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2011/09/01

vol.110

<Today's news>
1. 【支払基金】患者資格確認は薬局でも保険証に統一を‐厚労省へ要望
2. GE調剤 加算充実すれば増やしたい約4割 日本保険薬局協会調査
3. 7月度病院採用ランキング フェブリク錠、メマリー錠がトップ
4. うつ病診断に新指標、広島大グループ開発…血液検査で
おまけ. 福島原発事故、本補償の基準を発表- 10月支払い開始、東電

【支払基金】患者資格確認は薬局でも保険証に統一を‐厚労省へ要望
2011年8月31日 (水) 薬事日報

[要訳]
社会保険診療報酬支払基金は、患者の資格確認を、医療機関と同様に「原則として、被保険者証で患者の受給資格を確認しなければならない」と見直すことなどの要望を厚生労働省に提出した。調剤レセプトの資格誤りを減らしたい考えだ。資格誤りを理由とする調剤レセプトの返戻は、2010年度で約147万件に達するとのこと。

*comment*
保険証の確認を毎月行っている薬局も多いが、それでも処方箋に記載されている番号に頼っている部分が大きいのではないだろうか。実行に移すには、継続的に実施し患者さんに保険証がなければ医療機関同様に保険で薬を得られないという認識を植え付ける必要がある。


GE調剤 加算充実すれば増やしたい約4割 日本保険薬局協会調査
2011/08/31 05:00 ミクスOnline

[要訳]
GE調剤について「さらに増やしたい」は38.7%(24社)、「後発品医薬品調剤体制加算が充実すれば、増やしたい」の条件付きの増加意向も37.1%(23社)あった。
加算取得状況をみると、最も点数の高い17点は33.8%(932薬局)、13点が15.1%(416薬局)、6点が18.6%(513薬局)、加算なしが32.5%(895薬局)だった。
*comment*
ジェネリックへの変更は、業務も煩雑になるため加算というメリットが大きなモチベーションとなっているようである。ただ単にジェネリックへの変更を増やすことでデメリットを生むのではなく、双方にWin Winになるような情報提供や医薬品の選定にも力を入れていきたい分野。後発医薬品の選定に関して会社ごとの取り組みを聞いてみたいものである。


7月度病院採用ランキング フェブリク錠、メマリー錠がトップ
2011/08/31 05:02 ミクスOnline

[要訳]
新規高尿酸血症治療剤「フェブリク錠」(一般名:フェブキソスタット・5月17日発売)と、NMDA受容体拮抗アルツハイマー型認知症治療薬メマリー錠(一般名:メマンチン塩酸塩・6月8日発売)がトップとなった。
◎医師の処方ランク トップはプラザキサ、長期処方解禁の糖尿病薬が続く
直接トロンビン阻害薬プラザキサがトップをキープ。次いでDPP-4阻害薬のエクア、ネシーナ、さらにビグアナイド系経口血糖降下薬メトグルコがランクされた。いずれの薬剤とも長期処方の解禁による影響が大きい。


うつ病診断に新指標、広島大グループ開発…血液検査で
2011年8月31日 読売新聞

[要訳]
うつ病の診断に、脳細胞を活性化するたんぱく質の遺伝子の働き具合を指標とする新しい方法を開発した。このたんぱく質は記憶や神経細胞の発達に必要な「脳由来神経栄養因子(BDNF)」で、うつ病患者の血液中には相対的に少ないことに着目した。

*comment*
今までは医師の経験値に頼る部分が大きかったが、客観的な判断材料ができるのは診断の助けになるだろう。ただし、血液検査ばかりに頼り、医師の判断力がにぶらないといいのだが。。

福島原発事故、本補償の基準を発表- 10月支払い開始、東電
2011年08月30日 22:10 キャリアブレイン

[要訳]
福島第1、第2原子力発電所の事故に伴う損害賠償問題で、東京電力は8月30日、本補償の基準とスケジュールを公表した。1回目の本補償では、3月11日-8月31日に発生した損害額から、既に仮払いした分を差し引いた金額を支払う。9月以降は3か月ごとに区切り補償を続ける。

*comment*
被害者の一日も早い立ち直りのための資金となるよう、一日も早い対応を期待する。賠償により前のような生活が取り戻せるわけではないが、少しずつでも希望を持って前に進んでもらいたいと願っている。

2011/08/26

vol.104

<Today's news>
1. 医系予備校は「必要悪」か?
2. レセプトに見る「処方後に骨折が増える薬」とは
3. 疾患・治療法の患者説明用iPadアプリが登場

4. 健康教室は「やればいい」というわけではない  

医系予備校は「必要悪」か?
2011. 8. 26 日経メディカルブログ ※日経メディカル閲覧には会員登録が必要です

[要訳&コメント]
医系予備校は、なかなか勤勉さを持てない駄目な生徒ばかりを集めた、授業料ばかり高い予備校だと思われがちです。
しかし、こうした実利、効率中心の医系予備校にも利点はあります。子どもたちが医学部にどうしても行かなければならない理由は、他の学部の場合に比べてより明確なケースが多いです。親が医者であることも、在日であることも、第三者がとやかく口を出すべきことではありませんが、結構強固な理由といえます。。。

*comment*
様々な理由があるにしろ、医療者になることの動機や倫理観を持たずに、不純な動機をもった資格保有者を作り出すことが可能な医療系予備校は個人的には良く思っていなかったが、医療系予備校が求められるその背景には様々なものがあることを教えてくれた記事。



レセプトに見る「処方後に骨折が増える薬」とは
2011. 8. 24 日経MD ※日経メディカル閲覧には会員登録が必要です

[要訳]
抗ヒスタミン薬、抗不安薬、抗うつ薬、睡眠薬、抗てんかん薬、筋弛緩薬を対象にしぼり、5726人を対象に調査。筋弛緩薬は各年代で骨折出現率が2倍以上になりました。

*comment*
このような結果が出ているが、実際薬だけにより影響ではなく、筋弛緩薬を服用する患者=スポーツをする患者なども含まれており、骨折をするリスクが高い生活環境に置かれていること影響しているのではないか、という考察がなされている。一言助言をする程度としては活用できるのでは?



疾患・治療法の患者説明用iPadアプリが登場
2011. 8. 22 日経MD ※日経メディカル閲覧には会員登録が必要です

[要訳]
CG動画の制作、ソフトウエアの開発を手掛けるメディカクラウド(千葉県船橋市)は、医師や看護師などが患者への説明に使うiPad向けアプリケーション「IC動画HD」を開発、公開した。
疾患や治療方法について解説した30秒~1分程度のCG動画が7本収録されており、必要な動画を選んで再生する。「口頭で説明するより、図で示した方が分かりやすく、動画を使えばさらに患者の理解度を高められる」という。一つひとつの動画は、長くても1分程度と短いのが特徴だ。
現在、エーザイ、ツムラ、科研製薬、三笠製薬が協力している。

*comment*
手術の説明なども、言葉よりも画像でみたほうが患者にとってわかりやすいのは確かである。
薬局でもiPadを使って有効にカウンセリングに役立てられないだろうか?誰か開発しているのかな?



健康教室は「やればいい」というわけではない
2011. 8. 19 日経MD ※日経メディカル閲覧には会員登録が必要です

[要訳&コメント]
住民の健康保持を目的として地域に直接出て行くこうした活動は、Community Outreachといいます。Community Outreachは、ただやればそれでいいというわけではなく、きちんとしたプランがあって初めて意味のあるものになります。講演会や健康教室も例外ではありません。地域ニーズやリソースの把握がなおざりなまま、思いつきやひらめきだけで実施しても、自院、患者の双方にとってムダになりかねません。このモデルは、おおまかには下表のような手順で実施されます。

(参考URL http://homepage1.nifty.com/PRECEDE-PROCEED/precede.html http://lgreen.net/precede.htm)。

*comment*
また、これらを円滑に進めるためにも、地域のお茶会などへの参加も重要であることを勧めている。地域の社会貢献の一環として考えている人は是非参考にしていただきたい記事である。

2009/05/08

Saya's 薬学ニュース vol.94-アレルギーに夢の新薬/オンライン請求「義務化」が1年延期/ワーファリン服用中に納豆を食べる“秘策”/「プライマリ・ケア薬剤師」認定制度が発足/「ノバルティス マンモグラフィ体験キャラバン」がスタート

<Today's news>
1. アレルギーに夢の新薬「ゾレア」登場
2. オンライン請求「義務化」が1年延期
3. ワーファリン服用中に納豆を食べる“秘策”を実行した患者
4. 「プライマリ・ケア薬剤師」認定制度が発足へ

おまけ. 2009年の「ノバルティス マンモグラフィ体験キャラバン」がスタート

アレルギーに夢の新薬「ゾレア」登場
2009. 4. 24-日経DI

[要約&コメント]
抗IgE抗体製剤「ゾレア」が喘息治療薬として3月に薬価収載された。月に1~2回継続的に皮下注射することでアレルギー症状を抑制。海外では同薬投与後に喘息治療薬が不要になった例も報告されている。

図1 オマリズマブの作用機序(ノバルティス ファーマの資料を基に編集部で作成)・アレルギー反応の発現機序 血中のIgEが(1)、肥満細胞上にあるFcε受容体に結合(2)。そこにアレルゲン(抗 原)が結合することで(3)、ヒスタミンやロイコトリエンなどの炎症性メディエーターが放出される(4)。・オマリズマブの作用機序オマリズマブは、血中でIgEと複合体を形成し(5)、IgEが肥満細胞に結合してアレルギー反応を起こすのを抑制する(6)。
花粉症と難治喘息で治験が実施されたが、効果が得られたにもかかわらず保険適用にならなかった。薬価が高すぎることもあり、保険財政の破綻が懸念されたという説もあるという。市販直後調査でアナフィラキシーが出たとの報告もあるため、注意が必要である。吸入ステロイドの使用は今後も変わらないが、選択肢が増えることで治癒できる喘息が多くなることに期待を寄せている。

花粉症の自分としては、“アレルギーに夢の薬”という表題を見た瞬間に飛びついてしまったが、残念ながら花粉症に対する適用はない。また、薬価が非常に高く、年に1度ではなく、月に2回打たなければならないので確かに自由診療であっても厳しいだろう。

オンライン請求「義務化」が1年延期
2009. 4. 24-日経DI

[要約&コメント]
厚生労働省は4月21日、レセプトのオンライン請求に関し、4月診療・調剤分からの実施を義務付けた省令の改正案を公表した。オンライン請求の準備が整わない薬局などに対して、来年3月末まで、書面または光ディスクなどによる請求を認めるもの。3月末時点で、開始届を出していない薬局が約2600軒、病院が約220軒あったという。
関連記事:オンライン請求省令案のパブコメ募集を開始―厚労省(4/21 キャリアブレイン )

これらの病院・薬局がすべて廃業になっていたかと思うと恐ろしい限りである。医師不足に病院の倒産・・・医療の質は確実に維持できていなかった事と思う。この特別措置がいつまでとられるかにもよるが、開始できない薬局や病院が抱える資金的問題などに関して改善案が出されなければ、期間のみが伸びて結局これらの病院・薬局が廃業に追いやられることになるであろう。

ワーファリン服用中に納豆を食べる“秘策”を実行した患者
2009. 2. 25-日経DI

[要約&コメント]
納豆が大好物の患者で、ワーファリン(一般名:ワルファリンカリウム)服用と納豆の摂取の間隔を大きく空ければ相互作用がなくなるだろうと勝手に考え、朝にワルファリンを服用し、夜に納豆を食べていた症例が紹介されている。
ワルファリン服用中に納豆を1回(100g、市販の1包)だけ摂取しても、トロンボテスト値は3日間以上も高値を示すことが報告されている(Artery 1990;17:189-201.)。
ワルファリンを投与されている患者は、納豆およびクロレラの摂取、緑葉色野菜の大量摂取、ビタミンKを含むビタミン剤の服用などを避ける必要がある。

患者さんの中で、いつまで相互作用が続くのかということを知らない人がいるのは当り前のことである。その他グレープフルーツでも同じように悩む患者さんがいるが、その危険性を定期的に伝えることは重要なのかもしれない。特に複数の薬剤師が務めている薬局では、他の薬剤師が話したのでは?と思うのではなく、「確認なのですが…」という形で自分が担当した患者さんに対し責任を持つことも重要であろう。

「プライマリ・ケア薬剤師」認定制度が発足へ
~日本プライマリ・ケア学会、5月の学会で制度発足の予定~
2009. 4. 6-日経DI

[要約&コメント]
日本プライマリ・ケア学会はこのほど、地域医療に貢献できる薬剤師の育成を目的に「プライマリ・ケア薬剤師」の認定事業を開始することを理事会で承認した。今回新たに創設するプライマリ・ケア認定薬剤師制度は、学会が実施する研修を受講して2~3年かけて所定の単位を修得し、試験などに合格した薬剤師を学会が「プライマリ・ケア薬剤師」として認定する。 関係者は、「プライマリ・ケア薬剤師は、例えば在宅医療であれば、患者の軽微な症状から薬による副作用を発見したり、緩和ケアを適切に管理することができ、地域の医療職、介護職と連携できる薬剤師をイメージしている」と話す。

カナダに住んでいると、プライマリ薬剤師としての役割の重要性は強く感じる。プライマリ薬剤師としての需要があるからこそ、薬学部教育により徹底的に教育を受けているのである。医師不足が深刻な日本では、医師以外の専門職の人たちがあらゆる形で助け合うことが重要である。機会があれば受けてみたい研修である。

おまけ…乳がん

2009年の「ノバルティス マンモグラフィ体験キャラバン」がスタート
~4月18日(土)福岡、19日(日)山口を皮切りに全国9カ所を訪問~
2009年4月7日-プレリリース

[要約&コメント]
ノバルティス ファーマ株式会社が特別協賛する「ノバルティス マンモグラフィ体験キャラバン」による乳がんの無料マンモグラフィ検診が、今年も4月からスタートします。マンモグラフィの無料体験のほか、乳がん*やマンモグラフィに関するパンフレット配布やアンケート調査、パネル展示、ミニクイズ大会などにより、多くの人に乳がんの定期検診・早期発見の重要性を呼びかけていきます。
※キャラバンの詳細:http://www.novartis.co.jp/campaign/mammography/index.html
*乳がん
早期発見すれば治癒の可能性の高い疾患です。日本では年間、約4万人が新たに乳がんに罹患していると推定されており、その患者数及び死亡率は年々増加しています。一方、欧米では、死亡率は1990年頃から減少傾向に転じており、これは、早期診断の中核となるマンモグラフィ検診の受診率が70~80%と広く普及したことが大きな理由であると考えられています。日本の受診率はまだ10%台です。
<2009年実施スケジュール>
4月18日(土):福岡県福岡市
4月19日(日):山口県山口市
5月16日(土):奈良県奈良市
5月17日(日):三重県津市
7月18日(土):神奈川県横浜市
9月26日(土):香川県高松市
9月27日(日):大阪府大阪市
10月16日(金):青森県弘前市
10月18日(日):秋田県秋田市

お知らせです。早期発見のためにも、試験受けてみませんか?

2009/04/14

Saya's 薬学ニュース vol.85-第一三共の高血圧治療薬、インドで販売/タケプロンの効能追加を申請/米国の河川魚は薬剤に汚染されている/途上国中心に多剤耐性結核菌患者が急拡大/申し込み多く受け付け中止 国内初のがんワクチン外来/診療報酬請求の電子化を先送り

<Today's news>
1. ランバクシー、第一三共の高血圧治療薬、インドで販売
2. タケプロン「低用量アスピリン投与時における胃潰瘍又は十二指腸潰瘍の発症抑制」の効能追加を申請
3. 米国の河川魚は薬剤に汚染されている
4. 途上国中心に多剤耐性結核菌患者が急拡大 毎年49万人が感染

5. 申し込み多く受け付け中止 国内初のがんワクチン外来
おまけ. 診療報酬請求の電子化を先送り 政府、開業医に配慮

大変ご無沙汰しております。
カナダ国内での移動や日本への一時帰国などで長らくアップデートできずにおりました。
その間に、様々な方より貴重なコメントを頂き、まことにうれしく思います。
私の疑問に答えていただいた方、ありがとうございました。今後ともご指導ご鞭撻のほどよろしくお願いいたします。他の読者の方とも、是非ディスカッションなどで知識共有等おこなってまいりたいと思いますので、今後ともよろしくお願いいたします。

ランバクシー、第一三共の高血圧治療薬、インドで販売
03/31/2009-インド新聞

[要約&コメント]
第一三共の連結子会社であるランバクシー・ラボラトリーズは具体的な事業連携活動の一環として、2009年4月から第一三共の主力製品である高血圧症治療薬オルメサルタン・メドキソミル(日本での製品名:オルメテック)をOlvanceの製品名で、インド国内で販売することとなった。

同じアジア諸国の一員であるインド。今まではあまりインドの薬学に関して興味を持ってこなかった。第一三共はインドの製薬会社と「複眼経営」の実現を目指しているとのことであるが、インドの薬業事情はいったいどうなんだろうか。人口が多い分、価値が認められれば大きな売り上げが見込まれるとの期待もできるであろう。
インドの薬業事情が気になる方はこちら→薬事日報 インド薬業事情
薬事日報で連載が掲載されていました。

内容を見てみると、発展途上とはいっても日本や欧米に似ているシステムを用いていることがわかる。ただ、公的支出が日本に比べると低く、貧富の差が激しいインドでは低所得者には厳しい条件となっているのがわかる。
また、日本の薬科大学数は非常に多いと思っていたが、インドでも150校近くあるという。日本よりも8.7倍の国土、10倍の人口を持つ点からすれば、理解できなくもないが・・・人口の多さといえば、病床数の少なさに驚かされる。(0.7床/千人)これでは病気もしてはいられない。

タケプロンの「低用量アスピリン投与時における胃潰瘍又は十二指腸潰瘍の発症抑制」の効能追加を申請

2009/04/02-ケアネット ※ケアネット閲覧には会員登録が必要です

[要約&コメント]
高齢化が進む日本では、脳梗塞や心筋梗塞の再発予防のために低用量アスピリンを服用する患者が増加しているが、国内において、低用量アスピリン投与時における潰瘍の発症抑制の効能・効果が認められた消化性潰瘍治療剤はないという。

胃・十二指腸潰瘍の中でNSAID潰瘍の割合は高く、アスピリンの服用は高用量でも低用量でも消化管出血のリスクとなることが論文等でも明らかとなっている。アスピリン服用者対非服用者とでは、10倍近く発生率に差があることからも、何らかの対応が必要となる。特に高齢者の場合はその発生率も上昇するため、脳梗塞等で服用率も増加するのであれば尚更である。適応・非適応に関わらず、高齢者に対しては注意が必要である。現在では潰瘍治療中はアスピリンは禁忌となるため、低用量アスピリン+PPIの処方では保険が適応にならないのが現状であるため、タケプロン*が適応となれば保険適応の中で予防が可能になるのである。

文献:溝上裕士,わが国における低用量アスピリンによる胃粘膜障害 血栓止血誌18巻第4号:309-316,2007

*タケプロン
一般名:ランソプラゾール
現在適応:胃潰瘍、十二指腸潰瘍、吻合部潰瘍、Zollinger-Ellison症候群、逆流性食道炎、非びらん性胃食道逆流症、胃潰瘍又は十二指腸潰瘍におけるヘリコバクター・ピロリの除菌の補助
副作用:肝機能値異常、頭痛、めまい、軟便、下痢

米国の河川魚は薬剤に汚染されている

2009年3月26日/HealthDay News

[要約&コメント]
米国(シカゴ、ダラス、フィラデルフィア、フェニックス、オーランド周辺の水路)の河川に生息する魚が微量の薬剤および化学物質に汚染されていることが明らかにされた。魚の組織および肝臓に、一般的な抗ヒスタミン薬であるジフェンヒドラミンをはじめとする7種類の薬剤が認められたという。ジフェンヒドラミン以外には、コレステロール低下薬gemfibrozil(Lopid)、高血圧治療<カルシウム拮抗薬>のジルチアゼム(商品名:ヘルベッサー)、てんかんおよび双極性障害の治療薬のカルバマゼピン(商品名テグレトール)、抗うつ薬fuloxetine(Prozac)、抗うつ薬セルトラリン(商品名:ジェイゾロフト)、石鹸(せっけん)をはじめとする衛生製品の香料としてよく用いられるガラクソライドおよびトナライドが検出されたとのこと。これまでに野生の魚から検出されたことはなかったものもあるという。

カナダでは、医薬品は一般ゴミとして廃棄してはならず、必ず薬局や医療機関に持っていくこととなっている。アメリカではどうなのだろうか?対する日本では回収しておらず、一般用ゴミとして廃棄するよう伝えているが、果たして日本の下水処理システムは欧米に比べていかがなものなのだろうか?
抗うつ薬などが魚の生態に影響を与える可能性がある、と示唆されている中では、アメリカでもカナダのように医薬品の回収を徹底させたり、すでに法で定められておりそれが実行されていないようならば、啓蒙活動も必要になるのではないだろうか。

途上国中心に多剤耐性結核菌患者が急拡大 毎年49万人が感染
2009年4月2日-m3.com 提供:共同通信社  ※m3.com閲覧には会員登録が必要です

[要約]
世界保健機関(WHO)当局者は1日、多剤耐性結核菌(MDR-TB)の国際会議で、世界で毎年900万人が新たに結核に感染し、そのうちの約49万人は2種の薬が効かなくなる多剤耐性結核菌であることを明らかにした。インフラの整備が遅れている途上国を中心に急拡大している。

申し込み多く受け付け中止 国内初のがんワクチン外来
2009年4月2日-m3.com 提供:共同通信社  ※m3.com閲覧には会員登録が必要です
毎日新聞記事へのリンクはここをクリック

[要約]
国内初のテーラーメードがんワクチン外来*の申し込みが始まったが、案内開始直後からホームページ(HP)や電話での問い合わせが殺到(計約1600件)。約90分後、申し込み案内のHPを閉鎖、電話での自動応答も中断した。
*ワクチン外来
免疫特性に合わせてがんワクチンを投与する。自由診療扱いで治療費は高額だが、抗がん剤や放射線治療などに比べて体の負担が軽いという。臨床試験に当たり、治療は主治医の承諾や大学側の審査を経る必要がある。

おまけ... レセプトオンライン義務化

診療報酬請求の電子化を先送り 政府、開業医に配慮

2009年4月1日 -m3.com  提供:毎日新聞社 ※m3.com閲覧には会員登録が必要です

[要約&コメント]
政府は3月31日、医療機関の診療報酬請求を11年4月から全面オンライン化する方針について、「地域医療の崩壊を招かないよう配慮」したうえで事実上11年度からの義務化を先送りすることを決めた。オンライン化は事務経費削減を意図した医療費抑制策の一環で、「改革が後退」との批判を受けるのは必至だ。
オンライン請求は、開業医の場合で3・2%しか普及していない。紙での請求と違い不正を見つけやすいため、政府は06年4月、08年度から段階的に義務化し、11年度から全医療機関に広げる方針を決めていた。

確かに利便性を考えるともちろんオンライン化のほうが有効に思われるが、開業医主に痴呆の医師不足が懸念されている状態で、利便性のためだけに彼らを定年に追いやるにはいかないのではないだろうか。開業医不足がオンライン化に向けて大きな壁となっているのであれば、オンライン化には一定の条件を設け、病床数何個以上の病院はオンライン化を義務化する、などすべてに対し義務化する必要性が本当にあるのか再度考えて頂きたい。

2009/01/31

Saya's 薬学ニュース vol.70-ワクチンの予防接種後副反応報告書を公表/レセプト請求電子化は違憲/薬害C型肝炎訴訟和解の困難さ/アルツハイマー患者に抗精神病薬は死亡率をUPさせる?/フランと日本の医療

<Today's news>
1. 各種ワクチンについて予防接種後副反応報告書を公表  厚労省
2. レセプト請求電子化は違憲 「営業侵害」医師ら提訴へ
3. 国の同意、2割不透明:薬害C型肝炎訴訟 「フィブリン糊、判断困難」
4. アルツハイマー病患者において抗精神病薬により長期死亡率が上昇する

おまけ. わが国の在宅医療とフランスからの示唆

各種ワクチンについて予防接種後副反応報告書を公表  厚労省
2009年1月15日-m3.com 提供:WIC REPORT(厚生政策情報センター)

[要約&コメント]
厚生労働省は平成18年度の「予防接種後副反応報告書」を公表した。これは、平成18年4月1日から平成19年3月31日までの間に厚労省に報告された予防接種後副反応報告を報告基準にある臨床症状ごとに単純集計し、まとめたものである。
対象とされたワクチンは、定期接種として実施されたジフテリア・百日せき・破傷風混合、ジフテリア・破傷風混合、麻しん、風しん、麻しん・風しん混合、日本脳炎、ポリオ(急性灰白髄炎)、BCG、インフルエンザである。
参考資料:予防接種後副反応報告制度について(PDFファイル)

ここでは詳しく紹介しませんが、参考資料のPDFファイルにそれぞれのワクチンによる副反応事象が記載されています。是非活用下さい。

レセプト請求電子化は違憲 「営業侵害」医師ら提訴へ
2009年1月16日-m3.com 提供:共同通信社 ※m3.com閲覧には会員登録が必要です

[要約&コメント]
診療報酬明細書(レセプト)のオンライン請求を義務化するのは「営業の自由の侵害で違憲だ」として、国に対しオンライン請求の義務がないことの確認と一人当たり100万円の慰謝料を求め、横浜地裁に提訴することが15日、分かった。(提訴は21日)
弁護士は「オンライン請求には高額の設備投資が必要で、対応できない医療機関は廃業するしかない。国会の立法によらない省令で一律に義務化するのは、憲法の保障する営業の自由の侵害だ」と訴えている。
類似記事:診療報酬の「電子申請義務化は違憲」…国を提訴へ(ケアネット 提供:読売新聞)

とうとう提訴に至ったレセプトオンライン請求義務化に対するの問題。先日匿名さんにコメントを頂いたように、オンライン化が義務化されれば、地域医療や歯科医療に多大な損害を与えることとなる。この訴訟により、オンライン化への動きも大きく変化を加えられるのではないだろうか。引き続き、今後の動きに注目したい。

国の同意、2割不透明:薬害C型肝炎訴訟 「フィブリン糊、判断困難」
2009年1月16日-毎日新聞社

[要約&コメント]
薬害C型肝炎訴訟の原告約1400人のうち、被害者救済法に基づく和解に国が同意するかどうか未定(保留)の被害者が、全体の2割の約270人に上ることがわかった。薬害肝炎被害者は、病状に応じ1200万~4000万円の給付を受けられるが、その前に国と裁判上の和解が必要になる。
保留のケースは...
(1)血液製剤フィブリノゲンを接着剤として調合した「フィブリン糊(のり)」で感染した...因果関係の判断ができない<160人>
(2)ウイルス処理が比較的有効だった時期(85年8月以前)に投与され、大量の輸血も受けた<10人>
(3)医師らの投薬証明だけでカルテなどがない...投薬証明に加え、医師らを尋問した上で判断が必要<100人>
--に大別される。

保留にされている間に、病状は進行し続け、死に至ることも実際に起きている。これらの訴訟には時間がかかり、さらに実際感染が多数起きた時期は40年近くも前のことになるので、もちろん証拠となる書面を入手することももはや困難である。国としては救済したい思いがあっても、どの程度でラインを引くべきなのか最も難しい部分なのだろう。両者の間で、よい方法が生み出されることを祈るばかりである。

アルツハイマー病患者において抗精神病薬により長期死亡率が上昇する
2009年1月19日-m3.com  提供:Medscape ※m3.com閲覧には会員登録が必要です

[要約&コメント]
新しい試験で抗精神病薬の処方を受けるアルツハイマー病患者の長期死亡率上昇が示され、アルツハイマー病患者の神経精神症状の治療のため有害性の少ない代用療法の必要性が浮き彫りになっていると研究者は述べる 。抗精神病薬(チオリダジン、クロルプロマジン、ハロペリドール、トリフロペラジン、リスペリドン等)は複数の症状(攻撃性、苦痛等)がみられる患者においてのみ使用し、例外的状況を除いて、3ヵ月以上使用すべきではないと訴えている。

実際、6~12週間抗精神病薬を投与した場合、中程度の効果が得られているとのことなので、精神症状には第一選択薬として広く用いられているとのこと。ガイドラインもあくまでガイドラインでしかなく、新たな知見に合わせて改良されていくべきである。

おまけ...フランスの医療

わが国の在宅医療とフランスからの示唆
2009年1月19日-医学書院

[要約&コメント]
フランスと日本の医療制度には,極めて多くの共通点がある。医師は自由開業制であり,患者は受診におけるフリーアクセス権を持つ。また,国民皆保険のもと豊富な種類の保険があり,保険会社・医療・被保険者は良好な関係がみられる。
フランスでは,在宅入院という概念があるのである。入院で行うことを在宅で行うという概念である。代表的なものは抗がん剤による化学療法である。対象にはその他手術後の管理,リスクの高い妊娠,点滴などがある。今後の日本でも,フランスのような高度な在宅医療が求められていく。その中で,診療所の医師が,どこまで在宅医療を担えるのかは大きな課題である。

フランスの医療が日本の医療と似ていること、ご存知でしたか?私は知りませんでした...医療費などはどうなっているのでしょうか?日本と同じようにたくさんの負債を抱えているのでしょうか?
新たな薬剤師の職能拡大域として、在宅医療が注目されている。癌患者の多くも、自宅での療養を望んでいる人が多い事もあり、フランスでニーズが拡大したのも納得である。しかし、癌のような疾患を在宅で行う事を可能にするのは、日本にとって大きな課題となるであろう。他国では可能にしている、という事は日本でも不可能ではない。いい手本があるのであれば、有効に利用するべきである。

2009/01/26

Saya's 薬学ニュース vol.65-癌の遅延性悪心・嘔吐予防に新薬期待/体外からコントール可能なDDS技術の開発/ED治療薬と相互作用を起こす薬56種類紹介/鳥インフルエンザ死亡者393人/脳死で「臓器提供したい」が4割越


*お知らせ*
Saya's 薬学ニュース vol.37で記載した「日本医療機能評価機構」と「オンラインレセプト請求義務化」に対する貴重なコメントを匿名さんよりいただきました。とても興味深い内容ですので、興味のある方は是非訪れてみてください。
*レセプト請求オンライン義務化によって起こる様々な弊害etc

2008. 9. 18-日経メディカルオンライン

[要約&コメント]
半減期の長い制吐剤パロノセトロンは、癌化学療法による遅延性の悪心や嘔吐にも予防効果のあることが、国内の多施設共同二重盲検無作為化フェーズ3試験で確認された。パロノセトロンは選択的セロトニン(5-HT3)受容体拮抗剤で、化学療法に伴う悪心や嘔吐を防ぎ、化学療法の継続を可能にする作用が報告されている。欧米では注射剤や経口剤がすでに承認されている。

日経メディカルオンラインのランキングに載っていた記事で、少し古いが将来有望な治験薬として紹介した。抗がん剤治療を行う人たちにとって、悪心嘔吐などの副作用は大きな障害となる。治療を続けたいのに続けられない。せっかく薬が効いているのに精神的に耐えられない人たちの少しでも救いになる薬が開発されることを、心から祈っている。


[要約&コメント]
金(ゴールド)ナノ粒子を用いた新しい薬剤送達システム(drug-delivery system:DDS)が開発された。この粒子は、赤外線への曝露により表面に付着した複数の薬剤を放出するという。
この新システムの大きな利点は、外部から操作することによって3~4種類の薬剤を送達できる可能性があること。現在、2種類の薬剤を放出できるDDSは存在するが、放出のタイミングはあらかじめ組み込まれており、体外から操作することはできない

癌の記事を続けて紹介しよう。今度は癌治療におけるDDSの技術についてだ。今回のDDS技術では、薬剤送達の分類に含まれる。抗ガン剤の多くが、癌細胞だけでなく正常な細胞までも攻撃してしまうことがある中で、このような技術は癌細胞のみへの到達率を上げることで、正常細胞の破壊による副作用を低減することも可能である。特に体外からの操作におりコントロールができるのはかなり魅力的である。

2009年1月5日/HealthDay News

[要約&コメント]
米国の消費者団体パブリック・シチズン(Public Citizen)が、勃起不全(ED)治療薬との有害な相互作用を生じる可能性のある物質56種類のリストを作成した。ある種の抗狭心症薬、降圧薬、グレープフルーツ果汁およびハーブ・サプリメントであるセントジョーンズワート(セイヨウオトギリソウ)などが含まれるという。降圧薬を使用している男性はED治療薬を避ける必要があると述べている。

EDの治療をしている人に最も気をつける内容は、心臓病の有無に関してだがそれ以外にもこれほど多くの薬に気をつける必要があるとは...アメリカの薬で記載してあるが、一般名から比較できるので活用していただきたい。

2009/01/14 11:56-キャリアブレイン
[要約&コメント]
世界保健機構(WHO)がこのほど発表した「感染確定症例数」(1月7日現在)によると、2003年11月-09年1月までに15か国で確認された「ヒトの高病原性鳥インフルエンザA(H5N1)」の確定症例数は393件、死亡例数は248件だった。
WHOの報告書は「最も重要で、かつまだ答えの分からない疑問は、なぜ、03年より動物の間では60か国で集団発生が起こっているにもかかわらず、ヒト症例の90%(03年11月-08年5月までに報告された症例中)が5か国のみから報告されているのかという点である」としている。

この感染者数と死亡者数をみて少ないと感じるか、多いと感じるか。
90%以上の症例が血縁の家族内に発生している事実も見逃せない内容である。アジア諸国での観戦も多いので、油断はできない。いつ日本で発生してもおかしくはないのである。これまで報告されたいくらかの患者のうち、鳥類との接触がみられたことから、必要以上に鳥類に近づかない事も、簡単であるが重要な予防策になるであろう。海外へ行く人は特に注意が必要である。

2009/01/13 16:32-キャリアブレイン

[要約&コメント]
脳死判定後に「臓器提供したい」と答えたユーザーが、全体の43.1%(男性:40.2%、女性:46.7%)に上ることが明らかになった。年齢別では、30歳代が45.8%と最多で、40歳代が43.3%でこれに続いた。ただ、臓器提供の意思がある回答者のうち、何らかの方法で意思表示をしていると答えたのは46.5%で、半数以上は意思表示をしていなかった。
43.8%の人が臓器移植に何らかの関心を持っていることが分かった。
アイシェアのホームページ(http://release.center.jp/2009/01/1302.html)

臓器移植への関心は、自分の想像よりも以外に高かった。実際に提供したいと考えている人達は中年の人に多かったが、関心を持っているレベルでは、20代が最も多い。中年になると自分の死に関してより具体的に考えるようになるからだろうか。提供したいと思っていても、意思表示をしていない人が半分以上いるのは残念なことである。事故などで急になくなってしまう場合、意思が伝えられないからである。自分もその一人に入るが、どうにかして意思表示カード作成までの流れをより一般的に、アクセスしやすいような啓もう活動が必要と感じた。

2009/01/18

Saya's 薬学ニュース vol.58-インフルエンザ-タミフル耐性株の出現/癌死亡者の増加と人口減少/レセプトオンライン請求サービスで不具合/禁煙成功者47.1%(和歌山)/外国人患者に言葉の壁

<Today's news>
1. タミフル耐性株を宮城と滋賀で初めて分離
2. 鳥取県でタミフル耐性株が突出して多い理由
3. 癌死亡が34万人超に‐人口は過去最大の減少
4. 社会保険診療報酬支払基金向けレセプトオンライン請求サービスで不具合

おまけ. 励まし合って乗り切ろう 第11期禁煙教室受講生募集 和歌山・田辺 、 外国人患者に言葉の壁 群馬県が通訳を派遣 「列島ライトアップ」

タミフル耐性株を宮城と滋賀で初めて分離
2009/01/09 21:56-キャリアブレイン

[要約]
タミフルが効かないインフルエンザウイルスの「耐性株」が今シーズン、既に宮城県と滋賀県で分離されていることが明らかになった。国立感染症研究所では「耐性株が徐々に各地域に広がっている」としている。タミフル耐性株は、遺伝子の突然変異でインフルエンザのH1N1型ウイルスを構成するタンパク質の一部が変質したもので、2007年に北欧で増加傾向が確認されて以来、世界的に増加している。
鳥取県でタミフル耐性株が突出して多い理由
2008. 12. 25-日経メディカルオンライン

[要約&コメント]
世界的に広がっているA/H1N1型インフルエンザウイルスの「タミフル耐性」。諸外国に比べれば日本はまだ耐性化率が低いが、調べてみると、なぜか鳥取県だけ突出してA/H1N1型に占めるタミフル耐性株の比率が高かったのだという。

       <日本国内におけるA/H1N1タミフル耐性株の検出状況>

世界中で最もタミフル(一般名:オセルタミビル)を消費している国の割に、耐性株の出現率が低いことが驚かれている。また、耐性はH1N1の流行規模に依存する傾向が強く、米国ではこの型のインフルエンザが流行する可能性が高く、タミフル耐性株の出現頻度も66.2%と既に高い状態です。

日本はタミフルに依存している傾向が強いので、耐性が高い割合で起こっていても不思議ではなかったが、以外にも低い値で驚いた。しかし、このまま依存し続ければ、耐性ができるのも時間の問題、ということを忘れてはいけない。

癌死亡が34万人超に‐人口は過去最大の減少
2009/01/08 -薬事日報

[要約&コメント]
厚生労働省が公表した「2008年人口動態統計の年間推計」では、癌による死亡者は前年より6532人増え、34万3000人と過去最高になった。癌が脳卒中を抜いて、日本人の死亡原因のトップになったのは1981年のことで、それ以来増加傾向が続いている。2位は心疾患で18万4000人(前年より8461人増)、3位は脳血管疾患で12万6000人(1041人減)と推計している。
死亡数が増加した主要因は、高齢化の進展によるもので、人口の減少は2年連続。出産期の女性人口は減っており、厚労省は「本格的な人口減少社会に突入した」と分析している。

この数字を見るとさすがに驚かされる。周りに癌と戦っている人達がいるが、他にもこんなに多くの人が命を落としていたとは。高齢社会の日本にとっては避けられない事実なのだろう。とはいっても、癌は早期に見つかれば治療の見込みがある病気である。定期健診などで計画的に身体検査を行うことをお勧めする。

社会保険診療報酬支払基金向けレセプトオンライン請求サービスで不具合
2009/01/08-ITpro

[要約&コメント]
NTT西日本が「フレッツ・光プレミアム」上で提供するレセプトオンライン請求サービスを介した請求で接続しにくい状態が続いているほか、一度接続しても途中で切れてしまい請求を完了できないケースがあるという。障害は前日7日14時29分に発生し、は1月9日朝9時から復旧したとのこと。

このレセプトオンライン請求サービスに関してはSaya's 薬学ニュース vol.5で昔紹介したこともある。サービスの不具合はどの会社でも起きることであるが、対応の遅れは禁物である。ただし、今回の問題は、回復の見込みが立っていないと書かれていながらも、1日半で復旧したとのことなので、まずまずでは?と思うのは私だけだろうか。しかし、重要なのは今回起こった不具合を二度起こさないような対策がすぐに練られるべきであるということである。
訴訟の動きが先か、それとも制度化が先か。この点も目が離せない。

おまけ...禁煙

励まし合って乗り切ろう 第11期禁煙教室受講生募集 和歌山・田辺
2009年1月7日-m3.com 提供:毎日新聞社 ※m3.com閲覧には会員登録が必要です

[要約&コメント]
田辺市健康増進課は、市民対象の第11期禁煙教室の受講生15人を募集している。過去の参加者の禁煙成功率は47.1%。同課は「励まし合って乗り切りましょう」と参加を呼びかけている。無料。
医師による禁煙外来の説明、管理栄養士による禁煙継続のコツの紹介、禁煙した人との交流会があり、最終日の「卒煙式」のあと、禁煙して気付いたことなど参加者の意見交換を行う。

一般的な禁煙成功率の割合は十数%ということを聞いたことがある。これに比べればはるかに高い値なのではないだろうか。禁煙には同志の存在が重要であることがわかる。一人ではなかなか難しいのであろう。禁煙者の割合を減らす事で、肺がんなどのリスクを減らすことができ、市民の健康を維持していくには非常に意味のある取組なのでは、と感心した記事である。

外国人患者に言葉の壁 群馬県が通訳を派遣 「列島ライトアップ」
2009年1月8日-m3.com 提供:共同通信社 ※m3.com閲覧には会員登録が必要です

[要約&コメント]
在日外国人が215万人を突破し(2007年末現在)、定住化が進む中、医療現場で言葉の壁が問題となるケースが増加している。通訳を、外国人患者が連れてくる家族や友人に頼る場合が多く、正確かどうか分からないのが現状だ。群馬県は06年度から医療通訳者の派遣制度を実施しているが、ボランティアのため本来の仕事との調整が困難などの課題もあり、国に制度化を求める声が出ている。
▽専門用語に悪戦苦闘:普段使わない用語のため、一般会話が話せても医療現場では通用しない場合もある。正確な情報を伝えるためには欠かせない内容である。
▽国が制度化を:NPOによる活動のため、必要な時に人員を確保できない場合があり、運営が厳しい状態にあるのが現状。
などの問題を提示している。

この問題点は、自分も薬局の中で改善していきたい課題でもある。薬局の場合は、疾患など幅広く取り扱うため、一見広い知識や語彙が必要に感じられるが、第一段階の薬の説明に絞ってしまえば勉強範囲は限られてくる。また、薬袋や薬の説明書など、あらかじめフォーマットを作っておけば、最悪印刷して手渡すことでも大いに有効活用してもらえる。ただし病院の場合は、細かい症状を伝える、などさらに内容が複雑になるので難しいのは確かである。
外国人が日本で増えていることは確実であるし、これから増えていくことも分かっているはずである。国に制度化を願う気持ちは自然なことなのではないだろうか。

2009/01/08

Saya's 薬学ニュース vol.52-薬剤師に対する認識変革を/花粉症に新たな目薬誕生/レセプトオンライン請求義務化にストップか

<Today's news>
1. 薬剤師に対する認識変革を
2. 花粉症対策の新しい目薬を発売-ロート製薬

おまけ. レセプトオンライン請求義務化の撤回求め、国を訴える

薬剤師に対する認識変革を-08年回顧と09年の展望(4) 薬剤師認定制度認証機構・内山充代表理事
2009/01/04 10:00-キャリアブレイン

[要約&コメント]
積極的に業務分野の拡大を、とメッセージを残しているのは、薬剤師認定制度認証機構・内山充代表理事である。新しく求められる薬剤部の業務に対し、個々の薬剤師が人ごととせず、自分の問題と思って意識的に行動していく必要がある。「患者の安全を守るため」「よりよい医療にするため」といった大義名分が立つならば、薬剤師の業務や実務行為の範囲を広げることに積極的になってほしい。

彼の述べている内容は、非常に共感できるものである。自分が日々考えていることを、言葉にしてくれているような気がした。自ら積極的になるために、日々の勉強は必要である。と生涯教育の重要性に関してもしっかり述べられているが…
認定薬剤師教育の受講に関し、否定的な意見も見られるが、私は、資格取得のためというよりも、むしろ日々の知識補充のために活用している。大学で学んだ事はほとんどが風化してしまっていて、取り戻す方法を考えていた時に出会った。やはり、患者さんの健康を全体的にみるためには、薬の知識だけでなく制度の問題や疾病、栄養面まで知識を深める必要がある。カナダの知り合いの自然療法医師に言われたことは、薬剤師は薬だけでなく、もっと病態生理の部分まで掘り下げて勉強したほうがよい。そうすれば、生活習慣の指導などおのずとヒントが得られる、との事だ。日々の忙しい業務でなかなか難しいのは重々承知しているが、それで何もやらなければ、信頼される薬剤師にもいつまでたっても成り得ないのであないだろうか。
記事に載っていた言葉が、印象的だったので最後に載せておきたい。
「スキナー・ボックス」で有名な米国の行動心理学者、バラス・フレデリック・スキナーは、「学んだことがすべて忘れられた時に残る『何か』が教育(成果)である」という言葉を残しています。

花粉症対策の新しい目薬を発売-ロート製薬
2009/01/05 18:23-キャリアブレイン

[要約&コメント]
アレルギー用の目薬に炎症を鎮める成分「プラノプロフェン」を日本で初めて配合したという「金のアルガード」と、アレルギーの発生を原因から抑える抗アレルギー成分を配合した「銀のアルガード」3品、全4品を開発し、1月13日から全国の薬局・薬店で発売する。
炎症を鎮める作用を持つ「プラノプロフェン」を配合した。従来の一般用のアレルギー目薬は、主に抗アレルギー剤と抗ヒスタミン剤が配合されており、これに「プラノプロフェン」を加えたことで、「複合処方」が止まらないアレルギー症状に効果を発揮するという。「銀のアルガード」の3つの商品名は、「ロートアルガード・抗アレルギーカプセル」「ロートアルガード・ST点眼薬」「ロートアルガード・ST鼻炎スプレー」。 詳細は、ロート製薬のホームページ(http://www.rohto.co.jp/)参照。

冬が終わりに近づくと、うれしくなる半面、花粉症の人たちにとっては地獄の季節の始まり?なのでは?「プラノプロフェン」が初めて配合ということになれば、新たな効果を期待して使う人も出てくるかもしれない。「プラノプロフェン」といえば、先発薬ではニフランやプロラノンが聞きなれた名前なのではないだろうか。このOTC薬の含量記載がないので比較はできないが、副作用としては、これらの薬を例に説明するのがよいのではないだろうか。

おまけ...レセプト請求

レセプトオンライン請求義務化の撤回求め、国を訴える
2008年12月29日-m3.com ※m3.com閲覧には会員登録が必要です

[要約&コメント]
「レセプトオンライン請求義務化撤回訴訟」の原告団結成総会が2008年12月26日、神奈川県保険医協会で開催された。 この訴訟は、2011年度から原則義務化されるレセプトのオンライン請求の撤回を求めて、国を相手に行う。提訴は、2009年1月21日を予定しており、横浜地裁で行う。
今回の訴訟は、オンライン請求そのものを否定するのではなく、義務化を問題視したもので、「オンライン請求の義務化を規定した省令に従う義務が存在しない」ことを確認するのが狙い。

Saya's 薬学ニュース vol.37もおまけでも紹介しているが、予定されていた原告団結成総会開かれ、本格的に訴訟が開始されることが示されている。現時点で600人近くの原告が集まっているようで、事態は深刻化しているように思う。義務化は個人的にも反対で、地域医療を支えている開業医をやめさせてまで行うべきものなのかは疑問が残る。メインは医師で結成されているが、薬局にとっても重要な内容なので、見守っていきたい内容だ。

2008/12/23

Saya's 薬学ニュース vol.37-医療安全情報を何故受け取らない?/薬剤ミス・過誤・事故/高血圧治療の新薬/レセプトオンライン請求の義務化撤廃を求め初の提訴/うつ病の勉強しませんか?

<Today's news>
1. <医療安全情報>事故例集 受け取りは全国の病院の半数以下
2. 禁忌薬投与などで注意喚起‐薬剤関連事故の30件を分析 
3. 高血圧症治療薬「CS-866AZ」の製造承認申請を発表
4. 質問すると医師が不機嫌に

おまけ. オンライン請求の義務化撤回求め初の提訴へ、「うつ病の完全寛解を目指した薬物療法 Part.1」

<医療安全情報>事故例集 受け取りは全国の病院の半数以下
12月10日15時2分- 毎日新聞

[要訳&コメント]
医療事故や医療ミスの実例を紹介して再発防止に役立ててもらおうと、厚生労働省所管の財団法人・日本医療機能評価機構が無料配布している「医療安全情報」を、全国約9000病院の過半数が受け取ってないことが分かった。
同機構に集まる事故報告は年間1500件近くに上り、発生原因や当事者の勤務状態なども分析している。医療安全情報の内容について、病院から不満などは寄せられておらず、関心の低さが受け取らない主な理由とみられる。

医療事故や医療ミスは、過去の事例から反省して改善点を見つけていくことが最も重要なことであり、それを国が引き受けて行っているというのに、生かされていない現状があることを皆さんは知っていたでしょうか。もっと多くの人に知っていただきたいと思い、この記事を紹介しました。

禁忌薬投与などで注意喚起‐薬剤関連事故の30件を分析
2008年12月12日-薬事日報

[要訳&コメント]
日本医療機能評価機構は、7~9月に報告された医療事故情報の状況をまとめた報告書を公表した。個別テーマで、薬剤に関連した医療事故30件の分析を行った結果、注射器の取り違えや、禁忌薬の投与などが発生していることから、注意を喚起した。
薬剤に関連したヒヤリ・ハット事例の分析では、総発生数1560件のうち「薬剤量間違い」が287件と最も多く、次いで「速度間違い」215件、「薬剤間違い」150件が続く。禁忌薬に関した発生状況は総数57件で、内訳は「薬物過敏」が31件と最も多く、「配合」が18件と続く。

「薬剤間違い」よりも、「薬剤量間違い」のほうが2倍ほど多い。薬剤名の混同などもよく調剤ミスとして挙げられる項目だが、これだけでなく、量計算に関しても集中力を切らさずに行うことが重要であることが考えられる。
ここでひとつカナダの状況を挙げておく。カナダでは、計数調剤はテクニシャンがメインに行う事になっているが、日本のようにPTPシートでの提供より、ボトルから処方された数の薬(裸錠)を計量し、円筒のケースに入れて渡すのメインである。円筒ケースに入った薬を数える患者はまずいないようで、量に関するクレームはほとんどないという。日本では日常茶飯事のクレームが、ここカナダでは非常識のようなとられ方をされる。文化の差なのか、計数調剤の方法によるものなのか。興味深い内容だったので紹介してみることにした。

高血圧症治療薬「CS-866AZ」の製造承認申請を発表 
2008年12月12日 13時52分-NSJショートライブ

[要訳&コメント]
第一三共株式会社は11日、同社が高血圧治療薬として開発したアンジオテンシン2受容体拮抗薬(ARB)オルメサルタンメドキソミル*と、カルシウム拮抗薬アゼルニジピン*の配合剤「CS-866AZ」の製造販売承認申請を行ったと発表した。
「CS-866AZ」は「オルメテック錠」と「カルブロック錠」の配合剤であるが、これまでの臨床試験成績から同2剤はそれぞれの単剤よりも良好な降圧作用を示すことが明らかとなっているという。
参考記事:高血圧治療薬CS-866AZを国内製造販売承認申請へ (ケアネット)

高血圧症治療薬の新薬が販売されそうです。オルメテックとカルブロックはおなじみの名前であるが、この配合剤はさらに効果が高いことで期待を寄せられている。副作用の軽減などの点は記載されていないことから、従来の副作用が臨床試験においても出ているということだろうか。
*オルメサルタンメドキソル
商品名:オルメテック
効能効果:アンジオテンシンⅡ受容体拮抗性の降圧剤
副作用:血清カリウムの上昇と異常な血圧低下によるふらつき,めまいなど
*アゼルニジピン
商品名:カルブロック
効能効果:持続性Ca拮抗剤系の降圧剤
副作用:頭痛,動悸,顔のほてり,ふらつき,めまいなど

質問すると医師が不機嫌に
2008年12月12日-毎日新聞

[要訳&コメント]
質問内容:閉経後汗が出て、頭痛、不眠、不安感もあり、婦人科で更年期と診断されてホルモン補充療法を始めました。エストロゲン剤を毎日1錠と黄体ホルモン剤2錠を月に14日間飲んでいますが、黄体ホルモン剤を飲むと頭痛や気分の落ち込みがあり、医師に半量でいいか尋ねると、急に不機嫌になって質問できない雰囲気です。疑問を持ったまま治療を続けたくはないのですが。(52歳、女性)

ホルモン補充療法では、子宮がある人の場合には子宮体がんのリスクを減らすため、黄体ホルモンを併用して生理のような出血を起こさせます。しかし、黄体ホルモンの作用で胃のむかつきやむくみ、気分の落ち込み、頭痛などの不快な反応が起こることも、この治療を始めたころにはきかれます。しかし、しばらく続けるうちにそうした反応は緩和されていく例が多いようです。最近では従来の半分の量のエストロゲンを用いる低用量のホルモン補充療法もすすめられており、その場合の黄体ホルモンの量についても話のできる詳しい医師に相談したいところです。

薬の服用において、医師や薬剤師との信頼関係を築くことはとても重要になってくる。不安を抱えたままでは、薬の心理面での効果が得られず、本来の薬の力を発揮されないのは愚か、薬の服用をやめてしまうことも考えられる。可能のであれば、もっと親身に考えてもらえる医師を新たに探されることをアドバイスしたいが、立地的な問題などからそれも難しいと考える患者が多いのが現状だ。副作用などに関しては、一度薬局の薬剤師に相談してみるのもよい。経験年数の短い薬剤師には難しい内容かもしれないが、詳しい薬剤師と話したい、と注文すれば親身に相談に乗ってくれる薬剤師がいるかもしれない。薬剤師達は、そういった悩みに自信を持ってこたえられるよう、しっかりと知識を蓄えておくことが大切なのではないだろうか。あなたはどんな方法で知識をアップデートしているでしょうか。

おまけ...レセプトオンライン請求

オンライン請求の義務化撤回求め初の提訴へ 
2008/12/11 20:43-キャリアブレイン

[要訳&コメント]
全国で初めてレセプトのオンライン請求義務化の撤回を求めて国を訴える原告団が、神奈川県保険医協会の会員を中心に結成される。12月26日に「レセプトオンライン請求義務化撤回訴訟原告団」の結成総会を開き、来年1月に横浜地裁に提訴する。
義務化されれば、約12%の会員開業医が辞めるというアンケート結果もある。といったアンケート結果に基づき、高価な機器やソフトを導入するコストに見合ったインセンティブがないことや、紙の請求と比べて情報漏えいの被害が甚大になること、レセプトの審査基準が厳しくなることなどを反対理由として挙げている。
参考記事:60歳以上開業医の約3割が「辞める」-オンライン請求義務化(キャリアブレイン)

レセプトオンライン請求義務化に対し、今まではそれぞれの立場からの意見、という形でしか見えなかったが、とうとう提訴という形で動き始めている。Saya's 薬学ニュース vol.30、Saya's 薬学ニュース vol.29、Saya's 薬学ニュース vol.11、Saya's 薬学ニュース vol.5等でもレセプトオンライン請求に関する記事を紹介してきたが、オンラインシステムについていけない保険医達の定年制を進めたいという厚労省の思惑があるかもしれない、という内容には少し驚かされた。地域医療を支えているのは、年を老いていたとしても立派な医師たちである。医師不足の危機に面している中で、よくもそんな考えが働くものだ、と少しがっかりである。何故定年制を進めたいと考えているかに関しても勉強する必要があるが。。


おまけ...ビデオ講座紹介-ケアネット(※ケアネットにはメンバー登録が必要です)

「うつ病の完全寛解を目指した薬物療法 Part.1」 12月公開
うつ病の薬物治療の基本をビデオで優しく解説!
医師が講師として行っているので、内容も分かりやすく聞きやすいものだと思います。

*非常に貴重なコメントをいただきました。
とても勉強になる内容ですので、こちらもぜひご参照ください。
→匿名さんからのコメント

2008/12/17

Saya's 薬学ニュース vol.31-OTC医薬品/健康食品/セルフメディケーション/エイズ(HIV)/「アミノコラーゲン」

<Today's news>
1. 処方せんでもらうかぜ薬と市販のかぜ薬はどう違うのでしょうか?
2. HIV感染、数年内根絶も ノーベル賞のモンタニエ氏
3. 小売企業の携帯サイトで「アミノコラーゲン」販促、レシピ募集で薬のイメージぬぐい売り上げ増加
4. 深部静脈血栓症の治療に超音波の併用が有効

おまけ. 不安のトップは医療面-人口減少・高齢化地域

処方せんでもらうかぜ薬と市販のかぜ薬はどう違うのでしょうか?
2008年12月08日-毎日新聞

[要訳&コメント]
質問内容:先日、風邪を引いて医師にかかり、総合感冒薬をもらいました。薬局で買った市販の総合感冒薬が家にもあるのですが、医師がくれる総合感冒薬と市販の総合感冒薬にはどのような違いがあるのでしょうか。

製品そのもので言えば非常に類似しています。医療用で用いられている、アセトアミノフェン(解熱鎮痛成分)やサリチルアミド(解熱鎮痛成分)、マレイン酸クロルフェニラミン(抗アレルギー成分)などは、市販の総合感冒薬でもよく使われている成分です。また、標準的な用量についてもあまり差はないようです。ただし、医療用の場合は患者の状態(年齢や症状など)に合わせて量の増減や成分を選択し、オーダーメイドで処方できますが、一般用ではそれが難しいということです。
〈もっと詳しく…〉
市販の総合感冒薬はさまざまなメーカーから数多くの製品が販売されており、現在約1,000品目にもなるようです。総合感冒薬は、風邪の諸症状(熱・咳・鼻水などそれぞれ)を抑える複数の成分が1錠あるいは1包にまとまっているため、服用の際に非常に便利である半面、症状に対して不要な成分が含まれていたり、成分ごとの量の調節が難しかったり、という問題があります。一方、医療用医薬品の場合は、医師が患者個人の状態に応じて必要な成分を選び、量を調節して処方することができるよう、多くは1つの製品に1つの成分だけが含まれています。

日本の場合は、ただの風邪でも病院へ行くケースが多くみられるが、結局医師には「お薬出しておくので、ゆっくり休んでくださいね」と言われ、薬局で風邪薬をもらって帰るだけ。病院や薬局での待ち時間で1日をつぶしてしまう。という経験はありませんか?それなら、その待ち時間の中で他の菌をもらって風邪を悪化させるよりは、ゆっくり寝て栄養を取っていたほうがいいと思いませんか?
日本の場合、病院へ行くことで「大丈夫です」という安心を得に行く患者が多いように感じる。それは医療制度にも恵まれている証拠だと思うが、セルフメディケーションの観点では患者の意識が低いようにも感じる。「病は気から」という言葉からも、安心を得ることは重要である。しかし、人から大丈夫と言われなければ安心を得られないのだろうか?普段、風邪気味かな?と感じたら睡眠時間をいつもより長くとり、体を温めるものを摂り、次の日仕事で長引かせたくなければ常備薬を服用する。これを普段行えていれば、その行為に対して「これで大丈夫」と思えるのでは無いだろうか。これこそがセルフメディケーションだと思うが…病院に行ってももらえる薬は同じようなもの。総合感冒薬を服用すると不要な成分を摂取することになるというが、眠気が起こったりという軽度の症状がでるだけで、弱った体で病院に行って他の菌に汚染されるよりは良いと思うのだが。気になるならば、「咳のひどい人に」「熱・鼻水の症状に」などといった成分が限定された薬を常備しておこう。

HIV感染、数年内根絶も ノーベル賞のモンタニエ氏
2008.12.8 12:03-産経新聞

[要訳&コメント]
エイズウイルス(HIV)の発見で今年のノーベル医学生理学賞を受賞する世界エイズ研究予防財団のモンタニエ理事長(76)は、ワクチンの開発により、HIV感染を数年以内に根絶することは「不可能ではないと思う」と述べた。長年エイズ治療ワクチンの開発に取り組んでおり、会見では4、5年以内に治療ワクチンを開発することを望んでいると述べた。

唯一先進国で感染率の上昇を示している国が我が国であるという事も問題であるが、このワクチンは感染者数の多いサハラ砂漠以南の人々に有効なものとなるであろう。ただし、開発・販売当初はワクチン1本が高額になることが予想されるため、効果が見られるには数年かかるかもしれない。世界規模で支援していく必要がある。
参考記事:エイズ孤児1900万人、サハラ以南深刻 ユニセフ
この記事を読んで何か感じた人は、是非「ワンクリック募金」へ(私は毎日訪問してクリックしています)

小売企業の携帯サイトで「アミノコラーゲン」販促、レシピ募集で薬のイメージぬぐい売り上げ増加
2008/12/08-ITpro

[要訳&コメント]
明治製菓が小売企業の携帯サイト上で健康食品「アミノコラーゲン」の販促に力を入れている。ドラッグストアのウエルシア関東(さいたま市)の携帯サイト「ウエルシアのe情報」上で顧客会員から料理レシピを募り予想以上の応募を集めたことで、製品の知識を深めてもらうよいきっかけとなり、同時に販売促進にもつながっているという。

食品関係でレシピを募集することは多いものの、健康食品では珍しい取り組みだという。アミノコラーゲンは私も試したことがあり、味噌汁やスープなどにといて飲んでいた時期があった。食事と一緒に楽しんで健康食品を摂取するというのは、個人的には良いと思う。ただし、健康食品は医薬品とは違い、効果を期待してはいけない。あくまで普段摂取しにくいものを補助的に摂取することで身体の健康を保つ、という意味で利用していただきたいし、摂りすぎないようにもしてもらいたい。多く摂れば効果が高い、というものではないのだ。なので、摂り忘れてしまったから、といって悩むこともないのである。

深部静脈血栓症の治療に超音波の併用が有効
2008/12/08-Dr赤ひげ.com

[要訳]
深部静脈血栓症(DVT)*の治療に、薬剤を単独使用するよりも、超音波と血栓溶解薬を併用する方が早く血栓を溶解できることが、研究で明らかにされた。従来の薬物療法に併用して超音波で血栓を溶解する治療は、血流を回復させ、弁の損傷を防ぐほか、肺塞栓の予防にも有用であるという。

*深部静脈血栓症(DVT)とは、下肢や大腿などの体の深部にある静脈に血栓ができる病態。この血栓が剥離(はくり)して肺に流入し、肺塞栓を起こしたり、心臓発作や脳卒中を引き起こしたりすることもある。米国では毎年35万~60万人がDVTを発症し、このうち少なくとも10万人が死亡しているという。

おまけ...
不安のトップは医療面-人口減少・高齢化地域
2008/12/08 22:41-キャリアブレイン

[要訳&コメント]
人口減少・高齢化の進んだ集落などを対象とした「日常生活に関するアンケート調査」を行ったところ、生活する上で最も不安な点として、「近くに病院がない」「救急搬送に時間がかかる」など、医療面が最も多く指摘された。一方、9割近くの世帯主が、今後もその地域に居住していきたいと答えているが、上記を理由に移転を希望する人たちもいる。

地域医療の問題点が浮き彫りになっている記事である。一昨日おまけで紹介した記事(Saya's 薬学ニュース vol.29)でも、レセプトオンライン請求の義務化に伴い60歳以上の地方の開業医3割が辞める意向を示していることから、地域医療は益々悪化の傾向を辿る危機を迎えている。オンライン請求でなければならない理由はどこにあるのだろうか?地域医療を悪化させてまでして進めるべき制度なのだろうか。突き進む前にもう一度現状を振り返ってみてはどうだろうか。

2008/12/16

Saya's 薬学ニュース vol.30

<Today's news>
1. 治療抵抗性高血圧患者の心血管疾患リスク予測には24時間血圧測定が優れる
2. 米11月小売りチェーン売上高 1969年以降最大の落ち込み
3. 医薬品取り違え防止で通知―厚労省
4. 【第1回登録販売者試験】合格者は4万1189人‐四国ブロックは最低水準
おまけ. 「医療崩壊」をITが救う

治療抵抗性高血圧患者の心血管疾患リスク予測には24時間血圧測定が優れる
2008/12/04 -日本経済新聞

[要訳&コメント]
治療抵抗性(難治性)高血圧患者*の心血管障害リスクを予測するには、診察室(外来)で測定した血圧値よりも、24時間自由行動下血圧測定(ABPM)による血圧値、特に夜間血圧値が優れていることが明らかにされた。その理由として、昼間(日中)よりも夜間の血圧が心血管の強い危険因子(リスクファクター)となることが挙げられている。
ただし、夜間高血圧の治療を行えば、昼間血圧を管理する従来の治療に比べて予後が向上するのかどうかは疑問」と述べており、「利便性の点で実用的ではないことが多い」という意見もある。
参考記事:同じ内容を翻訳している記事が赤ひげ.comからも紹介されている。(12/08)

診察室での測定は、確かに「白衣高血圧」となることもあり、普段の血圧とは変わってしまう事もある。時間をきめて自分で測定することは、患者本人が治療に対して前向きになっている証拠であり、薬服用による血圧の変動をみるためにもよい。特に難治性の場合は、心血管障害のリスクも高くなるということを十分に説明し、これを機に自主的に治療に参加させるよう血圧の自己測定のさらなる啓蒙を行ってもよいのではないだろうか。
*治療低抗性高血圧とは、標準的な薬物療法を行っても血圧が危険域から降下しないもののこと。利尿薬、ACE阻害薬およびCa(カルシウム)拮抗薬などの薬剤の併用が奏効することがあるという。

米11月小売りチェーン売上高 1969年以降最大の落ち込み
2008/12/04 -USFL.COM - New York,NY,USA

[要訳&コメント]
米国の国際ショッピングセンター協会(ICSC)が4日発表した11月の米主要小売りチェーン各社の既存店売上高は前年同月比2.7%減となり、調査を開始した1969年以降、最大の落ち込みとなった。
唯一好調だったのは小売り最大手ウォルマート・ストアーズで、売上高は3.0%増(前月2.5%増)。それ以外は全店減少。

ウォルマート・スターズだけが売上高の上昇。一体どのような戦略がこのような結果を産んでいるのだろうか。ドラッグストアは生活に必需な製品を販売しているため、この世界恐慌の中でも他の産業よりもがた落ちすることはないことが想像できる。しかし、ドラッグストアには、生活必需品の他にも生活に便利な雑貨なども並行して販売しているが、この不況の中で余計なものに手を出す人は少ない。いかにその部分を削って、生活必需品を他より安く提供して顧客数を獲得するか。この点が大手のチェーン店でなしえる業なのだろうか?

医薬品取り違え防止で通知―厚労省
2008/12/05 20:23-キャリアブレイン

[要訳&コメント]
厚生労働省は、各都道府県知事などに対し、「医薬品の販売名の類似性等による医療事故防止対策の強化・徹底について」と題する通知を医政局長と医薬食品局長の連名で出した。
具体的には、
・各医療機関における採用医薬品の再確認
・医薬品の安全使用のための方策についての確認・検討
・処方せん等の記載及び疑義内容の確認の徹底
・オーダリングシステム等の病院情報システムにおける工夫
・医薬品の安全使用のために必要となる情報の収集       の5点を求めている。

<医薬品販売名類似品例>
・サクシゾンとサクシン注射液
・アマリールとアルマール
・タキソールとタキソテール
・ノルバスクとノルバデックス
・アロテックとアレロック
・ウテメリンとメテナリン      等

販売名類似品には、調剤エラーの点でも神経を使う部分である。他にも相互作用のチェックや計数確認など、注意を払わなければならない部分が多いが、医薬品名に関しては対応によって大きく改善ができるポイントでもある。そもそも、こんなことがなければエラーは発生しにくかったはずなのに…
一度決めた医薬品の名前を変更するというのは、企業にとっては(特に名付け親にとっては)非常に寂しいことであると思うが、本当に服用する患者さんのためを思うのであれば、調剤過誤に関しては、薬局の注意不足ということで片付けず、製薬企業の皆様にも是非積極的に協力していただきたい内容である。

【第1回登録販売者試験】合格者は4万1189人‐四国ブロックは最低水準
2008年12月05日-薬事日報

[要訳&コメント]
10月末までに、全国で実施された2008年度第1回登録販売者試験合格者は4万1190人となった。総受験者数は6万0271人で、合格率の全国平均は68・3%。
第1回登録販売者試験の都道府県別合格率では、母数に開きがあるものの、最も合格率の高かった神奈川県(84・5%)と、低かった愛媛県(36・9%)では、実に50ポイント近い格差が生じた。
参考記事:【第2回登録販売者試験・東京都】受験出願、前回上回る (第2回登録販売者試験の出願者数は5896人で、第1回目の5223人に比べ、673人増加した。)

薬剤師にとっては気になる「登録販売者」の話題。現時点ですでに4万人を超える登録販売者が誕生していることになる。第二回目の試験の出願者数も10%以上の割合で増えているため、今後もしばらくは増加が見られるであろう。
平成18年の時点では、薬剤師届け出を行った人数が約252,500人で、薬科大学の増加等から近い将来薬剤師過多になると言われている。登録販売者制度も動き出し、六年制卒業の薬剤師ももう目前である。一体薬剤師の将来はいかに?!薬剤師としての職能をどこに持っていくか。他国の薬剤師事情を見ていると、ヒントになることがたくさんある。そんな情報を紹介していくことになるので、見てみたいという人がいれば声をかけてください。
このブログでも紹介していきます。

おまけ... レセプトオンライン請求
「医療崩壊」をITが救う-電子カルテの活用法が鍵
2008/11/28-ITpro

[要訳&コメント]
医師偏在による地方の医師不足、経営不振による病院の閉院など、問題は山積みだ。「カルテ情報の電子化」「レセプトのオンライン化」といった医療機関のIT化は、こうした問題を解決する糸口となり得る。
電子カルテは、これまでの紙のカルテを電子的なシステムに置き換え、診療情報データをデータベースに記録する仕組みである。その普及は、診療の質を向上させたり、医療機関同士の連携を密にしたりといったメリットを生み出す。一般に、電子カルテ導入には三つのステップがある。(1)電子カルテを導入しデータを蓄積する、(2)蓄積したデータを活用する、(3)院内から院外へ連携を広げる、である。

<図●医療機関のIT化によって得られるメリット>
香川県では医療機関同士で電子カルテなどをやり取りし、地域ぐるみで患者をフォローしている(「かがわ遠隔医療ネットワーク(K-MIX)」)

昨日紹介した記事(Saya's 薬学ニュース vol.29)のおまけでも紹介した、レセプトオンライン請求に関する別の切り口での記事でったので紹介する。ここでは、ITの利用によりさらなる医療の質UPに貢献できる!という魅力を語っているが、昨日紹介した記事のような、「誰もがITを導入できるほどの予算と余力はない」という現状は見えていないように感じた。IT系情報誌ならではの偏った内容であることを忘れてはいけない。
ただし、ここに記載されていることは医療者としては魅力的なもので、医療機関同士の連携や助け合いといった部分ではぜひ取り組んでいきたい内容である。プライバシーの関係もあり、情報交換は非常に難しい課題ではあるが、このように患者へのメリットを伝えていくことで理解を得られるのではないだろうか。実際私が現在住んでいるカナダのアルバータ州では、州の保険システムを利用した医療機関同士での情報共有が定着している。市民に対するパンフレットもあり、システムの意義を考えると両社にとってWin Winの内容である。この点を考えると日本のシステムは少し遅れているように感じるが、これからでも導入の意義はあると考えている。

2008/12/15

Saya's 薬学ニュース vol.29-慢性の頭痛、はり治療が薬より有効/インフルエンザ流行の兆し 患者増、昨年に次ぐ多さ/「ネットで安全は買えるのか」対面販売の重要性訴えフォーラム/乳がん検診に前向きな女性が9割超 /60歳以上開業医の約3割が「辞める」-オンライン請求義務化

とうとうエドモントンは冬本番?で-25℃をマークしました。どんだけ寒くなるのかなぁ?とずっと恐れていたけれど、日本のような底冷えはなく、しっかり防寒すれば芯まで冷える、ということはないようです。もちろん-25℃は寒いけれど、日本の寒さのほうが、どっちかというと嫌いかな・・・

さて、たまりにたまっている薬学ニュースをさばいていきましょう!!といっても、気になるニュースがたくさんありすぎて、なかなか当日のニュースまでに行きつかない状況です…

慢性の頭痛、はり治療が薬より有効=米研究
2008年 12月 2日 16:47-ロイター

[要訳&コメント]
慢性的な頭痛の軽減にはアスピリンなどの薬よりもはり治療が効くとの調査結果が発表された。

片頭痛で悩む人は、薬の確保に必死で、よく効いていた薬が製造中止になった知らせを聞いた時、すがる思いで薬局に電話をしてきたことを覚えている。その人のために薬を確保してあげたかったが、法律上それはできないので、断らざるを得なかったのが悔しかったことがある。そんな人たちへの第二の選択肢として、はり治療が有効であるという話は今回初めて聞いたが、欠点として通院が必要であるということ。最低5~6回の通院が必要であるという。薬の服用であれば、頻繁な通院は必要ない。本気で悩んでいる人は、試したいと思う記事かもしれないが、その効果の差はそこまで大きくなく、人によっては同等かそれ以下の効果しか得られない場合もあるということを覚えておいてほしい。

インフルエンザ流行の兆し 患者増、昨年に次ぐ多さ
2008.12.2 20:22-産経新聞

[要訳&コメント]
インフルエンザ患者の報告数が急増しており、近く全国的な流行が始まりそうなことが調べでわかった。全国的な流行開始の指標である、定点当たり1・00人(11月23日までの1週間で定点当たり0・56人)を近く超える可能性が高いとみている。台風が今季一度も本州に上陸せず、空気が乾燥していることが原因との指摘もある。
参照記事:大阪でインフルエンザ早くも猛威 全国の4割占め学級閉鎖相次ぐ 「お茶」 インフルエンザを予防 効果的な「うがい」 化粧水や風呂にも◎

今の時期話題のインフルエンザ、今年は昨年に続いて患者数が急増しているというのが気になるところ。高齢者や、特に小児の場合は感染率が高いようなので、予防注射はもちろんのこと、インフルエンザの流行には、空気の乾燥により鼻やのどなどの粘膜が弱ることが関係するとみられているため、うがいや手洗いなどの基本的な予防策が重要である。特にカテキンを多く含む「緑茶」でのうがいは抗菌作用の点で効果も高く、食生活から取り入れることができるので是非みなさんにも実行していただきたい。カテキンの作用は嘘ではなく、しっかりと研究により実証されおり、その効果の幅はもはや想像の範囲を超える。だまされた、と思って試した人にはいいことがあるかも☆

「ネットで安全は買えるのか」対面販売の重要性訴えフォーラム
2008/12/03 15:05-キャリアブレイン

[要訳&コメント]
薬害被害者団体や消費者団体などでつくる「緊急フォーラム実行委員会」が、東京都内で「なぜ薬は対面販売されるのか―ネットで安全は買えるのか」をテーマにフォーラムを開いた。
・「一般用医薬品では、副作用などの重要な事実が添付の文書に記されてはいるものの、簡単に、他の箇所と同じように記載されていることが多く、情報に『重み』がない。
・「薬局などで売られている医薬品は、パッケージを見れば、医薬品の情報を得ることができるが、ネットだと宣伝に都合のいい文句だけを書かれる可能性がある。」
・「わたしたちはただ、『ネット通販反対』と言っているわけではない。一般用医薬品販売の基準をどこに定めるか、ということが問題。長期間にわたる議論を経て、対面販売の原則を確立した今の段階では、きちんとその原則を貫くのが適切だろう、というのがわたしたちの主張だ」

今までも何度も取り上げてきているOTC医薬品のネット販売に関する話題だが、今回の記事は訴えている内容にも深みがあり、どこか人を引き付けるような、納得させるような意見が見られた気がする。確かにネット販売になれば、販売促進のための宣伝文句などが強調され、安全面での表示が陰になってしまう可能性も否定できない。ネット販売の継続には個人的に賛成だったが、この点がはっきりとされない限り、安全使用の面ではネット販売の継続は難しいかもしれない。ネット販売を禁止するにしても、継続するにしてもこの点は明確にしてほしい点である。

おまけ...ピンクリボン-乳がん
乳がん検診に前向きな女性が9割超
2008/12/04 13:55-キャリアブレイン

[要訳&コメント]
30-50歳代の女性の9割以上が、乳がん検診を「受けたい」と前向きにとらえていることが、意識調査の結果から分かった。一方、「検診を受けたことはないが、受けたい」と答えた339人に、今まで受診せずにきた理由を聞いた結果では、「診察中に行くことが困難だから」が17.1%(58人)で最多。以下、「マンモグラフィーは痛そうだから」16.8%(57人)、「自分が乳がんになると考えたことがなかったから」(11.7%)などが続いた。「どこで受診すればよいかわからないから」とする回答も11.7%(40人)あった。
参考:乳がん.jp

「余命1か月の花嫁」の影響で世間にも乳がんの認識が広まるようになったこともあり、イベントブースでは「乳がん検査」などの目がよく目につくようになった。気にしている女性が多いことは上記のアンケートからも明らかだが、「検診を受けたことはないが、受けたい」が45.3%(339人)を占めていることから、まだまだ検査の実施までにはいきついていないようだ。「余命1か月の花嫁」でも、早期発見・早期治療が助かるための一番の方法、と呼びかけていることもあり、認識を拡大させる次のステップとして検診の利便性が次の課題になると考えられる。それにしても、ここまで影響力をみせるTVの力には、本当に驚かされる。

おまけ...レセプトオンライン請求義務化
60歳以上開業医の約3割が「辞める」-オンライン請求義務化
2008/12/02 09:39-キャリアブレイン

[要訳&コメント]
2011年4月からレセプト(診療報酬請求書)のオンライン請求を義務化*する厚生労働省の方針に対し、60歳以上の開業医の約3割が「義務化されれば、開業医を辞める」と考えていることがわかった。「地域の患者の健康などを熟知したベテラン開業医が、オンライン請求義務化で廃院すれば、地域医療に深刻な影響を及ぼす。個々の医療機関の実情に応じた柔軟な対応が必要で、義務化は撤回すべき」と指摘している。

レセプトオンライン請求義務化に関しては、前々から取り上げているが、開業医に深刻な問題としてとらえられていることがわかる。ただでさえ医師不足で大きな問題を生んでいる状態で、しかも地方の開業医は、地域医療に欠かせない状態です。そんな医師が少なくともアンケートで答えた747人が廃業することになれば、地方の人はどのように医療の質を維持していくことができるだろうか。これは確かに無視できない結果のように感じた。
*レセプト(診療報酬)の請求については、
・手書きで紙レセプトを提出
・レセプト作成用コンピュータ(レセコン)で紙レセプトを作成・提出
・レセコンでデータ作成し、CD-Rやフロッピーディスクなどの記録メディアで提出
・レセコンで作成し、データ送信用パソコンからISDN回線やインターネット回線を用いてオンラインで電子的に請求
-の4つの方法がある。厚労省は、11年度以降原則、オンライン請求を義務化する予定だ。

2008/11/19

Saya's 薬学ニュース vol.11-糖尿病医療連携「継続的努力が必要」/レセプトオンライン請求の完全義務化、個別の判断は適当でない/HIV新規感染者が過去最多

最近栄養に興味が出てきたこともあり、NR(Nutritional Representative:栄養情報担当者)認定の資格について調べてみた。
2005年から開始されたもので、まだ多くの人が持っている資格ではない(約1,900名)。しかし、生活習慣病の罹患率が増加していることから、多くの人が"栄養"や"健康"に興味を持っているのは確かである。薬局でも、「最近TVで○○が△△に効くっていうのを観たんだけど…」という話を患者さんから耳にする薬剤師も多いのではないだろうか。ドラッグストア勤務の薬剤師に聞いたところ、"栄養"に関する質問は日常茶飯事であるとのこと。NRの資格勉強によって得た知識は、日々の勤務で有効に利用できるとの事だ。
どうやら、多くの会社で通信教育が可能のようであるし、これは一つ、挑戦してみる価値がありそうだ♪

薬剤師も、積極的に生活習慣病の予防や治療にあらゆる方面(薬だけでなく)から関わっていきたいものです。そんな風に思っている薬剤師も多いのでは?
興味のある人は以下のサイトへ☆
独立行政法人 国立健康・栄養研究所(http://www.nih.go.jp/eiken/index.html )

糖尿病医療連携「継続的努力が必要」
2008/11/11 14:55-キャリアブレイン

[要訳&コメント]
「東京都糖尿病医療連携講演会―地域での取り組み事例から学ぶ」で行われたディスカッションでは、今後、都内全域に拡大される糖尿病医療連携の課題について意見交換が行われた。以下、参加医師たちによる意見。
「数年ではうまくいかないと思う。少なくとも10年スパンで考える必要があり、継続的に努力する組織が必要」
「日常の予防や、早期発見などについてボトムアップする」
「合併症が進んできた患者に対し、さらに高度な医療を提供する」
「合併症が進んだ患者については、個別の対応になり、主治医と紹介先の医師との関係が大事になってくるので、普段から顔を合わせてしっかりと連携を取っていくことが必要になる」

この中で目にとまった意見がこれ。「糖尿病患者が多いので、医師だけではなく、コメディカルといかに力を合わせていくかが、医療連携を推進する一つのカギになるのではないか」
医師が、他の医療従事者達との連携により、糖尿病医療を克服していく考えを示したことはとても興味深い。さて、これに薬剤師が含まれているかどうかは定かではないが、含まれているとしたらそれはいったいどういった内容であろうか。
・薬のコンプライアンス?
・副作用の有無の確認?
そんなことは、他の疾患でも行っている内容である。では、糖尿病だからこそ協力し合える、薬剤師の役割とは?この答えを見出し、実行することが出来れば、"コメディカル"に参加する切符を得られるのではないだろうか。

レセプトオンライン請求の完全義務化、個別の判断は適当でない  厚労省答弁
2008/11/14 00:0-厚生政策情報センター

[要訳&コメント]
厚生労働省は、診療報酬のオンライン請求の完全義務化に関する質問に対する答弁書を公表した。H20年5月分の診療分について集計したところ、現在は以下のような状況だという。(社会保険診療報酬支払基金による集計結果)
〈オンライン請求を行った施設〉
医科病院:8708施設、医科診療所:7万5902施設、薬局:4万7060施設
〈オンラインでない方法で請求を行った施設〉
医科病院:123施設、医科診療所:1万2726施設、薬局:4558施設
また、アンケートを行ったところ、「実際にオンライン請求を行っている保険医療機関等の約6割が職員の業務負荷の軽減につながり、3割が病院経営の改善につながった」と回答していることから、個別の判断にゆだねず、すべての保険医療機関等がオンライン請求の対象とするよう答弁した。

オンライン請求への移行により、医療事務職員の業務負荷が軽減することに関しては、実際目にしていることから納得できる。このアンケート調査で、逆にオンライン請求による不都合点なども指摘されているはずであり、その点に関して、にオンライン請求義務化にする前に解決していただきたいものである。

HIV新規感染者が過去最多 感染・患者累計、初めて1万5000人超す
2008.11.19 18:38-産経新聞

[要訳&コメント]
今年7月~9月に新たに報告された国内のエイズウイルス(HIV)感染者数は294人で、4半期ベースで過去最多を更新したと発表した。今期で、昭和60年の報告開始以降、初めて感染者・患者数が1万5000人(薬害患者除く)を突破した。 新規のエイズ患者数は119人で、過去2番目に多かった。
そのうち、男性は282人(96%)と大半を占める。感染経路別では同性間性的接触が211人と最多で、ほとんどが男性だった。次いで異性間性的接触が54人となった。年齢別では30代が116人と最も多く、20代が83人と続いたが、40代以上の増加が目立った。

アメリカでも、エイズの感染は同性愛者によるものが多く、差別を受けてきた形になっているが、日本でもこれほどの割合で男性が多いのは個人的にも驚いた。ほとんどが異性間性的接触によるものと勘違いしていた私は、ある意味ショックな記事であった。だからといって(個人的に同性愛者を自然と受け入れている私にとっては)同性愛者を差別する気は全くないが、エイズ感染により互いに辛い未来を歩むことになるよりは、しっかりと検査を受けた上で愛を育んでほしい、と思わずにはいられない。

おまけ…エイズ(AIDS)
性やHIV、喫煙や薬物乱用 専門医の言葉に説得力 健康教育充実へ学校と連携
2008.9.24 07:47-産経新聞

[要訳&コメント]
性の問題や心の悩み、喫煙や薬物乱用など子供たちのさまざまな健康問題に対応しようと、専門医が学校に出向いて児童生徒向けの講演や教職員対象の研修を行うなど、学校と専門医が連携して健康教育を充実させる取り組みが進んでいる。以下の内容を始めて聞く学生たちは多いという。
・先進国では減少している新規患者数が、日本だけは増加が続いていること。
・かつては必ず死に至る病とされたが、複数の薬を組み合わせて使う多剤併用療法の開発によって、病気の進行が食い止められるようになり、いまでは慢性疾患の1つになったこと。
・とはいえ、薬をずっと飲み続けなければならず、1人の生涯治療費は約1億円かかること…。
・HIVの感染経路は性行為、輸血などの血液媒介、母子感染の3通りであり、握手をしたり、一緒にご飯を食べたり、蚊に刺されたり、咳(せき)やくしゃみなどでは感染しないこと。
・クラミジアなどの性感染症に感染しているとHIVに感染しやすくなること。

日本でのエイズ感染に関しては、"無知"による感染拡大が大きな要因と考えている。しかし、これらの内容を、若い世代(10代、20代)が知っているだけでも、今後自分の身の守り方、性行為に対する考え方なども少しずつ変わってくるのではないだろうか。単純なことであるが、今までなされなかったことにより、今の現状がある。気づいたとき対策を講じれば、まだ遅くはない。このような動きが全国で起こることを願って…

2008/11/08

Saya's 薬学ニュース vol.5-叱るより真因を追究、対策べからず集/NTTデータとNECがレセプト請求のオンライン化事業で協業、中小病院攻略へ/レセプトオンライン請求サービスを発売―ユーセン

今日は最近興味のある栄養分野で、ある成分について調べてみました。
それは「トランス・ファット」。カナダのスーパーでもたまに見かける表記。普通のファット(脂肪)と何が違うのでしょうか?「トランス・ファット」=「プラスチック食品」「狂った油」と呼ばれる所以は??
増刊号で載せてるので気になる方はそちらへ♪

さて、今日もとんでもないニュースが紹介されていましたね。酔っ払って無意識のまま母親を殺害する事件。無意識でも母親を殺せるものなのでしょうか?何か言い争ったりと云う事があったのかもしれませんが、無意識のしでかすことは怖いですね。本人も覚えていないので逮捕までに2か月かかったようですが、状況を把握できる今、本人はどんなことを思っているのでしょうか。悲しみ?後悔?それとも…
孝敏容疑者の言葉「状況からすると自分がやったんでしょう。でも、酔っていて記憶がありません」

叱るより真因を追究、対策べからず集
2008/10/01-ITpro
うっかりミスは、どうすればなくせるのか。IT業界の関係者にとどまらず、ヒューマンエラーの発生メカニズムを研究する元パイロットや心理学者、「失敗学」に詳しい大学教授などにも話を聞いた...

[要訳&コメント]
専門家がこぞって強調するのは、「人間はミスをするという事実を認めるのが対策の第一歩」ということだ。「気合を入れて臨めばミスは起こらない」と考えるのはご法度である。普段ミスをなくすために良かれと思ってしていることを改めることで、本来の意味でミスを減らしていこうという考え。
①× 作業ミスで片付ける○ ミスを招く真因を追究
②× ミスをしかる、罰する○ ミスしない人をほめる
③× 恥ずかしいから隠す○ 積極的に全社公開
④× ルールで縛る○ 絶対守れる最小限に抑える
⑤× 「チェック強化」で終わり○ 仕組みを見直す
⑥× 運用は単純作業と考える○ 臨機応変に動くのは高度な力が
⑦× 経営・品質部門が牽引○ 全員参加型の活動を

小さなミスによる大きな被害(医療過誤・医療事故)に関しては、医療においても言えることであり、医療現場においても上記の内容が当てはまると感じました。ミスが起きて最終的に被害を被るのは患者さんであり、その被害も最悪の死を招きかねない非常に事態に陥る可能性があります。今一度ミスを起こした際の対応について考え直し、対応を改めて行く必要があるように感じた記事でした。

NTTデータとNECがレセプト請求のオンライン化事業で協業、中小病院攻略へ
2008/10/27-ITpro
NECの山口琢也 医療ソリューション事業部長は「3年間で60億円の売り上げ、暗号化技術を使ったインターネット通信サービス市場で30%のシェア1位を目指す」と語る(写真1)。NTTデータの富田茂 医療福祉事業部長は「USBメモリーを使ってVPN環境を構築する同種のサービスは ...

[要訳&コメント]
NECとNTTが組んで、中小病院をターゲットに電子レセプトのコンピュータシステムの導入を行うことを考えている。08年度からレセプトのオンライン請求が段階的に義務づけられてきていることもあり、関係者は「3年間で60億円の売り上げ、暗号化技術を使ったインターネット通信サービス市場で30%のシェア1位を目指す」と語る。また、将来は電子カルテのデータを連携させた地域医療連携などに応用できる」と説明している。

まずレセプトとは、診療報酬明細書といわれ、医療費を計算するための薬、処置、検査などが書いてあるものです。薬局では調剤報酬明細書を作成しています。
薬局では主に医療事務が担当するレセプト業務に関する記事ですが、学生時代調剤報酬の資格勉強をしている際に、手書きで調剤報酬を計算するのがいかに大変かを経験したこともあり、他人事ではないように思えました。レセプト業務を電子処理化することで、医療事務の負担はかなり軽減でき、さらに人的な記載ミスもなくなり作業もスムーズになると考えられます。
小さな病院や薬局では、システムも導入など費用の関係もあり、なかなか踏み切るのが大変な部分ではありますが、低金額からのレンタルもあり導入後も訪問によるサービスがあるなど、全国に営業所がある大企業ならではの安心がプラスされることで、お互いにとってWin Winの状態に持って行けることが理想ですね。
光インターネットの導入でも知られるNTTですが、短期間に利用者の量が急激に増えたこともあり"電話をしてもなかなか通じない"、"初期設定の工事まで時間がかかる"などの事態が発生していたことも事実であり、これと同じ状態が起きる可能性も予想されます。その点の対応をきちんと改善した上で、"訪問サービス"などの文句ををうたって頂きたいものです。

レセプトオンライン請求サービスを発売―ユーセン
2008/11/05 20:11-キャリアブレイン

[要訳&コメント]
ブロードバンド・通信事業や業務用システム事業などを行うユーセン(本社・東京都港区)は、医療機関向けのレセプトオンライン請求サービスを発売する。
 サービスの名称は「GyaO SA(ショッパーズ・アクセス)レセプトオンラインサービス」。サービスについて、同社では、「利用者と環境を限定するため安全だ」「パソコン操作が簡単で、不慣れな人でも利用しやすい」と他社との違いをうたっている。

レセプトオンライン請求義務化への動きに合わせてNEC×NTT と ユーセンによるサービス競争が始まりそうであるが、果たしてどちらに…というのが重要なのではなく、重要なの中身である。ユーセンの「パソコン操作が簡単で、不慣れな人でも利用しやすい」というという文句は、コンピュータのスペシャリストでない医療機関で働く者にとってありがたいものなのではないだろうか。難しくては操作に時間がかかったり、ミスが発生する可能性もある。また、現場のニーズに合わせたシステムや手順になっており、現場の状況により変更を加えやすかったり、ミスを見つけやすかったりというプログラミングも必要になってくる。この部分は、いかに現場を知っているか、がキーになってくるのではないだろうか。