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2011/09/13

vol.120

<Today's news>
1. 福祉分野は「経済成長につながる」- 小宮山厚労相
2. 次期改定で「薬剤師の病棟配置」の評価を- 日病薬が要望書
3. “介護職員の医行為”検討した日医・三上氏- 「たん吸引、医行為から外して実施すべき」
4. 高血圧診断の指標にすべきは24時間自由行動下血圧
5. 医薬品ネット販売で改正省令を施行- 第2類移行後も継続使用者にはネット販売可
6. 医療・福祉業界の7月分給与は32万7426円 厚労省・毎月勤労統計調査
おまけ.  人材不足に資金難、入院再開なお見通せず- 震災半年・福島(1)
おまけ. 仮設住宅での「健康カフェ」~お茶っこ健康相談~

福祉分野は「経済成長につながる」- 小宮山厚労相
 2011年09月12日 19:01 キャリアブレイン ※会員登録が必要です
[要訳]
小宮山洋子厚生労働相は、福祉分野について「介護の処遇を含め、これからしっかり処遇すれば、そこで雇用が生まれて(経済)成長につながる」との考えを示した。「削れるところは効率化するとか、(国民に)ご負担していただくところは負担していただくとか、痛みの伴うこともしっかり説明して実行していかないと、どんどん膨れる一方だと思う」と指摘した。
*comment*
この処遇をどのようにするかが今後の課題なのでは?


次期改定で「薬剤師の病棟配置」の評価を- 日病薬が要望書
 2011年09月09日 14:41 キャリアブレイン ※会員登録が必要です

[要訳]
「薬剤師の病棟配置に関する評価」をめぐっては、「現状では病棟で勤務する薬剤師が少なく、評価が難しい」ことを理由に見送られた。日病薬は、薬剤師の病棟配置の実態などについて調査した結果、薬剤師の病院配置(病床当たり人数)が多いほど病棟業務時間が長くなり、これが増えるほど、診療報酬上では評価されていない病棟業務(薬剤管理指導業務以外の薬剤業務)にも積極的に取り組む施設割合が増加することが明らかになったと指摘。その上で、次期改定で「薬剤師の病棟勤務により、医療の安全と質のさらなる向上に努める医療機関の体制を『入院基本料の加算』として評価するよう強く要望する」とした。
また、「後発医薬品使用体制加算の算定要件の緩和」にいて、「医薬品の採用品目数の多い施設で、後発品の使用を推進するためのインセンティブになっていない傾向にある」と指摘。算定要件を「採用品目の割合」から「使用数量の割合(すべての医薬品の使用数量に占める後発品の使用数量の割合)」に変更するよう要望した。

*comment*
病棟活動が患者にとってのメリットになり、金銭的な利益をうむようになれば、病院としても薬剤師の価値を評価するようになる。ただし、利益を生むようになるまでには、誰かの無償の努力が強いられる。今はその時期なのかもしれない。誰かの努力が無駄にならないよう、連盟などはうったえ続けてほしい。


“介護職員の医行為”検討した日医・三上氏- 「たん吸引、医行為から外して実施すべき」
2011年09月10日 10:00 キャリアブレイン ※会員登録が必要です

[要訳]
6月に成立した「改正社会福祉士及び介護福祉士法」により、来年度から、一定の研修を受けた介護福祉士やホームヘルパーなどの介護職員にたん吸引などの医行為を認める新たな制度が始まる。
現在医行為とされているもので、リスクの少ない医行為について介護職員に認めるならば、まずは医行為から外すべきです。医行為を行う場合、介護職員には50時間の講義を含む基本研修と、実地研修が義務付けられます。しかし、リスクの高い鼻腔内や気管カニューレ内部のたん吸引に関しては、その程度の研修で認めるべきではありません。
医行為をばらばらにして、1つずつ片付けていくような考え方は全くおかしいです。本来は医学を体系的に学び、全身のことを理解してさまざまな判断を下すための知識が必要です。そうすることで高齢者の安全が守られるのです。
今回できる制度の下で事故が起これば、制度を修正することが必要だと考えています。


高血圧診断の指標にすべきは24時間自由行動下血圧
2011. 9. 12 日経MD ※日経メディカル閲覧には会員登録が必要です

[要訳]
高血圧の診断は長らく、複数回測定した外来血圧値を指標に行われてきた。だが、家庭で測定された血圧や、24時間自由行動下血圧測定(Ambulatory blood-pressure monitoring;ABPM)の値の方が、心血管リスクとの相関が強いことが示されている。
外来で1回測定した血圧が高かった広範な年齢の男女の高血圧診断において、ABPMは、誤診を減らし、QALYsを延長し、生涯コストを抑えることが明らかになった。

*comment*
A&D Medicalによると、睡眠時に血圧が下降しない場合や起床後急激に血圧が上昇するケースなど、様々な疾患との相関性が高いという。睡眠中などは自分で測ることはできないため、こういった理由からも、家庭で測定した結果よりも24時間自由行動下血圧測定のほうが有効であるといえるのであろう。診療報酬点数の適用(※1)もあるため、これらを利用して始めるきっかけにはなるかもしれない。
ただし、24時間血圧計を付けていなければならないというのは患者にとっても負担が大きいという欠点もある。

※1【D225-3 24時間自由行動下血圧測定】
24時間自由行動下血圧測定は、日本循環器学会、日本心臓病学会及び日本高血圧学会の承認を得た「24時間血圧計の使用(ABPM)基準」に関するガイドライン」に沿って行われた場合に、1月に1回に限り算定する。 厚生労働省 2008年3月5日発表
参考:A&D Medical HP:http://www.aandd.co.jp/adhome/products/me/ambulatory/index.html
 
 
医薬品ネット販売で改正省令を施行- 第2類移行後も継続使用者にはネット販売可
2011年09月09日 18:47 キャリアブレイン

[要訳]
09年6月に施行された「薬事法施行規則等の一部を改正する省令」では、副作用のリスクが最も低い第3類を除き、一般用医薬品のネット販売などを禁止。一般用医薬品のリスク区分の見直しで、第3類から第2類に移行する「リスク区分変更医薬品」について、2013年5月31日までに限り、継続使用者へのインターネット販売などを認める改正省令を公布、即日施行された。

医療・福祉業界の7月分給与は32万7426円 厚労省・毎月勤労統計調査
2011/09/12(月) ケアネット.com ※ケアネット.com閲覧には会員登録が必要です

[要訳]
7月分の毎月勤労統計調査の結果速報によると、医療・福祉業界の1人当たり現金給与総額は前年同月比1.9%減の32万7426円だった。全産業平均は0.1%減の36万7738円。医療・福祉業界の現金給与総額の内訳は、所定内給与が23万5497円(同0.3%増)、所定外給与が1万3751円(同2.4%減)で、特別に支払われた給与が7万8178円(同8.3%減)。

人材不足に資金難、入院再開なお見通せず- 震災半年・福島(1)
2011年09月11日 09:00 キャリアブレイン ※会員登録が必要です

[要訳]
常勤医の数は、従来の10人から3人にまで減った。 「常勤医3人では宿直に対応できない。入院診療の再開は無理だ」とのこと。本来なら新卒看護師を4月に迎え、診療報酬がより高くなる「10対1」の看護配置を敷くはずだったが、それも不可能に。渡辺病院では、月に2億円あった売り上げが事故後は2000万円程度に落ち込んだ。10月からは、スタッフの給与3割カットに切り込むほかない。

*comment*
福島の医療従事者人材不足に資金難はしばらく続きそうであり、回復の見込みも見えない問題となりそうである。


仮設住宅での「健康カフェ」~お茶っこ健康相談~
2011. 9. 13 日経MD ※会員登録が必要です
[要訳]
健康相談が主な目的ではありますが、仮設住宅の中に引きこもりがちな人たちも引っ張り出す仕掛けとして「お茶っこ」、つまりお茶やハーブティーなどが無料で飲めるイベントにしよう、ということになりました。「お茶っこ」というのは、近所の方々と漬け物や煎餅でお茶を飲みながらおしゃべりを楽しむという東北地方の文化だそうです。
慢性疾患を抱える高齢者の方には、血圧を測りながら、どのようなことに不安を感じているかといったお話を伺いました。ほとんどの方は通院されていてお薬も内服されていましたが、やはり通院は不便であること、以前のように近くに医療機関がないことの不安などを語られました。医師、看護師、薬剤師、臨床心理士などの6人が参加しました。さらに法律相談もできるよう司法書士さんもお呼びしました。

*comment*
ボランティア活動の一つを紹介しました。このような一つ一つの活動が、東北の皆さんの心を少しずつ癒しているのかもしれませんね。

2011/09/08

vol.114

<Today's news>
1. 認知症が「新薬が必要と思う疾患」のトップ- 一般生活者意識調査
2. 認知症患者の退院の「目標値」概ね了承- 厚労省検討チーム
3. 日本新薬、ネット書き込みで調査結果を公表
4. 後発品のブランド名に見直し求める声も- ヒヤリ・ハット防止策で
5. 消費税10%で福祉充実 被災地で包括ケア先取り


認知症が「新薬が必要と思う疾患」のトップ- 一般生活者意識調査
2011年09月06日 19:02 キャリアブレイン ※会員登録が必要です

[要訳]
米国研究製薬工業協会(PhRMA)が7月にインターネットを通じて全国の35歳以上の男女3267人を対象に実施した意識調査で明らかになった。認知症(48%)に続いて多かったのは、インフルエンザ(36%)、胃がん(36%)、大腸がん(35%)、子宮頸がん(35%)、肺がん(34%)、糖尿病(34%)などだった。    

*comment*
人々が年を取った時に最も恐れているのは、病気で死ぬことよりも認知症になって周りに迷惑をかけることなのだろうか。


認知症患者の退院の「目標値」概ね了承- 厚労省検討チーム
2011年09月05日 23:29 キャリアブレイン ※会員登録が必要です

[要訳]
 
認知症患者への入院を前提とした精神科医療から、地域での生活を支えるための精神科医療にするために厚労省が提案した退院に関する「目標値」を概ね了承した。
同じ月に入院した患者の50%が退院するまでに約半年かかっていることから、これを「1か月後」から「5か月後」までの期間で退院するように短縮するとしていた。
当面は現状の半年間よりも短くすることを目標としつつ、最終的な目標値として2か月とすることを提案した。

*comment*
最近痴呆に関する記事を多く見かける。入院期間を短くする理由として、長すぎると退院後の家族や地域の受け入れが困難になるとの見方もあるようだ。しかし、退院期間を短くすることで、万全でない患者が家族および地域に受け入れられず衰退してしまうケースも考えられるので、同時に受け皿となる地域の環境などを整備していかなければならない。


介護職医行為、「安易な範囲拡大防ぐべき」- 介護福祉学会の井上学会長
 2011年09月05日 12:12 キャリアブレイン ※会員登録が必要です

[要訳]
来年度から一定の研修を受けた介護職員に認める医行為について、「とめどなく広げられるのではないか懸念している。安易に拡大することは防がねばならない」と述べた。
介護の本質は生活を支えることだと指摘した上で、「たん吸引などの行為そのものに振り回されてはいけない」と注意を促した。さらに、「生活支援をする上で、たんが出ないように環境を良くするにはどうすればいいか考えていく必要がある」と述べ、それにより介護職の専門性が発揮されると訴えた。

*comment*
「介護の本質は生活を支えることであり、医療行為を積極的に行うことではない。」というのが介護職の考え方、では薬剤師の本質は??他との差別化はなんなのだろうか。再度考えさせられた記事である。


日本新薬、ネット書き込みで調査結果を公表
2011年09月05日 23:09 キャリアブレイン

[要訳]
男性社員が宴席で睡眠導入剤を酒に入れて、ほかの男性社員2人に飲ませた事実を認めた上で、「業務外の場面とはいえ、医薬品を使って不適切かつ不謹慎な行為を行ったことを、衷心より深くお詫び申し上げる」とした。
この問題をめぐっては、同社の女性社員が簡易ブログ「Twitter」に書き込み、インターネット上で物議を醸していた。Twitterに書き込んだ女性社員は旅行に参加していたが、「帰りの車中で(宴席に参加していた)男性社員が話していた内容を聞いて書き込んだもので、本人が直接、目撃・体験したものではない」とした。
関連記事:日本新薬 社員がハルシオン後発品を不適正使用 私的な宴席で 不正入手は否定(2011/09/06 05:02 ミクスOnline)

*comment*
Twitterへの安易の書き込みから明るみになった事件。Twitterを使用している人の中には、友人などの仲間内で使っているというイメージを持っている人も少なくないだろう。しかし、Twitterのユーザーは全国、全世界へ広がり、今や誰もがアクセスできる状況であることを忘れてはいけない。


後発品のブランド名に見直し求める声も- ヒヤリ・ハット防止策で
2011年08月31日 19:00 キャリアブレイン

[要訳]
現在独自の製品名(ブランド名)が付いている後発品の名称を、「一般名・剤型・含量・会社名(屋号)」の形式に改めることで、名称の類似した医薬品の取り違えを防止すべき、などの意見が出された。
「医薬品ヒヤリ・ハット事例」のうち、降圧剤ノルバスク(5mg)1錠を処方しようとした医師が、抗がん剤ノルバデックス(20mg)1錠をノルバスクの後発品だと思い込んで処方した事例を「製造販売業者等による対策が必要または可能」と判断した。

*comment*
ノルバデックスに慣れていない新入社員の中には、同じような経験をしたことのある人もいるかもしれない。索引などを利用してただ単にノルバスクとノルバデックスを取り間違えるケースも少なくない。後発医薬品のみでも名称を統一してもらえれば、このリスクはかなり軽減されるのではないだろうか。個人的に大いに賛成である。尚、すでに海外(カナダ)では上記の内容で統一されているので、取り間違いのリスクも少なかった。


消費税10%で福祉充実 被災地で包括ケア先取り
2011年9月6日 提供:共同通信社  m3.com ※m3.com閲覧には会員登録が必要です

[一部抜粋]
-社会保障と税の一体改革をどう進めるか。
 「来年の通常国会への法案提出に向けてスピード感を持って取り組む。高齢者だけでなく現役世代にも納得してもらえるよう、子育て支援にも力を入れる。2010年代半ばに消費税率を10%まで引き上げ、財源を確保する。福祉が充実するなら、ある程度の負担は構わないと言う人は多い」
-東日本大震災への対応は。
 「被災者生活支援や原発事故の対応、雇用確保を急ぎたい。11年度3次補正予算では元に戻すだけの復旧でなく、地域包括ケアの先取りなど、超少子高齢社会に向けてのモデル事業を被災3県で形作りたい。食の安全の問題ではしっかりした基準をつくり、安全を確保しながら、現実の中で対応できるような制度にしたい」

*comment*
消費税10%に増税することで達成できるのは、他の分野を充実させることではなく負債を解消することだけで手一杯なのでは?増税するための建前としての発言なのか、負債を拡大させてでも政策を優先さえるつもりなのか、本当にどうしたいのかがあまりよく見えてこない。


2011/08/31

vol.109

<Today's news>
1. ジェネリック(1)効き目は同等 安価な薬
2. 腰痛にストレスが関与 再発、慢性化の要因に 日常活動維持が大切  「医療新世紀」
3. 人体実験で83人が死亡 グアテマラで米科学者ら
4. 5歳以下へのビタミンA補給、死亡率・罹病率・視覚異常を大幅に抑制
5. 喫煙者への禁煙介入、周術期イベントの発生を抑制、米国調査
おまけ介護、嫁から娘へ 子育て中も兄弟頼れず 先のこと「考えたくない」 「ウーマン・アイ」


ジェネリック(1)効き目は同等 安価な薬
2011年8月30日 提供:読売新聞

[要訳]
日本国内で出荷された医療用医薬品に占めるジェネリックの割合(数量)は徐々に増えているものの2割程度で、7割の米国など、かなり浸透している国と比べるとまだまだ低い。「普及がなかなか進まない背景には『ジェネリックは何となく嫌』との根拠のない拒否感が根強い。経済性の高さを始めとしたジェネリックの利点をもっと社会に広める必要がある」と話す。

*comment*
何年も前から同じような議論が繰り返しなされていて、特にあまり進んでいないように感じるのは私だけだろうか。薬に関しては、「安い」だけでは一定の獲得にはつながるがそれ以上の効果は見られない。先発品を好むという国民性ももちろんあり、安全と信用が確保できなければ進まない。海外では「ジェネリックを選ばなくてはならない」法律の存在が手動で行っている部分が大きいように感じる。


腰痛にストレスが関与 再発、慢性化の要因に 日常活動維持が大切  「医療新世紀」
2011年8月30日 提供:共同通信社 m3.com  ※m3.com閲覧には会員登録が必要です

[要訳]
腰痛で病院を受診する人のうち、診察や画像検査で原因が特定できるのは15%で、残り85%は原因が特定しきれない「非特異的腰痛」に分類される。このタイプの腰痛の多くは放っておいても痛みは消える。しかし、心理的な問題から腰を動かさずにいると筋肉が硬直、気がめいってうつ傾向が強まり、さらに体を動かさなくなる「痛みの悪循環」に陥ることがある。

*comment*
この記事では、実際にストレスが腰痛に影響を与えていた人の例の紹介もされている。原因もわからず腰痛にお悩みの方は、日々のストレスを見直すきっかけにされてみては??


人体実験で83人が死亡 グアテマラで米科学者ら
2011年8月30日 提供:共同通信社 m3.com ※m3.com閲覧には会員登録が必要です

[要訳]
米国の科学者が1940年代、薬の効果を確かめる目的で中米グアテマラの刑務所や精神科病院で故意に性病に感染させる人体実験を行っていた問題で、オバマ大統領直轄の調査委員会は29日、実験対象となった83人が死亡したと明らかにした。

*comment*
当時ペニシリンなどの抗生物質の効果判定のために行ったとのことだが、そんなに昔の話ではない。医学の発展のために尊い命がこのように失われていたとは。医療者としての責任感を改めて感じる記事である。


5歳以下へのビタミンA補給、死亡率・罹病率・視覚異常を大幅に抑制
2011年08月30日 ソース:BMJ(論文一覧) m3.com ※m3.com閲覧には会員登録が必要です

[要訳]
無作為化比較試験43件の6カ月から5歳の小児19万4483人を対象に、ビタミンAと死亡率および罹病率減少との関係をシステマティックレビューとメタアナリシスで調査。ビタミンA補給により試験17件で全死因死亡率24%低下、7件で下痢による死亡率28%低下が見られた。ビタミンA補給と視覚異常の減少との関連も確認された。
原文:原文(BMJ)を読む

*comment*
ビタミンAが小児に有効であることは前々から知られているが、過剰摂取は逆に小児にとって良くないため、用量の厳守が重要になりそうである。


喫煙者への禁煙介入、周術期イベントの発生を抑制、米国調査
2011年08月30日 ソース:BMJ(論文一覧) m3.com ※m3.com閲覧には会員登録が必要です

[要訳]
2002-08年に待期的手術を受けた39万3794人を対象に、禁煙が手術転帰に及ぼす影響を後ろ向きコホート研究で検討。非喫煙者や過去の喫煙者に比べ、現在の喫煙者は術後の肺炎、手術部位感染、死亡リスクが有意に高く、年20箱以上の喫煙で手術合併症が有意に増加した。禁煙介入により周術期イベントが抑制される可能性が示唆された。


介護、嫁から娘へ 子育て中も兄弟頼れず 先のこと「考えたくない」 「ウーマン・アイ」
2011年8月30日 提供:共同通信社 m3.com ※m3.com閲覧には会員登録が必要です

[要訳]
2000年の介護保険制度開始から10年以上が過ぎた。介護から「逃げられない」存在としてクローズアップされてきたのが、高齢の親を持つ娘たちだ。
病院の付き添いや食事、夜中のトイレ介助に追われ、眠れない日が続くと仕事にしわ寄せが来た。遅刻、早退、休みが増え、ついに「派遣切り」に。新たな仕事も、病院やヘルパーからの電話でたびたび中断され、いたたまれなくなって辞めた。体調も悪くなり「うつ状態」になった。
介護はいつまで続くか分からない。今は両親の年金で生活しているが、どちらかが亡くなれば生活費は足りない。そのとき仕事はあるだろうか。結婚は...。つらくなるから、先のことは考えないようにしている。

*comment*
介護うつになる人は年々増えている。介護保険ができて多少の補助にはなっても、周りの意識はいまだに変わっていない。特に経験していない若い世代の理解は得にくいのが現状だろう。自分たちの時に何ができるか、どのような準備ができるか。若い世代に少しでも生きやすい介護保険を作り上げていく必要がありそうである。

2011/08/28

vol.105

<Today's news>
1. 調剤ミスの疑い、女性死亡 薬剤師2人を書類送検
2. 【ピジョン】妊娠期の便秘に向けた飲料でトクホ参入-オリゴ糖が腸内環境を改善
3. 【日本ジェネリック医薬品学会】公知申請で要望書-先発ヒント同一時期に
4. [社会保障] 難治性の長期治療に備え、40%が民間の医療・介護保険に加入
5. C型慢性肝炎の新薬承認へ
6. (富山)県が医薬品卸支店に業務停止処分

調剤ミスの疑い、女性死亡 薬剤師2人を書類送検
2011年8月19日 提供:共同通信社 (MSN産経ニュース)
[要訳]
男性薬剤師が昨年3月25日、胃酸中和剤を調剤しなければいけなかったのに、別の薬剤を調剤し、女性管理薬剤師は4月1日、調剤ミスの報告を受けたのに服用中止の指示や薬剤の回収をせず、7日に女性を死亡させた疑いで薬局経営者の男性薬剤師(76)と、女性管理薬剤師(65)をそれぞれ書類送検した。
関連記事:
調剤ミスで75歳死亡、薬剤師2人を書類送検(2011年8月19日 読売新聞)
調剤ミス:2薬剤師、書類送検 患者らに不安「信用していたのに」 /埼玉(毎日新聞 2011年8月20日 地方版)
*comment*
友人薬剤師が教えてくれた記事。調剤ミスの報告があったにもかかわらず薬剤回収をせずに死亡させた。。。報告の時点で止めていれば救われた命かもしれないのに。。。
怒られることを恐れて報告をしない、というケースはおそらく他の薬剤師の中にも経験があるのかもしれない。筆者が以前務めていた薬局の長も調剤過誤に関してはひどく叱る傾向にあり、それを恐れた部下たちは本部への調剤ミスの報告を怠っていた。今回の事件と同じ事が起きても不思議ではない現状である。
過誤が起きた時に部下を叱りつけるだけでなく、どのように改善していったら過誤が起きにくくなるのかを一緒に考えられるような環境作りが薬局には求められるのではないだろうか。


【ピジョン】妊娠期の便秘に向けた飲料でトクホ参入-オリゴ糖が腸内環境を改善
2011年8月26日 (金) 薬事日報

[要訳]
育児用品・マタニティ用品のピジョンは、妊娠期特有の便通の悩みにも最適な、水感覚の飲料「お願いオリゴ」(特定保健用食品)を新発売した。高純度タイプの乳果オリゴ糖がビフィズス菌を増やして、腸内の環境を改善し、お通じを良好にする。
一般女性に比べて、妊婦が便通に悩みやすい理由としては、
▽妊娠により黄体ホルモン(プロゲステロン)の分泌が増えることで、大腸の運動が鈍くなり、体内に滞留した便から水分が吸収され、硬い便になりやすい
▽子宮が徐々に大きくなって腸を圧迫し、腸の動きが低下する
‐‐などが挙げられている。また、つわり期の食事量の減少や、運動不足も要因になっている。
税込み希望小売価格は500mLペットボトルが189円、2Lペットボトルが630円。

*comment*
妊婦の便秘薬では酸化マグネシウムなどのマイルドな成分などしか使用できないため、このようにあ便秘になりにくい環境を作ることができるのは、セルフメディケーションの観点からも有効であると考えられる。とりすぎも良くないので、一日の用量を守って!

【日本ジェネリック医薬品学会】公知申請で要望書-先発ヒント同一時期に
 2011年8月26日 (金) 薬事日報
[要訳]
医療関係者がGE薬を使いづらい理由の一つとして、「先発品とGE薬の適応症、用法・用量の不一致がある」と指摘した上で、「公知申請は、ある一つの銘柄について行われるのでなく、特許の切れた同じ成分を主成分とするGE薬においても同じ時期に実施し、同一タイミングで新規の効能・効果等を追加すべきである」との見解を表明。

*comment*
確かに、先発品とGE薬の適応症や用法・用量の不一致が現場の薬剤師を混乱させているのは確かである。患者さんはこんなことが起きていることなど知りもしないだろうが。。。果たして厚労省の返答は?


[社会保障] 難治性の長期治療に備え、40%が民間の医療・介護保険に加入
2011年8月26日 提供:WIC REPORT(厚生政策情報センター)

[要訳]
主な調査事項は、民間の医療保険や介護保険加入状況、および加入理由、重要と考える社会保障の分野、社会保障の給付と負担のあり方など。、民間の医療保険や介護保険へは61.3%の者が加入していた。30歳代から50歳代では70%を超えていることがわかった。
加入理由では、「公的医療保険や公的介護保険の自己負担分を補うため」が45.3%と最も多く、次に「治りにくい病気にかかり治療が長期化することに備えて」が40.0%となっている。
関連記事:【厚労省調査】6割が民間保険に加入‐自己負担分を補填 (2011年8月31日 (水) 薬事日報)

*comment*
国民皆保険制度という制度がありながらも、民間保険の需要が高くなっている要因としては、公的保険への不信感もあるのではないだろうか。老後国から十分な補助が得られないことへの不安がこのような保険への加入につながっているようにも感じる。


C型慢性肝炎の新薬承認へ
2011年8月26日 提供:共同通信社  m3.com ※m3.com閲覧には会員登録が必要です
[要訳]
厚生労働省薬事・食品衛生審議会の部会は25日、C型慢性肝炎の新しい治療薬「テラビック」(一般名テラプレビル、田辺三菱製薬)の製造販売を承認してよいとする意見をまとめた。
経口投与の抗ウイルス薬で、C型慢性肝炎ウイルスの複製に関係する酵素を阻害し、ウイルスの増殖を抑える。現在標準的に行われているペグインターフェロンと抗ウイルス薬リバビリンの併用治療が効かない患者にも、効果を期待できるという。

*comment*
C型肝炎治療にお困りの方には朗報か?!副作用などの詳しい情報が必要である。

(富山)県が医薬品卸支店に業務停止処分
2011年8月26日 提供:読売新聞
[要訳]
医師の処方せんを必要とする医薬品を、支店社員5人が不正に購入・販売していた。5人は2006年から5年以上にわたり、向精神薬や糖尿病薬、勃起(ぼっき)不全治療薬、脱毛症薬など計797箱(約240万円相当)を購入、または知人など24人に販売した。

*comment*
やっと卸に対する信用が回復してきたという時にこのニュース、残念である。人間である以上このようなことは今後も起こりうるので、不正ができないようなシステムづくりの徹底が必要である。

2011/08/26

vol.103

<Today's news>
1. 7社が適応追加で公知申請 適応外薬の解消の一環
2. 全A型インフルに作用の抗体発見 予防薬開発に期待
3. アリセプトが国内売り上げトップ- 今年4-6月
4. HbA1cの国際標準化、2012年4月をめどに完全移行
おまけ.   “眠れる”中国の巨大介護マーケット- 介護企業の海外展開(上)

7社が適応追加で公知申請 適応外薬の解消の一環
2011/08/25 05:00 ミクスonline

[要訳]
 追加する適応は、医療現場から強い求めがあり、同省検討会議も医療上必要性が高く、医学薬学上も公知であると判断したもの。
公知申請は、追加する適応に対する当該医薬品による治療が広く行われ、実績があると判断されていることから、新たに治験することなく申請できる。
▽サワシリン細粒ほか(アモキシシリン水和物、アステラス製薬)、パセトシン細粒ほか(同、協和発酵キリン):追加適応「小児における最大投与量の引き上げ」。「1日量として最大90mg(力価)/kgを超えないこと」を追記する。
▽ラステットSカプセル(エトポシド、日本化薬)、ベプシドカプセル(同、ブリストル・マイヤーズ):「がん化学療法後に増悪した卵巣がん」 等

*comment*
日本における抗生物質などの用量は海外と比較すると圧倒的に少なくなるため、適応外処方の例も多かったはず。医療機関からの強い要望が通ったことはありがたいことである。


全A型インフルに作用の抗体発見 予防薬開発に期待
2011/08/25 10:08 【共同通信】
[要訳]
「H1」や「H3」などの型にかかわらず、すべてのA型インフルエンザウイルスに作用する抗体を、藤田保健衛生大(愛知県豊明市)などの研究チームが発見し、25日までに米科学誌ジャーナル・オブ・ビロロジー(電子版)に掲載された。
同大の黒沢良和教授は「流行が予想されるどのウイルスにも作用する予防薬の開発につながる重要な発見」としている。
関連記事:A型インフルウイルスの抗体発見…新薬に期待も 2011年8月25日15時22分 読売新聞 

*comment*
高齢者や免疫力の低下している基礎疾患を持っている患者などへの予防注射や予防薬の開発につながるチャンス。元気な人達は予防薬に頼ることなく基礎的な免疫力の維持・向上に力を入れる努力を。



アリセプトが国内売り上げトップ- 今年4-6月
2011年08月23日 20:50 キャリアブレイン

[要訳]
医薬品市場調査会社IMSジャパンの今年4-6月の市場統計(薬価ベース)によると、エーザイのアルツハイマー型認知症治療薬アリセプト、サノフィ・アベンティスの抗血小板薬プラビックスの売り上げが、それぞれ前年同期比20%を超える伸びを示し、国内の医療用医薬品の中でアリセプトはトップ、プラビックスは6位となった。
<売上上位10位の製品>
1.アリセプト356億円(前年同期比22.8%増)
2.武田薬品工業の高血圧症治療薬ブロプレス327億円(5.6%減)
3.ノバルティスファーマの高血圧症治療薬ディオバン313億円(11.8%減)
4.アステラス製薬の高コレステロール血症治療薬リピトール280億円(5.4%増)
5.第一三共の高血圧症治療薬オルメテック224億円(4.6%増)
6.プラビックス216億円(27.1%増)
7.武田の消化性潰瘍治療薬タケプロン206億円(10.1%増)
8.久光製薬の鎮痛消炎薬モーラス201億円(10.2%減)
9.エーザイの消化性潰瘍治療薬パリエット199億円(7.9%増)
10.武田の抗がん剤リュープリン192億円(4.7%増)
薬効別に見ると、糖尿病治療薬が15.1%の伸びを示した。(DPP-4阻害薬がいずれも大きく伸長した。)国内医療用医薬品市場の総売上高は2兆3138億円(5.3%増)。

*comment*
高齢化に伴うアルツハイマーや痴呆の問題が浮き彫りになったニュース。今後さらに拡大することが予想される。相変わらず医薬品業界は低迷することなく伸びているようです。



HbA1cの国際標準化、2012年4月をめどに完全移行
2011. 8. 25 日経メディカル 
 [要訳]
日本糖尿病学会は、HbA1cの表記を、日本のJDS値から、国際的に使用されているNGSP値に相当する値に変更することを2010年に決定、まずは同年7月から学術論文や国際学会の発表に適用した。いよいよ2012年4月には日常診療・検診・健康診断にも適用され、完全移行の見通しだ。

(図1●HbA1c表記変更の工程表) 

*comment*
とうとう実施の時期が決定されたようですね。


“眠れる”中国の巨大介護マーケット- 介護企業の海外展開(上)
2011年08月23日 12:00 キャリアブレイン
[要訳]
団塊世代が75歳以上になる2025年に向け、日本国内の介護マーケットは右肩上がりの成長拡大を続ける。高齢化の進展で、介護業界は一見、安泰と思われがちだ。それにもかかわらず、ここにきて中国など海外への進出を試みる介護企業の動きが本格化してきた。介護企業はなぜ、海外を目指すのか―。
「いずれ日本国内の介護マーケットは伸び悩みの時代を迎えるが、中国は日本と比較にならないほど多くの高齢者が生まれる。これを商機ととらえ、中国が高齢化のピークを迎える前に、地盤固めをしておきたい思惑があるのだろう」と指摘する。

*comment*
介護の海外展開。新しい動きに関して興味のある方はどうぞ。

2009/01/31

Saya's 薬学ニュース vol.70-ワクチンの予防接種後副反応報告書を公表/レセプト請求電子化は違憲/薬害C型肝炎訴訟和解の困難さ/アルツハイマー患者に抗精神病薬は死亡率をUPさせる?/フランと日本の医療

<Today's news>
1. 各種ワクチンについて予防接種後副反応報告書を公表  厚労省
2. レセプト請求電子化は違憲 「営業侵害」医師ら提訴へ
3. 国の同意、2割不透明:薬害C型肝炎訴訟 「フィブリン糊、判断困難」
4. アルツハイマー病患者において抗精神病薬により長期死亡率が上昇する

おまけ. わが国の在宅医療とフランスからの示唆

各種ワクチンについて予防接種後副反応報告書を公表  厚労省
2009年1月15日-m3.com 提供:WIC REPORT(厚生政策情報センター)

[要約&コメント]
厚生労働省は平成18年度の「予防接種後副反応報告書」を公表した。これは、平成18年4月1日から平成19年3月31日までの間に厚労省に報告された予防接種後副反応報告を報告基準にある臨床症状ごとに単純集計し、まとめたものである。
対象とされたワクチンは、定期接種として実施されたジフテリア・百日せき・破傷風混合、ジフテリア・破傷風混合、麻しん、風しん、麻しん・風しん混合、日本脳炎、ポリオ(急性灰白髄炎)、BCG、インフルエンザである。
参考資料:予防接種後副反応報告制度について(PDFファイル)

ここでは詳しく紹介しませんが、参考資料のPDFファイルにそれぞれのワクチンによる副反応事象が記載されています。是非活用下さい。

レセプト請求電子化は違憲 「営業侵害」医師ら提訴へ
2009年1月16日-m3.com 提供:共同通信社 ※m3.com閲覧には会員登録が必要です

[要約&コメント]
診療報酬明細書(レセプト)のオンライン請求を義務化するのは「営業の自由の侵害で違憲だ」として、国に対しオンライン請求の義務がないことの確認と一人当たり100万円の慰謝料を求め、横浜地裁に提訴することが15日、分かった。(提訴は21日)
弁護士は「オンライン請求には高額の設備投資が必要で、対応できない医療機関は廃業するしかない。国会の立法によらない省令で一律に義務化するのは、憲法の保障する営業の自由の侵害だ」と訴えている。
類似記事:診療報酬の「電子申請義務化は違憲」…国を提訴へ(ケアネット 提供:読売新聞)

とうとう提訴に至ったレセプトオンライン請求義務化に対するの問題。先日匿名さんにコメントを頂いたように、オンライン化が義務化されれば、地域医療や歯科医療に多大な損害を与えることとなる。この訴訟により、オンライン化への動きも大きく変化を加えられるのではないだろうか。引き続き、今後の動きに注目したい。

国の同意、2割不透明:薬害C型肝炎訴訟 「フィブリン糊、判断困難」
2009年1月16日-毎日新聞社

[要約&コメント]
薬害C型肝炎訴訟の原告約1400人のうち、被害者救済法に基づく和解に国が同意するかどうか未定(保留)の被害者が、全体の2割の約270人に上ることがわかった。薬害肝炎被害者は、病状に応じ1200万~4000万円の給付を受けられるが、その前に国と裁判上の和解が必要になる。
保留のケースは...
(1)血液製剤フィブリノゲンを接着剤として調合した「フィブリン糊(のり)」で感染した...因果関係の判断ができない<160人>
(2)ウイルス処理が比較的有効だった時期(85年8月以前)に投与され、大量の輸血も受けた<10人>
(3)医師らの投薬証明だけでカルテなどがない...投薬証明に加え、医師らを尋問した上で判断が必要<100人>
--に大別される。

保留にされている間に、病状は進行し続け、死に至ることも実際に起きている。これらの訴訟には時間がかかり、さらに実際感染が多数起きた時期は40年近くも前のことになるので、もちろん証拠となる書面を入手することももはや困難である。国としては救済したい思いがあっても、どの程度でラインを引くべきなのか最も難しい部分なのだろう。両者の間で、よい方法が生み出されることを祈るばかりである。

アルツハイマー病患者において抗精神病薬により長期死亡率が上昇する
2009年1月19日-m3.com  提供:Medscape ※m3.com閲覧には会員登録が必要です

[要約&コメント]
新しい試験で抗精神病薬の処方を受けるアルツハイマー病患者の長期死亡率上昇が示され、アルツハイマー病患者の神経精神症状の治療のため有害性の少ない代用療法の必要性が浮き彫りになっていると研究者は述べる 。抗精神病薬(チオリダジン、クロルプロマジン、ハロペリドール、トリフロペラジン、リスペリドン等)は複数の症状(攻撃性、苦痛等)がみられる患者においてのみ使用し、例外的状況を除いて、3ヵ月以上使用すべきではないと訴えている。

実際、6~12週間抗精神病薬を投与した場合、中程度の効果が得られているとのことなので、精神症状には第一選択薬として広く用いられているとのこと。ガイドラインもあくまでガイドラインでしかなく、新たな知見に合わせて改良されていくべきである。

おまけ...フランスの医療

わが国の在宅医療とフランスからの示唆
2009年1月19日-医学書院

[要約&コメント]
フランスと日本の医療制度には,極めて多くの共通点がある。医師は自由開業制であり,患者は受診におけるフリーアクセス権を持つ。また,国民皆保険のもと豊富な種類の保険があり,保険会社・医療・被保険者は良好な関係がみられる。
フランスでは,在宅入院という概念があるのである。入院で行うことを在宅で行うという概念である。代表的なものは抗がん剤による化学療法である。対象にはその他手術後の管理,リスクの高い妊娠,点滴などがある。今後の日本でも,フランスのような高度な在宅医療が求められていく。その中で,診療所の医師が,どこまで在宅医療を担えるのかは大きな課題である。

フランスの医療が日本の医療と似ていること、ご存知でしたか?私は知りませんでした...医療費などはどうなっているのでしょうか?日本と同じようにたくさんの負債を抱えているのでしょうか?
新たな薬剤師の職能拡大域として、在宅医療が注目されている。癌患者の多くも、自宅での療養を望んでいる人が多い事もあり、フランスでニーズが拡大したのも納得である。しかし、癌のような疾患を在宅で行う事を可能にするのは、日本にとって大きな課題となるであろう。他国では可能にしている、という事は日本でも不可能ではない。いい手本があるのであれば、有効に利用するべきである。

2008/12/22

Saya's 薬学ニュース vol.36-カテキンの効果はいかに?!/抗血小板凝集剤の効果に遺伝子多型が関与/ジェネリック使用に関し患者と薬剤師で大きなギャップ(アンケート)/社会保障カードって?

<Today's news>
1. 非アルコール性脂肪性肝疾患への、高濃度茶カテキン飲料の効果を検証 継続摂取により、肝臓の脂肪蓄積や酸化ストレスが低減
2. クロピドグレルの血小板凝集抑制、CYP2C19遺伝子多型が関与
3. ジェネリック医薬品での処方・調剤を依頼する患者さんが着実に増加 前回13.2%から20.5%へ
4. ジェネリック医薬品について、依然として半数を超える薬剤師が“患者さんから尋ねられたら説明” 

おまけ. 社会保障カードは医療費抑制など促進-保団連

非アルコール性脂肪性肝疾患への、高濃度茶カテキン飲料の効果を検証 継続摂取により、肝臓の脂肪蓄積や酸化ストレスが低減 
2008年12月11日-花王株式会社

[要訳&コメント]
肥満が関わる生活習慣病の一つである非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD:non-alcoholic fatty liver disease)について、高濃度茶カテキン飲料の効果を検証したところ、肝臓への脂肪蓄積低減による肝機能改善や、活性酸素の過剰発生による「酸化ストレス」を低減させることがわかった。

カテキンの話題はなぜか気になります。知り合いが研究しているせいもあるかもしれません。その研究者の話を効いていると、カテキンは食品の中に含まれているのに、とんでもない効果を将来発揮してくれるのでは?という期待を抱かずにはいられません。こういう話を聞くと、つい効果ばかりに気を取られてしまいがちですが、同時に、食品に含まれている成分であっても、大量に摂取すると安全の域を超えて害を生じさせる危険性がある、ということも忘れてはならないのです。特に”健康食品“を過剰に信じて利用している人たち、忘れてはなりません。

クロピドグレルの血小板凝集抑制、CYP2C19遺伝子多型が関与 
2008年12月11日-薬事日報

[要訳&コメント]
クロピドグレル*は、冠動脈血栓症やステント血栓症などの治療に使用されているが、血小板凝集抑制作用には個体差があることが知られている。その原因としては、薬物代謝酵素のCYP2C19遺伝子の多型の関与が示唆されている。

この遺伝子多型には人種差もあり、米の3%に対し、日は20%であるという。病院で働く人には必要な情報だろうか。
*クロピドグレル
商品名:プラビックス
薬効:チエノピリジン系抗血小板剤
特徴:チクロピジン(パナルジン)と比べ、肝障害などの重い副作用がやや少ないとされる

ジェネリック医薬品での処方・調剤を依頼する患者さんが着実に増加 前回13.2%から20.5%へ 
2008年12月11日-沢井製薬(プレリリース)

[要訳]
2008年4月の制度改正から半年後の処方・調剤環境を調査するため、400名の患者に対し意識調査が行われた。患者さんの「ジェネリック医薬品」認知率は97.0%と非常に高く、ジェネリック医薬品での処方・調剤を依頼した経験のある患者さんは、20.5%(5月の調査:13.2%)と増加していた。また、実際にジェネリック医薬品を処方・調剤された患者さんも26.3%(前回18.0%)と増加傾向にある。
ジェネリック医薬品を「処方・調剤して欲しい」とする患者さんは92.8%(前回91.6%)と非常に高いのがわかる。

ジェネリック医薬品について、依然として半数を超える薬剤師が“患者さんから尋ねられたら説明” 
2008年12月12日-沢井製薬(プレリリース)

[要訳&コメント]
また、上記記事に続き薬剤師300名に対する調査においては、実際にジェネリック医薬品への変更が可能な処方せんを応需した際、「常に説明している」薬剤師は14.3%、「患者さんから尋ねられたら説明をしている」薬剤師が依然として最も多く51.0%という結果になった。
参考記事:「尋ねられたら説明」が半数以上占める‐沢井製薬が意識調査(薬事日報)

ジェネリック医薬品に関する意識調査を患者側と薬剤師側とで2つの記事を紹介したが、患者の意識が高いのに対し、その期待に応えられていない状況がわかる。「常に説明しない」理由がどこにあるかを調べたら、さらに面白いのではないだろうか。それにしても、認知率が97.0%、変更希望をしている率が92.8%とう数字には驚いた。実際に現場にいても、(ジェネリックを推進している会社であったが)変更希望者は感覚的には70%程度のものと思っていた。金額の違いを見て、そこまで変化がなければあえて先発品を選ぶ患者が多かったのだ。高収入で金額を気にしないような地域で働いていたのも、一つの理由かもしれないが。

おまけ...社会保障カード?

社会保障カードは医療費抑制など促進-保団連
2008/12/10 22:49-キャリアブレインおまけ

[要訳&コメント]
来年3月末までに基本計画をまとめる「社会保障カード*(仮称)」について、全国保険医団体連合会(保団連)は、「医療費抑制や社会保障給付費の削減を図る『社会保障個人会計』につながり、導入には反対する」との見解を発表した。その理由として、医療、介護、年金などの個人情報が、国に一元管理される恐れがある」とした上で、「個人情報の流出や、国や民間保険会社などによる“データの悪用”が危惧(きぐ)される」を指摘している。

一見便利にみえるこのカード。実際はどうなのだろうか。様々なカードが別々になっており、保管に苦労している人もいれば、医療機関などへの提示の際に面倒であることも確かである。しかし、果たして国と民間保険が有する情報を統一してもよいものだろうか。この件についてはこの先も議論を重ねていきたい。
* 「社会保障カード」(仮称)
「国民一人ひとりに付けられた統一的な番号を基に、健康保険証、介護保険証、年金手帳などの機能を1枚のカードにまとめられるもの。

2008/12/21

Saya's 薬学ニュース vol.35-ネット販売10万の署名をもって反対/C型肝炎に維持療法が効かない?!/中国の偽薬ネット販売サイト/介護の講習を無料で提供

<Today's news>
1. あくまで撤回‐規制改革会議、強気の姿勢崩さず
2. C型肝炎の維持療法は一部の患者には効果なし
3. 一般用医薬品のネット通販継続求め要望書-ヤフーなど
4. 中国政府、偽薬品販売サイトのリストを公表

おまけ. 「素晴らしい機会に感謝」=憩の園=在宅介護のノウハウ学ぶ=17回で修了者7百人に

あくまで撤回‐規制改革会議、強気の姿勢崩さず
2008年12月10日-薬事日報

[要訳&コメント]
規制改革会議は、22日の最終答申に向けて検討を進めているが、医薬品ネット販売の規制緩和に関して、「アドホックなもので(最終)答申とは別扱いで進めたい」とした。「ネット販売と店頭販売がイコール・フッティング(同等の競争条件)のもとで競争し合う。そういう意味での工夫を検討する必要がある」とし、あくまでネット販売と対面販売を同等に扱うルール作りを行うべきとの考えを崩さなかった。

ネット販売規制反対派と賛成派の議論は白熱していく一方であるが、反対派が提示している“利便性を奪うことに対する対応策”などがいつになっても賛成派から提示されないのが気になる点である。これらの内容を話し合わないうちに法改正を行ってよいものなのだろうか。

C型肝炎の維持療法は一部の患者には効果なし
2008/12/11-ロイター

[要訳&コメント]
進行した慢性C型肝炎患者に対する低用量のペグ(PEG)インターフェロンを用いた維持療法は、初回治療が奏功しなかった患者には無効であることが新しい研究で示された。このほか肝疾患の期間が4年を超える患者では、予想外の健康状態の低下がみられることも判明した。
参考記事:原文

非常に残念な研究結果であるが、進撃に受け止めなければならない研究結果であることも明らかである。インターフェロンは決して楽な治療ではない。多くの副作用に悩まされながらも、治癒することを期待して頑張っている患者がいる。その期待を裏切るような無効な治療を続けることは決してならないのである。知り合いにC型肝炎患者を持つ私にとっては、非常に辛いが、同時に注意すべき点も見えたので良かったと思うべきであろう。

中国政府、偽薬品販売サイトのリストを公表 
2008年12月11日 13時14分-ロイター

[要訳&コメント]
高血圧や糖尿病、腫瘍などの薬を販売している74のサイトが、虚偽の説明を行っているとして政府のブラックリストに掲載された。今回ブラックリストに載ったWebサイトの多くは、禁止令にもかかわらず、いまだにアクセスできる状態にあり、薬の販売も続けられている。

中国らしい対応といえば、それまでである。中国のインターネット警察は、アクセスを遮断するなり閉鎖するなりできる広範な権力を有しているのにも関わらずその対応をしていないのは、やはり「他国に対する見せかけ」の部分が大きいためであろうか。なんとも腑に落ちない内容である。

一般用医薬品のネット通販継続求め要望書-ヤフーなど
2008/12/11 21:38   キャリアブレイン

[要訳&コメント]
ヤフーや楽天など6つの企業・団体は12月11日、舛添要一厚生労働相に対し、現行の一般用医薬品(OTC)の通信販売を継続するよう求める要望書と賛同者約10万人分の署名などを提出した。
要望書は、通販で医薬品を購入することが不可欠な消費者にとって、対面販売の義務付けは健康維持の必要性の観点から重大な問題があると指摘。現在行われているOTCの通販を継続するよう要望している。
参考記事:一般薬の通信販売、利便性強調し“継続”求める 医薬品ネット販売規制に反対する楽天のネット署名が10万人突破

ヤフーがネット上で署名を募っているいる記事に関しては、Saya's 薬学ニュース vol.14で紹介したことがあるが、この署名フォームにおいては、薬事法改正の意図など、安全性を考慮した上で行われていることであるという記載は全くない。”国が国民の利便性を奪おうとしている!みんなで食い止めよう”とも受け取れる。政治不信があるなかで、これでは法改正の意図を理解していない人が、簡単に署名してしまう事もあるのではないだろうか。
この点ではこの署名の内容に関しては疑問が残るが、「副作用は販売方法の差ではなく、情報提供の差にある」という意見には納得である。今の状態で、果たしてインターネットで説明する以上に、薬剤師が説明をすることで危険を回避できる、と自信を持って言える薬剤師はどのくらいいるだろう。
あなたはインターネットで記載する情報以上に、患者の健康を守れるような説明ができると胸を張って言えますか?

おまけ...介護


「素晴らしい機会に感謝」=憩の園=在宅介護のノウハウ学ぶ=17回で修了者7百人に
2008年12月2日-ニッケイ新聞 - Brazil

[要訳&コメント]
ブラジルで、社会福祉法人救済会が実施する「老人のための在宅介護講習会~Formacao de Cuidador de Idosos~」の修了式が行われた。現時点で、約七百人が講習を終えたことになるという。この講習会は、毎回栄養士や理学療法士、作業療法士、医師、看護士、心理学者、社会福祉士、言語聴覚士などの専門家を呼び、食事や老人病、薬物、高齢者の心理についてなど幅広いテーマに分けて介護のノウハウを伝授するものだが、無料で行われていたものだという。

ブラジルでも高齢化社会は進んでいるようで、このような取組が市民のために無料で行われているということに驚いたので紹介した。介護の面では、診療報酬などの面で厳しい部分もあり、なかなか需要に応えられていないのが現状である。しかし、このように介護で人の役に立ちたいと思っている人は多く、もちろん日本にもたくさんいることは明らかである。早急に優遇措置がとられ、高齢社会の日本を支える人たちの活躍できる場が与えられれば、と願っている。