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2009/08/23

Saya's 薬学ニュース vol.101-新型インフル確認死者数が千人突破/総医療費の増額、医療従事者の増員が最大の争点/日本発抗癌剤「ミリプラチン」が登場へ/ネクサバール®錠200mgを安全にお使いいただくために/インフル薬にお茶の力

<Today's news>
1. 確認死者数が千人突破 新型インフルでWHO集計
2. 総医療費の増額、医療従事者の増員が最大の争点

3. 日本発抗癌剤「ミリプラチン」が登場へ
4. ネクサバール®錠200mgを安全にお使いいただくために

おまけ. インフル薬にお茶の力 カテキン加工、タミフルより効果

確認死者数が千人突破 新型インフルでWHO集計
2009年8月5日 提供:共同通信社 ※m3.com閲覧には会員登録が必要です

[要約&コメント]
世界保健機関(WHO)が4日発表した7月31日現在の新型インフルエンザの感染状況によると、感染が確認された人の総数は海外領土などを含めた168カ国・地域で16万2380人、このうち死者が1154人とWHO集計ベースで初めて千人を超えた。

夏にも関わらず感染者が増え続けていることから、秋や冬のさらなる感染拡大が予想されるであろう。新型のみにかかわらず、一般的なインフルエンザにも備えて高齢者に対する予防注射を徹底してほしい。

総医療費の増額、医療従事者の増員が最大の争点◆Vol.3
2009年8月5日-m3.com 上昌広 ※m3.com閲覧には会員登録が必要です

[要約&コメント]
両党のホームページを見れば、民主党は自民党よりもはるかに医療にウエイトを置いていることがわかる。また、民主党は、マニフェストの冒頭で、予算・工程表、さらに財源を説明しているが、自民党は、これらに関して情報を提供していない。
民主党の説明は一応、辻褄は合っている。しかしながら、政権担当経験のない民主党の実行力に、多くの国民が疑問を持っていることは否定できない。

両党のマニュフェスト内容の比較は、衆議院議員選挙において重要な内容として議論されているが、この記事でも詳細に意見が記載されている。気になるトピックが含まれていればぜひ読んでみていただきたい。
【総医療費】【地域医療対策】【開業医への対応】【医師不足問題】【医療事故】【新型インフルエンザ対策】

日本発抗癌剤「ミリプラチン」が登場へ
2009年8月4日 (火)-薬事日報

[要約]
肝細胞癌治療薬「ミリプラ動注用70mg」(一般名:ミリプラチン水和物、大日本住友製薬が製造販売)の承認を審議し、了承した。承認されれば日本発の抗癌剤となる。 「ミリプラ動注用」は、腫瘍血管に沈着する造影剤に抗癌剤を混ぜ合わせ、肝動脈に注入する「リピオドリゼーション」という方法で用いる。 造影剤で腫瘍の血流を阻害し、栄養動脈を閉塞することにより、抗癌剤による抗腫瘍効果を向上させる。類薬に、アステラス製薬の「スマンクス肝動注用」がある。

ネクサバール®錠200mg(一般名:ソラフェニブトシル酸塩製剤)肝細胞癌領域で安全にお使いいただくために
2009年8月5日-ケアネット.com ※ケアネット.com閲覧には会員登録が必要です

[要約&コメント]
ネクサバール®は進行性肝細胞癌に対し、腫瘍の増殖と血管新生の両方を抑えることにより生存期間を延長したはじめての経口薬です。本剤は適応追加にあたり、肝細胞癌患者を対象とした全例調査の実施が義務付けられております。本コンテンツでは、全例調査ならびに本剤の適正使用・安全使用のために必要な情報をご紹介しています。

ネクサバール錠の服用には、医師からの説明が必要であり、薬局で薬を渡す際「服用ダイアリー」を持っているかどうかの確認が必要になります。もし持っていない場合は、「服用ハンドブック」を用いて指導を行い、処方確認センターへの連絡が義務付けられています。
詳細を確認したい場合は、上記のページへ飛んでコンテンツを視聴してみてください。

おまけ...カテキン,インフルエンザ

インフル薬にお茶の力 カテキン加工、タミフルより効果 2009年7月31日10時59分-asahi.com

[要約&コメント]
緑茶に含まれるカテキンを加工してインフルエンザ治療薬に応用する技術を、大阪大学と横浜市衛生研究所の共同チームが開発した。季節性インフルエンザや鳥インフルエンザで効果が確認された。治療薬タミフルよりも約100倍、感染を抑える効果があるという。感染を防ぐ作用もあるため、鼻やのどに噴霧する予防薬への応用も期待できるという。

カテキンの効果はもうすでに皆さんご存じのことと思うが、現在新型インフルエンザの流行が騒がれている時期でもあるため、期待大の内容である。これらカテキンの製品化がどこまで実現できるかは定かではないが、見守っていきたい内容である。

2009/05/25

Saya's 薬学ニュース vol.97-「マスクは効果乏しい」 英紙、交換必要と報道/乳がんの新治療薬を承認/ワーファリンの過量投与で薬局に家宅捜索/スイッチOTC候補18成分を8月末に審議へ/感染研が「新型インフルエンザ」情報サイトを開設/コーヒー飲みアルツハイマー病予防?…カフェイン効果に期待

<Today's news>
1. 「マスクは効果乏しい」 英紙、交換必要と報道
2. 乳がんの新治療薬を承認
3. ワーファリンの過量投与で薬局に家宅捜索
4. スイッチOTC候補18成分を8月末に審議へ

5. 感染研が「新型インフルエンザ」情報サイトを開設
おまけ. コーヒー飲みアルツハイマー病予防?…カフェイン効果に期待

「マスクは効果乏しい」 英紙、交換必要と報道
2009年4月30日-m3.com 提供:共同通信社  ※m3.com閲覧には会員登録が必要です

[要約&コメント]
新型インフルエンザをめぐり、英紙デーリー・エクスプレスは、マスクを着用しても感染を防ぐ効果は乏しく、大量の使用済みマスクがかえって被害の拡大を招く恐れがあると報じた。「マスクはぬれるとウイルスが侵入しやすくなるので、1日に2度は交換する必要がある」と指摘。その上で「(ウイルス)感染の疑いがあるマスクの大量処分は、重大な公衆衛生上の危険を招く恐れがある」と警告している。

感染予防にはマスクというのが、いまや日本の常識となっているが、この見解も納得である。確かにマスクの扱い方をきちんと知っていなければ、せっかくの予防効果がかえって感染率を上げてしまう可能性もないわけではない。マスクマスク!という呼びかけではなく、医療機関で購入される方に対しては、きちんとした使い方も同時に説明が必要のように感じる。

乳がんの新治療薬を承認

2009年4月30日-読売新聞
[要約]
乳がんの新しい治療薬「タイケルブ」(一般名ラパチニブトシル酸塩水和物)が22日、承認された。乳がんのうち、2~3割の患者は、HER2(ハーツー)という遺伝子が過剰に働くことで、がんが増殖する。同様の効果がある抗がん剤ハーセプチンが効かなかったり、治療後に再発したりした患者が対象。6月には保険薬価に収載され、使えるようになる見通し。

ワーファリンの過量投与で薬局に家宅捜索
~東京都足立区の「東京医療第一薬局」、業務上過失致死の疑いで~
2009. 5. 1-日経DI

[要約&コメント]
抗血栓剤のワーファリン(一般名:ワルファリンカリウム)の量を間違えて多く調剤し、同薬を過量服用した82歳の男性患者が死亡した疑いが持たれている。調剤過誤が起きたのは、2008年8月13日。
ワーファリンの1回量は1.5mgを誤って1mgの錠剤と5mgの錠剤を一包化してしまったのが過量投与の原因だ。

調剤過誤に関するニュース。薬局での仕事は、他の一般的な販売とは違い人の命を危める可能性のあるものであることを、改めて再確認させられる悲しいニュースである。同じミスで大切な命を失うことのないよう、この手のミスの改善方法を再検討していただきたい。薬により亡くなられた方のご冥福をお祈り申し上げます。

スイッチOTC候補18成分を8月末に審議へ
2009年5月1日 (金)-薬事日報

[要約&コメント]
厚生労働省は27日、スイッチOTC化を進める医療用医薬品の候補として、プロトンポンプ阻害薬のランソプラゾール、オメプラゾールなどを含む18成分を発表した。厚労省は、一般用への転用が適当と考えられる成分について、▽有効性▽安全性▽転用が適当と考えられる理由――などの概要の取りまとめを日本薬学会に委託。
今回、日本薬学会が選定した18成分は以下の通り。
▽フルルビプロフェン=抗炎症薬 
▽ナジフロキサシン=抗生物質含有製剤、経皮 
▽レバミピド=胃粘膜保護薬、内服 
▽コレスチミド=コレステロール吸収阻害薬、内服 
▽ベンダザック=抗炎症薬、経皮  
▽クロベタゾン酪酸エステル=副腎皮質ステロイド、経皮 
▽トラニラスト=抗アレルギー性点眼薬、点眼 
▽アンレキサノクス=アレルギー用鼻炎等用薬、内服 
▽オフロキサシン、ノルフロキサシン=抗菌薬含有製剤、点眼 
▽オメプラゾール、ラベプラゾールナトリウム、ランソプラゾール=プロトンポンプ阻害薬、内服 
▽デキサメタゾン=副腎皮質ステロイド、粘膜 
▽アルファカルシドール、カルシトリオール=ビタミンD3製剤 
▽ドンペリドン=消化管運動調整薬、内服 
▽フドステイン=去痰薬、内服

ビタミンD3などは、骨粗鬆症のためのセルフメディケーションとしてスイッチOTC移行されてもおかしくはない。実際に海外では1μgのビタミンD錠がサプリメントとして販売されている。また、カナダとオーストラリアではすでにニゾラール(ケトコナゾール)がOTC薬として販売されているのを見ているが、ここで出ているのはナジフロキサシンである。海外の状況は参考にされているのだろうか?

感染研が「新型インフルエンザ」情報サイトを開設
2009. 5. 3-日経メディカルオンライン

[要約&コメント]
国立感染症研究所感染症情報センターが4月27日、同センターのインターネットサイト内に、「新型インフルエンザ(豚インフルエンザA/H1N1)」の情報を集めたホームページを作成して立ち上げた。
http://idsc.nih.go.jp/disease/swine_influenza/index.html
新型インフルエンザの疫学情報、患者の発生情報、厚生労働省からの通知などを網羅的に掲載する。

情報が遅れてしまったが、サイトをご存じでない方のために念のために載せておきました。5/24の段階では感染者数は335人、うち死亡数は0人である。
日本では報道により多くの方が恐怖に陥っているとの話を聞きましたが、ここカナダでは全土で感染者数は805人。報道の過激度は日本に比べるとはるかに冷めている状態です。テキサス(メキシコと国境で隣り合わせの都市)に在住の薬学生いはく、メキシコで感染が始まった時は薬局のマスクが一気に売れてなくなったが、必死に大量のマスクを集めて再度売り出したころには、インフルエンザの熱も冷め一向に売れなくなってしまったとのことです。アメリカでは毎年インフルエンザで3000人近くの命を失っていますが、今回の豚インフルエンザでは今のところ20数名。死者に関しては数でははかりきれないものがありますが、その20数名だけの脅威のために世界中がパニックに陥っているのもどうなのだろう?というのが薬学生の見解です。感染者数などを考えた上で、日本と北米とのメディアの過激度は大きな差があるように感じますが、皆さんは日本の報道どう思われますか?

おまけ…アルツハイマー

コーヒー飲みアルツハイマー病予防?…カフェイン効果に期待
2009/04/23(木)-ケアネット.com ※ケアネット.com閲覧には会員登録が必要です

[要約&コメント]
コーヒーやお茶などに含まれるカフェインに、アルツハイマー病*の予防効果があるとする研究結果を、森隆・埼玉医大准教授と米フロリダアルツハイマー病研究センターなどが動物実験からまとめた。記憶力の低下を改善させ、記憶にかかわる脳の海馬や大脳皮質では、Aβが蓄積した「老人斑」の形成が4~5割減少した。カフェインがAβを作る酵素の働きを抑えることも突き止めたという。

*アルツハイマー病
脳にたんぱく質のアミロイドベータ(Aβ)が異常に蓄積して、神経細胞が死んでしまう病気。

日本ではあまり聞かないが、ここカナダではデカフ(=カフェインフリー)を好んで服用する人が多いが、このカフェインにこのような作用が隠されていたということが判明されれば、カフェイン入りコーヒーを好んで飲む人が多くなるかもしれない。日中はカフェインありで、夜や寝る前はデカフで、というスタイルが流行るのでは?

2009/05/05

Saya's 薬学ニュース vol.92-マイナーと呼ばれる「マイナー」でない薬:抗不安薬/ヒアリングで消費者の意見も割れる/小児への薬剤の過量投与続発で注意喚起/運動した後、筋肉痛になる?カフェインを摂りなさい

<Today's news>
1. マイナーと呼ばれる「マイナー」でない薬:抗不安薬
2. ヒアリングで消費者の意見も割れる―医薬品販売検討会
3. 小児への薬剤の過量投与続発で注意喚起
おまけ. 運動した後、筋肉痛になる?カフェインを摂りなさい

マイナーと呼ばれる「マイナー」でない薬:抗不安薬
2009/04/14(火)-ケアマネ.com ※ケアマネ.com閲覧には会員登録が必要です

[要約&コメント]
プライマリ医師に対し、抗不安薬の使用方法や薬の使い分け等に関し記載された記事。
①使い慣れている薬剤1-2剤もっておくだけでもよい。ただし、それらに関しては添付文書のすみずみまで読んで、理解していることが必要。
②患者が薬物治療を希望しているか確認。症状がの原因などを考えたり、病気のメカニズムを話すだけでも納得して症状が改善することも。
③「SSRIと抗不安薬、どちらが適当か」よりも「これらの薬剤が不適当な可能性のある症状はないか」という視点が重要。
④薬をやめる時は患者さんとの相談が一番大事。やめることとやめないで続けること両方のリスクとベネフィットを伝えることで、共に治療していく姿勢を。
⑤効かなければ早めに精神科専門医へ。効かないからと言って薬の量を極端に増量したり複数併用したりすることは最善ではない。うまく精神科医との連携を取り、患者に見合った対応を考えていくのが一番。

ここまでやってくれている医師はどのくらいいるのでしょうか。OKwaveの質問を見ていると、医師との会話時間が少なく、患者さんが治療に関われていないという不満を抱えている人が多くみられます。医師不足の問題は奥が深いようです。上記のような治療方針で行って頂ければ、患者の症状もよくなるのでしょうね。医師が忙しい分、薬剤師がフォローできるよう薬からの視点だけではなく、患者さんの気持ちに関してももっと勉強したほうが良いかもしれません。専門家からの言葉は、冷たいイメージをもたれることも多いようですから。。。

ヒアリングで消費者の意見も割れる―医薬品販売検討会
2009/04/16 22:15-キャリアブレイン

[要約&コメント]
厚生労働省は4月16日、「医薬品新販売制度の円滑施行に関する検討会」の第4回会合を開き、薬局などで医薬品の購入が困難とされる消費者などの実情を知ることを目的にヒアリングを実施した。
ある教授からは「薬局で医薬品を購入する際は、薬剤師に質問しても箱書き以上の情報はもらえない。ネットは規制して、対面販売はいいという理屈は理解できない」という意見があったり、視覚障害者からは「ネットを使った薬の販売は、わたしたち視覚障害者にとって非常に有意義なもの」との意見がでていた。医薬品の箱には点字記載はないが、パソコンを利用した場合音声により効能等を知ることができるという。
ネット通販による問題が発生した場合の責任の所在についても話し合われている。
関連記事:医薬品新販売制度、これまでの議論を踏まえた検討項目を示す(4/17 m3.com)
参考資料:第4回 医薬品新販売制度の円滑施行に関する検討会 議事録

薬剤師に質問しても十分な情報が得られない、という意見はとても悲しいことであるがこれが現状である。一人の意見でしかないとは言っても、このような意見が代表としてでているということを重く受け取らなければならない。視覚障害者の方がネットでの利便性に関して訴えているが、製薬会社のHPなどで引き続き薬に関する説明がインターネットで観れる状態であるし、対面販売となれば薬剤師からの説明が得られるわけであるため、以上の点は十分代替方法があるように考えられる。ただし、視覚障害者にとって外出はとても大変なことであるのは確かである。

小児への薬剤の過量投与続発で注意喚起
2009. 4. 17-日経メディカルオンライン

[要約&コメント]
日本医療機能評価機構は4月15日、小児に対し本来の10倍量の薬剤が投与された事例が昨年までの2年間に8件報告されたとして、注意を喚起する「医療安全情報」を公表した。生後3カ月の患児にジゴシン散「0.03mg」を処方すべきところ、医師がオーダリングシステムに「0.3mg」と誤入力したケースや、生後2カ月の患児にフルマリン静注用「25mg」を処方すべきところ「250mg」と勘違いしたケースを紹介している。いずれも薬剤師が過量投与を鑑査で見逃し、患児に10倍量が投与されていた
参考:(日本医療機能評価機構):医療安全情報
関連記事:小児の薬剤量を10倍間違えた事例、3年間で8件(4/16 キャリアブレイン)

最終監査役である薬剤師の見落とし。大量にある処方せんの中から間違いを見つけるのは難しいとは言っても、それが薬剤師の任務なのである。医薬分業の意義を再度確認し、失敗を適正な業務につなげていきましょう。
 
おまけ…カフェイン

運動した後、筋肉痛になる?カフェインを摂りなさい
2009年4月7日-m3.com 提供:WebMD ※m3.com閲覧には会員登録が必要です

[要約&コメント]
カフェインによって運動による筋肉痛が軽減されることが新規研究で明らかになり、コーヒーが文字通り健康を増進する一杯になる可能性があることを示唆している。( 平均して1日にコーヒー4杯に相当する量)
「少量のカフェインを摂取させ、感じられる疼痛を軽減することができれば、その運動を続けさせるのに役立つかもしれない」。

運動のあとはコーヒー!という感じにはなれないが、緑茶を飲むことは可能。筋肉痛の多い人にとっては朗報なのでは?

2009/04/30

Saya's 薬学ニュース vol.91-ジフェンヒドラミンが睡眠時間を有意に延長 /インターネットでの医薬品販売規制へ/性的不能治療薬の長期服用でも視力障害出ず/尿検査で不健康な食生活がわかる-尿中カリウム量で判定

<Today's news>
1. ジフェンヒドラミンが睡眠時間を有意に延長
2. インターネットでの医薬品販売規制へ
3. 性的不能治療薬の長期服用でも視力障害出ず=米研究

おまけ. 尿検査で不健康な食生活がわかる-尿中カリウム量で判定

ジフェンヒドラミンが睡眠時間を有意に延長
2009. 4. 10-日経DI

[要約&コメント]
ジフェンヒドラミン塩酸塩*が、stage2と呼ばれる比較的浅い睡眠を有意に増加させることが明らかになった。服用翌日に精神身体活動に影響が残る「持ち越し効果」についても認められなかった。
関連サイト(エスエス製薬):睡眠ポリグラフィによる「ジフェンヒドラミン塩酸塩」の睡眠への影響
*ジフェンヒドラミン塩酸塩
商品名:レスタミン

抗ヒスタミン薬第一世代であるジフェンヒドラミン塩酸塩は、市販の催眠鎮静薬としても市販されており、グ・スリーやドリエルなどの名前でおなじみではないだろうか。睡眠障害で悩む方が、処方せん薬の睡眠薬と同じなのでは?と勘違いされていることも多いので注意が必要であるが、これでエビデンスとしても催眠効果が認められたことになる。ただし、排尿困難・緑内障の患者に対しては注意が必要である。

インターネットでの医薬品販売規制へ
2009年4月14日-日経パソコン

[要約&コメント]
厚労省と医薬品ネット販売会社との間の対立は、薬事法改正間近に迫っていながらも、いまだに続いている。OTC医薬品分類とその内容なども含め、様々な情報が記載されているため、今回載せることとした。


性的不能治療薬の長期服用でも視力障害出ず=米研究
2009年4月14日 13時19分-毎日新聞

[要約]
「バイアグラ」や「シアリス」は、これまでに服用後に視力低下や視界が青くなるなどの変調を訴える人が出ていた。しかし、その後の研究で視覚機能や眼球圧について各グループに大きな差異は見られなかったという。

おまけ…食生活

尿検査で不健康な食生活がわかる-尿中カリウム量で判定
2009/04/03(金)-ケアネット.com ※ケアネット.com閲覧には会員登録が必要です


[要約&コメント]
尿中のカリウム量と全般的な栄養摂取との間には密接な関連があるという。患者本人に尋ねれば果物、野菜、乳製品の摂取に関する大まかな食事内容はわかるが、自己申告の不正確さは周知のことだという。
尿中カリウム量が多いほど、果物、野菜、全粒穀物、低脂肪乳製品などの健康的な食品の摂取量が多く、カリウム量が少ないほど、赤身の肉、ファストフードおよび糖分が多く高カロリーの飲料摂取が多いことが判明。

食生活に関しては、深い部分まで説明できないことが多い。患者自身自分でよいと思っていた食事方法も、医学的には適さない事もある。これを尿の検査で確認できるという意味は大きいように思う。

2009/04/26

Saya's 薬学ニュース vol.89-骨粗鬆症治療剤リカルボンとボノテオが新発売/女性は記憶障害に強い?/「デブは病気がち」の真偽を検証する/BMI最適値が判明/緑茶やオリーブ油の抗酸化作用は保存期間の長さに伴って消失

<Today's news>
1. 骨粗鬆症治療剤リカルボンとボノテオが新発売
2. 女性は記憶障害に強い? ホルモンが脳血流改善
3. 「デブは病気がち」の真偽を検証する
4. BMI最適値が判明、90万人の解析から

おまけ. 緑茶やオリーブ油の抗酸化作用は保存期間の長さに伴って消失

骨粗鬆症治療剤リカルボンとボノテオが新発売
2009/04/09-ケアネット.com ※ケアネット.com閲覧には会員登録が必要です


[要約]
小野薬品工業株式会社とアステラス製薬株式会社は、両社が国内共同開発し、1月21日付で製造販売承認を取得した骨粗鬆症治療剤を、それぞれ「リカルボン錠1mg(小野薬品)」「ボノテオ錠1mg(アステラス製薬)」(一般名:ミノドロン酸水和物)の名で、4月7日に国内で新発売した。
日本人骨粗鬆症患者におけるプラセボ(偽薬)に対する骨折抑制効果の優越性を検証できた初めての薬剤である。

詳細:アステラス ニュースリリース
※参照:Saya's 薬学ニュース vol.84-ミノドロン酸:骨吸収を強力に抑制する日本発のビスホス製剤

女性は記憶障害に強い? ホルモンが脳血流改善
2009年4月10日-m3.com 提供:共同通信社

[要約&コメント]
脳梗塞(こうそく)や老化などによって生じる記憶障害に対し、女性ホルモンのエストロゲンが脳の血のめぐりを良くして記憶を改善するように働くことがマウスによる研究で明らかになった。エストロゲンが血管を広げて血流を増やすことで脳の働きを改善しているという。

「男性は記念日などを覚えていないことが多い」というのが持論であるが、これも、その持論をある意味証明する内容なのであろうか。男性と女性の脳の違いについては個人的に興味があったため、興味深い記事と思い載せることにした。ルームメイトの男性に話したら笑っていたので、男性にとっても理論で言い訳のできる研究結果なのではないだろうか。「本人が悪いのではなく、脳が悪いのだ」と。

「デブは病気がち」の真偽を検証する
2009. 4. 6-日経メディカルオンライン

[要約&コメント]
レセプトデータ及び健康診断の結果をもとに、BMIが25以上の人を肥満とし、受療動向(受療率/受診日数/医療費)や疾患の種類などをBMI25以下の人たちと比較調査した。
肥満群の人たちがBMIで25を切る=肥満を解消する)ためには、平均で14~18kgの減量が必要というデータも。


肥満は大病の元というように、肥満があらゆる疾患の原因になっている事は皆さんもすでにご存じのことと思いますが、このように1万人に以上の人たちのデータを比べてはっきりと結果が得られるものなのですね。この筆者が医療の専門家ではないため、肥満が生活習慣病の代表疾患以外のうつ病や不眠症、気管支喘息の下人になっている理由までは考察されておりませんが、データとしてみる分には興味深いように思います。

BMI最適値が判明、90万人の解析から
2009/04/09(木)-ケアネット.com ※ケアネット.com閲覧には会員登録が必要です

[要約&コメント]
BMIは単独で死亡の強力な予測因子であり、死亡率は22.5~25.0kg/m2で最も低く、この範囲以上でも以下でも死亡率が上昇することがわかった。BMIが5 kg/m2増加するごとに全死亡率が平均で約30%ずつ上昇したという。その他疾病等の危険率もすべて上昇していた。

上記肥満の記事に続き、BMIの最適値に関する記事を紹介した。やはり25以上が肥満とするガイドラインはエビデンスに基づいているように思う。

おまけ...カテキン

緑茶やオリーブ油の抗酸化作用は保存期間の長さに伴って消失
2009/04/10(金)-ケアネット.com ※ケアネット.com閲覧には会員登録が必要です

[要約&コメント]
抗酸化物質が豊富に含まれる食品の健康面での有益性は、食品の保存期間に伴って減少していくことが2つの新しい研究で示された。長期保存によるカテキンの持続性を検証するため、米国、韓国および日本で市販されている8種類のティーバッグの緑茶を元の包装のまま1週間~6カ月にわたり保存したところ、保存期間の早い段階から抗酸化物質の減少がみられ、6カ月後には8種類の緑茶のいずれもカテキン濃度が急激に減少した(平均32%)。
オリーブ油についても、6カ月後には40%低下することがわかった。

今研究は、封を開けたものではなく元の包装のまま行ったものなので、封を開けてしまったらこの低下率は格段に速いものと予想できる。いいお茶だからとっておく、のではなくいいお茶だからこそ早めに飲んだほうがよいのだそうだ。同様に、カテキンを使用している製品(ハンドクリームなど)も、製造に方法によっても変わってくるだろうが、長く使わずにとっておくよりも使用することで効果が得られる事を忘れてはならない。

2009/04/18

Saya's 薬学ニュース vol.88-Google Healthと処方履歴提供で提携/膵臓細胞に甘さ感知機能 おいしい糖尿病薬に道?/プラビックスとアスピリンの併用は、アスピリンの単剤療法よりも有効/降圧薬、スタチン、アスピリンなど5剤を含む合剤で心疾患を予防/新しいヨーグルトは胃潰瘍と戦う

<Today's news>
1. 薬局チェーンのCVS、Google Healthと処方履歴提供で提携
2. 膵臓細胞に甘さ感知機能 おいしい糖尿病薬に道?
3. プラビックスとアスピリンの併用は、心房細動患者の重度の血管性イベント予防においてアスピリンの単剤療法よりも有効
4. 降圧薬、スタチン、アスピリンなど5剤を含む合剤で心疾患を予防

おまけ. 新しいヨーグルトは胃潰瘍と戦う

薬局チェーンのCVS、Google Healthと処方履歴提供で提携
2009 年 4 月 7 日-TechCrunch - USA


[要約&コメント]
Googleは、新たにCVSと提携関係を結んだことを発表した。CVSは米国の大手薬局チェーンで、今後同社の顧客は処方箋の全履歴をGoogle Healthにインポートできるようになる。CVSの提携は、すでにこの機能を実施済みのLongs Drugs、Walgreensなどの大手薬局に続くもので、これで全体では1億人以上のアメリカ人が、医療記録をGoogle Healthにインポートできることになった。処方記録を一ヵ所に集約することによって、有害薬物相互作用の削減に寄与することがてきる。 処方記録の大半ではなく「全部」をインポートできる必要があるのはもちろんだ。しかしGoogle Healthは、Wal-Mart、Targetといった全国チェーンを含め、未だに主要グループをいくつか逃がしている。
*その他同内容記事:1億人の医療記録を追加: Google Healthに米大手薬局参加で1億人以上の医療記録がオンラインに(4/7ITmedia),Google Health,大手ドラッグストアCVSの処方履歴を管理可能に (4/7ITpro)
*Google Healthについての記事:米Google、医療記録管理サービス「Google Health」を一般公開

他社の処方せん履歴をGoogle Healthを使って検索が可能になる。この記事を読んで最初は「まさか!」という思いであったが、これをアメリカでは可能にしてしまうのだ。日本では現在お薬手帳というアナログなやり方で実施しているが、患者がしっかり理解していないせいか1人が2冊持っていたり、持参するのが面倒臭くて…という人も多く機能していない部分もある。
アメリカの場合は、かかりつけ医や薬剤師がいる中で、同じ薬局やクリニックへ足を運ぶことも多い。その点では薬歴の管理なども日本に比べてしやすいのではないだろうか。このシステムが必要なのはむしろ日本のような気がするが…プライバシーの面で不安を感じたが、その点は他のサイトよりも厳しく管理していることもあり、アメリカでどのように機能していくか次第で日本にもいずれやってくるかもしれない。

膵臓細胞に甘さ感知機能 おいしい糖尿病薬に道? 2009年4月8日-m3.com 提供:共同通信社 ※m3.com閲覧には会員登録が必要です

[要約&コメント]
血糖値を下げるインスリンを分泌する膵臓(すいぞう)の「ベータ細胞」に、甘味を感じる受容体が存在することが突き止められた。受容体が甘味を感知すると、ベータ細胞がインスリンを分泌することも確認されたという。糖分のない人工甘味料を使って、この受容体に働く薬を作れば、味は甘く、しかもインスリン分泌も促すため、糖尿病患者に朗報となりそうだ。

甘い薬は糖尿病患者さんにとって朗報なのだろうか?お菓子感覚で飲める薬になれば、コンプライアンスが上昇する?というのも無理やりな感じがしてしまう。"良薬は口に苦し"はもう古い言葉...?
化学物質を投与せず、人工甘味料で効果が発現されれば、副作用の少ない薬の開発になることは良いことかもしれない。

プラビックスとアスピリンの併用は、心房細動患者の重度の血管性イベント予防においてアスピリンの単剤療法よりも有効
2009/04/09-ケアネット.com ※ケアネット.com閲覧には会員登録が必要です

[要約]
重度の血管性イベント発生率の相対リスクがプラビックス(一般名:クロピドグレル硫酸塩)とアスピリンの併用療法は、アスピリン単剤療法よりも11%低下することが明らかになった。また、心房細動の患者を治療する医師の主な目標である脳卒中発症の相対リスクも28%減少した。しかし、中枢神経系以外の全身性塞栓症(血流中に血塊が存在するが脳には到達しない)、心臓発作、血管性死亡など、その他の重度の血管性イベントについては、統計的有意に達っしず、プラビックスとアスピリンを併用した場合、アスピリン単剤の場合よりも大出血率が有意に上昇したという。
詳細:サノ・アベンティス プレスリリース(PDF)

降圧薬、スタチン、アスピリンなど5剤を含む合剤で心疾患を予防
2009/04/07-ケアネット.com ※ケアネット.com閲覧には会員登録が必要です

[要約&コメント]
スタチン、3種類の降圧薬、アスピリンを含む合剤ができれば、心臓発作や脳卒中、その他の心血管障害リスクを低減できる安価な薬剤となる。研究者らが期待を寄せるこのpolypillポリピル(商品名;Polycap)*を用いた最初の臨床試験で有用な成績の得られたことが報告された。polypillによって収縮期血圧(最大血圧)、拡張期血圧(最小血圧)共に個々の薬剤よりも優れていた。LDLコレステロール値はシンバスタチンの個々の用量とほぼ同程度に低下。尿中の血栓関連分子レベルも低下していた。また、polypill投与群で有害な相互作用は認められなかったという。
*polypill概要
降圧薬のアテノロール(β遮断薬)、ヒドロクロロチアジド(サイアザイド系利尿薬)、ramipril(ACE阻害薬※日本では未承認)のジェネリック(後発)医薬品と、シンバスタチン(コレステロール低下薬)、アスピリン(血小板凝集抑制薬)の5剤を含む。
※関連記事:降圧薬3剤/スタチン/アスピリンの配合薬は安全かつ有効(4/30 日経DI)

今まで1つずつの薬として使われていた5剤が1つの薬に…確かに、これらの薬を1剤ずつ一緒に服用している患者は見かけることがある。合剤にすればコンプライアンスも向上するし、患者の負担も減るだろう。ただし、すべてが一緒に入っている場合副作用発現の可能性も高くなるし、万一メジャーでない副作用が発現された場合、どの薬によるものかの判断がつきにくいという欠点もある。

おまけ...ヨーグルト

新しいヨーグルトは胃潰瘍と戦う
2009年3月30日-m3.com 提供:Medscape ※m3.com閲覧には会員登録が必要です

[要約&コメント]
日本人研究者らが開発したこのヨーグルトは胃炎や胃潰瘍を引き起こす細菌と戦うと同研究者らは述べている。ヘリコバクター・ピロリはウレアーゼという酵素を用いて、胃の内側に付着し、感染を引き起こす。この最新のヨーグルトは胃潰瘍と戦うようにデザインされており、IgY-ウレアーゼという抗体を含んでいる。このヨーグルトは日本ではドクターPiro*、韓国ではGutという名前で市販されている。
*ドクターpiro
商品情報:http://www.glico-dairy.co.jp/product/product_sub.php?pcd=108080

先日のヨーグルトワクチン(Saya's 薬学ニュース vol.87-経口接種できるヨーグルトワクチンに可能性)に続き、ヨーグルトの話題を掲載しました。潰瘍を起こす厄介者のピロリ菌と戦う食品があるのをご存知でしたか。この記事はアメリカのMedscape Medical News に掲載されたニュースなので、日本や韓国でこんな商品が販売されていますよ、という紹介でもあったのですが、潰瘍でお悩みの方は試してみる価値があるのではないでしょうか。(ピロリ菌の場合は除菌したほうが早いですが。)

2009/01/12

Saya's 薬学ニュース vol.54-タミフルをめぐる議論/がんのリスクを下げる食品/栄養剤誤投与で死亡/厚労省が考える後発品普及策/若者への啓発活動-献血

2009/01/06 00:00-共同通信社

[要約&コメント]
タミフル*の10代への使用中止による大きな問題は、通常のインフルエンザ治療では今のところ明らかになっていない。しかしこの薬は、発生が懸念されている新型インフルエンザ対策の大きな柱で、国や都道府県が備蓄を進めている。このため専門家からは「安全性について早く結論を出さないと、新型発生時に現場が混乱する恐れがある」との声が出ている。

現場では、「新型で死に至る危険があるなら、10代でもタミフルを積極的に使う」と話すが「何となくうやむやなまま使用差し控えの状態が続くと、安心して対策が進められない」という指摘もある。
*タミフル
商品名:タミフル 
一般名:リン酸オセルタミビル
インフルエンザウイルスが感染細胞から体内に広がるのを抑制する働きがある。国内販売開始は2001年2月。服用後の飛び降りなど異常行動の報告が相次ぎ、厚生労働省が07年3月、10代への使用を原則中止し、服用と異常行動の因果関係について調査を始めた。新型インフルエンザに対する効果も期待されるとして、国と都道府県が計2400万人分を備蓄、さらに増やす計画。

タミフルの危険性は去年あたりから頻繁に議論が重ねられるようになったが、未だにきちんとした答えは得られていない。確かに、対策として備蓄が進められているが、使うかどうかの時に迷っていては備蓄している意味がない。かといって、タミフルの使用がダメ、となった場合、新型インフルエンザには何で対応するというのだろうか。それを考えると回答次第では大きな壁が待ち受けているようにも思う。一刻も早い結論の導きが必要である。

2009年1月6日-m3.com 提供:毎日新聞社 ※m3.com閲覧には会員登録が必要です

[要約&コメント]
緑茶は、とくに女性で胃がんのリスクを下げるというデータが出ています。緑茶は、進行した前立腺がんを抑える可能性もありますが、大腸がん、子宮体がん、膵臓(すいぞう)がんでは効果はないようです。
一方、コーヒーは男性の膵臓がんのリスクを下げる可能性があります。さらに、肝がんでは、コーヒーをほぼ毎日飲む人は、男女ともリスクが約半分に減少したというデータもあります。
野菜は少量の摂取でも、胃がんのリスクを下げるようです。ただ、多く食べても、大きくリスクが下がるわけではないようです。肺がんや大腸がんでは、野菜・果物の摂取とあまり関係はないようです。

コーヒーの場合は、逆にガンの発生助ける場合もあるということを、何かの本で読んだことがある。そう考えると、一体どの情報を頼りにすればよいのか困ってしまうが、食品の場合は、これを摂れば絶対に大丈夫ということはなく、なんでも摂りすぎはよくなく、いろんな種類のものをバランスよく摂ることが最も効果的であるということ。頭で分かっていても難しい内容であるが…

2009年1月6日-m3.com 提供:共同通信社 ※m3.com閲覧には会員登録が必要です

[要約&コメント]
大阪府茨木市の「友紘会総合病院」で2日、女性の准看護師(45)が寝たきりの男性患者に誤って栄養剤を点滴で投与し、患者が間もなく死亡していたことが5日、分かった。栄養剤を胃に直接注入するためのチューブに装着する際、左腕につながった点滴用の補助具に誤ってつないだ。

誤投与した准看護師はこの日午前9時から勤務。「忙しくて間違ってしまった」と話しているという。担当するフロアには患者約50人がいたが、看護師2人とヘルパーで対応していた。
忙しさからの注意欠落...これが人を死に追いやることになるとは...薬局でも忙しさによる調剤ミスは多い。しかし、忙しかったから、ということはとても被害者の遺族には説明がつかないであろう。人手不足の問題がこのような被害を生んでしまうしまうことはとても切ない。人手を増やすことはとても大変なので、せめて人手不足でもミスを減らせるようなシステムづくりが必要である。

2009年01月06日-USFL.COM - New York,NY,USA

[要約&コメント]
小売り大手の値引きやメーカー間の価格競争などを受け、ジェネリック(後発コピー)処方薬の価格が低下していることが、医療情報IMSヘルスの調べで分かった。
ジェネリック薬の国内(米)処方件数は2008年9月までの1年間に前年比で5.4%増加した一方、売上高は2.7%減少した。価格競争は、骨粗しょう症治療薬やコレステロール抑制剤など非常に人気が高いブランド商品が出た分野で特に激しいとのこと。

アメリカでは、すでにジェネリック普及割合が50%以上もあるというのに、さらに去年に比べて5.4%も増加しているという。日本の普及率とはもはや比較にならない。ジェネリックの価格が下がることに関しては、包括医療を行っている米国の医療機関にとってはうれしい悲鳴ではないだろうか。

2008/12/31 14:35-キャリアブレイン

[要約&コメント]
若年層の献血離れが懸念される中、日赤や厚生労働省、都道府県などは、1月1日から2月28日までの2か月間、「はたちの献血キャンペーン」を行う。キャンペーンキャラクターは楽天イーグルスの田中将大投手(20)。日赤などは、「I can! 人は献血で人を救える。」をキャッチフレーズに、献血への理解と協力を訴えている。
全国の16-29歳の献血未経験者5000人に対して行った「若年層献血意識調査」では、過半数の54.1%が献血に「関心がない」と回答。

若い人たちの関心はここまで低かったのか…自分も血液検査嫌いでなかなか献血には出向けなかったが、帰国したら一度行ってみようと思う。少しでも、何か気付きがあれば人は動く。その気付きを与えられるかどうかが大きな課題になるであろう。若者にとって献血がどのようなものになれば積極的に受けるようになるか...若者にとってエイズに対する恐怖は少なからずあるが、エイズに感染している可能性があるという認識が薄い。献血とエイズの啓もう活動を一緒に行っていったらどうだろうか?

2009/01/05

Saya's 薬学ニュース vol.49-あなたは大丈夫?糖尿病疑い2000万人突破!/病院薬剤師研修のお知らせ/睡魔とホルモンの関係/募金先からささやかなクリスマスプレゼント

<Today's news>
1. 今後10年以上、患者増加か 糖尿病なりやすい日本人
2. 国民健康・栄養調査:あなたは大丈夫? 糖尿病疑い2000万人突破--07年  
3. 病院薬剤師研修のお知らせ : 神奈川県
4. 睡魔とホルモンの関係

おまけ. 途上国の子供からXマスカード=うれしい、元気もらった-NPO支援で協力者に

今後10年以上、患者増加か 糖尿病なりやすい日本人  
2008/12/26 00:00-共同通信社

[要約]
急増する糖尿病患者とその予備軍。日本人は体質的に糖尿病になりやすいうえ、高齢化も大きな要因となり、患者は今後10年以上にわたり増え続ける恐れがあるという。日本人などアジア人は一般に欧米人に比べ、血糖値を下げるホルモンのインスリンの分泌が少なく、少し太った程度でも糖尿病になりやすいとのこと。


国民健康・栄養調査:あなたは大丈夫? 糖尿病疑い2000万人突破--07年  
2008/12/26 00:00-共同通信社

[要約&コメント]
糖尿病が疑われる人は予備軍も含めて2210万人と初めて2000万人を超えたことが、厚生労働省が25日に公表した07年の国民健康・栄養調査で分かった。前年より340万人増え、10年前の1・6倍に達した。
成人男性の29%、成人女性の23%が該当するが、実際に治療を受けているのは男女合わせて5%に過ぎなかった。年齢別では、40代の15%、50代の27%、60代以上では3割以上が当てはまる。
日本人のカロリー摂取量は10年前よりむしろ減る傾向にあり、厚労省生活習慣病対策室は「運動不足やバランスの悪い食生活が、糖尿病増加につながっているのではないか」とみている。

糖尿病は自覚症状はあまりなく、気づいたころには症状がかなり悪化している状態なことが多い。そのために、このような結果が出ているように思う。しかし、糖尿病は悪化してしまうと全身を病魔にさらすことにもなり得る怖い病気である。症状は出ていないから、と安心せずに検診により定期的にチェックしておくことが生涯健康でいられる秘訣であろう。
この他にも、睡眠時に酒や薬の助けを借りていると答えた割合も掲載されており、とても興味深い結果となっていた。

病院薬剤師研修のお知らせ : 神奈川県
2008年12月25日-かながわの薬事情報

[要約&コメント]
〈対象〉神奈川県内の病院・診療所に勤務している薬剤師
〈日時〉平成21年2月12日(木曜)午後1時30分から午後5時まで(受付:午後1時から)
〈会場〉かながわ県民センター 2階 ホール
※会場へのアクセスについては下記の案内ページをご覧ください。(かながわ県民センター 交通アクセス)

申込方法はWebを参照:http://www.pref.kanagawa.jp/osirase/yakumu/yakuan/kensyuu.html

睡魔とホルモンの関係
2008年12月26日-毎日新聞

[要約&コメント]
質問内容:生理前から生理中にかけて、強度の眠気に襲われ頭がもうろうとします。最初は、寝不足や疲れによるものかと思っていましたが、いつも月の決まった時期(生理前後1週間ぐらい)に起こる周期的なものだと最近気づきました。周囲からは「居眠りが多い」と非難されることも多々ありますが、どうしようもありません。何か改善する方法はありますか? また、生理と眠気は関係あるのでしょうか? ホルモンの分泌とも関連しているのか、最近特にひどくなったように感じます。特に不眠などの睡眠障害はありません。平均睡眠時間は約5時間です。(47歳、女性)

女性の睡眠の質は女性ホルモンの月の分泌リズムや、更年期の女性ホルモンの変動にしたがって影響されます。多角的な検討が必要です。
月経前症候群(Premenstrual Syndrome, PMS)が考えられる一つ目の影響。不眠より過剰睡眠や日中の眠気を訴える人のほうが多く認められます。睡眠時無呼吸症候群(Sleep Apnea Syndrome, SAS)も可能性があります。SASは夜間に気道閉塞などの呼吸障害で睡眠が妨げられ、日中著しい眠気に襲われる疾患です。(閉経前女性には一般にSASは少ない)
睡眠障害以外にPMSや更年期症状があれば、漢方薬や一部の抗うつ薬、低用量避妊薬、ホルモン補充療法などが適応になります。まずは婦人科を訪れてみるとよいでしょう。

ホルモンと睡眠に関しては、多少なりとも悩んでいる女性はいるのではないでしょうか。これに日本の多忙な生活がプラスされて、睡眠不足や日中の眠気に悩まされることは多かった気がします。この、ホルモンと睡眠のメカニズムを知っているだけでも、生理期間前後は睡眠を多くとったり、ピルの服用なども検討したり、と対策が立てられるので、悩んでいらっしゃる方は参考にしてみてはいかがでしょうか?

おまけ...途上国支援

途上国の子供からXマスカード=うれしい、元気もらった-NPO支援で協力者に
2008年12月23日 14:50-IBTimes

[要約&コメント]
特定非営利活動法人(NPO法人)ワールド・ビジョン・ジャパン(WVJ)を通じ、海外の貧困地域に住む子供に募金をした支援者には今年も、海を越えて子供たちからクリスマスカードが届いた。数年前は現地に色鉛筆が無いためか黒一色だった絵は、カラフルな色使いに変わったという。
この活動は「チャイルド・スポンサーシップ」と呼ばれ、日本では4万人以上が参加。毎月4500円の支援金を海外の子供に送り、教育費や居住地域のインフラ整備に充てる。

心温まる記事だったので紹介した。ちょうど友人がガーナで青年海外協力隊として頑張っていることを思い出した。4万人以上の人が参加していることに驚いたが、同時にうれしくなった。私もクリック募金で毎日1円ずつ募金をしているが、1日に訪れる人も多さに正直驚かされる。一人1日1回しか訪れられないことになっているが、毎日のように何千人の人がクリック募金をしているのである。その全体金額も、2憶2千万を超えている。1秒1円以上の割合で募金が行われているから、相当な人数が募金をしていることになる。50クリックで、4カップ分の食糧が子供に支給される。この50クリックを少ないと感じるか、多く感じるかは人それぞれだろう。毎日募金をしても、4カップ分に相当する募金が完了するまで、ほぼ2か月近くかかるのである。今の募金金額に満足せず、さらに多くの人が1日1円クリック募金に参加してくれることを願っている。

2008/12/25

Saya's 薬学ニュース vol.39-妊婦に対する葉酸は喘息のリスク増加させる?/患者の氏名取り違え/経口中絶薬販売へ/コンピュータを使うあなたのための薬が新発売/医療事故被害者遺族をネットで中傷

<Today's news>
1. 妊娠初期の葉酸摂取が乳児の呼吸器疾患を増大
2. 患者の氏名を確認しても取り違え3件
3. イタリアで08年から経口中絶薬販売へ、バチカンは反発 
4. 富士フイルムなど3社、健康パワーを凝縮したサプリメント「オキシバリアi(アイ)」など発売

おまけ. 自分勝手、クレーマー…医療事故被害者遺族をネットで中傷

妊娠初期の葉酸摂取が乳児の呼吸器疾患を増大 
2008年12月11日-Nikkei NET

[要訳&コメント]
母親が妊娠初期に葉酸を摂取すると、出生した乳児の呼吸器疾患リスクが増大する可能性がノルウェーの研究により示された。葉酸は、先天性欠損(birth defect)リスクの軽減のために摂取が推奨されている。
母親が妊娠初期の3カ月間に葉酸サプリメントを使用していた乳児は、生後18カ月までに喘鳴(ぜんめい)や呼吸器感染症にかかる比率がほかの乳児に比べてやや高かったほか、呼吸器感染症の治療のため入院する比率が24%高いこともわかった。

妊婦には葉酸を、というのはもはや当たり前のように言われるようになったが、新たなリスクが今回発見されたのは興味深い。小児喘息は比較的多い疾患で、小児のQOLも低下する。妊婦が摂取すべき葉酸の量と、呼吸器系のリスクを高める量とがはっきりしてくると、摂取の目安になってよいのだが。
今の時点では、何とも言えないが、多くとればよいというわけでもないので注意である。

2008/12/16 11:47-キャリアブレイン

[要訳&コメント]
外来診察時、口頭で患者の氏名を確認したにもかかわらず患者の取り違えが起こった事例が、2006年1月から08年8月にかけて3件発生していたことが分かった。患者の取り違えを防ぐため、「診察券の提示や患者の家族により、本人であることを同定する」「患者に名乗ってもらう」などの方法を提案している。
口頭での名前確認は、薬局でも行われていることである。薬局の場合、名前が違えば別人の薬が紹介されることになるので、「こんな薬初めてなんだけど…」などと言われ、患者様に気付かされることもある。また、薬局では引き換え券などを用いて、プライバシーなどを守るシステムを導入するなど方法はさまざまである。口頭確認では不十分である事態がわかった今、各薬局で再度患者確認の方法に関し見直してみていただきたい。

イタリアで08年から経口中絶薬販売へ、バチカンは反発 
2008年12月16日 03:11-AFPBB News

[要訳&コメント]
イタリアで来年2月から経口中絶薬「RU486」を国内の病院で入手可能になるとの計画について、ローマ法王庁は14日、激しく批判した。この薬をめぐっては論争が続いている。この薬で妊娠7週まで堕胎が可能だとしている。イタリアでは1978年に中絶が合法化されたが、中絶に強硬に反対するバチカンからの圧力で、医師らが「良心に基づいた忌避」を理由に人口中絶手術を拒否することができる。

中絶薬の販売、どう思われますか?中絶の話で思い出したのは、海外ドラマの『ボストンリーガル』での一話。レイプをされた少女が妊娠の可能性もあるとして中絶を希望したが、受け入れ病院が人工中絶手術を拒否したために手術を受けられず、レイプ犯との間に子供ができてしまった、という悲劇。この話の中でも、「人工中絶における胎児の権利」をテーマに熱い討論が繰り広げられた。結局、ドラマのエンディングでは、少女の権利が認められ、病院に対して損害賠償の支払いが言い渡された、というものだったと思う。キリスト教との場合は、絶対に中絶出来ない…など、宗教的なものも大きく、この点に関しては非常に難しい議論になるであろう。この議論の行方を見守っていきたいところだ。

富士フイルムなど3社、健康パワーを凝縮したサプリメント「オキシバリアi(アイ)」など発売
2008年12月16日-マイライフ手帳@ニュース (プレスリリース)

[要訳&コメント]
富士フイルムと東亜薬品、および日東メディックの3社は、長時間のパソコン作業やデスクワークの機会が多い人の健康をサポートするマルチサプリメントを、共同で開発。12/18に販売が開始されるとのこと。
「オキシバリアi(アイ)」の主要成分には、最近注目されている健康成分のカロテノイド「ルテイン*」と「アスタキサンチン*」を配合。この2種類の成分の量を変えて、2種類の薬が販売される。この他にもビタミンC、ビタミンE、ビタミンB2、亜鉛、銅など、互いの働きが長持ちするようネットワークで助け合う有用成分をバランスよく配合しているという。
[小売価格]
オキシバリアi(アイ): 2800円 ※上記写真はオキシバリアi(アイ)のほう。
オキシバリアi(アイ)EX: 4800円
*「ルテイン」
ブロッコリーやほうれん草などの緑黄色野菜に多く含まれており、欧米ではアントシアニンを豊富に含むブルーベリーよりも盛んに研究が行われ、さまざまな研究成果が報告されている。
*「アスタキサンチン」
海に生息するヘマトコッカスなどの藻類から抽出され、コエンザイムQ10の1000倍(富士フイルム調べ)以上もの健康パワーを持つ話題の成分となっている。

今までに聞いたことのない成分を含むこの商品。効果のほどは?目に良いと言われているブルーベリーを愛用している人も多いので、ブルーベリー以上の効果という宣伝文句が入れば、飛びつく人もいるかもしれない。宣伝を見て購入しに来る人に、簡単に成分の説明をできるように、知識の補完になれば幸いです。
その他、日経トレンディネット、nikkei BPnetなどでも紹介されている。
 
おまけ...医療訴訟と被害者遺族
 
自分勝手、クレーマー…医療事故被害者遺族をネットで中傷
2008年12月12日14時43分-読売新聞

[要訳&コメント]
医療ミスで患者を死亡させたとして医師が起訴された事件の遺族たちが、インターネット上で誹謗(ひぼう)中傷にさらされている。
割りばしがのどに刺さり死亡した保育園児杉野隼三ちゃん(当時4歳)の診察にミスがあったとして、耳鼻咽喉(いんこう)科医(40)が業務上過失致死罪に問われた裁判。2審・東京高裁の無罪判決に対し、東京高検が4日、上告断念を発表した直後から、インターネットの掲示板「2ちゃんねる」やインターネット交流サイト「ミクシィ」内のブログには、隼三ちゃんの両親を非難する文章が次々と書き込まれた。奈良女子大の栗岡幹英教授(医療社会学)は「患者側がネット上で激しく中傷されることで、被害者が萎縮(いしゅく)する傾向がある」と分析する。
 
この医療訴訟に関しては、医療従事者だけでなく、世間では多くの人が注目していた最近の大きなニュースである。日本にいない私でさえも、ニュースなどで目にすることが多々あった。医療訴訟を起こすには、かなりの勇気が必要であったであろう。遺族を亡くした悲しみからの衝動だけで起こせるものではない。このように誹謗・中傷を書く人たちは、自分が被害者遺族の立場だったら...という視点で見られていないのかもしれない。特に産科などの場合、医療訴訟なども一つの要因となり医師の数が減少し、医師不足が深刻な問題となっているのも事実だ。やみくもに医療訴訟へ持ち込むのではなく、被害者遺族や一般の人たちも、そのような現状を十分に把握した上で訴訟などを考えるべきであるとは思うが、このような被害者遺族に対する、集中的な非難は、第三者が見ていてもとても辛いもの。
あなたが被害者の遺族だったら、本当に訴訟を起こさずに耐えることはできましたか?

2008/12/22

Saya's 薬学ニュース vol.36-カテキンの効果はいかに?!/抗血小板凝集剤の効果に遺伝子多型が関与/ジェネリック使用に関し患者と薬剤師で大きなギャップ(アンケート)/社会保障カードって?

<Today's news>
1. 非アルコール性脂肪性肝疾患への、高濃度茶カテキン飲料の効果を検証 継続摂取により、肝臓の脂肪蓄積や酸化ストレスが低減
2. クロピドグレルの血小板凝集抑制、CYP2C19遺伝子多型が関与
3. ジェネリック医薬品での処方・調剤を依頼する患者さんが着実に増加 前回13.2%から20.5%へ
4. ジェネリック医薬品について、依然として半数を超える薬剤師が“患者さんから尋ねられたら説明” 

おまけ. 社会保障カードは医療費抑制など促進-保団連

非アルコール性脂肪性肝疾患への、高濃度茶カテキン飲料の効果を検証 継続摂取により、肝臓の脂肪蓄積や酸化ストレスが低減 
2008年12月11日-花王株式会社

[要訳&コメント]
肥満が関わる生活習慣病の一つである非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD:non-alcoholic fatty liver disease)について、高濃度茶カテキン飲料の効果を検証したところ、肝臓への脂肪蓄積低減による肝機能改善や、活性酸素の過剰発生による「酸化ストレス」を低減させることがわかった。

カテキンの話題はなぜか気になります。知り合いが研究しているせいもあるかもしれません。その研究者の話を効いていると、カテキンは食品の中に含まれているのに、とんでもない効果を将来発揮してくれるのでは?という期待を抱かずにはいられません。こういう話を聞くと、つい効果ばかりに気を取られてしまいがちですが、同時に、食品に含まれている成分であっても、大量に摂取すると安全の域を超えて害を生じさせる危険性がある、ということも忘れてはならないのです。特に”健康食品“を過剰に信じて利用している人たち、忘れてはなりません。

クロピドグレルの血小板凝集抑制、CYP2C19遺伝子多型が関与 
2008年12月11日-薬事日報

[要訳&コメント]
クロピドグレル*は、冠動脈血栓症やステント血栓症などの治療に使用されているが、血小板凝集抑制作用には個体差があることが知られている。その原因としては、薬物代謝酵素のCYP2C19遺伝子の多型の関与が示唆されている。

この遺伝子多型には人種差もあり、米の3%に対し、日は20%であるという。病院で働く人には必要な情報だろうか。
*クロピドグレル
商品名:プラビックス
薬効:チエノピリジン系抗血小板剤
特徴:チクロピジン(パナルジン)と比べ、肝障害などの重い副作用がやや少ないとされる

ジェネリック医薬品での処方・調剤を依頼する患者さんが着実に増加 前回13.2%から20.5%へ 
2008年12月11日-沢井製薬(プレリリース)

[要訳]
2008年4月の制度改正から半年後の処方・調剤環境を調査するため、400名の患者に対し意識調査が行われた。患者さんの「ジェネリック医薬品」認知率は97.0%と非常に高く、ジェネリック医薬品での処方・調剤を依頼した経験のある患者さんは、20.5%(5月の調査:13.2%)と増加していた。また、実際にジェネリック医薬品を処方・調剤された患者さんも26.3%(前回18.0%)と増加傾向にある。
ジェネリック医薬品を「処方・調剤して欲しい」とする患者さんは92.8%(前回91.6%)と非常に高いのがわかる。

ジェネリック医薬品について、依然として半数を超える薬剤師が“患者さんから尋ねられたら説明” 
2008年12月12日-沢井製薬(プレリリース)

[要訳&コメント]
また、上記記事に続き薬剤師300名に対する調査においては、実際にジェネリック医薬品への変更が可能な処方せんを応需した際、「常に説明している」薬剤師は14.3%、「患者さんから尋ねられたら説明をしている」薬剤師が依然として最も多く51.0%という結果になった。
参考記事:「尋ねられたら説明」が半数以上占める‐沢井製薬が意識調査(薬事日報)

ジェネリック医薬品に関する意識調査を患者側と薬剤師側とで2つの記事を紹介したが、患者の意識が高いのに対し、その期待に応えられていない状況がわかる。「常に説明しない」理由がどこにあるかを調べたら、さらに面白いのではないだろうか。それにしても、認知率が97.0%、変更希望をしている率が92.8%とう数字には驚いた。実際に現場にいても、(ジェネリックを推進している会社であったが)変更希望者は感覚的には70%程度のものと思っていた。金額の違いを見て、そこまで変化がなければあえて先発品を選ぶ患者が多かったのだ。高収入で金額を気にしないような地域で働いていたのも、一つの理由かもしれないが。

おまけ...社会保障カード?

社会保障カードは医療費抑制など促進-保団連
2008/12/10 22:49-キャリアブレインおまけ

[要訳&コメント]
来年3月末までに基本計画をまとめる「社会保障カード*(仮称)」について、全国保険医団体連合会(保団連)は、「医療費抑制や社会保障給付費の削減を図る『社会保障個人会計』につながり、導入には反対する」との見解を発表した。その理由として、医療、介護、年金などの個人情報が、国に一元管理される恐れがある」とした上で、「個人情報の流出や、国や民間保険会社などによる“データの悪用”が危惧(きぐ)される」を指摘している。

一見便利にみえるこのカード。実際はどうなのだろうか。様々なカードが別々になっており、保管に苦労している人もいれば、医療機関などへの提示の際に面倒であることも確かである。しかし、果たして国と民間保険が有する情報を統一してもよいものだろうか。この件についてはこの先も議論を重ねていきたい。
* 「社会保障カード」(仮称)
「国民一人ひとりに付けられた統一的な番号を基に、健康保険証、介護保険証、年金手帳などの機能を1枚のカードにまとめられるもの。

2008/12/15

Saya's 薬学ニュース vol.29-慢性の頭痛、はり治療が薬より有効/インフルエンザ流行の兆し 患者増、昨年に次ぐ多さ/「ネットで安全は買えるのか」対面販売の重要性訴えフォーラム/乳がん検診に前向きな女性が9割超 /60歳以上開業医の約3割が「辞める」-オンライン請求義務化

とうとうエドモントンは冬本番?で-25℃をマークしました。どんだけ寒くなるのかなぁ?とずっと恐れていたけれど、日本のような底冷えはなく、しっかり防寒すれば芯まで冷える、ということはないようです。もちろん-25℃は寒いけれど、日本の寒さのほうが、どっちかというと嫌いかな・・・

さて、たまりにたまっている薬学ニュースをさばいていきましょう!!といっても、気になるニュースがたくさんありすぎて、なかなか当日のニュースまでに行きつかない状況です…

慢性の頭痛、はり治療が薬より有効=米研究
2008年 12月 2日 16:47-ロイター

[要訳&コメント]
慢性的な頭痛の軽減にはアスピリンなどの薬よりもはり治療が効くとの調査結果が発表された。

片頭痛で悩む人は、薬の確保に必死で、よく効いていた薬が製造中止になった知らせを聞いた時、すがる思いで薬局に電話をしてきたことを覚えている。その人のために薬を確保してあげたかったが、法律上それはできないので、断らざるを得なかったのが悔しかったことがある。そんな人たちへの第二の選択肢として、はり治療が有効であるという話は今回初めて聞いたが、欠点として通院が必要であるということ。最低5~6回の通院が必要であるという。薬の服用であれば、頻繁な通院は必要ない。本気で悩んでいる人は、試したいと思う記事かもしれないが、その効果の差はそこまで大きくなく、人によっては同等かそれ以下の効果しか得られない場合もあるということを覚えておいてほしい。

インフルエンザ流行の兆し 患者増、昨年に次ぐ多さ
2008.12.2 20:22-産経新聞

[要訳&コメント]
インフルエンザ患者の報告数が急増しており、近く全国的な流行が始まりそうなことが調べでわかった。全国的な流行開始の指標である、定点当たり1・00人(11月23日までの1週間で定点当たり0・56人)を近く超える可能性が高いとみている。台風が今季一度も本州に上陸せず、空気が乾燥していることが原因との指摘もある。
参照記事:大阪でインフルエンザ早くも猛威 全国の4割占め学級閉鎖相次ぐ 「お茶」 インフルエンザを予防 効果的な「うがい」 化粧水や風呂にも◎

今の時期話題のインフルエンザ、今年は昨年に続いて患者数が急増しているというのが気になるところ。高齢者や、特に小児の場合は感染率が高いようなので、予防注射はもちろんのこと、インフルエンザの流行には、空気の乾燥により鼻やのどなどの粘膜が弱ることが関係するとみられているため、うがいや手洗いなどの基本的な予防策が重要である。特にカテキンを多く含む「緑茶」でのうがいは抗菌作用の点で効果も高く、食生活から取り入れることができるので是非みなさんにも実行していただきたい。カテキンの作用は嘘ではなく、しっかりと研究により実証されおり、その効果の幅はもはや想像の範囲を超える。だまされた、と思って試した人にはいいことがあるかも☆

「ネットで安全は買えるのか」対面販売の重要性訴えフォーラム
2008/12/03 15:05-キャリアブレイン

[要訳&コメント]
薬害被害者団体や消費者団体などでつくる「緊急フォーラム実行委員会」が、東京都内で「なぜ薬は対面販売されるのか―ネットで安全は買えるのか」をテーマにフォーラムを開いた。
・「一般用医薬品では、副作用などの重要な事実が添付の文書に記されてはいるものの、簡単に、他の箇所と同じように記載されていることが多く、情報に『重み』がない。
・「薬局などで売られている医薬品は、パッケージを見れば、医薬品の情報を得ることができるが、ネットだと宣伝に都合のいい文句だけを書かれる可能性がある。」
・「わたしたちはただ、『ネット通販反対』と言っているわけではない。一般用医薬品販売の基準をどこに定めるか、ということが問題。長期間にわたる議論を経て、対面販売の原則を確立した今の段階では、きちんとその原則を貫くのが適切だろう、というのがわたしたちの主張だ」

今までも何度も取り上げてきているOTC医薬品のネット販売に関する話題だが、今回の記事は訴えている内容にも深みがあり、どこか人を引き付けるような、納得させるような意見が見られた気がする。確かにネット販売になれば、販売促進のための宣伝文句などが強調され、安全面での表示が陰になってしまう可能性も否定できない。ネット販売の継続には個人的に賛成だったが、この点がはっきりとされない限り、安全使用の面ではネット販売の継続は難しいかもしれない。ネット販売を禁止するにしても、継続するにしてもこの点は明確にしてほしい点である。

おまけ...ピンクリボン-乳がん
乳がん検診に前向きな女性が9割超
2008/12/04 13:55-キャリアブレイン

[要訳&コメント]
30-50歳代の女性の9割以上が、乳がん検診を「受けたい」と前向きにとらえていることが、意識調査の結果から分かった。一方、「検診を受けたことはないが、受けたい」と答えた339人に、今まで受診せずにきた理由を聞いた結果では、「診察中に行くことが困難だから」が17.1%(58人)で最多。以下、「マンモグラフィーは痛そうだから」16.8%(57人)、「自分が乳がんになると考えたことがなかったから」(11.7%)などが続いた。「どこで受診すればよいかわからないから」とする回答も11.7%(40人)あった。
参考:乳がん.jp

「余命1か月の花嫁」の影響で世間にも乳がんの認識が広まるようになったこともあり、イベントブースでは「乳がん検査」などの目がよく目につくようになった。気にしている女性が多いことは上記のアンケートからも明らかだが、「検診を受けたことはないが、受けたい」が45.3%(339人)を占めていることから、まだまだ検査の実施までにはいきついていないようだ。「余命1か月の花嫁」でも、早期発見・早期治療が助かるための一番の方法、と呼びかけていることもあり、認識を拡大させる次のステップとして検診の利便性が次の課題になると考えられる。それにしても、ここまで影響力をみせるTVの力には、本当に驚かされる。

おまけ...レセプトオンライン請求義務化
60歳以上開業医の約3割が「辞める」-オンライン請求義務化
2008/12/02 09:39-キャリアブレイン

[要訳&コメント]
2011年4月からレセプト(診療報酬請求書)のオンライン請求を義務化*する厚生労働省の方針に対し、60歳以上の開業医の約3割が「義務化されれば、開業医を辞める」と考えていることがわかった。「地域の患者の健康などを熟知したベテラン開業医が、オンライン請求義務化で廃院すれば、地域医療に深刻な影響を及ぼす。個々の医療機関の実情に応じた柔軟な対応が必要で、義務化は撤回すべき」と指摘している。

レセプトオンライン請求義務化に関しては、前々から取り上げているが、開業医に深刻な問題としてとらえられていることがわかる。ただでさえ医師不足で大きな問題を生んでいる状態で、しかも地方の開業医は、地域医療に欠かせない状態です。そんな医師が少なくともアンケートで答えた747人が廃業することになれば、地方の人はどのように医療の質を維持していくことができるだろうか。これは確かに無視できない結果のように感じた。
*レセプト(診療報酬)の請求については、
・手書きで紙レセプトを提出
・レセプト作成用コンピュータ(レセコン)で紙レセプトを作成・提出
・レセコンでデータ作成し、CD-Rやフロッピーディスクなどの記録メディアで提出
・レセコンで作成し、データ送信用パソコンからISDN回線やインターネット回線を用いてオンラインで電子的に請求
-の4つの方法がある。厚労省は、11年度以降原則、オンライン請求を義務化する予定だ。

2008/12/04

Saya's 薬学ニュース vol.22-薬剤溶出ステントで生じる問題を回避できる新タイプのステント/肥満児の動脈は中年並みに老化している/自殺に使われた「ムトウハップ」製造中止

高脂血症関連のニュースが続きます。今日は生涯学習研修の通信教育で高脂血症をおさらいしたばかりなので、情報がとても身近に感じます。月経後の女性においては、LDLの値が急増し、平均値自体が既に抗コレステロールの値をオーバーしていて、2人に1人が高脂血症であるという事実には驚かされた。どのくらいの人がこの事実について知っているのだろう。

薬剤溶出ステントで生じる問題を回避できる新タイプのステント
2008/11/25-Dr 赤ひげ.com

[要訳&コメント]
新世代型のステント*によって、従来の薬剤溶出ステント(DES)にみられた遅発性の問題を回避できる可能性のあることが2つの研究で示された。
ステンとの第一世代:ベアメタルステントは、再狭窄を生じることが多かった。
第二世代の薬剤ステントは、遅発性ステント血栓症などの問題がみられた。
今回の新しいステントは第三世代で、「内皮前駆細胞(EPC)捕捉ステント」と呼ばれるもの。動脈壁内側の内皮前駆細胞がステントを覆うことを促す抗体でコーティングされており、治癒の速度を上げ、動脈を長期間開通させておくことができるという。
*ステント:狭窄した動脈を再開通させる血管形成術に利用される器具

動脈硬化などの治療に用いられるステント。副作用が軽減されたことが大きな進歩である。ステントの利用ということは、動脈硬化も進行し、薬での効果だけでは不十分という意味であるため、最終手段のような治療の進化は大きな意味を持つ。

肥満児の動脈は中年並みに老化している
2008/11/25-Dr 赤ひげ.com

[要訳&コメント]
肥満児の動脈は、実際の年齢よりも30歳以上老化していることが新しい研究で示された。(被験者は平均13歳で、ほとんどが白人であり、約半数が男児)肥満児および血液中のトリグリセリド(中性脂肪)濃度が高い小児ほど血管年齢が高い傾向があったという。
蔓延する肥満の問題を解消するには、出生前に両親を教育することから始める必要があると指摘している。「若い親の多くは子どもの栄養所要量について理解しておらず、カロリーの摂取量と消費量のバランスが取れていない。

実年齢よりも30歳以上老化している…ということは、例えば1歳の子であっても、血管年齢では私は優に抜かれてしまうということ…(究極な例だが)その子たちが私と同じ年齢になったら?!そう考えると怖い事実である。
海外に住んでいると感じるが、食べる量が尋常ではない。メニューを見てもこれを毎日食べれば、あれだけ大きなお尻になってしまうことも納得である。米や加の薬剤師は、薬剤師としての職能において高い信頼を得ているが、生活習慣病の予防や未病に関しては機能していないように感じた。親の教育ももちろんだが、義務教育での保健と栄養の教育も、食生活の見直しを考えさせるほどのものをしていくべきなのではないだろうか。

自殺に使われた「ムトウハップ」製造中止 「やめないで」存続望む声続々
2008/11/26-J-Cast ニュース

[要訳&コメント]
「硫化水素ガス」自殺の原料に使われた入浴剤の製造が中止されたことが明らかになったが、製造元には700人以上の愛用者から「やめないでほしい」という声が寄せられている。
入浴剤と洗浄剤を混ぜ合わせて「硫化水素ガス」を発生させ、これを吸って自殺に用いられたことから、製造を中止させられた「ムトウハップ」は、イオウなどを含む医薬品の入浴剤で、疲労改善、アトピーや皮膚病にも効果があるといわれ80年前から長い間利用されてきた。ある有名な温泉旅館も、温泉と偽って利用していたほど効果の高いものと考えられていたのであろう。
販売自粛要請により8割近くの薬局やドラッグストアが販売を停止させ、2ヶ月後に自粛要請が解除になった後でも、販売を再開させる薬局等は少なく、社員の退職を余儀なくされている状態である。

毒ガス自殺に使われる商品を取り除くということは、安全性の観点から一見正しい判断ともとれるが、それにより被害を被る人たちも多いということを考えさせられる。これは、報道により毒ガス(硫化水素)の作り方までも詳しい記載をしたために、それに続いて自殺が増えたという事実も見過ごしてはならない。過剰な報道は時として混乱を招き、新たな害を生んでしまうことも確かである。いくら良い商品、とはいっても安全上この商品を販売し続けることはできないし、愛用していた人たちには残念だが何かこれに代わる商品開発に励んでのしいものである。

2008/11/29

Saya's 薬学ニュース vol.18-便秘の治療について

こころとからだの相談室:便秘の治療について
2008年11月14日-毎日新聞

[要訳&コメント]
質問内容:毎晩茶さじ1杯のセンナを寝る前に服用すると翌朝便が出るのですが、こんなに何年間も飲み続けていても、体に害がないものでしょうか? また、何年も続いている便秘を解消する方法は何かありますでしょうか?

便秘の治療は、(1)食事療法(2)運動療法、そして(3)できるだけ少量の下剤を用いるのが基本。
下剤はセンナのような「刺激性下剤」(大腸の粘膜を刺激して水分の分泌を促すなどの機序)ではなく「緩下剤(塩類下剤)」を用いることを勧めている。効き過ぎると水様便や泥状便になりやすいのが欠点である。
現代の人たちが便秘がちなのは、食物繊維の摂取不足が原因と言われている。水分のこまめな摂取と運動により、大腸収縮運動(蠕動運動)を誘発するため、便秘解消によいといわれている。
刺激性下剤の使用は、比較的効果の発現も早く、よく用いられているが、量の使いすぎに注意する必要がある。

便秘で悩む高齢者は本当に多く感じる。薬局に薬を取りに来る高齢者のほとんどに下剤が処方されている。多数の薬を服用することで、便秘を悪化させることもあるが、食生活の変化(食物繊維摂取不足)も多いように思う。食物繊維が良いとはいっても、中にはかえって便秘を悪化させるような食材もあるので、注意が必要である。

2008/11/19

Saya's 薬学ニュース vol.11-糖尿病医療連携「継続的努力が必要」/レセプトオンライン請求の完全義務化、個別の判断は適当でない/HIV新規感染者が過去最多

最近栄養に興味が出てきたこともあり、NR(Nutritional Representative:栄養情報担当者)認定の資格について調べてみた。
2005年から開始されたもので、まだ多くの人が持っている資格ではない(約1,900名)。しかし、生活習慣病の罹患率が増加していることから、多くの人が"栄養"や"健康"に興味を持っているのは確かである。薬局でも、「最近TVで○○が△△に効くっていうのを観たんだけど…」という話を患者さんから耳にする薬剤師も多いのではないだろうか。ドラッグストア勤務の薬剤師に聞いたところ、"栄養"に関する質問は日常茶飯事であるとのこと。NRの資格勉強によって得た知識は、日々の勤務で有効に利用できるとの事だ。
どうやら、多くの会社で通信教育が可能のようであるし、これは一つ、挑戦してみる価値がありそうだ♪

薬剤師も、積極的に生活習慣病の予防や治療にあらゆる方面(薬だけでなく)から関わっていきたいものです。そんな風に思っている薬剤師も多いのでは?
興味のある人は以下のサイトへ☆
独立行政法人 国立健康・栄養研究所(http://www.nih.go.jp/eiken/index.html )

糖尿病医療連携「継続的努力が必要」
2008/11/11 14:55-キャリアブレイン

[要訳&コメント]
「東京都糖尿病医療連携講演会―地域での取り組み事例から学ぶ」で行われたディスカッションでは、今後、都内全域に拡大される糖尿病医療連携の課題について意見交換が行われた。以下、参加医師たちによる意見。
「数年ではうまくいかないと思う。少なくとも10年スパンで考える必要があり、継続的に努力する組織が必要」
「日常の予防や、早期発見などについてボトムアップする」
「合併症が進んできた患者に対し、さらに高度な医療を提供する」
「合併症が進んだ患者については、個別の対応になり、主治医と紹介先の医師との関係が大事になってくるので、普段から顔を合わせてしっかりと連携を取っていくことが必要になる」

この中で目にとまった意見がこれ。「糖尿病患者が多いので、医師だけではなく、コメディカルといかに力を合わせていくかが、医療連携を推進する一つのカギになるのではないか」
医師が、他の医療従事者達との連携により、糖尿病医療を克服していく考えを示したことはとても興味深い。さて、これに薬剤師が含まれているかどうかは定かではないが、含まれているとしたらそれはいったいどういった内容であろうか。
・薬のコンプライアンス?
・副作用の有無の確認?
そんなことは、他の疾患でも行っている内容である。では、糖尿病だからこそ協力し合える、薬剤師の役割とは?この答えを見出し、実行することが出来れば、"コメディカル"に参加する切符を得られるのではないだろうか。

レセプトオンライン請求の完全義務化、個別の判断は適当でない  厚労省答弁
2008/11/14 00:0-厚生政策情報センター

[要訳&コメント]
厚生労働省は、診療報酬のオンライン請求の完全義務化に関する質問に対する答弁書を公表した。H20年5月分の診療分について集計したところ、現在は以下のような状況だという。(社会保険診療報酬支払基金による集計結果)
〈オンライン請求を行った施設〉
医科病院:8708施設、医科診療所:7万5902施設、薬局:4万7060施設
〈オンラインでない方法で請求を行った施設〉
医科病院:123施設、医科診療所:1万2726施設、薬局:4558施設
また、アンケートを行ったところ、「実際にオンライン請求を行っている保険医療機関等の約6割が職員の業務負荷の軽減につながり、3割が病院経営の改善につながった」と回答していることから、個別の判断にゆだねず、すべての保険医療機関等がオンライン請求の対象とするよう答弁した。

オンライン請求への移行により、医療事務職員の業務負荷が軽減することに関しては、実際目にしていることから納得できる。このアンケート調査で、逆にオンライン請求による不都合点なども指摘されているはずであり、その点に関して、にオンライン請求義務化にする前に解決していただきたいものである。

HIV新規感染者が過去最多 感染・患者累計、初めて1万5000人超す
2008.11.19 18:38-産経新聞

[要訳&コメント]
今年7月~9月に新たに報告された国内のエイズウイルス(HIV)感染者数は294人で、4半期ベースで過去最多を更新したと発表した。今期で、昭和60年の報告開始以降、初めて感染者・患者数が1万5000人(薬害患者除く)を突破した。 新規のエイズ患者数は119人で、過去2番目に多かった。
そのうち、男性は282人(96%)と大半を占める。感染経路別では同性間性的接触が211人と最多で、ほとんどが男性だった。次いで異性間性的接触が54人となった。年齢別では30代が116人と最も多く、20代が83人と続いたが、40代以上の増加が目立った。

アメリカでも、エイズの感染は同性愛者によるものが多く、差別を受けてきた形になっているが、日本でもこれほどの割合で男性が多いのは個人的にも驚いた。ほとんどが異性間性的接触によるものと勘違いしていた私は、ある意味ショックな記事であった。だからといって(個人的に同性愛者を自然と受け入れている私にとっては)同性愛者を差別する気は全くないが、エイズ感染により互いに辛い未来を歩むことになるよりは、しっかりと検査を受けた上で愛を育んでほしい、と思わずにはいられない。

おまけ…エイズ(AIDS)
性やHIV、喫煙や薬物乱用 専門医の言葉に説得力 健康教育充実へ学校と連携
2008.9.24 07:47-産経新聞

[要訳&コメント]
性の問題や心の悩み、喫煙や薬物乱用など子供たちのさまざまな健康問題に対応しようと、専門医が学校に出向いて児童生徒向けの講演や教職員対象の研修を行うなど、学校と専門医が連携して健康教育を充実させる取り組みが進んでいる。以下の内容を始めて聞く学生たちは多いという。
・先進国では減少している新規患者数が、日本だけは増加が続いていること。
・かつては必ず死に至る病とされたが、複数の薬を組み合わせて使う多剤併用療法の開発によって、病気の進行が食い止められるようになり、いまでは慢性疾患の1つになったこと。
・とはいえ、薬をずっと飲み続けなければならず、1人の生涯治療費は約1億円かかること…。
・HIVの感染経路は性行為、輸血などの血液媒介、母子感染の3通りであり、握手をしたり、一緒にご飯を食べたり、蚊に刺されたり、咳(せき)やくしゃみなどでは感染しないこと。
・クラミジアなどの性感染症に感染しているとHIVに感染しやすくなること。

日本でのエイズ感染に関しては、"無知"による感染拡大が大きな要因と考えている。しかし、これらの内容を、若い世代(10代、20代)が知っているだけでも、今後自分の身の守り方、性行為に対する考え方なども少しずつ変わってくるのではないだろうか。単純なことであるが、今までなされなかったことにより、今の現状がある。気づいたとき対策を講じれば、まだ遅くはない。このような動きが全国で起こることを願って…

2008/11/13

Saya's 薬学ニュース vol.8-30代男性のニオイ解明 ライオンが体臭抑える商品発売へ/FDAがうつ病治療用の磁気装置を認可/赤ワイン含有成分まねた薬、肥満などに効果ある可能性

カナダのエドモントンでは、地面一面が真っ白になる雪が降りました。
朝起きてみると外は銀色の世界★素敵ですね♪
まだ気温がマイナスでも1~5℃程度で、最高気温が0℃を超えるため、積もった雪はどんどん溶けていってしまいますが、これが冬本番を迎えると気温の低さのため(0℃をこえない)雪が氷になって解けなくなります。そうなると危険のようですので、万全な準備が必要です!

30代男性のニオイ解明 ライオンが体臭抑える商品発売へ
2008.11.13 23:22-産経ニュース

[要訳&コメント]
30代男性特有の体臭の原因は、使い古した食用油に似たにおいを発する「ペラルゴン酸」であることを解明したと発表した。来春をめどに、ライオンから新たなデオドラント商品が発売されるという。

男性にとっては朗報なのではないでしょうか?ネット販売でも体臭に効く石鹸などが販売されていますが、果たしてその効果は?原因の成分がわかれば、科学的に説明がつくので期待できそうですね。

FDAがうつ病治療用の磁気装置を認可
2008.11.4-Dr.赤ひげ.com

[要訳&コメント]
米食品医薬品局(FDA)は、うつ病の治療に用いる非侵襲性の脳刺激装置(noninvasive brain stimulator)を初めて認可した。
この装置は最初の抗うつ薬治療で軽減がみられなかった患者に対し、多剤併用以外の治療の選択肢を提供するものであるという。外科手術による電極の埋め込みや、最終手段とされるショック療法のようなリスクをもたらすこともないという。しかし、この治療は少し高価なのが難点。(治療回数によるが約59万~98万円)
装置商品名:「NeuroStar」
性質:頭蓋骨を通して磁気パルスを発することにより、脳細胞の興奮を促す微小な電荷を発生

高価であることが難点であるが、うつ病治療の新たな選択肢の提案としては、とても有効ではないだろうか。この治療を行うことで自殺企図率も減るというのだから、自殺者数に歯止めをかける手段としても期待ができるのではないだろうか。ただし、初めての試みであるため、今後治療対象者を増やしていく中で新たな問題が発見されていくこともあるだろう。非侵襲性であるとはいえ、脳に刺激を送るということは必要でない脳にも反応をきたす可能性もある。その部分を掘り下げて知らせてほしいものである。
 
2008年 11月 5日 13:31-ロイター
[要訳&コメント]
ブドウや赤ワインに豊富に含まれる成分[レスベラトロール]に、肥満や糖尿病対策として役立つ可能性があると、研究チームが4日明かした。この成分は、体内にある脂肪を燃焼したりするような酵素を活性化する効果があるとのこと。この酵素は、ジムに行って運動したりする際に活性化される酵素だという。
赤ワインですか…個人的には白ワインが好きで毎日飲んでいるから、できれば白ワインにその効果があってほしかった…と人生そううまくはいきません(笑)赤ワインやブドウには、老化を防止することで有名なポリフェノールを多く含んでいたり、と良い噂を聞くけれど、白ワインはどうなのでしょう?
そんな白ワイン愛好家にも朗報です★以下のような効果があるといわれています。
【白ワインの効果】
-殺菌効果:pH値が低いため抗菌作用をもつ。「魚料理と白ワイン」の由来でもあるように、赤痢菌、サルモ ネラ菌、大腸菌などの食中毒菌に有効。
-新陳代謝UP:カリウム(K)を多く含むことから、Kの利尿作用により、新陳代謝が活発になる。Kには、血圧の上昇を抑える効果も★
-骨粗鬆症予防:カルシウム(Ca)とマグネシュウム(Mg)をバランスよく含むことから、骨粗鬆症を防ぐ可能性も★
-痴呆防止:神経伝達物質や記憶に関係する物質を分解する酵素の働きを妨げる物質を持つ。
-ポリフェノール含有:ポリフェノールの量は赤ワインの方が多いが、長い期間飲んでいると白ワインでも効果に大差はないといわれている。
-「お酒は百薬の長」:ほどほどのお酒(1日1~2杯)であれば、お酒をたしなむ人のほうが長生きするとか♪(白ワインの効能ではありませんが・・・)

なので、お酒は楽しんで飲まなければ意味がない!何でも飲みすぎず、好きなものをほどほどに楽しむことで人生のQOLもUPするわけです♪ってこじつけ?
 
おまけ…「在宅介護」の動き
2008-11-5 12:30:00 -ケアマネジメント オンライン

[要訳&コメント]
社会保障国民会議では、医療・介護の社会保障機能強化について、医療の機能分化を進めて急性期医療に人的、物的資源を集中投入し、入院期間を短縮して早期の社会復帰を実現することが提案されている。同時に在宅における医療・介護を大幅に充実させ、地域での包括的なケアシステムを構築することにより、利用者のQOL(生活の質)の向上を目指すとしている。
一方で、以上の事を行っていく上で十数兆円という資金が必要になると見積もられているが、財源確保の具体的な施策は明記されていないのが現状だ。
 
 
 
 
【現状】
・在宅サービスメニュー、量の不足
・居住系整備不足
<人口5万人の場合>
 
 
  
 
  
【2025年の姿】
・できる限り住み慣れた地域で暮らし続ける
・自らの希望と選択でよりよいサービスを受けることができる
・施設・居住系サービスをスウェーデン並みに拡充
・24時間対応など多様な在宅サービス
・施設も地域に密着した小規模化、ユニットケア

2008/11/09

Saya's 薬学ニュース vol.5〈増刊号〉-海外で話題の「トランス・ファット」(=プラスチック食品、狂った油)って一体?

カナダのエドモントンでは冬本番ということで、零下は当り前となり少しずつ雪もぱらつき始めました。
冬支度ということで、今日は冬用のウォーキングブーツを購入しました。一冬だけのことだけれど、これも零下30~40になるエドモントンで冬を生き延びるための必需品ということで、持ってれば一安心です★

さて、今日はスーパーの表示で気になったある成分の実態について、増刊号として紹介します。
「トランス・ファット」って日本ではあまり見かけない言葉かもしれません。
そうです、日本では表示義務などの規制がとられていない成分なのです。でも、これを摂り続けていくと…思いもよらない障害がおこるという研究結果があり、アメリカやカナダ、その他ヨーロッパなどで規制や表示義務などの対応がなされています。
それでは、その実態についてみていきましょう。
※以下の文章は、あるWebサイトを簡単にまとめたもので、営利目的で使用するものではありません。
http://www.burgarine.com/transfat.html

-トランスファット=別名「プラスチック食品」「狂った油」
と呼ばれていて、体にはあまりよくない油のようです。
なんでよくないかというと、マーガリンを想像していただければ簡単です。
マーガリンが植物油からできてるのに、なんで固形なの?と思ったことはありませんか?
普通、動物油(ラード・バター等)は常温で固体ですが、
植物油(サラダ油・オリーブオイル等)は液体ですよね。
それを固体にするには何かが入ってるわけです。
それがトランスファットで、化学処理を(水素添加)して分子構造を変化することで固体にしてるそうです。
この化学処理をすることで、防腐剤を添加しなくても日持ちさせることができるとか。
防腐剤が入ってないからといって安心してはいけません!

-トランスファットが体に引き起こす影響
1)心臓病のリスク増加
①肝臓に悪影響を及ぼし
②血液中の悪玉コレステロールの増加
③血液中の善玉コレステロールの減少を促進
→2倍の確率で心臓病のリスクが高まるといわれています。

2)老齢化増進
①トランスファットの構造から
②体内で酸化が促進され
→早く年をとる。ボケやすくなる。老化現象は体内の酸化減少により組織が壊されていくものです。

3)発がん率増加
①自然にできたものではないので、体内で壊すこともできず蓄積。同時に酸化も引き起こすので
→発がん物質になり得る

4)クローン病罹患率の増加?
クローン病は腸の慢性炎症疾患の難病です。
腸管壁の細胞が壊れるために異物が腸から侵入、
炎症反応で腸壁に潰瘍ができる事が原因の一つと言われています。
原因不明とされていますが、トランスファットを疑う識者も少なくありません。

-日本で表示がないのは?
欧米に比べトランス油脂の摂取量が少なく(米の1/5程度)、
トランスファットの影響を低減させるリノール酸の摂取が多い(トランスファットの7倍)こともあり、
そこまで害はないと考えられているからだそうです。
しかし、海外から食品を輸入したり、食文化が欧米化している今
日本も完全に"大丈夫"とは言えない気がします。

-トランスファットを含む食品
・マーガリン
・ショートニング(パンや菓子の原料の練り込み用の固体化した植物油脂。無味無臭。ほぼ油脂100%))
・植物油 (一般的な精製する過程で高い熱を加える為、一部がトランスファットに変化)・コーヒーフレッシュ (固体化した植物油脂を乳化剤で水に溶かしたものがコーヒーフレッシュです)
・パン、菓子パン
・ケーキ
・クッキー、クラッカー、スナック菓子
・チョコレート菓子
・アイスクリーム
・コロッケ、天ぷらなどの揚げ物惣菜
・フライドチキン、フライドポテト
・ファーストフード、ファミリーレストランの調理
・カレー・シチューのルウ

※日本で表示名が「植物油」「植物油脂」「植物性油脂」「加工油脂」などの場合も、
現状ではほとんどがトランスファットを含むと考えるべきだそうです。
※「無添加マーガリン」「無添加ショートニング」として販売している商品は、
トランスファットではなく、酸化防止剤や香料を無添加、という意味なので注意が必要です。

※これらの用語はすべて同じものをさします。表示確認の参考にしてください。
「トランスファット」「トランス型脂肪酸」「Trans Fat Acid」「TFA」

-+α
["無添加"表示の落とし穴-"キャリーオーバー"って知ってますか?]
加工食品などの表示で、"無添加"という文字を見て安心するのは早いそうです。
加工する段階で添加物を使わなければ、その原料に使われている添加物に何が入っていようと
表示の義務はないようです。それを"キャリーオーバー"というそうです。
Webの中で紹介されていた例は、「だし醤油」で
原材料に記載する義務があるのは、しょうゆとカツオですが、
その使った醤油にもし添加物が含まれていても、
原材料に関する表示の義務がないので"無添加"と記載できるようです。

[面白い話]
ある人の話で、マーガリンの一かけらを常温で窓際に置いたところ、
2年間カビも雑菌も何も繁殖せずに、ただホコリをかぶっただけだった。。。
→これが意味することは、マーガリンがプラスチックと同じであるということ。
分子レベルで構造を見てみると、プラスチックの構造とほとんど同じだそうです。
フライドポテトでも同じ現象が起こったようです...恐ろしい。。。