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2011/09/10

vol.117

<Today's news>
1. 乳がんに威力!ノーベル賞田中さんの新装置
2. 昨年度の健保赤字、4154億円の見込み
3. [医療保険] 22年度の協会けんぽ医療費、前年度比2.7%増の5兆4521億円
4. 安価な測定器、不正確 放射線量、9種類テスト
おまけ. 救急カード:困った時は指さして 都城市消防局、3カ国語で作製 /宮崎
おまけ. 悪質クレームには毅然とした対応を - 慈恵大学渉外室顧問・横内昭光氏に聞く◆Vol.2

乳がんに威力!ノーベル賞田中さんの新装置
2011年9月9日11時05分 読売新聞

[要訳]
ノーベル化学賞(2002年)の田中耕一・島津製作所フェローは、同賞受賞につながった質量分析装置で、乳がん患者のたんぱく質に付いた生体物質(糖鎖)の判別に世界で初めて成功、患者によって糖鎖の種類が異なることを突き止めた。今後、糖鎖の種類によって抗がん剤の効き具合に差が出るのかを調べる。
関連記事:タンパク質の糖鎖に違い 乳がん応用も、田中耕一氏(2011年9月9日 提供:共同通信社 )


昨年度の健保赤字、4154億円の見込み
2011年9月9日09時04分 読売新聞
[要訳]
大企業の会社員や家族が加入する健康保険組合の2010年度の赤字が4154億円に上った。赤字は、過去最悪だった09年度の5234億円に次ぐ規模で、3年連続。加入者の高齢化で拠出金の負担が膨らんだのが主な原因。

*comment*
この赤字はいったいいつまで続くのだろうか。というよりは、破たんするほうが早いのかもしれない。破たんしてしまったら日本はどうなる?中国に買い取られて支配される国となるのだろうか。


[医療保険] 22年度の協会けんぽ医療費、前年度比2.7%増の5兆4521億円
2011年9月9日 提供:WIC REPORT(厚生政策情報センター) ※m3.com閲覧には会員登録が必要です

[要訳]
1ヵ月の医療費が1000万円以上の高額レセは、前年度に比べて19件・12.25%増の174件で、過去最高であることなどがわかった(p4参照)。その内訳は、循環器系疾患88件(51%)、血友病41件(24%)、悪性腫瘍13件(7%)、その他32件(18%)となっている。

*comment*
これらの内容が今後減少していくことは考えにくい。悪化の一途をたどっているとしか言いようがないだろう。


安価な測定器、不正確 放射線量、9種類テスト
2011年9月9日 提供:共同通信社  ※m3.com閲覧には会員登録が必要です

[要訳]
インターネットを通じ1万~10万円の価格帯の測定器を購入。放射性セシウムについて正確に測定できるか調べるため、低線量の放射線を10回照射した結果、9種類全てで、実際の数値と測定値に30%以上の誤差が出た。「こうした測定器で大気など環境中の放射線を測った数値を直ちに信頼するのは避け、行政が公表しているデータを参考にしてほしい」と注意を呼び掛けている。


救急カード:困った時は指さして 都城市消防局、3カ国語で作製 /宮崎
毎日新聞 2011年9月9日 地方版

[要訳]
「急病の外国人に優しい街に」と、都城市消防局は英語、中国語、日本語を併記した「救急指差しカード」を作製し、救急車7台に配備した。具合の悪い部位を指し示すための人体の絵や「痛い」「めまいがする」「しびれる」など八つの症状も記載。「飲んでいる薬」「かかりつけの病院」「持病はありますか」などの問診もある。日本語は、耳や会話の不自由な人のために併記した。


悪質クレームには毅然とした対応を - 慈恵大学渉外室顧問・横内昭光氏に聞く◆Vol.2
2011年9月9日 聞き手・まとめ:橋本佳子(m3.com編集長) ※m3.com閲覧には会員登録が必要です
[要訳]
普通のクレームであっても、途中から悪質なクレームに変わることもある。「無理なことを言っているな」となってくると、悪質なクレーム、いわば、モンスター・ペイシェントです。
<悪質クレーマーの交渉術>
1. 大げさに怒り 怒鳴る 恫喝する
2. 硬軟つけて攻撃
3. タメ語調で
4. 名指しで何回も呼び出す
5. 交渉相手が度々変わると回答がばらつく
6. 弁解や説明を遮る
7. 敵陣に行くな
8. 99%不利でも、1%を強引に認めさせる
できないことは、「できない」とハッキリと断わる。、「ここまでは押すが、ここからは押さない」という線も持っている。「ここから先、押すと警察に通報される」と知っている。そのギリギリまで攻める。できないことは、「できない」と言うしかない。それでも無理に要求してきたら、「うちは警察に相談することになっています」と言えば、それ以上は、押してこない。この辺りの対応は、覚えておく必要があります。わがままや院内暴力は許しておくと、エスカレートしてくるので、絶対に許してはいけない。

*comment*
クレーマーへの対応でこじれてしまった経験はありませんか?「できない」ことは「できない」とはっきり断る。なかなか緊迫した状況では冷静になれないものですが、対応を事前に薬局や病院などで話し合っておくことで回避できる内容かもしれません。

2011/08/30

vol.107

<Today's news>
1. 初の経口多発性硬化症治療薬の承認を了承- 薬食審・医薬品第一部会
2. 専門医から見たアルツハイマー新薬
3. 【10年度概算医療費】36.6兆円と過去最高‐薬価引下げで調剤の伸び鈍化
4. 禁煙したい市民を支援 岐阜市、補助剤無料配布
5. 深酒以上にアルコールの年間摂取量と頻度が高血圧と強く関係
おまけ.  接待の自主規制強化 医師の51%が一定の理解示す 本誌調査

2011年08月26日 21:01 キャリアブレイン
[要訳]
イムセラ/ジレニアは「多発性硬化症の再発予防および身体的障害の進行抑制」の適応で、新規作用機序(スフィンゴシン1-リン酸受容体調節薬)を持つ。多発性硬化症の国内患者数は約1万人で、希少疾病用医薬品に指定されている。
関連記事: 【医薬品第一部会】新たなMS治療薬が登場‐2品目の適応拡大も了承 (2011年8月29日 (月) 薬事日報)


2011年08月27日 10:00 キャリアブレイン
[要訳]
今年に入り、アルツハイマー型認知症治療に用いる新薬が相次いで発売された。ようやく国内でも海外で標準治療薬と呼ばれている4製剤が使用できる環境が整った。
国内のアルツハイマー型認知症治療薬4製剤は、「コリンエステラーゼ阻害薬」と「NMDA受容体拮抗薬」の2種類に分けられます。
同じコリンエステラーゼ阻害薬でも、新たに登場したガランタミン、リバスチグミンは、それぞれドネペジルとは異なる特長を持っています。またリバスチグミンは、唯一パッチ剤であることも大きな特長です。メマンチン(製品名=メマリー)は「NMDA受容体拮抗薬」です。
海外ではいずれの薬から治療を開始してもよく、効果がなければ切り替え、またはメマンチンと併用するといった治療薬のアルゴリズムがあります。

*comment*
ドネペジル(アリセプト)による単剤体制が続いたことで、アリセプトが国内売上トップになった大きな要因かもしれない。ただ、気になった部分は、「効かない患者さんにもドネペジルを使い続けるしか手段がありませんでした。」という部分。日本の医療をそのまま語った言葉のように感じる。効かない薬でも、それしかなければ使い続けるしかない・・・それが今の日本の医療費に反映しているのではないだろうか?このような現象ではカナダではありえない。随時効果の診断が下され、有効性が見られなかったり、症状が重度になった場合は十分な有効性が示されていないため服用の継続はできないようになっている。
上記のような内容が「悪」とみなされる日が来なければ、日本の医療費に明るい未来は来ないだろう。

2011年8月29日 (月) 薬事日報
[要訳]
調剤は6兆0822億円で、薬価引き下げを反映して伸び率は3・6%と前年度を4・3ポイント下回り、処方箋1枚当たり調剤医療費は4年ぶりに落ち込んだ。処方箋枚数が7・6億枚で4・3%増加したものの、1枚当たり医療費が7985円に0・6%低下した。電算処理分ベースで処方箋1枚当たり医療費の内訳を見ると、技術料が4・7%増の2104円、薬剤料が2・4%減の5867円、特定保険医療材料料が1・3%増の13円で、薬剤費比率が73・5%へ前年度から1・3ポイント縮小した。
医療費の増加は8年連続。
関連記事:概算医療費36・6兆円 10年度、8年連続最高(2011年8月29日 提供:共同通信社 m3.com)  


2011年8月29日 提供:共同通信社 m3.com ※m3.com閲覧には会員登録が必要です

[要訳]
岐阜市は9月から、市薬剤師会と共同で、希望する市民に禁煙補助剤のパッチを無料で配布し、薬局の指導を受けながら禁煙に取り組んでもらう事業を始める。
禁煙に挑戦したい20歳以上の市民100人を募集。参加者は提携する市内の薬局で2週間分の補助剤をもらい、指導を受ける。3週目以降は自分で補助剤を購入する必要があるが、指導は引き続き無料。3カ月で禁煙達成を目指す。

*comment*
市での禁煙対策として、公共施設の禁煙化などが多く見受けられたが、直接治療に対して介入するケースは初めて見た。確かに禁煙補助剤は金額も高く、ちょっと初めて見るということが出来ない。ただし、この禁煙補助剤は身体的な症状は軽くするものの、手がさみしいからたばこがほしい、暇になるとたばこを吸いたくなるという精神的な部分は補助できないため、軽い気持ちで初めても続かないことが多い。薬剤師によるしっかりとした説明と指導が重要になるだろう。この取り組みの結果が気になる。


2011. 8. 29 日経MD ※日経メディカル閲覧には会員登録が必要です

[要訳]
アルコール摂取量と飲酒の頻度は、ともに男性において血圧と強い関係が認められた。「深酒そのものの血圧への影響は中程度であり、アルコール摂取量の血圧に及ぼす影響を変化させるほどのものではなかった」とした。その上で、「高血圧はアルコールの年間摂取量や摂取頻度に深く関係しており、特に男性において強い関連性が認められた」と強調した。
なお、女性における年間アルコール摂取量と飲酒頻度の血圧への影響は、男性に比べて明確ではなかった。

*comment*
日本では塩を使う料理が多く、ただでさえ高血圧になりやすい人種である。これに加えてアルコールを常時摂取する人は特に気を付けたほうがいいとのこと。精神を落ち着かせ、ストレス解消の助けになるとしても限度をわきまえて。


2011/08/29 05:02 ミクスOnline 

[要訳]
製薬業界が2012年4月から「接待」に関する自主規制を強化するが、接待を受ける側の医師はどのように受け止めているのだろうか。
数値データだけ見ると、一定の理解を示した医師が約51%、不満を持っている医師が約25%となるが、医師の自由コメントを読むと違った側面が見えてくる。それは不満を示した医師のコメントの中に、「MRとの接点が少なくなりそう」「他の医師との接点が少なくなりそう」という内容が少なくないこと。企業のカネで飲食ができなくなることへの不満を示しているのではなく、ゆっくりと有益な情報交換ができる場がなくなることへの不満を示していると読み取れる。

*comment*
驚いたのは最後の部分。MRとして働いたことがないので実態は分からないが。。。

2009/08/23

Saya's 薬学ニュース vol.101-新型インフル確認死者数が千人突破/総医療費の増額、医療従事者の増員が最大の争点/日本発抗癌剤「ミリプラチン」が登場へ/ネクサバール®錠200mgを安全にお使いいただくために/インフル薬にお茶の力

<Today's news>
1. 確認死者数が千人突破 新型インフルでWHO集計
2. 総医療費の増額、医療従事者の増員が最大の争点

3. 日本発抗癌剤「ミリプラチン」が登場へ
4. ネクサバール®錠200mgを安全にお使いいただくために

おまけ. インフル薬にお茶の力 カテキン加工、タミフルより効果

確認死者数が千人突破 新型インフルでWHO集計
2009年8月5日 提供:共同通信社 ※m3.com閲覧には会員登録が必要です

[要約&コメント]
世界保健機関(WHO)が4日発表した7月31日現在の新型インフルエンザの感染状況によると、感染が確認された人の総数は海外領土などを含めた168カ国・地域で16万2380人、このうち死者が1154人とWHO集計ベースで初めて千人を超えた。

夏にも関わらず感染者が増え続けていることから、秋や冬のさらなる感染拡大が予想されるであろう。新型のみにかかわらず、一般的なインフルエンザにも備えて高齢者に対する予防注射を徹底してほしい。

総医療費の増額、医療従事者の増員が最大の争点◆Vol.3
2009年8月5日-m3.com 上昌広 ※m3.com閲覧には会員登録が必要です

[要約&コメント]
両党のホームページを見れば、民主党は自民党よりもはるかに医療にウエイトを置いていることがわかる。また、民主党は、マニフェストの冒頭で、予算・工程表、さらに財源を説明しているが、自民党は、これらに関して情報を提供していない。
民主党の説明は一応、辻褄は合っている。しかしながら、政権担当経験のない民主党の実行力に、多くの国民が疑問を持っていることは否定できない。

両党のマニュフェスト内容の比較は、衆議院議員選挙において重要な内容として議論されているが、この記事でも詳細に意見が記載されている。気になるトピックが含まれていればぜひ読んでみていただきたい。
【総医療費】【地域医療対策】【開業医への対応】【医師不足問題】【医療事故】【新型インフルエンザ対策】

日本発抗癌剤「ミリプラチン」が登場へ
2009年8月4日 (火)-薬事日報

[要約]
肝細胞癌治療薬「ミリプラ動注用70mg」(一般名:ミリプラチン水和物、大日本住友製薬が製造販売)の承認を審議し、了承した。承認されれば日本発の抗癌剤となる。 「ミリプラ動注用」は、腫瘍血管に沈着する造影剤に抗癌剤を混ぜ合わせ、肝動脈に注入する「リピオドリゼーション」という方法で用いる。 造影剤で腫瘍の血流を阻害し、栄養動脈を閉塞することにより、抗癌剤による抗腫瘍効果を向上させる。類薬に、アステラス製薬の「スマンクス肝動注用」がある。

ネクサバール®錠200mg(一般名:ソラフェニブトシル酸塩製剤)肝細胞癌領域で安全にお使いいただくために
2009年8月5日-ケアネット.com ※ケアネット.com閲覧には会員登録が必要です

[要約&コメント]
ネクサバール®は進行性肝細胞癌に対し、腫瘍の増殖と血管新生の両方を抑えることにより生存期間を延長したはじめての経口薬です。本剤は適応追加にあたり、肝細胞癌患者を対象とした全例調査の実施が義務付けられております。本コンテンツでは、全例調査ならびに本剤の適正使用・安全使用のために必要な情報をご紹介しています。

ネクサバール錠の服用には、医師からの説明が必要であり、薬局で薬を渡す際「服用ダイアリー」を持っているかどうかの確認が必要になります。もし持っていない場合は、「服用ハンドブック」を用いて指導を行い、処方確認センターへの連絡が義務付けられています。
詳細を確認したい場合は、上記のページへ飛んでコンテンツを視聴してみてください。

おまけ...カテキン,インフルエンザ

インフル薬にお茶の力 カテキン加工、タミフルより効果 2009年7月31日10時59分-asahi.com

[要約&コメント]
緑茶に含まれるカテキンを加工してインフルエンザ治療薬に応用する技術を、大阪大学と横浜市衛生研究所の共同チームが開発した。季節性インフルエンザや鳥インフルエンザで効果が確認された。治療薬タミフルよりも約100倍、感染を抑える効果があるという。感染を防ぐ作用もあるため、鼻やのどに噴霧する予防薬への応用も期待できるという。

カテキンの効果はもうすでに皆さんご存じのことと思うが、現在新型インフルエンザの流行が騒がれている時期でもあるため、期待大の内容である。これらカテキンの製品化がどこまで実現できるかは定かではないが、見守っていきたい内容である。

2009/03/11

Saya's 薬学ニュース vol.81-「社会保障 ここが知りたい」ジェネリックを賢く使う 【2】/「異常行動との関連性なし」は変わらず タミフル/ジスロマックSR:1回の服用で効果が7日間持続/08年度から医学英語検定制度スタート

<Today's news>
1. 積極的な取り組み広がる  企業健保、国保、病院も 定期企画「社会保障 ここが知りたい」ジェネリックを賢く使う 【2】
2. 「異常行動との関連性なし」は変わらず タミフル・基礎WG
3. ジスロマックSR:1回の服用で効果が7日間持続

おまけ. 08年度から医学英語検定制度スタート グローバル化で問われる医学英語の実力

積極的な取り組み広がる  企業健保、国保、病院も 定期企画「社会保障 ここが知りたい」ジェネリックを賢く使う 【2】
2009年2月13日-m3.com 提供:共同通信社 ※m3.com閲覧には会員登録が必要です

[要約&コメント]
医療費を抑えるため、価格の安いジェネリック医薬品(後発薬)を積極的に使う取り組みがここ数年、病院や企業の健康保険組合、自治体などで広がっている。
2003年に入院患者に対する診療報酬の定額制を導入した聖マリアンナ医大病院(川崎市)では、変更可能な薬は後発薬に変えた。薬剤部長は「年間2、3億円、全体の5%の薬剤費を節減できた。後発薬による問題は全く起きていない」と話す。「受診者はあまり実感できないかもしれないが、全体での削減効果は大きい」という。

昨日に引き続き、ジェネリック医薬品使用に対する記事の第二弾。一般処方導入で有名になった聖マリアンナ医大病院が一例として取り上げられていた。薬剤費の削減に関しては、昨日の記事では患者
一人一人に対する費用の削減が取り上げられたが、もともと価格の安い薬に関しては差額があまりなく安く感じないものもある。しかし、このように全体を見て考えるとかなりの削減になっているのがわかる。自分のために後発医薬品を選択するか、国の今後のために選択するか。それは個人の自由であるがこの事実は見過ごせないものである。

「異常行動との関連性なし」は変わらず タミフル・基礎WG
2009年2月13日-m3.com 提供:Japan Medicine(じほう) ※m3.com閲覧には会員登録が必要です

[要約&コメント]
厚生労働省の薬事・食品衛生審議会・安全対策調査会の「リン酸オセルタミビルの基礎的調査検討のためのワーキンググループ(基礎WG)」は、インフルエンザ治療薬「タミフル」の服用と異常行動との因果関係を調べるために、国内外の研究者らが実施した非臨床試験などに関する文献5件について検証した。「異常行動との関連性は認められない」という結論を覆すような結果は得られなかった。

タミフルをめぐる異常行動に関する見解は今のところ因果関係なし、と言う認識でよいということだろうか。新型インフルエンザが叫ばれている中で、タミフルの使用が果たしてよいものかどうかの結論は未だに出ていないが、この結論らであれば、使用は推奨されるということであろうか。さらに見ていく必要がありそうである。

ジスロマックSR:1回の服用で効果が7日間持続
2009. 2. 5-日経DI

[要約&コメント]
アジスロマイシン*水和物の新剤形製剤である「ジスロマックSR成人用ドライシロップ2g」が製造承認を取得した。これまでの製剤では、1日1回、3日間投与すると、7日間効果が持続するもので、今回承認されたジスロマックSRは、さらに服用回数を減らし、1回服用するだけでその効果が7日間効果が持続するように設計された、成人用ドライシロップ製剤である。本製剤では、「マイクロスフェア製剤」(ポリマーからなる粒子径が数μm程度の球状の製剤)という新しい技術を採用することで、高用量(1回2g)の服用を可能にしている。
食事の影響を受けやすく、空腹時の服用が基本となる。具体的には、「食後2時間以上経過してから服用し、服用後は2時間以上食事を控えること」と患者に指導する。
*アジスロマイシン
エリスロマイシンの基本骨格に窒素原子を導入することで、感染病巣への優れた薬剤移行性と長い半減期を実現し、軽症から中等症の急性呼吸器感染症に優れた臨床効果を発揮する抗菌薬である。

3回の服用で1週間作用が持続するという特徴でも十分であったのに、さらに1回の服用まで回数が提言されている。ここで問題になるのは、副作用の発言である。患者によっては1回だけの服用で1週間も悩まされる可能性があることは見逃せない内容である。服薬指導の例も参考にしてもらいたい。

おまけ…医学英語

08年度から医学英語検定制度スタート グローバル化で問われる医学英語の実力
2009年2月6日-m3.com 提供:Japan Medicine(じほう)  ※m3.com閲覧には会員登録が必要です

[要約&コメント]
医学英語検定試験(医英検)は、日本の医療・医学の国際化を普遍的に推進することを目的として、日本医学英語教育学会が08年度から開始した医学・医療に特化した英語検定試験。グローバル化の加速で、今や日本の医療現場も英語での対応を迫られる機会が増えている。在日外国人も急増し、医療機関でも医療通訳の必要性が認識され始めている。「医師だけでなく、看護師などのコメディカルも簡単な問診ぐらいは英語でできないといけない。それ以外の病院の事務、福祉分野などのスタッフも、ある程度、医学英語を知っておく必要がある。医療に関係する人たちには、少なくとも3級は取ってほしい。世界で活躍したい人は将来、さらに上の2級、1級を目指してほしい」

薬剤師に対しては特に記載がないが、薬局に訪れる外国人も東京付近では多いのが事実である。日本のシステムでは、すべてが日本語で印刷・カウンセリングされ、日本が全く駄目な外国人にとっては理解する要素が見当たらない。これに挑戦する薬剤師はいったいどのくらいいるのだろうか?

2009/02/03

Saya's 薬学ニュース vol.72-新型インフルエンザの対策(報道)/多剤耐性菌に23人院内感染 4人死亡/米ファイザーがワイス買収 6兆円/OTC市場占う「大衆肥満薬」の成否/ダイエット食品で女性入院

<Today's news>
1. 新型インフルで、BCP策定と家庭での準備呼び掛け
2. 多剤耐性菌に23人院内感染 4人死亡、福岡大病院 呼吸器通じ拡大か
3. 米ファイザーがワイス買収 6兆円、製薬最大手固める 競争力強化で、業界再編も
4. OTC市場占う「大衆肥満薬」の成否

5. ダイエット食品で女性入院 医薬品成分を検出

新型インフルで、BCP策定と家庭での準備呼び掛け
2009/01/26 12:24-キャリアブレイン

[要約&コメント]
新型インフルエンザのパンデミック(大流行)を想定し、BCP(事業継続計画)策定や家庭での準備を呼び掛けようと、東京都は1月24、25の両日、新宿西口広場イベントコーナーで、「新型インフルエンザ対策の現状と課題-先進事例に学ぶ事業活動のあり方」と題したシンポジウムを開いた。
NHK報道局では、放送機関としての責務を果たすためにパンデミック時でも放送を続けるという前提で、対策に取り組んでいる。
▽サージカルマスク36万枚、N95マスク3万6000枚を備蓄
▽PPE(個人防護具)と消毒薬の備蓄
▽PPEの脱着訓練
▽パンデミック時のシミュレーションVTRの作成  ―などの準備を済ませたという。

日本におけるインフルエンザ予防策はマスクに重点を置かれているが、ここカナダではマスクをしている人を見たことがない。薬局内で粉薬を混ぜる時に薬局用のマスクを着用したことがあるが、一般の人たちはどのように予防するつもりなのだろうか。国によってそれぞれ予防策は異なるだろうが、その点調べてみたら面白いかもしれない。

多剤耐性菌に23人院内感染 4人死亡、福岡大病院 呼吸器通じ拡大か
2009/01/27 00:00-共同通信社

[要約&コメント]
福岡市の福岡大病院救命救急センターの集中治療室(ICU)に運ばれた患者23人(4人が死亡)が、ほとんどの抗菌薬が効かない多剤耐性のアシネトバクター菌*に院内感染していたことがわかった。感染が人工呼吸器の使用を通じて広がったとの見方を示した。韓国で肺炎を発症し、日本に帰国後の昨年10月に入院、その後死亡した男性へのアシネトバクター菌感染が確認されたのをはじめ、呼吸器の部品から同菌が検出された。
アシネトバクター菌による院内感染は、国内では極めて珍しいという。
*アシネトバクター菌
土壌や水などの自然界や、人間の皮膚などに広く存在する細菌。通常は健康な人への病原性は弱いが、手術後など免疫力が低下した状態で感染すると重症化し、死亡することもある。

ICUなど、特に免疫の低下した患者の多い患者が集中する場所であったことが感染を拡大させた大きな要因であろう。死亡者も出ていることから、今後も警戒が必要である。洗浄による消毒を行ったにもかかわらず感染が拡大していることから、より厳格な消毒方法の検討も行う必要もありそうだ。

米ファイザーがワイス買収 6兆円、製薬最大手固める 競争力強化で、業界再編も
2009/01/28 00:00-共同通信社

[要約&コメント]
製薬業界で世界最大手の米ファイザーは26日、同業の米ワイスの買収で合意したと発表した。買収額は680億ドル(約6兆円)。両社の2007年の売上高を単純合計すると700億ドル規模に達し、最大手の地位を固める。 世界的な景気後退の影響で、米国では安価な後発医薬品が増加、経営を圧迫されているファイザーは規模拡大で競争力を高め、巻き返しを図る。製薬業界では新薬の開発費が高騰する一方、医療費抑制に向けて医療機関などが後発薬を積極的に使用。短期間で投資を回収しつつ、コンスタントに新薬を投入していく必要が強まり、規模拡大が課題となっている。

この景気後退が製薬企業にも大きな影響を与えているようだ。医療費の削減も大きな課題ではあるが、新薬の開発は求めている人がいる限り必要なことでもある。今後、ますます新薬の金額は上がりそうである。そんな中、日本は先発品を使い続けるのだろうか。もしくは、この不景気が功を奏して後発医薬品使用に拍車がかかるのか?!

OTC市場占う「大衆肥満薬」の成否
2009/01/29 14:44-キャリアブレイン

[要約]
大正製薬が、グラクソ・スミスクライン(GSK)から、OTCである肥満改善薬「アリー」の国内製品化権を獲得した。「アリー」を医療用として開発するのか、それとも直接、OTCとしての商品化を目指すのかについても、今のところ明確な方針を示していない。(現段階ではOTCとしての商品化の可能性が高いと推測されている。)
米ではOTC薬として半年間で300億円近くを売り上げたヒット商品だが、今のところ、他の主要国での承認はなく、副作用(激しい下痢)も強いことから、日本でのOTC販売は難しいとも言われている。

ダイエット食品で女性入院 医薬品成分を検出
2009/02/03 00:00-共同通信社

[要約&コメント]
30代の女性がインターネットで個人輸入したダイエット用食品から、国内で医薬品として承認されていない「シブトラミン」と、薬事法で劇薬に指定されている「フェノールフタレイン」の2種の医薬品成分が検出されたと発表した。女性は肝機能障害などで一時入院したが、食品の服用をやめると症状は改善したという。

せっかくなので大衆肥満薬の記事を2つ続けて紹介した。1つ目は、日本のOTC薬に画期的な事象を巻き起こす可能性のある記事であるが、2つ目の記事でそれを大きく覆されるような、マイナスの内容の記事である。同じ薬であるため比べることはできないが、この内容を見て厚労省が果たしてGoサインを出すのだろうか。4日後の記事であるとはいっても、タイミングが悪いとしか言いようがない…
しかし、日本でしっかりとした審査により承認した薬が販売されれば、逆にネットなどで海外の安全性が確保されていない薬に手を出すことを減らせるかもしれない。厚労省の判断はいかに?

2009/01/31

Saya's 薬学ニュース vol.70-ワクチンの予防接種後副反応報告書を公表/レセプト請求電子化は違憲/薬害C型肝炎訴訟和解の困難さ/アルツハイマー患者に抗精神病薬は死亡率をUPさせる?/フランと日本の医療

<Today's news>
1. 各種ワクチンについて予防接種後副反応報告書を公表  厚労省
2. レセプト請求電子化は違憲 「営業侵害」医師ら提訴へ
3. 国の同意、2割不透明:薬害C型肝炎訴訟 「フィブリン糊、判断困難」
4. アルツハイマー病患者において抗精神病薬により長期死亡率が上昇する

おまけ. わが国の在宅医療とフランスからの示唆

各種ワクチンについて予防接種後副反応報告書を公表  厚労省
2009年1月15日-m3.com 提供:WIC REPORT(厚生政策情報センター)

[要約&コメント]
厚生労働省は平成18年度の「予防接種後副反応報告書」を公表した。これは、平成18年4月1日から平成19年3月31日までの間に厚労省に報告された予防接種後副反応報告を報告基準にある臨床症状ごとに単純集計し、まとめたものである。
対象とされたワクチンは、定期接種として実施されたジフテリア・百日せき・破傷風混合、ジフテリア・破傷風混合、麻しん、風しん、麻しん・風しん混合、日本脳炎、ポリオ(急性灰白髄炎)、BCG、インフルエンザである。
参考資料:予防接種後副反応報告制度について(PDFファイル)

ここでは詳しく紹介しませんが、参考資料のPDFファイルにそれぞれのワクチンによる副反応事象が記載されています。是非活用下さい。

レセプト請求電子化は違憲 「営業侵害」医師ら提訴へ
2009年1月16日-m3.com 提供:共同通信社 ※m3.com閲覧には会員登録が必要です

[要約&コメント]
診療報酬明細書(レセプト)のオンライン請求を義務化するのは「営業の自由の侵害で違憲だ」として、国に対しオンライン請求の義務がないことの確認と一人当たり100万円の慰謝料を求め、横浜地裁に提訴することが15日、分かった。(提訴は21日)
弁護士は「オンライン請求には高額の設備投資が必要で、対応できない医療機関は廃業するしかない。国会の立法によらない省令で一律に義務化するのは、憲法の保障する営業の自由の侵害だ」と訴えている。
類似記事:診療報酬の「電子申請義務化は違憲」…国を提訴へ(ケアネット 提供:読売新聞)

とうとう提訴に至ったレセプトオンライン請求義務化に対するの問題。先日匿名さんにコメントを頂いたように、オンライン化が義務化されれば、地域医療や歯科医療に多大な損害を与えることとなる。この訴訟により、オンライン化への動きも大きく変化を加えられるのではないだろうか。引き続き、今後の動きに注目したい。

国の同意、2割不透明:薬害C型肝炎訴訟 「フィブリン糊、判断困難」
2009年1月16日-毎日新聞社

[要約&コメント]
薬害C型肝炎訴訟の原告約1400人のうち、被害者救済法に基づく和解に国が同意するかどうか未定(保留)の被害者が、全体の2割の約270人に上ることがわかった。薬害肝炎被害者は、病状に応じ1200万~4000万円の給付を受けられるが、その前に国と裁判上の和解が必要になる。
保留のケースは...
(1)血液製剤フィブリノゲンを接着剤として調合した「フィブリン糊(のり)」で感染した...因果関係の判断ができない<160人>
(2)ウイルス処理が比較的有効だった時期(85年8月以前)に投与され、大量の輸血も受けた<10人>
(3)医師らの投薬証明だけでカルテなどがない...投薬証明に加え、医師らを尋問した上で判断が必要<100人>
--に大別される。

保留にされている間に、病状は進行し続け、死に至ることも実際に起きている。これらの訴訟には時間がかかり、さらに実際感染が多数起きた時期は40年近くも前のことになるので、もちろん証拠となる書面を入手することももはや困難である。国としては救済したい思いがあっても、どの程度でラインを引くべきなのか最も難しい部分なのだろう。両者の間で、よい方法が生み出されることを祈るばかりである。

アルツハイマー病患者において抗精神病薬により長期死亡率が上昇する
2009年1月19日-m3.com  提供:Medscape ※m3.com閲覧には会員登録が必要です

[要約&コメント]
新しい試験で抗精神病薬の処方を受けるアルツハイマー病患者の長期死亡率上昇が示され、アルツハイマー病患者の神経精神症状の治療のため有害性の少ない代用療法の必要性が浮き彫りになっていると研究者は述べる 。抗精神病薬(チオリダジン、クロルプロマジン、ハロペリドール、トリフロペラジン、リスペリドン等)は複数の症状(攻撃性、苦痛等)がみられる患者においてのみ使用し、例外的状況を除いて、3ヵ月以上使用すべきではないと訴えている。

実際、6~12週間抗精神病薬を投与した場合、中程度の効果が得られているとのことなので、精神症状には第一選択薬として広く用いられているとのこと。ガイドラインもあくまでガイドラインでしかなく、新たな知見に合わせて改良されていくべきである。

おまけ...フランスの医療

わが国の在宅医療とフランスからの示唆
2009年1月19日-医学書院

[要約&コメント]
フランスと日本の医療制度には,極めて多くの共通点がある。医師は自由開業制であり,患者は受診におけるフリーアクセス権を持つ。また,国民皆保険のもと豊富な種類の保険があり,保険会社・医療・被保険者は良好な関係がみられる。
フランスでは,在宅入院という概念があるのである。入院で行うことを在宅で行うという概念である。代表的なものは抗がん剤による化学療法である。対象にはその他手術後の管理,リスクの高い妊娠,点滴などがある。今後の日本でも,フランスのような高度な在宅医療が求められていく。その中で,診療所の医師が,どこまで在宅医療を担えるのかは大きな課題である。

フランスの医療が日本の医療と似ていること、ご存知でしたか?私は知りませんでした...医療費などはどうなっているのでしょうか?日本と同じようにたくさんの負債を抱えているのでしょうか?
新たな薬剤師の職能拡大域として、在宅医療が注目されている。癌患者の多くも、自宅での療養を望んでいる人が多い事もあり、フランスでニーズが拡大したのも納得である。しかし、癌のような疾患を在宅で行う事を可能にするのは、日本にとって大きな課題となるであろう。他国では可能にしている、という事は日本でも不可能ではない。いい手本があるのであれば、有効に利用するべきである。

2009/01/23

Saya's 薬学ニュース vol.62-糖尿病は脳機能を低下させる/喫煙は大腸がんのリスクも高めることが判明!/餅の丸のみが胃潰瘍の原因?!/花粉症対策「症状がでてから」が6割近く/医療崩壊-医師不足を切り口に-

<Today's news>
1. 糖尿病は脳機能を低下させる
2. 喫煙は大腸癌の罹患と死亡のリスクも高める
3. もち丸飲みで胃かいように
4. 花粉症対策「症状が出てから」が6割近く

おまけ. 医療崩壊 ~医師不足を切り口に~(2)

糖尿病は脳機能を低下させる
2009年1月9日-m3.com ※m3.com閲覧には会員登録が必要です

[要約&コメント]
厳格にコントロールされている場合でも、軽度糖尿病により精神機能が低下するという。糖尿病患者の反応時間と認知速度は共に正常であったが、新しい言語情報を迅速かつ正確に処理する必要のある課題については遅れがみられた。この障害は速度には影響するが、言語の流ちょう性には影響しなかった。

臨床的に重要ではないとしても、脳にも影響を与えることは確かである。視力、末梢神経、腎機能、脳、もはや全身に及ぶ影響は糖尿病の恐ろしさを表している。自覚症状がないのは幸いなのか、悪化に気づけない恐怖というべきなのか…少なくとも糖尿病の可能性があると言われた人は、全身の機能が低下してどうにもならなくなる前に、どうか治療を始めていただきたい。

喫煙は大腸癌の罹患と死亡のリスクも高める
2009. 1. 9-NMオンライン

[要約&コメント]
喫煙は、肺癌のほか、口腔、咽頭 喉頭、食道、胃、腎臓、膀胱、子宮頸部、膵臓などの癌のリスクを高めることが示されている。だが、大腸癌と喫煙の関係を調べた研究では、一貫した結果が得られていなかった。
1日の喫煙本数が10本増えるごとに、リスクは7.8%(5.7%-10.0%)上昇した。10pack-years増加当たりのリスク上昇は4.4%(1.7%-7.2%)だった。リスク上昇傾向が認められるのは約10年を経過した時点で、統計学的有意性が見られるのは30年後からだった。

喫煙者には耳が痛い話かもしれない。これを聞いてもやめる気になれない、やめられないのは本人にとってもつらい話なのだろう。しかし、私には同情はできない。強い意志をもってやめている人たちは少なからずいるからである。現在全体的に喫煙者は減少傾向にあるが、未だに男女とも30%前後の値を示しているのが現実である。

もち丸飲みで胃かいように
2009/01/13 22:15-キャリアブレイン

[要約&コメント]
「食物が異常な大きさのまま胃内に長期間滞留した場合、胃酸が出続けて出血性病変を生じる可能性がある」という。食べ物が長時間残っていたため、胃液が出続け、胃角部で接触性の粘膜障害を来し、胃かいようができてしまうケースが見つかった。このほか丸飲みしたシラタキや結びコンニャク、ギョーザ、大量の寒天などでも起こる可能性があるとのことなので、注意が必要である。

胃潰瘍らしきものを持っている自分にとっては興味深い記事だったので紹介した。これを見た限りでは、胃潰瘍の原因も様々だなぁ、と感じてしまう。コンニャクや寒天は健康食品としても販売されているので、薬局で購入する際は一言注意を呼び掛けるのも親切かもしれない。

花粉症対策「症状が出てから」が6割近く
2009/01/13 15:48-キャリアブレイン

[要約&コメント]
日本人の5、6人に1人が罹患し、「国民病」ともなっている花粉症について、花粉症を自覚している人の6割近くが、症状が出てから対策を始めていることが明らかとなった。
また、「花粉症状に対し、どのような薬で治療しているか」との問いには5056人が回答。「市販の目薬」が1471人(29.1%)で最も多く、次いで、「病院での処方薬」が1243人(24.6%)、「市販の内服薬」が819人(16.2%)、「市販の点鼻薬」が768人(15.2%)などだった。

日本にいたころは、1月頃から花粉症に控えて薬を服用していたことを覚えている。だいぶ楽になるのだが、この調査ではその有用性を多くの人は知っていないようだ。今年の花粉は例年よりも多いとのことなので、あらかじめ準備が必要なのと、投薬時に花粉症薬を服用している人のためにも、来年のアドバイスをしてあげると喜ばれるかもしれない。

おまけ...

医療崩壊 ~医師不足を切り口に~(2)
2009年1月10日-NBオンライン

[要約&コメント]
日本全国には約9000の病院がある。2006年、医療費削減により全国の病院の43パーセントが赤字であったという。医業収入よりも医業費用のほうがかかっているために、医業をやればやるほど赤字になるのが公立病院の今の現状なのである。
また、救急医療の性質上、患者の出入りは予想がつかないため、救急体制を充実させようとすれば、採算性の悪化は避けられない構造になっている。

医師不足は医療界では重要なトピックの一つである。公立病院も次々と経営難に追い込まれることももはや日常茶飯事である。なぜこんなことが起きているのか、分かりやすく説明されているので一読の意味はありそうだ。

2009/01/20

Saya's 薬学ニュース vol.59-「高齢者に処方すべきでない薬」を紹介/血栓治療の重要ポイントをおさらい/グレープフルーツとバイアグラを一緒に飲むと?/タミフル耐性をいち早く検出するには/今話題のワンコイン健康診断

<Today's news>
1. これが「高齢者に処方すべきでない薬」だ!
2. 血栓症治療の基礎「Virchowの3原則は今日も生きている」
3. グレープフルーツジュースでバイアグラの作用増強を試みた患者
4. タミフル耐性をいち早く検出するには

おまけ. ワンコインで健康診断 フリーターらに人気

古いニュースが多いですが、日経メディカルオンラインのニュースで去年もっとも注目された記事の中から、薬学形のものをピックアップしてみました。面白い内容が盛りだくさんです。

これが「高齢者に処方すべきでない薬」だ!
2008. 4. 12-NMオンライン(年間ランキング)

[要約&コメント]
米国で用いられている高齢患者の薬剤処方の基準「Beers Criteria」の日本版に相当するもの。高齢者において、疾患や病態に関係なく一般に使用を避けることが望ましい薬剤46種類と、特定の疾患・病態において使用を避けることが望ましい薬剤25項目がリストアップされている。このリストは、日本医師会雑誌4月号に掲載されたほか、国立保健医療科学院疫学部のWebサイト上でもPDFファイルとして公開されている。

 <高齢者において疾患・病態によらず一般に使用を避けることが望ましい薬剤>

リストでは、副作用などの投与時のリスクが効果を上回ると考えられ、ほかに安全と考えられる代替薬がある薬剤を中心に掲載。高齢者に使用した際の起こり得る問題と、その重篤度も併記されている。

これは、おそらくもともと医師向けに作られたものだろうが、薬剤師にとって必要な資料でもある。医師が知らずに投与している薬でも、副作用の状況から判断して医師に伝えることができるからだ。薬局の薬剤師がどこまでできるかは何とも難しい話であるが、気づきのきっかけを作ることのできる資料として、是非皆さんにも活用していただきたいと思う。

血栓症治療の基礎「Virchowの3原則は今日も生きている」
2008. 12. 19-NMオンライン(年間ランキング)

[要約&コメント]
血栓症を抑制するために抗血小板薬や抗凝固薬が用いられてきたが、治療を強化すると出血性障害が増加するというジレンマに悩まされてきた。血小板のみをターゲットとした治療戦略のあり方の限界があり、血栓形成の要因として、血流の変化、血液成分の変化、血管壁の性状変化の3つが重要であるという学説(Virchowの三原則(Virchow's triad))を紹介している。
詳細PDFファイル:血栓形成とその対応──抗血小板から抗血栓へ(PDF)

脳梗塞、心筋梗塞などを引き起こす血栓の形成を抑制する抗血小板薬は、確かに予防の観点からは重要であるが、血小板のみで考えても高い治療の効果は得られない。患者さんと一緒に治療に向き合っていく中で何が大切なのかを改めて考えさせられた記事であった。

グレープフルーツジュースでバイアグラの作用増強を試みた患者
2008. 12. 24-NMオンライン(年間ランキング)

[要約&コメント]
患者は、バイアグラが1回の受診に付き7回分しか処方されないことに不満を抱いていた。度々病院に通うのが面倒だったし、薬局でいちいち薬の説明を受けるのが嫌だったからだ。ある時、街の本屋で薬に関する本を立ち読みしていてGJが薬の作用を強めることを知った。患者はGJにより本剤の作用を増強できれば、1回当たりの飲む量を減らせて服用回数を多くすることができるのではないかと考えた。
バイアグラとGJとの相互作用に関する検討結果は一定していない(AUCには有意な変化はないがCmaxは42%増加するという報告、AUCが23%増加するが、Cmaxには変化は見られないとの報告もある)。しかし、シルデナフィルは主にCYP3A4により代謝されるため、GFとの併用は降圧薬同様危険であるのがわかる。さらに、シルデナフィルあるいはバルデナフィルは、エリスロマイシン(商品名:エリスロシンほか)やイトラコナゾール(商品名:イトリゾールほか)と併用すると、前者の血液中濃度が上昇することが知られている。

情報があふれているこの世の中で、このような安易で危険な情報が簡単に流れているというのは非常に悲しいことである。知識がないだけに、その有効性を経験しても危険性まで気づくことはできないのである。この事実は薬局の薬剤師が投薬中に不審に思い尋ねた結果わかったことである。日々の投薬が不適正使用を食い止める唯一の砦になり得るのでは、ということを考えさせられる。このようなうわさが広がるのは早い。自分の受け持ちの患者にシルデナフィルを服用している患者がいたらとりあえず注意が必要である。

タミフル耐性をいち早く検出するには
2008. 12. 30-NMオンライン

[要約&コメント]
タミフル耐性問題が大きな課題となっている中、タミフルの臨床効果が実際に低下しているのを、いかに早く検出するかが重要」と指摘する。その上で、解熱時間が1つの指標になりうる。    <発症からタミフルの初回内服までの時間別にみた解熱まで時間>

解熱時間は、30時間前後に集約していることから、タミフルの初回内服から30時間以上経っても解熱しない場合は、再度受診するよう促す必要がある。
2007年後半から今年3月の調査では、耐性株の出現頻度は世界全体で16%にのぼり、2008年4~10月の調査では39%に拡大していた。日本でも全体では2.6%だったものの、鳥取県で37%という高頻度で耐性株が検出されるなど、今シーズンは耐性ウイルスを強く意識した診療が求めらる状況となっている。

ニュースの量から見ても、タミフル耐性インフルエンザの内容はHotなものになっている。唯一の治療薬が使えなくなったら...?新型のインフルエンザが大流行したら?人々の不安は高まる一方である。ただし、一つだけ言えることは、これらのウィルスは風邪の菌同様うがいや手洗いなど基本的な予防策も十分効果がある。できることを徹底してやっていくことが大切ではないだろうか。

おまけ...健康診断
ワンコインで健康診断 フリーターらに人気
2009.1.9 07:54-産経新聞

[要約&コメント]
「ワンコイン健診」と呼ばれる気軽に受けられる健康診断が好評だ。低額なうえ、数分で結果が分かる手早さが魅力で、定期的に受けることが望ましい健康診断から遠ざかりがちなフリーターや自営業者に加え、職場の定期健診では物足りない会社員らの支持を得ている。
検査内容は、大きく分けて「血糖値」「総コレステロール」「中性脂肪」「身長、体重、骨密度、血圧など」の4つ。1回の検査は数分で各500円(ワンコイン)、セットでは1500円で受けることができる。セットの場合、血液を採取した後、身長や血圧などを測る間に全項目の結果が用紙に打ち出される。その間、わずか10分程度。
その他関連記事:5分で結果、500円健診 若者向けに初の出店 (m3.com)

ワンコイン健診の話は、もともと知人から聞いていた話ではあったが、実際にニュースに載っていたので掲載することに。健康診断は、自営業やフリーターの人にはどうも二の次三の次に考えられ、さらに自分は健康と思い込むことで病状の悪化に気付かず気づいた時には…ということがよくある。運営者も当時看護師としてそういう人たちを多く見てきたことから思いついたアイディアだという。早期発見が今後継続して実行できれば、医療費拡大の大きな抑制策となる。塵も積もれば…である。個人的に応援している活動なので、頑張ってもらいたい。

2009/01/06

Saya's 薬学ニュース vol.50-後発医薬品採用リストの公表は推進に有効か?/OTC医薬品の売上落ち込む/意外な市販薬と処方薬との相互作用/新型インフルエンザへの対応策

<Today's news>
1. 国立病院機構に後発医薬品の採用リストの公表を要請
2. 薬も買い控え、薬局・ドラッグストアの販売額落ち込む
3. 高齢者ほど薬を同時服用、副作用の危険性
おまけ. 新型インフルで対応指針 各消防本部が計画策定へ

国立病院機構に後発医薬品の採用リストの公表を要請  厚労省
2008/12/27 00:00-厚生政策情報センター

[要約&コメント]
後発医薬品の使用促進は、特に医師の理解を促すことが重要である、との見解を示している。また、公的医療機関における後発医薬品の採用リストを民間病院や薬局等の医療関係者に配布することが後発医薬品の使用促進に資するものであるという意見があったことから、独立行政法人国立病院機構と国立高度専門医療センターにおける後発医薬品の採用リストの公表を要請している。

Saya's 薬学ニュース vol.44でも紹介したように、社会保障費の自然増2200億円の圧縮財源に、後発品の使用促進で230億円を捻出して充てることを決めた政府の、第一歩目の動きかもしれない。まずは医師の意識改革といったところだろうか。採用リストを公表したところで、「後発医薬品は絶対に使いたくない」と思っている意識改革になるのかどうか、疑問が残るが...

薬も買い控え、薬局・ドラッグストアの販売額落ち込む
2008年12月29日23時01分 読売新聞

[要約&コメント]
薬局やドラッグストアなどで買える大衆薬(OTC医薬品)の販売が、2008年度は再び失速している。メタボ対策などを背景に、07年度の販売額は前年度比2・3%増の1兆1800億円と2年連続で増加したが、好調は続かなかった。

不況の波は医薬品にも押し寄せている。大衆薬の販売は、今回ネット販売禁止になったことでより落ち込むのではないかと考えられる。個人的に薬に頼ることが嫌いな私としては、不況によって、必要な薬だけを最低限確保し、他の方法で健康を維持していくことを考える、という動きは悪くないように思う。もちろん販売側としては、なんとかして売上を上げていきたいと考えているのだろうが...こうなったら、様々な商品を幅広く売るのではなく、販売側もよりよい商品に的をしぼって、その効果を的確に消費者に伝えていく必要があるのではないだろうか。

高齢者ほど薬を同時服用、副作用の危険性
2008年12月30日 19:27-AFPBB News

[要約&コメント]
複数の種類の薬の同時服用は、危険な副作用を引き起こす可能性があるが、高齢者になるほど一般的に、しかも処方薬ではなく市販薬で行っているとする研究結果が発表された。
、約25人に1人が、深刻な相互作用を引き起こす可能性のある危険な薬同士の同時服用を行っていることが判明した。75-85歳男性の場合ではさらに、10人に1人の割合だった。「2種類の処方薬を同時に服用すると危険な場合があることは一般的に知られているが、市販薬と処方薬、あるいは市販薬同士でも相互作用を引き起こすことが十分理解されていない」と警鐘を鳴らす。

薬剤師の役割、その一つに相互作用を見分けることも含まれている。特にお年寄りは服用薬の種類や数がやたらと多い人がいる。処方薬における相互作用などは、コンピュータシステムの発展により処方入力した時点から警告の表示が可能であるが、市販薬との相互作用に関して熟知している薬剤師はどのくらいいるだろうか。OTC医薬品に関しては、大学で勉強した記憶がほとんどない。六年制が導入され、やっとOTC概論という形でカリキュラムに組み込まれているくらいである。海外では、当たり前のようにOTC医薬品の授業がある。それは、必要性があるから、という事もあるが、この研究結果をみると、日本でも必要でないとはもはやいえなくなっている。薬剤師のさらなる役割として、市販薬と処方薬の相互作用に関して注目してみてはどうだろう。

おまけ...新型インフルエンザ

新型インフルで対応指針 各消防本部が計画策定へ
2008年12月24日-m3.com 提供:共同通信社 ※m3.com閲覧には会員登録が必要です

[要約&コメント]
総務省消防庁は22日、国内で新型インフルエンザが発生して多くの感染者が出ても、全国の消防職員が救急搬送などの消防業務を続けるための指針をまとめた。政府の推計では、新型インフルエンザが国内で流行すると、最大で患者3200万人、死者64万人が見込まれる。

新型インフルエンザの発生に備えて、具体的な対応指針が考えられているのはありがたいことである。人はパニックになると何をしでかすか分からない。しかし、方法をあらかじめ習得しておけば、多少の混乱があったとしても、日常の業務に置き換えて行動することができる。救急車搬送などは、その数が予想できないにしても確実に起こる事態であるので、早急に対応指針を確実なものにしていただきたい。患者がたどりつく、医療機関や医療者側の対策も事前に話し合われるべきであろう。

2008/12/22

Saya's 薬学ニュース vol.36-カテキンの効果はいかに?!/抗血小板凝集剤の効果に遺伝子多型が関与/ジェネリック使用に関し患者と薬剤師で大きなギャップ(アンケート)/社会保障カードって?

<Today's news>
1. 非アルコール性脂肪性肝疾患への、高濃度茶カテキン飲料の効果を検証 継続摂取により、肝臓の脂肪蓄積や酸化ストレスが低減
2. クロピドグレルの血小板凝集抑制、CYP2C19遺伝子多型が関与
3. ジェネリック医薬品での処方・調剤を依頼する患者さんが着実に増加 前回13.2%から20.5%へ
4. ジェネリック医薬品について、依然として半数を超える薬剤師が“患者さんから尋ねられたら説明” 

おまけ. 社会保障カードは医療費抑制など促進-保団連

非アルコール性脂肪性肝疾患への、高濃度茶カテキン飲料の効果を検証 継続摂取により、肝臓の脂肪蓄積や酸化ストレスが低減 
2008年12月11日-花王株式会社

[要訳&コメント]
肥満が関わる生活習慣病の一つである非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD:non-alcoholic fatty liver disease)について、高濃度茶カテキン飲料の効果を検証したところ、肝臓への脂肪蓄積低減による肝機能改善や、活性酸素の過剰発生による「酸化ストレス」を低減させることがわかった。

カテキンの話題はなぜか気になります。知り合いが研究しているせいもあるかもしれません。その研究者の話を効いていると、カテキンは食品の中に含まれているのに、とんでもない効果を将来発揮してくれるのでは?という期待を抱かずにはいられません。こういう話を聞くと、つい効果ばかりに気を取られてしまいがちですが、同時に、食品に含まれている成分であっても、大量に摂取すると安全の域を超えて害を生じさせる危険性がある、ということも忘れてはならないのです。特に”健康食品“を過剰に信じて利用している人たち、忘れてはなりません。

クロピドグレルの血小板凝集抑制、CYP2C19遺伝子多型が関与 
2008年12月11日-薬事日報

[要訳&コメント]
クロピドグレル*は、冠動脈血栓症やステント血栓症などの治療に使用されているが、血小板凝集抑制作用には個体差があることが知られている。その原因としては、薬物代謝酵素のCYP2C19遺伝子の多型の関与が示唆されている。

この遺伝子多型には人種差もあり、米の3%に対し、日は20%であるという。病院で働く人には必要な情報だろうか。
*クロピドグレル
商品名:プラビックス
薬効:チエノピリジン系抗血小板剤
特徴:チクロピジン(パナルジン)と比べ、肝障害などの重い副作用がやや少ないとされる

ジェネリック医薬品での処方・調剤を依頼する患者さんが着実に増加 前回13.2%から20.5%へ 
2008年12月11日-沢井製薬(プレリリース)

[要訳]
2008年4月の制度改正から半年後の処方・調剤環境を調査するため、400名の患者に対し意識調査が行われた。患者さんの「ジェネリック医薬品」認知率は97.0%と非常に高く、ジェネリック医薬品での処方・調剤を依頼した経験のある患者さんは、20.5%(5月の調査:13.2%)と増加していた。また、実際にジェネリック医薬品を処方・調剤された患者さんも26.3%(前回18.0%)と増加傾向にある。
ジェネリック医薬品を「処方・調剤して欲しい」とする患者さんは92.8%(前回91.6%)と非常に高いのがわかる。

ジェネリック医薬品について、依然として半数を超える薬剤師が“患者さんから尋ねられたら説明” 
2008年12月12日-沢井製薬(プレリリース)

[要訳&コメント]
また、上記記事に続き薬剤師300名に対する調査においては、実際にジェネリック医薬品への変更が可能な処方せんを応需した際、「常に説明している」薬剤師は14.3%、「患者さんから尋ねられたら説明をしている」薬剤師が依然として最も多く51.0%という結果になった。
参考記事:「尋ねられたら説明」が半数以上占める‐沢井製薬が意識調査(薬事日報)

ジェネリック医薬品に関する意識調査を患者側と薬剤師側とで2つの記事を紹介したが、患者の意識が高いのに対し、その期待に応えられていない状況がわかる。「常に説明しない」理由がどこにあるかを調べたら、さらに面白いのではないだろうか。それにしても、認知率が97.0%、変更希望をしている率が92.8%とう数字には驚いた。実際に現場にいても、(ジェネリックを推進している会社であったが)変更希望者は感覚的には70%程度のものと思っていた。金額の違いを見て、そこまで変化がなければあえて先発品を選ぶ患者が多かったのだ。高収入で金額を気にしないような地域で働いていたのも、一つの理由かもしれないが。

おまけ...社会保障カード?

社会保障カードは医療費抑制など促進-保団連
2008/12/10 22:49-キャリアブレインおまけ

[要訳&コメント]
来年3月末までに基本計画をまとめる「社会保障カード*(仮称)」について、全国保険医団体連合会(保団連)は、「医療費抑制や社会保障給付費の削減を図る『社会保障個人会計』につながり、導入には反対する」との見解を発表した。その理由として、医療、介護、年金などの個人情報が、国に一元管理される恐れがある」とした上で、「個人情報の流出や、国や民間保険会社などによる“データの悪用”が危惧(きぐ)される」を指摘している。

一見便利にみえるこのカード。実際はどうなのだろうか。様々なカードが別々になっており、保管に苦労している人もいれば、医療機関などへの提示の際に面倒であることも確かである。しかし、果たして国と民間保険が有する情報を統一してもよいものだろうか。この件についてはこの先も議論を重ねていきたい。
* 「社会保障カード」(仮称)
「国民一人ひとりに付けられた統一的な番号を基に、健康保険証、介護保険証、年金手帳などの機能を1枚のカードにまとめられるもの。

2008/12/19

Saya's 薬学ニュース vol.33-たばこ/ネット販売規制で得するのは?/薬局方改正案/日本と米の老人ホーム医療の違い

<Today's news>
1. 脳内の分子スイッチで喫煙欲求が抑えられる
2. 飲食店でのタバコの煙、“不快”が78.3%――でも我慢
3. 薬のネット販売規制で得するのは誰か?
4. 薬局方の改正案、大筋で了承
おまけ.米国における老人ホーム医療の実際

脳内の分子スイッチで喫煙欲求が抑えられる
2008/12/08-Dr赤ひげ.com

[要訳]
脳内の神経ペプチド受容体(ヒポクレチン-1、別名オレキシン A)を遮断することによって、たばこへの欲求を急速に低下できる可能性のあることが新しい研究で示された。また、この受容体がコカイン依存症の再発を制御する上でも中心的な役割を果たしていることが判明している。
喫煙は米国で年間44万人の死亡原因となっており、それによる医療コストは年間1,600億ドル(約15兆円)に上る。
参考:現在販売されている禁煙補助剤
・チャンピックス錠0.5mg/1mg(バレニクリン酒石酸塩)*:国内初の飲む禁煙補助薬
・ニコチネルTTS(ニコチン貼付剤)
・ニコレット(ニコチンガム)
*チャンピックス錠(処方せん医薬品)
一般名:バレニクリン酒石酸塩
適応:ニコチン依存症の喫煙者に対する禁煙の補助
用法・用量:第1~3日目は0.5mgを1日1回食後に経口服用、第4~7日目は0.5mgを1日2回朝夕食後に経口服用、第8日目以降は1mgを1日2回朝夕食後に経口服用する。なお、本剤の服用期間は12週間とする。
副作用:吐き気や鼓腸、便秘などの胃腸症状、頭痛、精神症状(不眠、異常な夢、不安感、イライラ、怒りっぽい、気分の落ち込みetc)

飲食店でのタバコの煙、“不快”が78.3%――でも我慢
2008年12月9日 12時41分-Business Media 誠

[要訳&コメント]
これまで飲食店での他人のタバコの煙によって不快な思いをしたことがある人は67.3%で、喫煙者の46.5%も「不快に感じたことがある」と答えた。不快な思いをした飲食店を再び利用するか、という問いには22.3%がYesと答えており、リピーターは少ないと考えられる。しかし、不快に思っても「吸うのを止めてほしいと言いたいが、我慢する」人が81.8%と大半を占めた。
参考記事:タバコの喫煙者率、過去最低の25.7%(成人男性の平均喫煙率は39.5%、ピークだった1966年の83.7%と比べ、44.2ポイントの減少。一方の成人女性の平均喫煙率は12.9%で、ピークは1996年の18.0%だったが、その後はほぼ横ばいが続いている。)

タバコ関連で2つの記事を紹介した。日本でも喫煙者は徐々に減少しているようだが、欧米に比べると公共の場での喫煙に関してはまだまだ甘いように感じる。私が現在住んでいるカナダのアルバータ州では、飲食店の全席禁煙が当たり前になっている。喫煙による被害を考えると、本人の健康被害だけではすまされない現状が、医療費からみてとれる。喫煙者の半数近くが、他人の喫煙に対し「不快に感じている」のにも関わらず、自分は吸う、のは…?
タバコをほんの少し値上げして社会保障費の自然増を抑制しよう、と考えるよりは、タバコを買えないほどの金額に設定して、禁煙補助に力をいれ、医療費を削減させたほうが長い目でみて効果があるのではないだろうか。
(喫煙者には反発をかつコメントになってしまって申し訳ないが…)

薬のネット販売規制で得するのは誰か?
2008年12月09日 19時30分-ascii.jp

[要訳&コメント]
この記事では、以下の内容を挙げて、規制することを批判している。
・対面販売にしても薬剤師がインターネットに記載されているような、通り一遍の説明以上はできないであろうし、対面販売でも説明を無視したり聞く耳を持たない人はいるので、安全面の観点においては特に変わりはない。
・日本の薬のネット販売を禁止することで、どうしても手に入れたい人は海外からのネット購入に走る人がいて逆に危険である。(海外の薬なら厚労省が責任逃れができる)
・価格競争の制限により、地方の薬局の経営が守っているだけ。厚労省の決定を、共同声明などで後押ししている団体(日本薬剤師会)なども、所詮厚労省と利害関係のある団体である。
⇒薬局で売っても、リスクをゼロにすることができないないのであれば、リスクをゼロにすることではなく、利便性と安全のバランスを考えて消費者自身が選択させることが重要だ。と述べている。

ホットな話題として討論が繰り広げられている「ネット販売」に関する記事であるが、経済学の切り口で、多少辛口?!に述べられている。彼が最も言いたかったことは、規制を行う意味を改めて考えてほしいということなのではないだろうか。危険だからといってすべてを規制してしまっても、危険度をゼロにすることは難しい。むしろ、いろんな縛りを作ることで消費者の選択権や自己責任が低減されてしまう。
この点に関しては、Saya's 薬学ニュース vol.12(3つ目に紹介した記事)で「ネット販売」に関して初めて取り上げた記事に私がコメントした内容に近いことが書かれている気がした。私が訴えたかった内容はまさにこのことで、薬剤師の立場からでは言いにくかった内容も毒舌だが書かれていたので、ある意味スッキリした。
「しょせん薬剤師は通り一遍の説明しかしないし」という部分を見ても、消費者にはそんな程度にしか薬剤師の職能は映っていないのだな、と改めて残念に思う反面、今までできていなかった、という過去の話を引きずるのではなく、今回の法改正により、薬剤師に何が求められているのかを改めて考え、その期待にこたえていくことが重要なのではないだろうか。
参考記事:大衆薬のネット通販、規制撤回を 大衆薬ネット通販「禁止の根拠を」 「医薬品のネット販売規制、困ります」楽天が署名呼び掛け 医薬品ネット販売の継続容認訴え、業界団体が新自主ガイドライン 「対面販売」貫きネット通販禁止を―日本薬剤師会など9団体が声明 「ネットで安全は買えるのか」対面販売の重要性訴えフォーラム

薬局方の改正案、大筋で了承
2008/12/09 19:48-キャリアブレイン

[要訳&コメント]
厚生労働省の「薬事・食品衛生審議会」の「日本薬局方部会」が開かれ、現行の第十五改正日本薬局方の改正案と新規収載候補品目案の審議などを行った。このうち改正案については、一般試験法の中の4試験法(微生物限度、無菌、崩壊、溶出)と生薬リュウコツに関する生薬総則や医薬品各条(生薬など)の条文の追加・修正案が大筋で了承された。
参考記事:局方の一部改正案を了承‐一般試験法の日米欧3局方を調和

この内容は、国家試験を受ける薬学生にとっても重要な情報であろう。後発医薬品の、生物学的同等性で用いられている溶出試験法も、一部変更されているので、薬剤師としては確認が必要である。

おまけ...介護医療
米国における老人ホーム医療の実際
2008/12/08-週刊医学界新聞

[要訳&コメント]
米国では老人ホーム(NH)に依存せずに自宅介護を受けている高齢者のためのサービスが充実している。最近はNHをより“自宅”のような環境にするという運動が盛んである(Eden Alternative)。
米国のNH入居者は24時間介護が必要な長期介護の患者以外にリハビリや点滴治療,創傷治療などが必要な短期入居者が混在しているのが特徴である。医療コスト削減のために急性期病院を退院した患者がNHで治療を継続して自宅に戻ることが一般化している。NH入所後90日間は30日ごと,その後は60日に一度の医師による予防を心がけた診療が義務付けられている。
老年医学は内科学とも家庭医学とも異なる独特な専門分野であり,高齢社会の先頭を走る日本に不可欠である。

日本では、老人ホームの新規入居者受け入れリストが長くなる一方で、受入れが厳しい状態が続いている。今後ますます高齢者が増えていく中で、どのように対応していけばよいだろうか。米国と日本の状況を比較しながら書かれているので、そのヒントを見つけられるかもしれない。在宅医療や介護医療に興味のある人は是非読んでみてほしい。

2008/12/11

Saya's 薬学ニュース vol.26-国民の信頼感、「医療機関」がトップ/インスリン治療50年、患者を表彰…日本イーライリリー/骨粗しょう症予防にホルモン補充療法を希望したが/医療崩壊の根本原因は医療費抑制(下)日本も見習う?弱者切り捨ての米病院会社

国民の信頼感、「医療機関」がトップ
2008/11/27 18:51-キャリアブレイン

[要訳&コメント]
「議員、官僚、大企業、警察等の信頼感」に関する調査で、医療機関に対する国民の信頼感は自衛隊と並んで1位だった。医療機関に対する評価は、2004年調査で3位だったが、前回07年調査で2位に上昇、今回はさらに評価を上げた。(詳しくは、中央調査社のホームページで。 http://www.crs.or.jp/)
医療機関・自衛隊・裁判官は例年上位3位に浮上する3項目。毎年その順位に違いはあるものの、平均して信頼される項目であることがわかる。この他にも、「国民に信頼されるよう努力してほしい機関・団体」や「閉鎖的で、国民に対して情報公開が進んでいないと思う機関・団体」の順位も出ていて、現代の状況を反映しているアンケート結果であるため、非常に見ていて興味深い。下がり続ける首相への期待感。この点をどのように改善していくものか。
個人的に気になったので紹介したが、医療機関で働く職種は様々であり、医師・看護師・薬剤師など、細かい分類はどのようになっているのだろうか。そもそも、この医療機関と答えた人のイメージの中に"薬局"が含まれているかは疑問であるが。

インスリン治療50年、患者を表彰…日本イーライリリー
2008年11月28日 読売新聞

[要訳&コメント]
世界糖尿病デーの14日、製薬企業の日本イーライリリーは、インスリン治療を50年以上続けてきた患者を「リリー インスリン50年賞」として表彰した。
受賞者は、医師で糖尿病患者の中村和之さん(84)(東京)ら9人。中村さんは、多忙で不規則な生活を送っていた大学病院勤務時代に発症。自身でも血糖コントロールを行いながら、内科医として糖尿病教室の開催や患者会設立などに力を尽くしてきた。

経験から患者に対して指導ができるため、説得力も大いにあったのではないだろうか。医師と共に治療を行う。患者としては新しい間隔で医師と向き合っていたのではないかと思う。自分も病気を克服していくことで、患者に勇気を与えることができることは簡単なことではない。この賞はそんな意味で素敵だなぁと感じたので紹介した。血糖コントロールの重要性を、薬剤師の立場として伝えられるかが今後の課題である。

骨粗しょう症予防にホルモン補充療法を希望したが
2008年11月28日-毎日新聞

[要訳&コメント]
質問内容:58歳の女性。52歳で閉経しましたが、最近、卵巣の摘出手術を受けました。卵巣から出る女性ホルモンがなくなると骨粗しょう症になりやすいときき、ホルモン補充療法(HRT)を受けたいと婦人科の先生に相談しましたが、もうすぐ60歳なので必要ないと言われました。私のような場合、HRTは対象外なのでしょうか。

女性の場合、閉経して女性ホルモン・エストロゲンが減るのと合わせて、骨量も急速に減少していき、骨粗しょう症や骨折が増えるのが一般的に知られています。
ホルモン補充療法(HRT)には、足りなくなったエストロゲンを補充して骨粗しょう症を予防する効果が認められているのと合わせて、悪玉コレステロールの低下、血管が硬くなるのを防ぐ、皮膚や粘膜を乾燥から守る、記憶など脳の働きを改善するなどで、多くのデータがあります。
HRTで乳がんが増えるという不安についても、さらなる研究により、期間が5年以内なら乳がんは増えないことも明らかになっています。また、始めるタイミングについても閉経後なるべく早い時期に始めることがよい効果につながり、70歳を越すとリスクが高くなるというデータもあります。
こうしたことから、HRTはなるべく60歳までに始めるのが望ましいとされていますが、これを越えたあとでも、個々の患者さんの状態をチェックし、リスクとベネフィットを説明し納得を得た上で行うことがすすめられています。

特に医師から「何故必要ないのか」ということを説明されないと、やはり患者様というのは不安になるものなのですね。今後の服薬指導でも、自分の知っている知識のみで「NO」というのではなく、何故という部分を大切にしていかなければ、と考えさせられた記事でした。

おまけ... アメリカの医療制度続き。
医療崩壊の根本原因は医療費抑制(下)日本も見習う?弱者切り捨ての米病院会社
2008/11/21 -JanJanニュース

[要訳&コメント]
日米は同じ「小さな政府」だが、医療費を比べると米国は税金で1人当たり日本の3.5倍も負担している。日本政府が言う「公的負担は限界に達した」は誤りだ。医療保険を民間に依存する米国では貧乏人は加入できないのに加え、1人当たり医療費が日本の3倍近い。現在の日本が世界に誇る公的医療保険制度を崩壊させてはならない。
米国で民間医療保険の加入者は、総人口3億人のうちの約2億人にとどまる。高齢者や低所得者らを救済しようとする公的医療保険として、メディケア(高齢者・障害者)とメディケイド(低所得者)がある。各約4,000万人で、ほかに無保険者4,500万人がいる状態だ。
米国の保険会社は儲けを多くするため、病人を保険に入れない。自営業者の保険料が高く設定してあるのもそのためである。反対に大企業で働く人の保険料は安い。健康な人が多く、大口の顧客を獲得できるからである。そのため、公的保険に有病者が集中して加入者の負担が増すという悪循環に陥っている。医療費負債による個人破産は原因の第2位に上昇しているのも事実である。
その他混合診療のデメリットや株式会社の病院のぼったくり度合などに関しても述べている。

Saya's 薬学ニュース vol.24に引き続きアメリカの医療に関して紹介したが、これは、日本がアメリカ同様の医療に転換しつつあることへの警鐘である。みていてぞっとするような内容であり、これでは憲法第25条の『すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。』を約束できるものとは思えない。
何度も繰り返すようだが、この記事やマイケルムーア監督の映画「Sicko(シッコ)は、はあくまでもアメリカの医療の一面であることには変わりないが、本質を知っているからこそ訴えるかけるものがあるようにも思える。はたしてこのまま突き進んでよいものなのだろうか。国民もこれらの情報は知っておくべきなのではないだろうか。

2008/12/01

Saya's 薬学ニュース vol.19-新薬など優先審査 先端医療開発 特区に24件/COPDの治療について/医療格差の国アメリカ 「健康への無関心」で慢性疾患が増殖

新薬など優先審査 先端医療開発 特区に24件
2008年11月18日-読売新聞

[要訳&コメント]
先端医療の早期実用化を促進する「先端医療開発特区(スーパー特区)」に、京都大教授のチームなど計24の研究グループを選んだ。日本が優位に立つ分野で新薬や医療機器の審査を迅速化するなどして、国際競争力を強化する狙いがある。
、〈1〉iPS細胞の応用(2件)〈2〉再生医療(5件)〈3〉医療機器の開発(8件)〈4〉バイオ医薬品の開発(4件)〈5〉がん・難病などの医薬品・医療機器研究開発(5件)が選ばれた。

新薬開発には、一つの医薬品に対し12憶程度かかる、ということをよく耳にするが、その治療薬の開発を唯一の希望として心待ちにしている人たちもたくさんいる。医療は様々な形で進化を遂げ、治療不可と考えられていた疾患までも薬での完治が可能になっている。現在死亡率No.1の癌も、近い未来治療が可能になるときが来るかもしれない。しかし治療において最も重要なことはQOLであり、ただ単に命を延ばすことではない。薬を服用することで副作用に苦しみながら生き延びることはある意味地獄である。これらの研究により、多くの人たちのQOLを挙げられるような技術が発展してほしいと願っている。

こころとからだの相談室:COPDの治療について
2008年11月21日-毎日新聞

[要訳&コメント]
質問内容:痰がからむので、受診したところCOPDと診断されました。吸入型気管支拡張剤(チオトロピウム)を処方され、3日間服用すると症状は改善しましたが、下痢など副作用がひどかったので中止。医師と相談し、緑内障もあるためチオトロピウムは、痰がからむ時だけ使用することにしました。
今後どのような治療をすればよいでしょうか? また、緑内障に影響を及ぼさず、痰のからみを改善する薬は、ないでしょうか?

COPDの患者さんにチオトロピウムを処方する場合には、気管支を拡張させて動いたときの息切れを軽減し、日常生活での活動や生活の質を向上させることを期待して使います。
チオトロピウムを使用する際に注意しなければならないのは、緑内障の患者さんと前立腺肥大症による排尿障害のある患者さんです。外用薬(吸入薬)を使うことで、血液中に入る量は吸入された薬剤の約3%程度となるため、医師はこの点を考慮した上で使用を勧め、同時に検査をまめに行っていると考えられます。
緑内障を気にせずに痰をコントロールするには、β2刺激薬という気管支拡張薬や去痰薬がよく使用されます。漢方にも去痰作用のある薬があるため、これらを併用もしくは単独使用されているケースが多いです。

おまけ…海外の医療〈米〉
医療格差の国アメリカ 「健康への無関心」で慢性疾患が増殖
2008年11月17日-DIAMOND ONLINE

[要訳&コメント]
先進国のなかで唯一「国民皆保険制度」を導入していない国、アメリカ。収入格差がそのまま医療格差に繋がっており、病気になっても十分な医療サービスを受けられない人も多い。また、米国は専門医が多いものの、プライマリーケア(かかりつけ医による日常的な診察)が一般化していない。そのため、軽症の患者が大病院に溢れ返っている。
しかし最大の問題点は、低所得者を中心とした「健康への無関心」であると、かつてブッシュ政権で医療総監を務めたリチャード・H.カーモナ氏は警鐘を鳴らす。

医療制度の話になると、よく例に挙げられるのがアメリカの医療。マイケルムーア監督の映画「Sicko(シッコ)でも、おなじみのものとなっている。アメリカの医療費は年々膨れ上がり、年間の医療費総額はGDPの16%に匹敵する2兆ドルに上っているという。これが日本の2倍を超える水準だというから驚きである。個人的には、日本の医療費増大に関して不安を感じていたが、その2倍以上の医療費がアメリカでは消費されている。人口を考えれば分からなくもないが、2兆ドルと言われてもいまいちぴんと来ないのは私だけだろうか。
メタボリックに関しては、食生活から見れば確実に日本よりアメリカでの取り組みが必要と考えられるが、政策や対応に関しては日本のほうが進んでいるというから怖い事実である。そんな遅れた対応では、生活習慣病患者が増えるのは容易に想像できる結果である。このような機会に国際協力は利用されるべきなのではないだろうか。

2008/11/22

Saya's 薬学ニュース vol.14-薬剤師の労災認めず/「医薬品のネット販売規制、困ります」楽天が署名呼び掛け/海外医療ツアー、保険の適用も

薬剤師の労災認めず-東京地裁
2008/11/13 20:11   キャリアブレイン

[要訳&コメント]
青森労災病院(青森県八戸市)に勤めていた薬剤師三浦恵吾さん(当時39歳)の「過労自殺」をめぐり、妻の久美子さんが国に対して労災不支給の取り消しを求めた行政訴訟の判決は、「業務とうつ病の発症には、因果関係が認められない」などとして訴えを棄却された。
「うつ病をいつ発症したかという最大の争点について明確に認定しない不当判決だ」として、判決を見守った約40人の支援者らからは批判が相次いだ。(参照記事:争点を判断しない判決に批判相次ぐ-薬剤師の過労死裁判)

医師や看護師の過労死に関しては、うわさで耳にすることもあったが、やはり薬剤師も論外ではないというのがこの記事からわかる。それが過重労働であったのか、業務と心身の病気との因果関係の有無などの判断は非常に難しいものである事を認識させられる記事であった。今年10月東京高裁で棄却された小児科医の過労死に関する民事訴訟においても、行政訴訟の判決では「過重な業務とうつ病との因果関係」を認めたものの、民事訴訟の判決では、「うつ病と業務との因果関係が認められない」という正反対の判決が下されるなど、判断を下すことの難しさ再認識させられる。
身内をこのような辛い事情で亡くし、さらに辛い事態を掘り下げて戦わなければならない。そんな不幸な人をこれ以上増やさないためにも、医療従事者不足による過重労働などの根本の問題の解決に力を注いでほしいものである。

「医薬品のネット販売規制、困ります」楽天が署名呼び掛け
2008/11/13 20:52-INTERNET Watch
[要訳&コメント]
一般医薬品のネット販売を規制する厚生労働省の省令案について、修正を求めるための署名活動を開始した。。「楽天市場」の医薬品関連カテゴリー内に署名ページを開設し、消費者や事業者に賛同を求めている。

*参照記事:大衆薬ネット通販「禁止の根拠を」  医薬品販売の議論が足踏み 大衆薬のネット通販、規制撤回を

(薬学ニュースNo.12で載せた)一般用医薬品(大衆薬・OTC医薬品)のネット販売を規制する法案に対し、ネット販売において主力である会社が黙ってはいないだろうと思っていた矢先に見つけた記事。消費者を味方につけようという戦略である。消費者の判断が明らかになる点では興味深い動きである。
ただし、この内容では「利便性の低下」に関する内容しか明記されておらず、なぜ法改正によってOTC医薬品の分類がなされるようになったか、という安全面でも記載はない。このままでは、「自分たちの利便性が国に侵される」という不信感から票が集まる気もするので、正しい情報提示にはなっていないように感じる。

海外医療ツアー、保険の適用も
2008年11月17日-Nikkei Business

[要訳&コメント]
医療にかかる費用が増加の一途をたどる米国では、多くの患者が治療のため海外渡航するようになっているという。米国とインドでの、ひざの手術にかかる費用で比較してみる。
・米国内での手術:4万5000ドルから5万ドル(約450~500万円)
・インドでの手術:1万ドル(約100万円)+航空運賃(往復)約1330ドル(約13万円)程度。
費用の差は歴然である。
米国には、手術を受けに他国へ出かける患者向けに割安な海外医療ツアーを提供している会社が存在する。医療ツアー会社が、海外の医療機関を選択する際の判断基準としているのは、米国の医療施設を評価・認定する米非営利機関、医療機関認定合同委員会(JCAHO)の国際部門ジョイント・コミッション・インターナショナル(JCI)による認定の有無だ。海外医療ツアーにより、安価に医療費を抑えられる利点はあるが、多くの保険会社が保険の適用対象としておらず、自己負担を強いられているのが現状である。また、医療被害があった場合に、法的措置が取りにくいことも事実である。
以上、保険と医療被害に関しリスクを伴う現状があるが、保険の適応に関しては現在保険の適応が徐々に増えてきているので、検討している人にとっては朗報である。

個人的に気になっている海外事情が、新たに見えてきた気がした。海外で治療をするケースは、米国だけでなく他の国でも実際に行われているという。しかし、特に医療費のバカ高いアメリカでは、このようなケースがあってもおかしくない、ということに気付かされる。高額の保険料の支払に悩まされ、保険不携帯の住民も多く、一度病気にかかっただけでも自己破産…ということもよく耳にする。そんな厳しい中でこのような救済措置があることは、少し希望の光が見えたようでうれしい話だ。
マイケルムーア監督の映画「Sicko(シッコ)」で出演していたような、「辞めてよかった」と断言する元保険会社社員を生んだのは、いったい誰(何)なのでだろうか。