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2008/12/31

Saya's 薬学ニュース vol.45-小児用抗てんかん薬の新薬発売/漢方薬と風邪の予防/厚労省が第三者委設置へ/認知症は死因の一つ?!

<Today's news>
1. 「小児難治性」適応の抗てんかん薬
2. 新生児けいれんとてんかん重積状態の治療薬 
3. ウイルス性疾患予防と漢方薬
4. 厚労省が第三者委設置へ 人工心臓の少年死亡で

おまけ. 認知症は死因から見逃されている 

「小児難治性」適応の抗てんかん薬
2008/12/19 15:10-キャリアブレイン

[要訳&コメント]
小児の適応を有するてんかん治療薬「ラミクタール錠」(一般名・ラモトリギン)が発売された。

商品名:「ラミクタール錠」
一般名:ラモトリギン
規格:小児用2mg,小児用5mg,25mg,100mg
製薬会社:グラクソ・スミスクライン
【特徴:】
①ほかの抗てんかん薬との併用療法により、二次性全般化発作を含む部分発作、強直間代発作、レノックス・ガストー症候群に効果を示す。
②成人だけでなく、小児の適応を有する。
③小児に発症するてんかんの中で極めて難治性のレノックス・ガストー症候群への適応を取得した日本初の抗てんかん薬
現在、日本におけるてんかん患者は約100万人。患者の80%が小児期に発症するが、小児のてんかん治療薬の選択肢は少ないという。

てんかん患者の80%近くが小児期に発症するのに、その薬が少ないというのは恥ずかしいことに知らなかった。ちょっと勉強になった記事である。副作用などの記載がなかったので、その点を補足しておこうと思う。
【副作用】:発疹や発赤、眠気、吐き気、めまい、かすみ目、肝機能低下
【その他の特徴:】
①口腔内崩壊錠。
②半減期が約31~38時間(バルプロ酸ナトリウム(デパケン)との併用で約2倍に延長)と長いため、副作用発生時は的確な説明を。
【注意:】
①グルクロン酸抱合を誘導する薬剤との併用では血中濃度低下。増量を検討。:フェニトイン(ヒダントール、アレビアチン)やカルバマゼピン(テグレトール)、フェノバルビタール(フェノバール)
※バルプロ酸ナトリウム(デパケン)との併用で半減期延長。減量を検討。
 
新生児けいれんとてんかん重積状態の治療薬
2008/12/22 13:20-キャリアブレイン

[要訳&コメント]
新生児けいれんとてんかん重積状態の治療薬「ノーベルバール静注用 250mg」(一般名・フェノバルビタールナトリウム)が販売された。
商品名:「ノーベルバール静注用」
一般名:フェノバルビタールナトリウム
規格:250mg
【特徴】
①日本で初めての静脈注射用フェノバルビタール製剤」で、新生児けいれんに適応を取得
②小児から成人までのてんかん重積状態に投与可
参考資料:新発売のご連絡(アルフレッサ資料)

経口剤に続いて、注射剤の紹介である。両社も、第一選択薬としての利用ではなく、併用や第二選択薬としての推奨であるが、ニーズがある薬なので今後目にすることがあるであろう。
【副作用】:意識障害、血圧低下、呼吸抑制、肝機能低下

ウイルス性疾患予防と漢方薬 
2008年12月19日-毎日新聞

[要訳&コメント]
質問内容:感染性胃腸炎やインフルエンザなどのウイルス性疾患に効く漢方処方はあるのでしょうか? また、日頃の体調管理はもちろんですが、インフルエンザや風邪にかかりにくくする漢方処方はありますか
風邪の諸症状を漢方では侵入してきたウイルス(病邪)と免疫力(正気)との間に起こっている邪正相争(じゃせいそうそう)という戦いによって生じるものと考えます。
漢方処方を選ぶ際には、八綱弁証というものを駆使して病位・病勢・病性を確認して処方を選びますので『この症状にはこれが効く』という処方はありません。『風邪のひき始めだから葛根湯』と安易に考えないようにしましょう。下記に風邪の症状軽減によく使う漢方薬の紹介。


【風邪の予防方法】:外邪と戦う正気を高めておくことが大切
①殺菌力のある粘膜を保つ:外出後の手洗いうがい、マスクの着用、室内の加湿
②抗ウイルス作用のあるものを常用:板藍根(ばんらんこん)、プロポリスなど
③外邪と戦う正気を高めておく:補中益気湯(ほちゅうえっきとう)などの補気剤
※タミフルの原料は大茴香(だいういきょう)という生薬の成熟した果実からできているという。
 
厚労省が第三者委設置へ 人工心臓の少年死亡で 
2008年12月19日-m3.com 提供:共同通信社 ※m3.com閲覧には会員登録が必要です

[要訳&コメント]
国立循環器病センター(大阪府吹田市)で臨床試験(治験)中の補助人工心臓を装着した少年=当時(18)=が約2週間後に心肺停止となり、約1年後の今年春に重い脳障害で死亡した問題*で、厚生労働省は18日、第三者による調査委員会を設置する方針を明らかにした。

18歳の少年が、自分の意志で治験に託した想い...心肺停止までの2週間、どのような思いで過ごしたのかを考えるととても辛くなりますね。そしてその両親は、本人の意志を尊重して治験の継続を決意したのでしょう。息子の容体が急変したあとに下さなければならないその決断の重さとその想いを、治験を行う側には忘れてほしくないですね。
*治験実施から死亡に至るまでの話
少年は心筋の働きが落ちて心臓が肥大化する「拡張型心筋症」と診断され、昨年春に入院。未承認の補助人工心臓「エバハート」の治験に少年本人が同意し、装着手術を受けたが、2週間後に心肺停止となり、今年春に死亡した。病院側は少年が意識不明となった後も家族に治験の継続を勧め、母親が同意書に代筆して治験が続けられたという。
 
おまけ...認知症

認知症は死因から見逃されている 
2008/12/18 -日経NET

[要訳&コメント]
重度の認知症患者が死亡したとき、認知症が死因として記録されないケースの多いことが新しい研究により示された。この知見により、認知症が致死的な疾患であるとの知識が不足していることが明らかにされただけでなく、アルツハイマー病および認知症による死亡者数が実際よりも大幅に少なく算出されていることになるという。
認知症が死因として認識されていないのは意図的なものではないようだという。かつては老衰として知られていた認知症は、単なる脳の疾患にとどまるものではなく、精神面に加えて身体も徐々に侵され、最終的には癌(がん)やエイズと同じように肺炎を来すこともある。認知症が致死的な疾患であるという理解が欠けていると、終末期の患者に不必要な治療を家族が強く要求するようなことにもなるとのことだ。
 
確かに、認知症で死亡、ということはあまり耳にしたことがない。自分が病院で働いた経験がないからかもしれない。病院勤務の薬剤師などはよく耳にすることなのだろうか。患者のQOLを考えると、ただの認識不足、では片付けられない内容であることがこの記事から教えられた。

2008/12/26

Saya's 薬学ニュース vol.40-死因第4位の肺炎の予防法は?/「頓服」=鎮痛薬?/新たなワクチン承認/エイズの感染機序が明らかに?!/後期医療・無保険者の高齢者10数万人?!

<Today's news>
1. 肺炎 国内の死因第4位で9割は高齢者。予防法は。 
2. 「頓服」、自分が処方された経験からの誤解多数 
3. 「ヒブワクチン」、19日から任意接種が可能に 
4. HIVは正常な女性性器の皮膚を短時間で通り抜ける

おまけ. 「『後期医療』は見直しではなく廃止を」、「無保険」の高齢者、十数万人の恐れ

肺炎 国内の死因第4位で9割は高齢者。予防法は。 
2008年12月16日-m3.com 提供:毎日新聞 ※m3.com閲覧には会員登録が必要です。

[要訳&コメント]
インフルエンザが流行する季節は肺炎も多発する。肺炎が原因で亡くなる人はがん、心疾患、脳血管疾患に次ぎ、4番目に多い。肺炎で死亡する人の9割以上は65歳以上。高齢者をかかえる家族は、肺炎にならない予防策を取ることが大切だ。
肺炎球菌による肺炎の治療ではペニシリン系の抗生物質を使うが、最近は薬が効きにくい耐性菌が現れてきた。そこで注目されているのがワクチン接種だ。ワクチン接種した人はしない人に比べ、死亡率は約7割も下がる。欧米では子ども専用ワクチンが認められている。

意外に多い死因となっている肺炎。最近では、耐性菌の発生によりさらに事態は深刻になっている。ワクチンの摂取により7割も死亡率が下がるのであれば、徹底する必要があるのではないだろうか。相談窓口などがあるといいのだが。

2008年12月16日-m3.com

[要訳&コメント]
国語研調査では、患者の34.1%が「鎮痛剤」と誤解、33.4%が「解熱剤」、16.2%が「包装紙に包んだ薬」と誤解していた(他にも「粉薬」、「座薬」など)。これは、自分が過去に「頓服」として処方された薬を「頓服薬」として思い込んでしまう(例えば、解熱剤を「これは頓服です」として処方されたことのある患者は「頓服」イコール「解熱剤」と思い込むなど)ことが原因とされている。

薬局でも、「頓服」という言葉をよく使うが、あまり気にとめていなかった。こんなにも勘違いがみられるとは。薬袋に「頓服」と書かれていても、必要時に服用する薬であることをしっかり説明しておく必要があると感じた。

2008/12/17 09:10   キャリアブレイン

[要訳]
子どもが感染しやすい「細菌性髄膜炎*」を予防する「ヒブワクチン」が、12月19日から任意接種できる。
*「細菌性髄膜炎」
脳を浮かべる髄液の中に菌が侵入して炎症を起こす。日常的に存在するヒブ(ヘモフィルスインフルエンザ菌b型)や肺炎球菌などによって発病する。

2008年12月16日/HealthDay News Nikkei NET

[要訳&コメント]
エイズの原因ウイルスであるHIV(ヒト免疫不全ウイルス)が男性から女性に感染する新たな経路が明らかにされた。長い間、正常な膣上皮は性交時にHIVの侵入を防ぐ壁となると考えられてきたが、HIVが正常な性器の組織を通り抜け、約4時間で免疫細胞に到達することを突き止めたという。

ウィルスの感染経路や特徴がつかめてくれば、新たな治療薬にも大きく近づける。Saya's 薬学ニュース vol.31でもエイズ(HIV)のワクチン開発により新たな感染者の根絶を意気込んでいるが、数年後にはもしかしたらエイズの新たな感染者数が大きく減少する、という夢が見られるかもしれない。しかし、今の時点でできることはコンドームをつけて自分の身は自分で守ること。それが唯一の、一番の回避方法なのである。
参考記事:HIV感染、数年内根絶も ノーベル賞のモンタニエ氏(産経新聞)
おまけ...後期医療
2008/12/15 13:55-キャリアブレイン

[要訳]
4月に始まった「後期高齢者医療制度」は、「国民を年齢で機械的に差別する人間の尊厳を無視した世界に例がない差別的医療制度」として、35を超える各種団体でつくる「後期高齢者医療制度の廃止を求める東京連絡会」が、「12・14後期高齢者医療制度の廃止を求める東京大集会」を開いた。廃止を求める署名が75歳以上の都民の半数を超える63万人余りに達していることなどを紹介。
 
2008/12/16 21:39-キャリアブレイン
 
[要訳&コメント]
「後期高齢者医療制度」の保険料徴収で、年金受給額が年額18万円未満の人などを対象にした「普通徴収」の滞納率が福岡や青森県で10%を超えることが、明らかになった。低所得の高齢者は全国で約200万人と見られており、この数値から推計すると、「無保険」の高齢者が十数万人に及ぶ可能性がある。
 
国民が動いた。。。
この医療制度が開始されてからは、一向に鎮まることのない反対意見。保険料の滞納により、事実上無保険の高齢者が十数万人いるという予想は恐ろしいものではないだろうか。「すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。」この言葉からも、恵まれた保険「国民皆保険」で守られてきた日本。それがどんどん形を変えてゆく。しかし、国民も忘れてはならないことは、国が大部分を保証しているということ。1割負担が2割になり、2割負担が3割負担へ…と徐々に移行してきているが、それでも7割近くは国で賄われているのだ。情勢が悪化すればもちろん生きる方法も変わる。今まで守られて来たからと言って、それがずっと続くとは思ってはいけない。守られてきたことによる甘さが見受けられる事もあるが、今は皆が協力して立て直していく必要がある、ということを、一人ひとりが再認識していただきたい。