り込んだ。
 対象は岩手、宮城、福島の3県の医療機関で、期間は当面2011年度末まで。
そのほか、看護師不足の件を考慮た入院診療の計算方法の提示や入院期間の延長認可、特別なケースの保険診療の認可などが盛り込まれている。
*comment*
少しずつ政府も対応方法を決めてきているようである。他の内容ももう少しスピーディに決定していってほしいものである。

うがい 医師の7割弱が感染予防や咽頭炎などの治療に意味あり メドピア調査
2011/09/08 05:01 ミクスOnline
[要訳]
回答医師の7割弱が、「感染予防としても、咽頭炎等疾患罹患時の治療としても、うがいには意味がある」と考えていることがわかった。
その内訳としては、「イソジンうがい液の処方よりも、水道水によるうがい指導やアズノールうがい液の処方を多く行っている」が42.0%、「イソジンうがい液を中心に処方している」が24.8%だった。
*comment*
日常の調剤では、圧倒的にアズノールよりもイソジンが多いのだが、水道水とアズノール液を優先しているDrがこんなにいることに正直驚いた。個人的にはアズノールが好みではあったが。イソジンによる粘膜障害を懸念したものか?


被曝事故医療の専門家が埼玉県で反省の集い
2011. 9. 9 ケアネット.com ※ケアネット.com閲覧には会員登録が必要です
[要訳]
初期被曝医療機関に指定されている5つの病院が、地震、津波でほとんどの医療機関が診療を行うことができず、避難区域が「原発から20km圏内」へと拡大された結果、3つの初期被曝医療機関がこの避難区域に入ってしまった。
災害発生時に設置されるはずだった現地対策本部(オフサイトセンター;OFC)は、停電と断水のため職員を確保できなかった。
緊急被曝医療への日ごろの訓練が限られた地域で実施されていたことがあだとなり、患者の受け入れを拒否されるなど搬送先の確保が難しかった。
「体表面スクリーニングレベル10,000cpm以上なら安定ヨウ素剤を投与すべき」との助言を2度にわたり経済産業省緊急時対応センター(ERC)に送ったが、情報が市町村に共有された形跡がない。
とりわけ大きな問題として「OFCの現地対策本部で行政や防災関係者、事業者や原子力の専門家が情報を共有し、意志決定し、情報発信するという仕組みが機能しなかったこと」と指摘した。
、「被曝医療だけではなく、今回のオペレーションで何ができて、何ができなかったかを今後も検証を続ける必要がある」と総括している。

*comment*
今なお続いている放射線問題。今回の被爆事故の内容を振り返っている。今回の災害が想定外であったことは皆が承知していることではあるが、連携の取れなささと情報公開の遅さにはあきれるものがあった。今回の失敗から学び、今何ができるのかを全力で考えていただきたい。

2011/08/30

vol.106

<Today's news>
1. 社会問題化したイレッサの副作用
2. 抗癌剤が抱える4つの宿題
3. 「茶のしずく石鹸」で厚労省が迅速報告求める通知
4. 麻杏甘石湯+銀翹散にインフルエンザの解熱促進効果
5. 日薬・児玉会長、医薬分業率100%目指す 
おまけ. 「公式」なき時代の若人に贈る3つのアドバイス 

本誌連動◇イレッサが残した宿題 Vol.1 社会問題化したイレッサの副作用
2011. 8. 29 日経MD ※日経メディカル閲覧には会員登録が必要です

[要訳]
ゲフィチニブ(商品名イレッサ)により薬剤性肺障害が社会問題化し、「医薬品には副作用がつきものである」という当たり前の事実が再認識された。一方で残された課題も多い。
2002年7月、非小細胞肺癌治療薬のゲフィチニブは、世界に先駆けて日本で承認された。患者や医師の要望を受け、薬価収載前でも保険診療との併用が認められる特定療養費制度(当時)が適用され、販売元のアストラゼネカは薬価収載前に発売する異例の対応を取った。
ところが、ゲフィチニブを服用した患者が急性肺障害間質性肺炎を発症し、相次いで死亡したことが明らかになったのだ。日本人が薬剤性肺障害を起こしやすい理由はまだ分かっていない。ただ、「ゲフィチニブが契機となって、世界的に薬剤性肺障害への関心が高まり理解も深まった」という。

*comment*
がんの治療をしている患者や医師にとって、救世主とも取れるような薬だったのだろう。誰もがすがる思いで使用していた様子が見受けられる。
現在海外での臨床試験が盛んになっているが、この薬のように日本人のみで起こりうる副作用も存在するため、臨床試験のみをうのみには出来ない。自分の担当してる患者からどれだけ情報を聞き取り、それを他の患者のために報告していけるかが薬剤師の役割でもあるように思う。
「薬には副作用がつきものである」という根本的なことを忘れてはならない。薬を扱うものとして、できれば薬を使いたくないというのはここからきている。ただ、使用しなければならない時に、どのようなリスクがあって、どのような症状から判断できるのかなどを丁寧に伝えていくことが薬剤師として重要な任務であるように改めて感じた。


本誌連動◇イレッサが残した宿題 Vol.2 抗癌剤が抱える4つの宿題
2011. 8. 30 日経MD ※日経メディカル閲覧には会員登録が必要です
[要訳]
1 抗癌剤の有効性は何で評価すべきか
無増悪生存期間(progression free survival:PFS)と、全生存期間(overall survival:OS)のどちらで評価すべきか、という興味深い議論がなされている。
2 全例調査を課せば安全性を担保できるか
3 個別化医療で抗癌剤を生かせるか
個別化医療は、企業にとっては開発した薬剤の市場を自ら狭めることにもなる。だが、抗癌剤をより有効、かつより安全に使うために、有効な手段となるはずだ。
4 抗癌剤の副作用を金銭で救済すべきか
抗癌剤の使用と死亡との因果関係をどう判定するかなど、実際には様々な課題があり、“落とし所”はまだ見えない。

*comment*
1の「腫瘍が小さくなることをメインにおくか、生存率をメインにおくか」、という議論が興味深かった。製薬会社としては「腫瘍が小さくなった」という事実が売りになるためこちらをメインに考えがちであるが、腫瘍がいくら小さくなっても生存率が変わらなければ、患者としては同じ事のようにも思える。結局抗がん剤の毒性が腫瘍とは異なる形で患者の体を蝕んでいるのだとしたら、飲む意味があるのだろうか?この点では 『抗がん剤は効かない』(文藝春秋社刊)の著者である近藤誠氏(慶大放射線科講師)の論点に非常に共感できる。
 また、3の個別化医療により対象者をできるだけ絞りこむことが今後できるようになれば、莫大な数の副作用発現を抑えられるかもしれない。

 
2011. 8. 25 日経MD ※日経メディカル閲覧には会員登録が必要です
[要訳]
エソメプラゾールは、ラセミ体であるオメプラゾール(商品名オメプラール、オメプラゾンほか)の一方の光学異性体(S体)である。
オメプラゾールは、その代謝能力には個人差が大きいことが知られているのに対し、エソメプラゾールは、薬物動態及び薬力学作用の個人差が少ないと考えられている。また、エメプラゾールは、総代謝固有クリアランスがオメプラゾールに比べて低いことから、血漿からの消失が遅く、AUCが高くなるため、オメプラゾール以上の臨床効果が期待できる。さらに同薬は、オメプラゾールが取得している適応症(逆流性食道炎など)以外に、「非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)投与時における胃潰瘍又は十二指腸潰瘍の再発抑制」にも適応を取得しているのが特徴である。

*comment*
オメプラゾールの欠点を補う製品の登場か!?オメプラゾールにとって代わる製品となりうるのだろうか?
2011. 8. 26 日経MD ※日経メディカル閲覧には会員登録が必要です
[要訳]
「茶のしずく石鹸」により小麦依存性運動誘発アナフィラキシー(WDEIA)を発症する患者が出ているという。2009年ごろから同石鹸を使用し始めた後、小麦含有食品を摂取して、眼瞼浮腫や顔の浮腫を呈する患者が出始め、問題が表面化した。茶のしずく石鹸を販売していた悠香(福岡県大野城市)によると、これまでに何らかの症状を訴えた人は600人以上。WDEIAの原因は、同石鹸に含まれていた加水分解小麦と考えられている。
株式会社 悠香HP http://www.yuuka.co.jp/

*comment*
この石鹸は女性のほとんどが知っている商品であるように思う。現在株式会社 悠香では、
2010年12月7日以前の販売商品に関しては交換または返品の対応をしている。同年12月8日以降の商品に関しては、小麦由来成分の替わりにシルク由来の成分を配合しているとのこと。
化粧品に関しては、添加物による害が判別しにくい分原因が特定できないケースも多い。化粧品だから、と自分の許容範囲外と決めつけている薬剤師も多いのでは?

2011. 8. 30 日経MD ※日経メディカル閲覧には会員登録が必要です
[要訳]
2009年のH1N1インフルエンザのパンデミックの初期に、中国で行われた無作為化非盲検試験で明らかになったという。

 
2011年08月27日 20:25 キャリアブレイン
[要訳]
日本薬剤師会は8月27日、東京都内で通常総会を開いた。この中で、児玉孝会長は「薬剤師の職能を確立するための手段として、医薬分業率100%を完成させたい。そのためには国民から役立っていると思っていただく必要がある」と述べた。
児玉会長は、「薬剤師が医薬品の研究、開発、製造から調剤、セルフメディケーション、生活者への服薬指導に至るまでのすべての過程において責任と主体性を持つことが大事だが、あらゆる面でまだまだ」と指摘。
*comment*
この題名を見たとき、医薬分業率だけの問題だろうか?と疑問を持って見てみた記事だが、記事を見てみても疑問が残る。責任と主体性を持つ事はもちろん重要だが、抽象的で具体性に欠ける。どんな活躍をと考えているのか、もっと具体的な議論に発展させたいものだ。
「公式」なき時代の若人に贈る3つのアドバイス
2011. 8. 25 日経MD ※日経メディカル閲覧には会員登録が必要です
[抜粋]
アドバイス1:本当にやる気があれば、臨床留学はできる
もちろん簡単ではありませんが、本当にやる気があれば、必ず道は開けます。
要は、本当にやりたいと思っているかどうかです。その覚悟を聞き返すと、たいていの人は口をつぐんでしまいます。この決意ができるかどうかが、臨床留学で成功するかしないかの分かれ目になると言っても過言ではありません。
アドバイス2:人と同じことをしない― Make a difference ! ―
直訳すれば「違いを作り出す」ということになりますが、「何か大きな仕事をして現状を変える、改革する」というニュアンスがあります。人と同じことをやっていては“make a difference”することはできません。
アドバイス3:野心を持つ
「野心」ならば何でもありです。金でも地位でも名誉でも。どんなことであれ、大きな仕事をするには野心が必要です。野心がないと、人は重箱の隅をつつくような仕事で満足してしまいがちだからです。
*comment*
進路に悩んでいる後輩に伝えたい言葉を代弁してくださった記事なので載せました☆

2009/05/13

Saya's 薬学ニュース vol.95-胃の「キリキリ」痛みを緩和します!/インフル専門家会議「大流行前ワクチン」を了承/療抵抗性統合失調症治療薬「クロザリル」の製造販売承認を取得/メタボより高血圧対策が重要/米カリフォルニア州で子ども2人が豚インフルに感染 人から感染か

<Today's news>
1. 胃の「キリキリ」痛みを緩和します!
2. インフル専門家会議「大流行前ワクチン」を了承
3. ノバルティス、治療抵抗性統合失調症治療薬「クロザリル」の製造販売承認を取得
4. メタボより高血圧対策が重要

おまけ. 米カリフォルニア州で子ども2人が豚インフルに感染 人から感染か

胃の「キリキリ」痛みを緩和します!
2009/4/22

[要約&コメント]
大正製薬は2009年4月21日、一般用鎮痛胃腸薬「ストパン」を発売した。「医療用医薬品」で使われている成分「チキジウム臭化物*」のスイッチOTCである。用法・用量は1回1カプセル、1日3回まで。
1カプセル中チキジウム臭化物…5mg
参考HP:ストパン公式HP(大正製薬)
参考記事:チキジウムのOTC薬、スイッチ化承認から3年経て発売 (5/7日経DI)
*チキジウム臭化物
商品名:チアトン
効能効果:副交感神経を抑制して,消化管などの筋肉(平滑筋)のけいれんを抑制する
副作用:排尿障害,視力の調節障害,動悸,肝機能障害等

HPを参照すると、15歳以上の服用に限定されている。また、1カプエセル中に5mg含有しているため、医療用医薬品のチアトンと比較すると半量であることがわかる。尚、チアトンの添付文書では1回5~10mgを1日3回経口投与する.との記載があるため、これらの違いも把握しておく必要がありそうだ。

インフル専門家会議「大流行前ワクチン」を了承
2009/04/22(水)-ケアネット.com 提供:読売新聞 ※ケアネット.com閲覧には会員登録が必要です
[要約&コメント]
厚生労働省の新型インフルエンザ専門家会議は20日、大流行が起きる前に接種する「プレパンデミック(大流行前)ワクチン」の効果と安全性について、「大きな問題はない」として了承した。高病原性鳥インフルエンザウイルス(H5N1)から製造されたワクチンであるが、一部の試験者から副作用が出たため、どの程度をワクチンの対象にするか検討中である。

今話題の豚インフルエンザ。日本から私の無事を確かめるメールが相次いでいるが、正直日本と現地(カナダ・アメリカ)での温度差を感じる。問題が起きている現地では楽観的な人が多く、マスクをつける傾向もなく、マスクの仕入れも未だに整っていない状態である。薬局に1名だけマスクを購入しにきた客がいたが、その人は医療機関で働いており、エイズ患者の対応をしているため、とのこと。現地の人間の楽観さには呆れてしまうくらいであるが、被害者が一名も出ていない中で大騒ぎをしていた日本も少し問題であるように感じた。とうとう感染者が日本国内に入ったことから騒ぎは広がったことと思うが。現地の人間にも、自己予防として、手洗いうがいは徹底して行ってもらいたいものである。

ノバルティス、治療抵抗性統合失調症治療薬「クロザリル」の製造販売承認を取得
~治療抵抗性統合失調症治療薬「クロザリル(R)錠25mg/100mg」の製造販売承認を取得~
2009/04/22-NIKKEI NET プレリリース

[要約]
「クロザリル」は、日本で初めて「治療抵抗性統合失調症」の適応症を認められた抗精神病薬です。すでに世界97カ国で承認されており、日本でも統合失調症で入院中の9%の患者さんが、本剤の適応となると見込まれている。他国で抗精神病薬として販売後死亡を含む無顆粒球症の発現が報告されたため、販売を中止する国もあったが、治療抵抗性の統合失調症に対しては効果があることが認められ、血液検査を義務付けた上で販売が承認されている。また、適正なモニタリンを可能とするため、登録を受けている医療機関でのみ処方及び調剤が行われている。
参考:ノバルティス ファーマ株式会社HP(ノバルティス ファーマ株式会社)

メタボより高血圧対策が重要
2009年4月23日-読売新聞

[要約&コメント]
脳卒中や心筋梗塞(こうそく)など循環器疾患の予防には、肥満に重点を置いたメタボリックシンドローム対策よりも高血圧対策が重要であることがわかった。
もし全員の血圧を正常にした場合、男性で48%、女性で45%の心筋梗塞や脳梗塞を減らせると推計された。一方、メタボを解消しても男性で12%、女性で8%の改善効果しかないと考えられるという。

メタボリックシンドロームという言葉が数年前から流行りだし、肥満が万病のもとであるというのが一般的な認識であろう。それよりも血圧のコントロールがより重要であるというのは、興味深い話であったので掲載した。

おまけ...豚インフルエンザ

米カリフォルニア州で子ども2人が豚インフルに感染 人から感染か
2009年4月23日-m3.com 提供:共同通信社 ※m3.com閲覧には会員登録が必要です

[要約&コメント]
カリフォルニア州でインフルエンザの定期健診を受けた2人の子どもが豚インフルエンザに感染していたことが判明した。2人はメキシコと国境を接するカリフォルニア州南部のサンディエゴ郡とインペリア郡に在住する10歳の男児と9歳の女児(二人は回復済み。一人は一時40℃近くの熱を出したという。)。2人とも豚と接触したことはなく、これまでのところ感染源は特定できておらず、人から感染した可能性が強くなっている。

カナダのアルバータ州でも、初めて一人豚インフルエンザにより死亡者が出たと報じられたが、新聞を読んでみると、実はその前から喘息の治療で入退院をしており、死亡した時に病院へ行ったのもそのぜんそく症状のためだったという。死亡後検査をしてみると豚インフルエンザの型が検出されたということで、実際の死因が豚インフルエンザによるものなのか、喘息によるものなのかははっきりしないとのこと。For your information...

2009/02/16

管理不良の糖尿病患者に厳格な血糖管理は有効か?/吸入指導なしでは「処方した」とは言えない/ディスペプシアに対する最良の第一選択薬?/第2世代の抗精神病薬は本当に第1世代に優るのか?

<Today's news>
1. 管理不良の糖尿病患者に厳格な血糖管理は有効か?
2. 吸入指導なしでは「処方した」とは言えない
3. ディスペプシアに対する最良の第一選択薬は制酸薬
4. 第2世代の抗精神病薬は本当に第1世代に優るのか?


管理不良の糖尿病患者に厳格な血糖管理は有効か?
2009. 1. 23-日経DI

[要約&コメント]
2型糖尿病の罹病期間が長く、最大用量の糖尿病治療薬を用いてもなお血糖管理不良の患者に厳格な血糖管理を行った場合、心血管リスクは減少するか、という疑問を検証すべく行われた研究において、標準的な血糖管理を行っても厳格な血糖管理を行っても、心血管リスクへの影響は変わらないことが示された。
糖尿病発症からより早い時期に、低血糖を回避しながら厳格な血糖管理を行えば、心血管リスクに好ましい変化が見られる可能性はあるとしつつ、現時点では、心血管危険因子の適切な管理がリスク低減において最も有効なアプローチではないか、と述べている。

血糖の値が高いほど、血糖のコントロールの指導を行うことは、当たり前と考えられてきた。多くの薬剤師もこの事実に関して疑いを持っていないだろう。それが、厳格に行っても行わなくても変わらない、という結果はある意味ショックである。しかし、だからと言って指導しないのではなく、生活習慣病である糖尿病とどのように共存し向き合っていくかの指導が必要なのではないだろうか。いかに無理をして血糖を下げるか、ではなく変えにくい生活習慣を少しずつ変えていくように促し、無理のない程度に生活に反映させていくことを、二人三脚で行うことができるのは医師よりも薬剤師であると考える。食事の指導や運動の必要性など、薬以外でも指導できることがあるのではないだろうか。

吸入指導なしでは「処方した」とは言えない
2009. 1. 23-日経DI

[要約&コメント]
高齢の喘息患者は、老化に伴って身体能力や理解力に大きな差が生じるため、一律な処方ではうまくいかないことも多い。吸入ステロイド薬をいくら処方しても、患者が正しく効果的に吸入できていなければ、宝の持ち腐れ。個人に合った薬剤選択や吸入指導が必要である。
それぞれの吸入ステロイド薬には、剤型、吸入器具(デバイス)、粒子の大きさなどによって患者との相性がある。「適切なデバイス選択と正しい吸入指導は、患者のアドヒアランスに直結する重要な要素。処方時に吸入手技の確認は欠かせない」という。

それぞれの吸入器における、高齢者への注意点などが細かく記載されており、服薬指導時の注意点に直結しているのでとても興味深いと感じた。普段の服薬指導に生かしていただきたい。
ちなみに、カナダのアルバータ大学の学生が1年生の現場実習で行う内容は、外用薬機器類の使用方法のカウンセリングである。カナダでは、1年生のうちから機器の使用方法カウンセリングの重要性が認められているのである。

ディスペプシアに対する最良の第一選択薬は制酸薬
2009/1/26-健康美容EXPO

[要約&コメント]
ディスペプシア*の治療では、最初に一般的な制酸薬を使用し、その後、必要に応じてより高度な薬剤に変更するほうが、最初からより強力な薬剤を使用するよりわずかながらも費用を抑えられることが、新しい研究によって示された。「新規のディスペプシア患者の大多数に対して、検査よりも観察に基づきプロトンポンプ阻害薬(PPI)が用いられるため、PPIは世界で最も多く処方されている薬剤の1つとなっており、社会的にも莫大な費用を要している」という。
*ディスペプシアdyspepsia
消化不良の医学的用語※編集注=慢性の腹部痛あるいは不快感を意味する。器質的疾患のない機能性胃腸症functional dyspepsia: FDをさすことが多い

医療経済の観点が入っている研究内容である。海外(オランダ)の論文である事からも納得であるが、実際の治療方針を経済の観点から再検討し、評価するという見方はある意味重要である。特に今の日本は負債を多く抱えていることもあり、経済的な無駄を省くことは実際に求められている。医師の経験によるもの(当り前)と新たな情報をどのように評価していくのだろうか。

第2世代の抗精神病薬は本当に第1世代に優るのか?
2009. 1. 26-日経DI

[要約&コメント]
第2世代の抗精神病薬は高価であることから、その利益が本当に第1世代の薬剤に優るのかどうかについての議論が今も続いており、今回の研究で主な症状に対する効果において、第1世代製品と差がない第2世代製品が少なくないことを明らかになった。
用いられていた第2世代製品は9剤(アミスルプリド、アリピプラゾール、クロザピン、オランザピン、クエチアピン、リスペリドン、セルチンドール、ジプラシドン、ゾテピン)。対照薬として、95件の研究がハロペリドールを用いていた。その他(クロルプロマジン、ペルフェナジン、フルフェナジン、フルペンチキソール、ペラジン、チオリダジン、レボメプロマジンなど)。

錐体外路系有害事象の面で、第1世代より第2世代のほうが有効であると考えられていたがどうやらすべての薬剤(第2世代)に対して言えるわけではないようだ。これも、医療経済の観点から考えると、無駄をなくすことにもつながる。一剤ごとに比較して検討されているので、興味深い結果である。

2008/12/13

Saya's 薬学ニュース vol.28-抗生物質の長期使用は腸内の有益な細菌に悪影響 /ネット販売でヒアリング/利尿剤の配合剤2製品が登場へ/医薬品ARB・利尿剤の配合剤2製品が登場へ /一般薬リスク分類を見直し‐酸化マグネシウムが第2類

抗生物質の長期使用は腸内の有益な細菌に悪影響
2008/12/01 -Dr赤ひげ.com

[要訳&コメント]
抗生物質を長期間または繰り返し使用すると、腸内の有益な細菌に悪影響を及ぼす可能性のあることが新しい研究で判明した。腸内細菌はヒトの栄養摂取、代謝および免疫反応のさまざまな側面で役立っている。
今まで、体内の有益な細菌に及ぼす害は少ないと考えられていたシプロフロキサシン*に焦点を当てた研究で、抗生物質治療が終了した後、腸内細菌がほぼ治療前のレベルに戻るまでに4週間を要することが判明したという。ただし、腸内細菌の数に変動がみられる間、腸障害の徴候を訴えた被験者はいなかった、との報告もある。

抗生物質が処方された患者様に対し、「腸内細菌のバランスが崩れることで便が緩くなることがあります」。という説明は、新人の薬剤師でも行っていることだが、この説明が理論的に説明されているのが今回の研究である。悪い菌(細菌・真菌)を殺す抗生剤は、体内の善い菌(腸内細菌)を同時に殺してしまう事は想像できるものであるが、このように腸内細菌には時間がかかっても再生能があるため、服用を中止すれば便の状態も改善する、ということも理にかなった説明であったと言える。ただし、回復までにかかる期間が想像よりも長いことに驚かされた。
*シプロフロキサシン
商品名:シプロキサン
分類:ニューキノロン系
適応菌種:ブドウ球菌,レンサ球菌などの化膿菌や,リン菌,大腸菌,シゲラ属,インフルエンザ菌,緑膿菌,そのほか炭疽菌などの病原菌等
呼吸器,泌尿生殖器,のど,眼,耳鼻科領域の感染症,乳腺炎や外傷・手術後の感染予防に広く用いられている薬。

【民主党議員懇】ネット販売でヒアリング
2008年12月01日-薬事日報

[要訳&コメント]
民主党の「適正な医薬品販売を検討する議員懇談会」は、厚生労働省や内閣府の規制改革会議、日本薬剤師会から医薬品のインターネット販売についてヒアリングした。参加者はそれぞれ
日薬:「会員薬局からは、今回のネット販売規制で地方の薬局が困るという声は1件も来ていない」と回答。
規制改革会議:、▽利便性を求める消費者の声▽地方の中小薬局が困るという声▽ネットでも安全性担保が技術的に可能--とする根拠に関し、「事業者が把握した根拠がある。ネット上で効能・効果等を読むことで店頭での説明の代わりが可能と考える」などと回答
厚労省:「そもそも薬は危険なものであり、他の商品とは全く異なる」との認識を示した上で、「年内には厚労大臣と相談し、省令化したい」とした。
民主党は、「薬は他の商品とは異なる。市場原理に則ると危険だ」とし、対面販売が原則との認識を示し、今回のヒアリングはあくまでインフォーマルな会合であると説明した。

規制改革会議からは、ネット販売を行う会社などの訴えに似た内容を意見しているが、それに対して特に無反応な形で他の参加者(日薬・厚労省)が意見しているように感じた。意見交換ということなので、このような形でもよいと思われるが、規制改革会議が発言した「ネット上で効能・効果等を読むことで店頭での説明の変わりが可能と考える」ことに関しては、私も完全ではないが納得出来る部分がある。消費者も少なからず薬は他の商品とは別物と考え、最低初めて服用する際にはどんな注意があるのか、どんなふうに飲むのかなどは読むのが自然ではないだろうか。果たして他の参加者はどのように感じたのであろうか。

【薬食審医薬品第一部会】ARB・利尿剤の配合剤2製品が登場へ
2008年12月02日-薬事日報

[要訳&コメント]
薬事・食品衛生審議会医薬品第一部会は新たな8成分(配合剤含む)と、名称変更などを審議、承認を了承した。承認されたのは以下の薬。
・高血圧治療薬<ARBと利尿剤の配合剤>
「コディオ配合錠6・25、同12・5」(ノバルティス・ファーマ):バルサルタン/ヒドロクロロチアシド
「エカード配合錠4、同8」(武田薬品):カンデサルタンシレキセチル/ヒドロクロロチアジド
・パーキンソン病
「トレリーフ錠25mg」(大日本住友製薬):ゾニサミド(「エクセグラン」と同一成分)
・加齢黄斑変性症
「ルセンティス硝子体内注射液2・3mg/0・23mL」(ノバルティスファーマ):ラニビズマブ(遺伝子組み換え)
・慢性閉塞性肺疾患(COPD)(効能追加)
「アドエア250ディスカス」(グラクソ・スミスクライン):サルメテロールキシナホ酸塩・フルチカゾンプロピオン酸エステル

ARBと利尿剤の配合剤は「プレミネント(ロサルタンカリウム/ヒドロクロロチアジド)」につづいて2番目となるらしい。今回二種類のARB(ディオバンとブロプレス)で2個所から販売が承認されたが、どのような違いが出てくるだろうか。これから出てくる新薬にも注目しておきたい。

【厚労省】一般薬リスク分類を見直し‐酸化マグネシウムが第2類
2008年12月02日-薬事日報
[要訳&コメント]
一般用医薬品のリスク分類見直しで、制酸・緩下剤の「酸化マグネシウム」を第3類薬から第2類薬に変更された。医療用酸化マグネシウムの添付文書で重大な副作用の追加の添付文書改訂が行われたことに基づくものであるという。
参考記事:「酸化マグネシウム」の長期投与に注意

酸化マグネシウムの副作用に関しては、Saya's 薬学ニュース vol.24で紹介しているが、これがきっかけとなりリスト分類の見直しを早急に行ったことに多少驚いている。対応が早いではないか。
いまや「酸化マグネシウム」は比較的安全な薬ですよ、とは言えなくなってしまった。第一類第二類には、それなりの理由があって分類されているので、その理由に関して個人で勉強が必要と感じた。対面販売が重要視されている中、対面販売によるメリットを何かしらの形で示すことができれば、薬剤師の職能も向上するのでは?そのためには、積極的な勉強が必要である。

2008/12/09

Saya's 薬学ニュース vol.24-膣カンジダの塗り薬、一般用医薬品で初の承認へ/「酸化マグネシウム」の長期投与に注意/「対面販売」貫きネット通販禁止を―日本薬剤師会など9団体が声明/医療崩壊の根本原因は医療費抑制政策(上)

膣カンジダの塗り薬、一般用医薬品で初の承認へ
2008/11/27 21:53   キャリアブレイン

[要訳&コメント]
再発した膣カンジダ*を治療する塗り薬が、一般用医薬品としては初めて承認される見通しとなった。
膣カンジダの治療には、膣内に挿入する膣錠や、外陰部に塗布する塗り薬といった抗真菌剤などを使用するが、再発率が高く、一般用医薬品への患者のニーズは大きいという。
これまでに承認を受け発売された膣カンジダの一般用医薬品には、いずれも膣内に挿入するタイプで、外陰部のかゆみに作用する塗り薬はなかった。
イソコナゾール硝酸塩(ロート製薬)とミコナゾール硝酸塩(大正製薬)を有効成分とする一般用医薬品が承認されるようである。
*膣カンジダは、カンジダ菌という真菌(カビの仲間)によって起こる膣炎。カンジダ菌は膣内だけでなく、皮膚や口内、腸内などに性別に関係なく存在し、抵抗力が弱まった時など、菌バランスが崩れた時に発症するといわれている。外陰部のかゆみや発赤、おりものの量や性状の変化などの症状を伴う。

膣カンジダで薬局を訪れる患者さんにも何名かあったことがあるが、自分の場合は初めての患者多く、再発の患者さんにはあまり会ったことがなかった。再発率が高いのであれば、OTC薬の販売は有効に思う。ただし、抗生剤や抗菌剤の場合、使用量や使用期間が長くなると耐性ができやすい欠点もある。むやみに使用することがないように指導することが必要であり、医療用医薬品を使用経験があり、症状や使用経験のある人に対して、OTC薬を勧める形が良いのではないかと感じる。

「酸化マグネシウム」の長期投与に注意
2008/11/27 21:25   キャリアブレイン

[要訳&コメント]
胃潰瘍や十二指腸潰瘍などの治療薬や、便秘薬として用いられる「酸化マグネシウム」の副作用について、「本剤の投与により高マグネシウム血症が表れることがあるので、長期投与する場合には定期的に血清マグネシウム濃度を測定する」*よう注意を呼び掛けている。
「高マグネシウム血症」が表れると、呼吸抑制、意識障害、不整脈、心停止に至ることがある。このため、「悪心・嘔吐、口渇、血圧低下、徐脈、皮膚潮紅、筋力低下、傾眠等の症状の発現に注意する必要がある。

高齢者の場合、カマという略名で便秘症に対して処方されているケースがかなり多い。
〈用法用量の比較〉
制酸剤:通常成人1日0.5~1.0gを数回に分割経口投与
緩下剤:通常成人1日2gを食前又は食後の3回に分割経口投与するか、又は就寝前に1回投与
尿路蓚酸カルシウム結石発生予防:通常成人1日0.2~0.6gを多量の水とともに経口投与
上記の用法用量比較からみても、便秘症に使用する用量は最も多い。高齢者の場合は排泄能も成人に比べて低下しているため、特に注意する必要がある。服薬指導時の注意喚起に利用していきたい記事である。
*添付文書「過量投与時の処置」部分抜き出し
処置:大量服用後の間もない場合には、催吐並びに胃洗浄を行う。中毒症状があらわれた場合には、心電図並びに血清マグネシウム濃度の測定等により患者の状態を十分に観察し、症状に応じて適切な処置を行うこと。(治療にはグルコン酸カルシウム静注が有効であるとの報告がある) なお、マグネシウムを除去するために血液透析が有効である。

「対面販売」貫きネット通販禁止を―日本薬剤師会など9団体が声明
2008/11/28 21:26   キャリアブレイン

[要訳&コメント]
日本薬剤師会や全国薬局協励会など薬業団体9団体は11月28日、東京都内で合同記者会見を開き、「一般用医薬品の販売は対面販売が原則であり、インターネットによる販売は禁止すべきである」とする共同声明を発表した。
「薬剤師は消費者に安心して薬を服用してもらえるよう、必要な薬を『販売する』一方で、不要なものは『販売しない』。この点で、ネットで薬を販売するというのは、本来の在り方と大きく異なるのでは」との意見も出た。
共同声明を出したのは、日本薬剤師会、全国医薬品小売商業組合連合会、全国配置家庭薬協会、全日本薬種商協会、日本医薬品登録販売者協会、日本置き薬協会、日本チェーンドラッグストア協会、日本薬局協励会、日本薬業研修センターの9団体。

薬に関するあらゆる組織が、ネット通販には反対。という意見で一致している中、インターネット販売者はどのような対応を見せるのであろうか。私が一番気になっている「今までネット通販を唯一の方法として薬を購入していた人達への対応に関して」は触れられていなかったのが残念である。出ていた意見の中で、「現在のネット通販の考え方は『なし崩し的』だと言っていい。ネット通販を認めるのなら、相当な議論を重ねなければならないはずだ」との意見もあり、見方を変えれば議論を重ねることでネット通販も不可能ではない、ともとれるのではないだろうか。すべてを反対するだけではなく、ネットの利便性と安全性を兼ね備えた方法はないのだろうか。
参考記事:大衆薬のネット通販禁止を―薬害被害者団体など(「消費者の求める『利便性』は、あくまで『安全性』を前提にしたものだ」と強調。「ドラッグストアなどで、一般用医薬品が何の情報提供もなく販売されてきた状況を改善し、『対面販売』を原則として、リスクの程度に応じた実質的な情報提供と専門家による相談応需を確保することを主たる目的として行われた」と指摘し、あくまで第三類に関しても、話し合いの余地はあるにしても、原則ネット通販禁止を要請している。)

おまけ...アメリカの医療
医療崩壊の根本原因は医療費抑制政策(上)保険医協会講演会で李啓充氏が警鐘
2008/11/20 -JanJanニュース

[要訳&コメント]
日米の医療に携わった、医師で評論家の 李啓充(り・けいじゅう)氏が講演し、民間保険と株式会社病院が幅を利かす米国の実態を紹介、「官から民へ」を合い言葉に進むわが国の医療保険制度改革に警鐘を鳴らした。
財布からは、国民医療費について、今後の増加分は民間保険などで賄い、公的保険の適用対象を広げない意向が示された。赤字を抱える自治体病院を廃し、「株式会社による無駄のない医療」を、と訴える。目指しているものは、米国型の医療制度であるという。
日米の国民負担率(社会保険料と租税の和が国民所得に占める割合)を見てみると、日本36%、米国32%と4割を切るのに対し、スウェーデンは7割超。しかし、実際のところ、国民負担率は負担の実態を反映していない。それは、米は税金として国に支払うもののほかに、民間保険会社に支払う分があり、それは国民負担率に含まれていないからである。実際それらを合計すると、日本の倍近くを年間支払う必要がある。(例:50歳、自営業、4人家族、2008年度納付額=日で248万円、米で493万円)民間保険の支払い額は年間上昇しているため、この差はさらに大きくなると考えられる。
社会保険料の本人負担と事業主負担の割合を、日仏で比較した場合、
・本人負担は日本10.89%、フランス9.63% (ほとんど同じ)
・事業主負担が日本11.27%に対してフランスは31.97% (日本の3倍近)
→フランスでは普通の人の負担割合が低く、大きな政府が成り立っている。

海外の医療制度やシステムをこのように比較して見ることは、非常に興味深い。日本にいるだけでは気づけなかったり、知らずに過ごしてしまうこともあるのではないだろうか。日本が向かっている先は、いったいどのようなものなのか想像するのは難しいが、知らずに変な方向へ向かっていた…となるよりは、このように経験した人の意見を取り入れることも重要なのではないかと思う。マイケルムーア監督の映画「Sicko(シッコ)では、アメリカの医療の極端な一面が紹介されているが、あくまでその一面も事実な訳で、目をそむけてはならない部分である。
*(下)に関する内容はSaya's 薬学ニュース vol.26 に掲載中

2008/11/11

Saya's 薬学ニュース vol.6-新型抗HIV薬の臨床試験、結果はより効果的/WHO「エイズによる死者は2012年をピークに減少」/佐藤製薬、ウルソデオキシコール酸など配合の総合胃腸薬「ハイウルソグリーンS」を発売

AFPBB News新型抗HIV薬の臨床試験、結果はより効果的
2008年10月28日 04:36-AFPBB News(c)AFP/Ronaldo Schemidt

米医薬品大手メルク(Merck)の研究チームは26日、新型抗エイズウイルス(HIV)薬アイセントレス(Isentress)が、未治療患者の間でHIV感染が拡大するのをよりよく抑制できるとする臨床試験の結果を発表した。 ...

[要訳&コメント]
新型の抗HIVウィルス薬が最終臨床試験段階での有効性の有無を発表した。まだ承認までに至っていないが、この薬が承認されることでHIVウィルスの蔓延を防ぐ新たな可能性が出てくる。また、同社が出した他の抗HIVウィルス薬に比べ、副作用発現率が少なかった(77%→44%)ことも報告されている。
一般名:アイセントレス(Isentress)
企業:メルク
臨床試験段階での効果:アイセントレスは被験者の86%において、HIVの量を検出不可能な水準まで減少させた。
先進国の中でエイズ感染者数が増加している国は、日本だけだと言われている。
従来の性教育に対する抵抗から、教育課程で学ぶ機会が少ないこともあり、無知な若者の中でコンドームの不使用、容易な考えからの性行為が増加し、同時に感染者数も増加を続けている。
また、日本では「エイズ感染=恥ずかしいこと」 という見方も未だに強く、周りに相談できなかったり、身内にばれることを恐れて保険証を使用する上での治療を拒むケースも多いという。保険適応なしでの治療は高額を有し、若者の収入だけでは治療を継続していくことも難しのが現状だ。
エイズ感染の場合、自覚症状として現れないことが多いため、感染していることに気付いていない人も多い。その人たちが性行為を続けたらどうなるだろうか…
自分の身を守るためにも、コンドームの使用は徹底し、保健所などで受けられる無料の検査にも積極的に参加してほしい。早めに発見できれば回復も早い。自分の身を守れるのは自分だけであることを、再認識していただきたい。

2008年10月28日 01:02-AFPBB News(c)AFP/Ronaldo Schemidt

[要訳&コメント]
WHOは、HIV/AIDSによる死者数が今後5年で過去最高となるとの見通しを示す一方で、2030年までには現在の水準より減少するだろう」と予測している。08年の死者数は220万人、ピークの12年には240万人、30年には120万人に減少する。これは、以前WHOが予測した値よりも低くなるとの事だ。これは、新たな薬の開発により死者数を減少させている事も手伝っているのだろうか。
2008年10月27日-マイライフ手帳@ニュース (プレスリリース)

[要訳&コメント]
ウルソデオキシコール酸などをバランスよく配合した総合胃腸薬「ハイウルソグリーンS」が佐藤製薬からOTC医薬品として発売開始された。
製品名:「ハイウルソグリーンS」
成分名:ウルソデオキシコール酸、ビオヂアスターゼ1000、プロザイム、炭酸水素ナトリウム、炭酸マグネシウム、ウコン末、ロートエキス 等
包装単位と金額(税込):12包 840円/30包 1,575円
会社:佐藤製薬
【ハイウルソグリーンSの特徴】
・ウコン末など7種類の健胃生薬を配合。
・ウルソデオキシコール酸と2つの消化酵素が消化を促進します。
・胃酸の分泌を抑制するロートエキスと2つの制酸剤が胃の痛みをやわらげます。

胃もたれや胃痛、消化不良にも広い範囲で服用できる総合胃腸薬ではあるが、H2ブロッカーなどは配合されていないので胃痛への作用はH2ブロッカー配合薬よりも弱いと考えられる。ウルソデオキシコール酸が配合されていることもあり、胃痛よりも消化不良の患者さんにお勧めできる内容である。