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2009/05/13

Saya's 薬学ニュース vol.95-胃の「キリキリ」痛みを緩和します!/インフル専門家会議「大流行前ワクチン」を了承/療抵抗性統合失調症治療薬「クロザリル」の製造販売承認を取得/メタボより高血圧対策が重要/米カリフォルニア州で子ども2人が豚インフルに感染 人から感染か

<Today's news>
1. 胃の「キリキリ」痛みを緩和します!
2. インフル専門家会議「大流行前ワクチン」を了承
3. ノバルティス、治療抵抗性統合失調症治療薬「クロザリル」の製造販売承認を取得
4. メタボより高血圧対策が重要

おまけ. 米カリフォルニア州で子ども2人が豚インフルに感染 人から感染か

胃の「キリキリ」痛みを緩和します!
2009/4/22

[要約&コメント]
大正製薬は2009年4月21日、一般用鎮痛胃腸薬「ストパン」を発売した。「医療用医薬品」で使われている成分「チキジウム臭化物*」のスイッチOTCである。用法・用量は1回1カプセル、1日3回まで。
1カプセル中チキジウム臭化物…5mg
参考HP:ストパン公式HP(大正製薬)
参考記事:チキジウムのOTC薬、スイッチ化承認から3年経て発売 (5/7日経DI)
*チキジウム臭化物
商品名:チアトン
効能効果:副交感神経を抑制して,消化管などの筋肉(平滑筋)のけいれんを抑制する
副作用:排尿障害,視力の調節障害,動悸,肝機能障害等

HPを参照すると、15歳以上の服用に限定されている。また、1カプエセル中に5mg含有しているため、医療用医薬品のチアトンと比較すると半量であることがわかる。尚、チアトンの添付文書では1回5~10mgを1日3回経口投与する.との記載があるため、これらの違いも把握しておく必要がありそうだ。

インフル専門家会議「大流行前ワクチン」を了承
2009/04/22(水)-ケアネット.com 提供:読売新聞 ※ケアネット.com閲覧には会員登録が必要です
[要約&コメント]
厚生労働省の新型インフルエンザ専門家会議は20日、大流行が起きる前に接種する「プレパンデミック(大流行前)ワクチン」の効果と安全性について、「大きな問題はない」として了承した。高病原性鳥インフルエンザウイルス(H5N1)から製造されたワクチンであるが、一部の試験者から副作用が出たため、どの程度をワクチンの対象にするか検討中である。

今話題の豚インフルエンザ。日本から私の無事を確かめるメールが相次いでいるが、正直日本と現地(カナダ・アメリカ)での温度差を感じる。問題が起きている現地では楽観的な人が多く、マスクをつける傾向もなく、マスクの仕入れも未だに整っていない状態である。薬局に1名だけマスクを購入しにきた客がいたが、その人は医療機関で働いており、エイズ患者の対応をしているため、とのこと。現地の人間の楽観さには呆れてしまうくらいであるが、被害者が一名も出ていない中で大騒ぎをしていた日本も少し問題であるように感じた。とうとう感染者が日本国内に入ったことから騒ぎは広がったことと思うが。現地の人間にも、自己予防として、手洗いうがいは徹底して行ってもらいたいものである。

ノバルティス、治療抵抗性統合失調症治療薬「クロザリル」の製造販売承認を取得
~治療抵抗性統合失調症治療薬「クロザリル(R)錠25mg/100mg」の製造販売承認を取得~
2009/04/22-NIKKEI NET プレリリース

[要約]
「クロザリル」は、日本で初めて「治療抵抗性統合失調症」の適応症を認められた抗精神病薬です。すでに世界97カ国で承認されており、日本でも統合失調症で入院中の9%の患者さんが、本剤の適応となると見込まれている。他国で抗精神病薬として販売後死亡を含む無顆粒球症の発現が報告されたため、販売を中止する国もあったが、治療抵抗性の統合失調症に対しては効果があることが認められ、血液検査を義務付けた上で販売が承認されている。また、適正なモニタリンを可能とするため、登録を受けている医療機関でのみ処方及び調剤が行われている。
参考:ノバルティス ファーマ株式会社HP(ノバルティス ファーマ株式会社)

メタボより高血圧対策が重要
2009年4月23日-読売新聞

[要約&コメント]
脳卒中や心筋梗塞(こうそく)など循環器疾患の予防には、肥満に重点を置いたメタボリックシンドローム対策よりも高血圧対策が重要であることがわかった。
もし全員の血圧を正常にした場合、男性で48%、女性で45%の心筋梗塞や脳梗塞を減らせると推計された。一方、メタボを解消しても男性で12%、女性で8%の改善効果しかないと考えられるという。

メタボリックシンドロームという言葉が数年前から流行りだし、肥満が万病のもとであるというのが一般的な認識であろう。それよりも血圧のコントロールがより重要であるというのは、興味深い話であったので掲載した。

おまけ...豚インフルエンザ

米カリフォルニア州で子ども2人が豚インフルに感染 人から感染か
2009年4月23日-m3.com 提供:共同通信社 ※m3.com閲覧には会員登録が必要です

[要約&コメント]
カリフォルニア州でインフルエンザの定期健診を受けた2人の子どもが豚インフルエンザに感染していたことが判明した。2人はメキシコと国境を接するカリフォルニア州南部のサンディエゴ郡とインペリア郡に在住する10歳の男児と9歳の女児(二人は回復済み。一人は一時40℃近くの熱を出したという。)。2人とも豚と接触したことはなく、これまでのところ感染源は特定できておらず、人から感染した可能性が強くなっている。

カナダのアルバータ州でも、初めて一人豚インフルエンザにより死亡者が出たと報じられたが、新聞を読んでみると、実はその前から喘息の治療で入退院をしており、死亡した時に病院へ行ったのもそのぜんそく症状のためだったという。死亡後検査をしてみると豚インフルエンザの型が検出されたということで、実際の死因が豚インフルエンザによるものなのか、喘息によるものなのかははっきりしないとのこと。For your information...

2009/04/26

Saya's 薬学ニュース vol.89-骨粗鬆症治療剤リカルボンとボノテオが新発売/女性は記憶障害に強い?/「デブは病気がち」の真偽を検証する/BMI最適値が判明/緑茶やオリーブ油の抗酸化作用は保存期間の長さに伴って消失

<Today's news>
1. 骨粗鬆症治療剤リカルボンとボノテオが新発売
2. 女性は記憶障害に強い? ホルモンが脳血流改善
3. 「デブは病気がち」の真偽を検証する
4. BMI最適値が判明、90万人の解析から

おまけ. 緑茶やオリーブ油の抗酸化作用は保存期間の長さに伴って消失

骨粗鬆症治療剤リカルボンとボノテオが新発売
2009/04/09-ケアネット.com ※ケアネット.com閲覧には会員登録が必要です


[要約]
小野薬品工業株式会社とアステラス製薬株式会社は、両社が国内共同開発し、1月21日付で製造販売承認を取得した骨粗鬆症治療剤を、それぞれ「リカルボン錠1mg(小野薬品)」「ボノテオ錠1mg(アステラス製薬)」(一般名:ミノドロン酸水和物)の名で、4月7日に国内で新発売した。
日本人骨粗鬆症患者におけるプラセボ(偽薬)に対する骨折抑制効果の優越性を検証できた初めての薬剤である。

詳細:アステラス ニュースリリース
※参照:Saya's 薬学ニュース vol.84-ミノドロン酸:骨吸収を強力に抑制する日本発のビスホス製剤

女性は記憶障害に強い? ホルモンが脳血流改善
2009年4月10日-m3.com 提供:共同通信社

[要約&コメント]
脳梗塞(こうそく)や老化などによって生じる記憶障害に対し、女性ホルモンのエストロゲンが脳の血のめぐりを良くして記憶を改善するように働くことがマウスによる研究で明らかになった。エストロゲンが血管を広げて血流を増やすことで脳の働きを改善しているという。

「男性は記念日などを覚えていないことが多い」というのが持論であるが、これも、その持論をある意味証明する内容なのであろうか。男性と女性の脳の違いについては個人的に興味があったため、興味深い記事と思い載せることにした。ルームメイトの男性に話したら笑っていたので、男性にとっても理論で言い訳のできる研究結果なのではないだろうか。「本人が悪いのではなく、脳が悪いのだ」と。

「デブは病気がち」の真偽を検証する
2009. 4. 6-日経メディカルオンライン

[要約&コメント]
レセプトデータ及び健康診断の結果をもとに、BMIが25以上の人を肥満とし、受療動向(受療率/受診日数/医療費)や疾患の種類などをBMI25以下の人たちと比較調査した。
肥満群の人たちがBMIで25を切る=肥満を解消する)ためには、平均で14~18kgの減量が必要というデータも。


肥満は大病の元というように、肥満があらゆる疾患の原因になっている事は皆さんもすでにご存じのことと思いますが、このように1万人に以上の人たちのデータを比べてはっきりと結果が得られるものなのですね。この筆者が医療の専門家ではないため、肥満が生活習慣病の代表疾患以外のうつ病や不眠症、気管支喘息の下人になっている理由までは考察されておりませんが、データとしてみる分には興味深いように思います。

BMI最適値が判明、90万人の解析から
2009/04/09(木)-ケアネット.com ※ケアネット.com閲覧には会員登録が必要です

[要約&コメント]
BMIは単独で死亡の強力な予測因子であり、死亡率は22.5~25.0kg/m2で最も低く、この範囲以上でも以下でも死亡率が上昇することがわかった。BMIが5 kg/m2増加するごとに全死亡率が平均で約30%ずつ上昇したという。その他疾病等の危険率もすべて上昇していた。

上記肥満の記事に続き、BMIの最適値に関する記事を紹介した。やはり25以上が肥満とするガイドラインはエビデンスに基づいているように思う。

おまけ...カテキン

緑茶やオリーブ油の抗酸化作用は保存期間の長さに伴って消失
2009/04/10(金)-ケアネット.com ※ケアネット.com閲覧には会員登録が必要です

[要約&コメント]
抗酸化物質が豊富に含まれる食品の健康面での有益性は、食品の保存期間に伴って減少していくことが2つの新しい研究で示された。長期保存によるカテキンの持続性を検証するため、米国、韓国および日本で市販されている8種類のティーバッグの緑茶を元の包装のまま1週間~6カ月にわたり保存したところ、保存期間の早い段階から抗酸化物質の減少がみられ、6カ月後には8種類の緑茶のいずれもカテキン濃度が急激に減少した(平均32%)。
オリーブ油についても、6カ月後には40%低下することがわかった。

今研究は、封を開けたものではなく元の包装のまま行ったものなので、封を開けてしまったらこの低下率は格段に速いものと予想できる。いいお茶だからとっておく、のではなくいいお茶だからこそ早めに飲んだほうがよいのだそうだ。同様に、カテキンを使用している製品(ハンドクリームなど)も、製造に方法によっても変わってくるだろうが、長く使わずにとっておくよりも使用することで効果が得られる事を忘れてはならない。

2009/02/16

管理不良の糖尿病患者に厳格な血糖管理は有効か?/吸入指導なしでは「処方した」とは言えない/ディスペプシアに対する最良の第一選択薬?/第2世代の抗精神病薬は本当に第1世代に優るのか?

<Today's news>
1. 管理不良の糖尿病患者に厳格な血糖管理は有効か?
2. 吸入指導なしでは「処方した」とは言えない
3. ディスペプシアに対する最良の第一選択薬は制酸薬
4. 第2世代の抗精神病薬は本当に第1世代に優るのか?


管理不良の糖尿病患者に厳格な血糖管理は有効か?
2009. 1. 23-日経DI

[要約&コメント]
2型糖尿病の罹病期間が長く、最大用量の糖尿病治療薬を用いてもなお血糖管理不良の患者に厳格な血糖管理を行った場合、心血管リスクは減少するか、という疑問を検証すべく行われた研究において、標準的な血糖管理を行っても厳格な血糖管理を行っても、心血管リスクへの影響は変わらないことが示された。
糖尿病発症からより早い時期に、低血糖を回避しながら厳格な血糖管理を行えば、心血管リスクに好ましい変化が見られる可能性はあるとしつつ、現時点では、心血管危険因子の適切な管理がリスク低減において最も有効なアプローチではないか、と述べている。

血糖の値が高いほど、血糖のコントロールの指導を行うことは、当たり前と考えられてきた。多くの薬剤師もこの事実に関して疑いを持っていないだろう。それが、厳格に行っても行わなくても変わらない、という結果はある意味ショックである。しかし、だからと言って指導しないのではなく、生活習慣病である糖尿病とどのように共存し向き合っていくかの指導が必要なのではないだろうか。いかに無理をして血糖を下げるか、ではなく変えにくい生活習慣を少しずつ変えていくように促し、無理のない程度に生活に反映させていくことを、二人三脚で行うことができるのは医師よりも薬剤師であると考える。食事の指導や運動の必要性など、薬以外でも指導できることがあるのではないだろうか。

吸入指導なしでは「処方した」とは言えない
2009. 1. 23-日経DI

[要約&コメント]
高齢の喘息患者は、老化に伴って身体能力や理解力に大きな差が生じるため、一律な処方ではうまくいかないことも多い。吸入ステロイド薬をいくら処方しても、患者が正しく効果的に吸入できていなければ、宝の持ち腐れ。個人に合った薬剤選択や吸入指導が必要である。
それぞれの吸入ステロイド薬には、剤型、吸入器具(デバイス)、粒子の大きさなどによって患者との相性がある。「適切なデバイス選択と正しい吸入指導は、患者のアドヒアランスに直結する重要な要素。処方時に吸入手技の確認は欠かせない」という。

それぞれの吸入器における、高齢者への注意点などが細かく記載されており、服薬指導時の注意点に直結しているのでとても興味深いと感じた。普段の服薬指導に生かしていただきたい。
ちなみに、カナダのアルバータ大学の学生が1年生の現場実習で行う内容は、外用薬機器類の使用方法のカウンセリングである。カナダでは、1年生のうちから機器の使用方法カウンセリングの重要性が認められているのである。

ディスペプシアに対する最良の第一選択薬は制酸薬
2009/1/26-健康美容EXPO

[要約&コメント]
ディスペプシア*の治療では、最初に一般的な制酸薬を使用し、その後、必要に応じてより高度な薬剤に変更するほうが、最初からより強力な薬剤を使用するよりわずかながらも費用を抑えられることが、新しい研究によって示された。「新規のディスペプシア患者の大多数に対して、検査よりも観察に基づきプロトンポンプ阻害薬(PPI)が用いられるため、PPIは世界で最も多く処方されている薬剤の1つとなっており、社会的にも莫大な費用を要している」という。
*ディスペプシアdyspepsia
消化不良の医学的用語※編集注=慢性の腹部痛あるいは不快感を意味する。器質的疾患のない機能性胃腸症functional dyspepsia: FDをさすことが多い

医療経済の観点が入っている研究内容である。海外(オランダ)の論文である事からも納得であるが、実際の治療方針を経済の観点から再検討し、評価するという見方はある意味重要である。特に今の日本は負債を多く抱えていることもあり、経済的な無駄を省くことは実際に求められている。医師の経験によるもの(当り前)と新たな情報をどのように評価していくのだろうか。

第2世代の抗精神病薬は本当に第1世代に優るのか?
2009. 1. 26-日経DI

[要約&コメント]
第2世代の抗精神病薬は高価であることから、その利益が本当に第1世代の薬剤に優るのかどうかについての議論が今も続いており、今回の研究で主な症状に対する効果において、第1世代製品と差がない第2世代製品が少なくないことを明らかになった。
用いられていた第2世代製品は9剤(アミスルプリド、アリピプラゾール、クロザピン、オランザピン、クエチアピン、リスペリドン、セルチンドール、ジプラシドン、ゾテピン)。対照薬として、95件の研究がハロペリドールを用いていた。その他(クロルプロマジン、ペルフェナジン、フルフェナジン、フルペンチキソール、ペラジン、チオリダジン、レボメプロマジンなど)。

錐体外路系有害事象の面で、第1世代より第2世代のほうが有効であると考えられていたがどうやらすべての薬剤(第2世代)に対して言えるわけではないようだ。これも、医療経済の観点から考えると、無駄をなくすことにもつながる。一剤ごとに比較して検討されているので、興味深い結果である。

2009/01/25

Saya's 薬学ニュース vol.64-タミフル耐性インフルエンザの対策は「リスク分散」が基本/登録販売者試験で替え玉受験判明/ジェネリック薬業界は順調/女性向けの健康機器ブランドを発表

<Today's news>
1. 耐性ウイルスの出現は突然、対策はリスク分散が基本
2. 耐性ウイルスを意識した抗インフルエンザ薬治療を
3. 登録販売者試験で「替え玉受験」判明
4. 急成長のジェネリック薬業界、主要企業44社の売上は前年比14%の3480億円

おまけ. テルモ、女性向けの新しい健康機器ブランド

耐性ウイルスの出現は突然、対策はリスク分散が基本
2008. 3. 13-日経メディカル

[要約&コメント]
これまでタミフル耐性株はあまり伝播しないというのがWHOなどの見方だったが、ノルウェー(66%)やフランス(39%)などでの耐性出現率をみるとこういった認識を変えなければならないことに気付かされる。アマンタジン(シンメトレル)も同様に、耐性ができにくい薬と考えられていたが、事態は急変し高頻度で耐性が見られるようになったとのことだ。タミフル一辺倒という状況を見直すなどの、「リスクの分散化」が重要になるとのこと。

Saya's 薬学ニュース vol.60で耐性の広がりなどに関して記事を記載したが、事態は昔に比べて大きく変化していることを再認識させられる。耐性ができてしまった今、どのように耐性の増加を食い止められるか、など専門家の声が必要である。

耐性ウイルスを意識した抗インフルエンザ薬治療を
2008. 12. 17-日経メディカル

[要約]
耐性ウイルスの出現が騒がれている中で、治療指針では、A型、B型別に、ザナミビル(商品名;リレンザ)、タミフル、アマンタジン(商品名;シンメトレルなど)の3種類の抗インフルエンザ薬をどのように使っていくべきかが示されている。


登録販売者試験で「替え玉受験」判明
2009年01月14日-薬事日報

[要約&コメント]
奈良県では、2008年度第2回「一般用医薬品登録販売者試験」で、大阪府豊中市の配置販売業経営の男性(54歳)が、その息子(20歳)になりすまして受験していたことが判明したと発表した。男性の受験を無効とすると共に、替え玉受験については、有印私文書偽造および同行使の容疑で告発する予定だ。
類似記事:パーマかけ眼鏡外し…でも替え玉受験の父、息子になりきれず (m3.com)

登録販売者試験の替え玉受験。親が子供の資格のために、自分で勝手に行ったことだと語っていたが、果たしてこれが子供のためになる教育なのだろうか、と疑問に感じてしまう記事である。と同時に、もしこの替え玉が発覚せず、実際に免許を交付していたらどうなっていただろうか。全く知識のない登録販売者が薬剤師のいないドラッグストアなどにいる事態が発生することになる。倫理的に考えても誰のためにもならないのが現実である。

急成長のジェネリック薬業界、主要企業44社の売上は前年比14%の3480億円
2009/01/13 17:40-MarkeZine

[要約&コメント]
ここ数年急激に業績を伸ばしているジェネリック薬企業の現状と開発戦略について調査を行った。特に業績が急伸しているのは、病院での採用が増えている売上100億円以上の大手ジェネリック薬企業で、13社合計で5年間で68%という驚異的な伸びを示している。
類似記事:ジェネリック医薬品の売上高は前年より14%増(ケアネット.com)

後発品の使用に控え目になっている薬局に対し、ジェネリック薬企業では業績が伸びているのが明らかになった。国の後押しなどもあり、今後も成長を続けていく事が考えられるが、その分新薬企業の製薬会社がどのような状態なのか比較するものがあれば面白いと感じた。

テルモ、女性向けの新しい健康機器ブランド
2009/01/12-ケアネット.com

[要約&コメント]
テルモ株式会社は、女性向け商品の新ブランド「PREMIAGE」(プレミアージュ)を立ち上げた。「PREMIAGE」は「PREMIUM+AGE」の造語で、「これからの人生をより一層いきいきと」という願いを込めたとのこと。女性ホルモン(エストロゲン)の減少による体の様々な変化に着目し、女性の閉経前後(45~55歳)から急増する高血圧など生活習慣病予防につながる商品を展開していくという。

女性は妊娠や閉経などによりホルモンバランスが変わるために、様々な疾患に対し気をつけなければならない。更年期障害で悩んでいる人、これから妊娠をする人など、何かしらの不安を抱えている人は多いのではないだろうか。そんな女性の不安を少しでも取り除くことのできる製品が開発されるといいのだが。

2009/01/20

Saya's 薬学ニュース vol.59-「高齢者に処方すべきでない薬」を紹介/血栓治療の重要ポイントをおさらい/グレープフルーツとバイアグラを一緒に飲むと?/タミフル耐性をいち早く検出するには/今話題のワンコイン健康診断

<Today's news>
1. これが「高齢者に処方すべきでない薬」だ!
2. 血栓症治療の基礎「Virchowの3原則は今日も生きている」
3. グレープフルーツジュースでバイアグラの作用増強を試みた患者
4. タミフル耐性をいち早く検出するには

おまけ. ワンコインで健康診断 フリーターらに人気

古いニュースが多いですが、日経メディカルオンラインのニュースで去年もっとも注目された記事の中から、薬学形のものをピックアップしてみました。面白い内容が盛りだくさんです。

これが「高齢者に処方すべきでない薬」だ!
2008. 4. 12-NMオンライン(年間ランキング)

[要約&コメント]
米国で用いられている高齢患者の薬剤処方の基準「Beers Criteria」の日本版に相当するもの。高齢者において、疾患や病態に関係なく一般に使用を避けることが望ましい薬剤46種類と、特定の疾患・病態において使用を避けることが望ましい薬剤25項目がリストアップされている。このリストは、日本医師会雑誌4月号に掲載されたほか、国立保健医療科学院疫学部のWebサイト上でもPDFファイルとして公開されている。

 <高齢者において疾患・病態によらず一般に使用を避けることが望ましい薬剤>

リストでは、副作用などの投与時のリスクが効果を上回ると考えられ、ほかに安全と考えられる代替薬がある薬剤を中心に掲載。高齢者に使用した際の起こり得る問題と、その重篤度も併記されている。

これは、おそらくもともと医師向けに作られたものだろうが、薬剤師にとって必要な資料でもある。医師が知らずに投与している薬でも、副作用の状況から判断して医師に伝えることができるからだ。薬局の薬剤師がどこまでできるかは何とも難しい話であるが、気づきのきっかけを作ることのできる資料として、是非皆さんにも活用していただきたいと思う。

血栓症治療の基礎「Virchowの3原則は今日も生きている」
2008. 12. 19-NMオンライン(年間ランキング)

[要約&コメント]
血栓症を抑制するために抗血小板薬や抗凝固薬が用いられてきたが、治療を強化すると出血性障害が増加するというジレンマに悩まされてきた。血小板のみをターゲットとした治療戦略のあり方の限界があり、血栓形成の要因として、血流の変化、血液成分の変化、血管壁の性状変化の3つが重要であるという学説(Virchowの三原則(Virchow's triad))を紹介している。
詳細PDFファイル:血栓形成とその対応──抗血小板から抗血栓へ(PDF)

脳梗塞、心筋梗塞などを引き起こす血栓の形成を抑制する抗血小板薬は、確かに予防の観点からは重要であるが、血小板のみで考えても高い治療の効果は得られない。患者さんと一緒に治療に向き合っていく中で何が大切なのかを改めて考えさせられた記事であった。

グレープフルーツジュースでバイアグラの作用増強を試みた患者
2008. 12. 24-NMオンライン(年間ランキング)

[要約&コメント]
患者は、バイアグラが1回の受診に付き7回分しか処方されないことに不満を抱いていた。度々病院に通うのが面倒だったし、薬局でいちいち薬の説明を受けるのが嫌だったからだ。ある時、街の本屋で薬に関する本を立ち読みしていてGJが薬の作用を強めることを知った。患者はGJにより本剤の作用を増強できれば、1回当たりの飲む量を減らせて服用回数を多くすることができるのではないかと考えた。
バイアグラとGJとの相互作用に関する検討結果は一定していない(AUCには有意な変化はないがCmaxは42%増加するという報告、AUCが23%増加するが、Cmaxには変化は見られないとの報告もある)。しかし、シルデナフィルは主にCYP3A4により代謝されるため、GFとの併用は降圧薬同様危険であるのがわかる。さらに、シルデナフィルあるいはバルデナフィルは、エリスロマイシン(商品名:エリスロシンほか)やイトラコナゾール(商品名:イトリゾールほか)と併用すると、前者の血液中濃度が上昇することが知られている。

情報があふれているこの世の中で、このような安易で危険な情報が簡単に流れているというのは非常に悲しいことである。知識がないだけに、その有効性を経験しても危険性まで気づくことはできないのである。この事実は薬局の薬剤師が投薬中に不審に思い尋ねた結果わかったことである。日々の投薬が不適正使用を食い止める唯一の砦になり得るのでは、ということを考えさせられる。このようなうわさが広がるのは早い。自分の受け持ちの患者にシルデナフィルを服用している患者がいたらとりあえず注意が必要である。

タミフル耐性をいち早く検出するには
2008. 12. 30-NMオンライン

[要約&コメント]
タミフル耐性問題が大きな課題となっている中、タミフルの臨床効果が実際に低下しているのを、いかに早く検出するかが重要」と指摘する。その上で、解熱時間が1つの指標になりうる。    <発症からタミフルの初回内服までの時間別にみた解熱まで時間>

解熱時間は、30時間前後に集約していることから、タミフルの初回内服から30時間以上経っても解熱しない場合は、再度受診するよう促す必要がある。
2007年後半から今年3月の調査では、耐性株の出現頻度は世界全体で16%にのぼり、2008年4~10月の調査では39%に拡大していた。日本でも全体では2.6%だったものの、鳥取県で37%という高頻度で耐性株が検出されるなど、今シーズンは耐性ウイルスを強く意識した診療が求めらる状況となっている。

ニュースの量から見ても、タミフル耐性インフルエンザの内容はHotなものになっている。唯一の治療薬が使えなくなったら...?新型のインフルエンザが大流行したら?人々の不安は高まる一方である。ただし、一つだけ言えることは、これらのウィルスは風邪の菌同様うがいや手洗いなど基本的な予防策も十分効果がある。できることを徹底してやっていくことが大切ではないだろうか。

おまけ...健康診断
ワンコインで健康診断 フリーターらに人気
2009.1.9 07:54-産経新聞

[要約&コメント]
「ワンコイン健診」と呼ばれる気軽に受けられる健康診断が好評だ。低額なうえ、数分で結果が分かる手早さが魅力で、定期的に受けることが望ましい健康診断から遠ざかりがちなフリーターや自営業者に加え、職場の定期健診では物足りない会社員らの支持を得ている。
検査内容は、大きく分けて「血糖値」「総コレステロール」「中性脂肪」「身長、体重、骨密度、血圧など」の4つ。1回の検査は数分で各500円(ワンコイン)、セットでは1500円で受けることができる。セットの場合、血液を採取した後、身長や血圧などを測る間に全項目の結果が用紙に打ち出される。その間、わずか10分程度。
その他関連記事:5分で結果、500円健診 若者向けに初の出店 (m3.com)

ワンコイン健診の話は、もともと知人から聞いていた話ではあったが、実際にニュースに載っていたので掲載することに。健康診断は、自営業やフリーターの人にはどうも二の次三の次に考えられ、さらに自分は健康と思い込むことで病状の悪化に気付かず気づいた時には…ということがよくある。運営者も当時看護師としてそういう人たちを多く見てきたことから思いついたアイディアだという。早期発見が今後継続して実行できれば、医療費拡大の大きな抑制策となる。塵も積もれば…である。個人的に応援している活動なので、頑張ってもらいたい。

2009/01/02

Saya's 薬学ニュース vol.46-健康食品にシルデナフィルを含有/肥満症治療薬の新薬誕生なるか?!/ネット販売のさらなる議論が展開/たんぱく尿について/無保険救済法が成立

A happy new year!! 明けましておめでとうございます。
ここカナダでも、16時間遅れて年を越しました。日本の厳かな正月とは違い、花火が上がったり、大晦日パーティに参加するとダンスをしながらカウントダウン…と別世界のようですね。今年も皆様にとって実りある一年になりますように。薬学のさらなる発展も祈りつつ…

<Today's news>
1. 健康食品に医薬品成分 
2. 武田、肥満症治療薬の臨床第3相試験を日本で開始
3. 医薬品の通販、規制強化は是か非か?
4. 蛋白尿について

おまけ. 無保険救済法が成立 中学以下の受診控え解消 与野党、短期証を交付 

健康食品に医薬品成分 
2008年12月19日-m3.com 提供:共同通信社 ※m3.com閲覧には会員登録が必要です

[要約&コメント]
福岡市内の業者「イノーバ ジャパン インク」がインターネットで強壮用健康食品として販売している「サプ・ライズ」から、性的不能治療薬バイアグラと同じ医薬品成分「シルデナフィル」を検出したと発表した。福岡県は同日、販売中止と回収を同社に指導した。現在までに健康被害の訴えはないという。

「サプ・ライズ」を検索してみたところ、サイトが見つかった。そのサイトでは、「年代に関係なくバイアグラやレビトラと同等(もしくは以上)の効果。しかも動悸等の副作用は感じません。」同じ成分が入っていれば、同等の効果が得られて当り前ですね。
このような薬は、これに限定することなく、出回っているのかもしれません。健康食品の場合は効果についてうたってはならないはずなのに…ネット販売においては、規制が追い付いておらず、やはり危険な情報が出回っていますね。

武田、肥満症治療薬の臨床第3相試験を日本で開始
2008年 12月 22日 17:23-ロイター

[要約&コメント]
武田薬品工業は、日本で肥満症治療薬「ATL─962」の臨床第3相試験を開始したと発表した。脂肪の分解酵素の働きを阻害することで、食事からの脂肪の吸収を抑え、体重を減少させる効果が期待されている。

肥満薬の販売により、生活習慣病の最大の原因となっている肥満の率を減少させることができるだろうか…現在保険適応の肥満症治療薬としては、サノレックス(一般名:マジンドール)*が販売されているが、これはあくまで食欲中枢に働きかけて食欲を低下させるものなので、食事制限や運動療法などの併用が必要である。
*肥満症治療薬
商品名:サノレックス
一般名:マジンドール
規格:0.5mg
効能:あらかじめ適用した食事療法及び運動療法の効果が不十分な高度肥満症(肥満度が+70%以上又はBMIが35以上)における食事療法及び運動療法の補助。
副作用:口の渇き、吐き気、便秘、不眠、頭痛、動悸など、依存に注意。

医薬品の通販、規制強化は是か非か?
2008/12/22 22:26-キャリアブレイン

[要約]
一般用医薬品のインターネットを含む通信販売の規制をめぐって、政府の規制改革会議(議長=草刈隆郎・日本郵船会長)と厚生労働省の間で激論が続いている。同会議の委員から「ネット販売は対面販売と比べてなぜ安全性が劣るのか、きちんとエビデンスを出してほしい」との問いに対し、厚労省は『エビデンスはないが、インターネットの方が、安全性が劣っている。(規制強化のための)省令は出す』という回答している。
「国内だけ(医薬品販売の)規制を厳しくして、外国からもっとひどいもの(薬)が入って来ては元も子もない。その点も考えていかなければならない」、「厚労省の省令はまだ出ていないが、省令は行政命令にすぎず、法律の範囲内でなければならない。法の範囲を超えて人の権利・義務を制限することはできない。(省令が)違法性があるものであれば、取り消される可能性も高い」との意見を述べている。

蛋白尿について 
2008年12月22日-毎日新聞

[要約]
質問内容:検診で蛋白尿が出ました。特に体調が悪いわけではないのですが、精密検査を受けるように言われました。どういう病気のときに尿に蛋白が出るのでしょうか。また、体調に異常がなくても精密検査を受けるべきなのでしょうか?(50歳、男性)

蛋白尿はどの年齢でも出ますが、しかしそれぞれの年代によって若干蛋白尿のもつ意味が異なってきます。まず10歳代、20歳代くらいまでに検診で見つかる蛋白尿は、国内の場合は、IgA腎症という病気が考えられます。一方、それが30歳代、40歳代あるいは、50歳代で蛋白尿が出てきたばあい、膜性腎症、あるいは2次性の疾患に伴う蛋白尿です。膠原病、肝炎、高血圧、腎硬化症、糖尿病によっても出てきます。
一般的に蛋白尿は激しい運動をしたり、熱があったり、風邪の後では、正常の人でも出る場合があります。したがって検診の時にたまたまそのような状態であると正常の人でも蛋白尿が陽性となります。そこで、蛋白尿が出た場合には、第1段階としてもう一度尿検査をして、本当に蛋白尿が出るのか、さらに潜血反応や、沈渣を見ることによって円柱細胞があるかないかを調べます。

無保険救済法が成立 中学以下の受診控え解消 与野党、短期証を交付 
2008年12月19日-m3.com 提供:共同通信社 ※m3.com閲覧には会員登録が必要です

[要約&コメント]
親などが国民健康保険の保険料(税)を滞納して「無保険」状態になっている子どもを救済する改正国民健康保険法が、19日の参院本会議で全会一致により可決、成立した。親などが保険料を滞納していても、中学生以下の子どもには短期保険証を一律に交付。全国で約3万3000人いるとされる中学生以下の無保険の子どもが、病院の受診を控えなくてもよくなる。
短期証は有効期間が6カ月。期限を短くして、短期証を更新する際に親などと接触する機会を増やし、市町村が滞納保険料の納付をあらためて促す狙いだ。

保険料の滞納者が年々増え、病気をしても病院へ行けない子供たちが増えているという。子供たちに罪はない、対応している親の責任である。そんな子供たちを救済する法律が成立され、正直安心した。喘息やインフルエンザなど、早期及び継続治療が必要な子どもたちは実際に多い。高校生らへの適用を求める声も上がっているが、義務教育までという部分で線引きをしているとのことだ。

2008/12/20

Saya's 薬学ニュース vol.34-薬学生卒後の就職先No.1は?/花粉症に塗る薬/EDと生活習慣病の関係

<Today's news>
1. 「薬局」3割超す‐卒業生は1万人を突破
2. 花粉、ハウスダストを防ぐ。ネイザルガード 塗るマスク 3gを発売
3. 男性の7割、「EDが命に関わる疾患の前兆と知っていたら、もっと早く受診した」

「薬局」3割超す‐卒業生は1万人を突破
2008年12月9日-薬事日報

[要訳&コメント]
全国薬系大学・学部卒業生の就職先は1999年以来、薬局(勤務・開設等)がトップとなっているが、2008年3月卒業生では30・7%と、進路としても「進学」を抑えトップとなった。 卒業生の主な進路は、[1]薬局(勤務、開設等)30・7%(前年28・1%)[2]進学28・9%(31・3%)[3]病院診療所薬局14・8%(15・0%)[4]企業8・6%(7・1%)[5]一般販売業4・7%(5・1%)[6]病院診療所研究生1・8%(2・3%)[7]衛生行政1・5%(1・1%)[8]卸売販売業0・9%(0・6%)[9]大学0・3%(0・6%)

去年や一昨年は、六年制が出てくるときに備えて、同じ量修業する、という意味では進学が多くみられた気がしたが、ここへきて薬局が巻き返すとは…六年制の学生が出てくる前に経験を積んで勝負するといった感じだろうか。六年制の導入で空く2年間のブランクでいかに従業員を獲得するか、で頭を抱えている薬局業には喜ばしい傾向なのではないだろうか。

花粉、ハウスダストを防ぐ。ネイザルガード 塗るマスク 3gを発売
2008年12月9日-ValuePress! (プレスリリース)

[要訳&コメント]
花粉、ハウスダストを防ぐ。ネイザルガード 塗るマスク 3gを発売開始 -鼻の周りに塗るだけ。静電気の層を生じさせ、反発・吸着で鼻への流入を防ぐ新発想。Amazon.comでも販売されているようです。

花粉症で悩む人にはうれしいお知らせですが、今までの塗るタイプと本当に効果に違いがあるのだろうか・・・・塗るタイプ使ってみたことはあるけれど、鼻が詰まってる感があって使用感はそこまで…
どうにかしてもらいたい花粉症…Amazon.comで売ってるとの事ですが、ネット販売の規制がかかりそうなこの時期、これはいったいどの分類に含まれるのかな?第三類な気がするけれど。

男性の7割、「EDが命に関わる疾患の前兆と知っていたら、もっと早く受診した」
2008年12月9日-バイエル薬品株式会社

[要訳&コメント]
ED(勃起不全)治療を希望する男性、または治療中の男性の実生活をより正しく把握するために調査が行われ、EDは糖尿病、脂質異常症、高血圧、肥満など他の疾患を合併している 事も考慮に入れる必要があることを示した。現在、世界で1億5000万人以上の男性がEDに悩まされているという。
基礎疾患を治療することで、EDの治療効果も高めていく上で、重要な発表である。

EDの話を女性の私がするのは少し難しいことだが、あえて今回紹介したのは、EDは本人だけでなくパートナーの女性としても無視できない話あるということ。パートナーが抱える不安を共有したいと思っている女性は意外に多く、記事になっているのを見たことがある。基礎疾患と因果関係があるとするならば、生活習慣病が増え続ければこの問題も大きくなる一方である。性生活を含めて生活を豊かにするには、健康が一番ということである。

2008/12/04

Saya's 薬学ニュース vol.22-薬剤溶出ステントで生じる問題を回避できる新タイプのステント/肥満児の動脈は中年並みに老化している/自殺に使われた「ムトウハップ」製造中止

高脂血症関連のニュースが続きます。今日は生涯学習研修の通信教育で高脂血症をおさらいしたばかりなので、情報がとても身近に感じます。月経後の女性においては、LDLの値が急増し、平均値自体が既に抗コレステロールの値をオーバーしていて、2人に1人が高脂血症であるという事実には驚かされた。どのくらいの人がこの事実について知っているのだろう。

薬剤溶出ステントで生じる問題を回避できる新タイプのステント
2008/11/25-Dr 赤ひげ.com

[要訳&コメント]
新世代型のステント*によって、従来の薬剤溶出ステント(DES)にみられた遅発性の問題を回避できる可能性のあることが2つの研究で示された。
ステンとの第一世代:ベアメタルステントは、再狭窄を生じることが多かった。
第二世代の薬剤ステントは、遅発性ステント血栓症などの問題がみられた。
今回の新しいステントは第三世代で、「内皮前駆細胞(EPC)捕捉ステント」と呼ばれるもの。動脈壁内側の内皮前駆細胞がステントを覆うことを促す抗体でコーティングされており、治癒の速度を上げ、動脈を長期間開通させておくことができるという。
*ステント:狭窄した動脈を再開通させる血管形成術に利用される器具

動脈硬化などの治療に用いられるステント。副作用が軽減されたことが大きな進歩である。ステントの利用ということは、動脈硬化も進行し、薬での効果だけでは不十分という意味であるため、最終手段のような治療の進化は大きな意味を持つ。

肥満児の動脈は中年並みに老化している
2008/11/25-Dr 赤ひげ.com

[要訳&コメント]
肥満児の動脈は、実際の年齢よりも30歳以上老化していることが新しい研究で示された。(被験者は平均13歳で、ほとんどが白人であり、約半数が男児)肥満児および血液中のトリグリセリド(中性脂肪)濃度が高い小児ほど血管年齢が高い傾向があったという。
蔓延する肥満の問題を解消するには、出生前に両親を教育することから始める必要があると指摘している。「若い親の多くは子どもの栄養所要量について理解しておらず、カロリーの摂取量と消費量のバランスが取れていない。

実年齢よりも30歳以上老化している…ということは、例えば1歳の子であっても、血管年齢では私は優に抜かれてしまうということ…(究極な例だが)その子たちが私と同じ年齢になったら?!そう考えると怖い事実である。
海外に住んでいると感じるが、食べる量が尋常ではない。メニューを見てもこれを毎日食べれば、あれだけ大きなお尻になってしまうことも納得である。米や加の薬剤師は、薬剤師としての職能において高い信頼を得ているが、生活習慣病の予防や未病に関しては機能していないように感じた。親の教育ももちろんだが、義務教育での保健と栄養の教育も、食生活の見直しを考えさせるほどのものをしていくべきなのではないだろうか。

自殺に使われた「ムトウハップ」製造中止 「やめないで」存続望む声続々
2008/11/26-J-Cast ニュース

[要訳&コメント]
「硫化水素ガス」自殺の原料に使われた入浴剤の製造が中止されたことが明らかになったが、製造元には700人以上の愛用者から「やめないでほしい」という声が寄せられている。
入浴剤と洗浄剤を混ぜ合わせて「硫化水素ガス」を発生させ、これを吸って自殺に用いられたことから、製造を中止させられた「ムトウハップ」は、イオウなどを含む医薬品の入浴剤で、疲労改善、アトピーや皮膚病にも効果があるといわれ80年前から長い間利用されてきた。ある有名な温泉旅館も、温泉と偽って利用していたほど効果の高いものと考えられていたのであろう。
販売自粛要請により8割近くの薬局やドラッグストアが販売を停止させ、2ヶ月後に自粛要請が解除になった後でも、販売を再開させる薬局等は少なく、社員の退職を余儀なくされている状態である。

毒ガス自殺に使われる商品を取り除くということは、安全性の観点から一見正しい判断ともとれるが、それにより被害を被る人たちも多いということを考えさせられる。これは、報道により毒ガス(硫化水素)の作り方までも詳しい記載をしたために、それに続いて自殺が増えたという事実も見過ごしてはならない。過剰な報道は時として混乱を招き、新たな害を生んでしまうことも確かである。いくら良い商品、とはいっても安全上この商品を販売し続けることはできないし、愛用していた人たちには残念だが何かこれに代わる商品開発に励んでのしいものである。

2008/12/01

Saya's 薬学ニュース vol.19-新薬など優先審査 先端医療開発 特区に24件/COPDの治療について/医療格差の国アメリカ 「健康への無関心」で慢性疾患が増殖

新薬など優先審査 先端医療開発 特区に24件
2008年11月18日-読売新聞

[要訳&コメント]
先端医療の早期実用化を促進する「先端医療開発特区(スーパー特区)」に、京都大教授のチームなど計24の研究グループを選んだ。日本が優位に立つ分野で新薬や医療機器の審査を迅速化するなどして、国際競争力を強化する狙いがある。
、〈1〉iPS細胞の応用(2件)〈2〉再生医療(5件)〈3〉医療機器の開発(8件)〈4〉バイオ医薬品の開発(4件)〈5〉がん・難病などの医薬品・医療機器研究開発(5件)が選ばれた。

新薬開発には、一つの医薬品に対し12憶程度かかる、ということをよく耳にするが、その治療薬の開発を唯一の希望として心待ちにしている人たちもたくさんいる。医療は様々な形で進化を遂げ、治療不可と考えられていた疾患までも薬での完治が可能になっている。現在死亡率No.1の癌も、近い未来治療が可能になるときが来るかもしれない。しかし治療において最も重要なことはQOLであり、ただ単に命を延ばすことではない。薬を服用することで副作用に苦しみながら生き延びることはある意味地獄である。これらの研究により、多くの人たちのQOLを挙げられるような技術が発展してほしいと願っている。

こころとからだの相談室:COPDの治療について
2008年11月21日-毎日新聞

[要訳&コメント]
質問内容:痰がからむので、受診したところCOPDと診断されました。吸入型気管支拡張剤(チオトロピウム)を処方され、3日間服用すると症状は改善しましたが、下痢など副作用がひどかったので中止。医師と相談し、緑内障もあるためチオトロピウムは、痰がからむ時だけ使用することにしました。
今後どのような治療をすればよいでしょうか? また、緑内障に影響を及ぼさず、痰のからみを改善する薬は、ないでしょうか?

COPDの患者さんにチオトロピウムを処方する場合には、気管支を拡張させて動いたときの息切れを軽減し、日常生活での活動や生活の質を向上させることを期待して使います。
チオトロピウムを使用する際に注意しなければならないのは、緑内障の患者さんと前立腺肥大症による排尿障害のある患者さんです。外用薬(吸入薬)を使うことで、血液中に入る量は吸入された薬剤の約3%程度となるため、医師はこの点を考慮した上で使用を勧め、同時に検査をまめに行っていると考えられます。
緑内障を気にせずに痰をコントロールするには、β2刺激薬という気管支拡張薬や去痰薬がよく使用されます。漢方にも去痰作用のある薬があるため、これらを併用もしくは単独使用されているケースが多いです。

おまけ…海外の医療〈米〉
医療格差の国アメリカ 「健康への無関心」で慢性疾患が増殖
2008年11月17日-DIAMOND ONLINE

[要訳&コメント]
先進国のなかで唯一「国民皆保険制度」を導入していない国、アメリカ。収入格差がそのまま医療格差に繋がっており、病気になっても十分な医療サービスを受けられない人も多い。また、米国は専門医が多いものの、プライマリーケア(かかりつけ医による日常的な診察)が一般化していない。そのため、軽症の患者が大病院に溢れ返っている。
しかし最大の問題点は、低所得者を中心とした「健康への無関心」であると、かつてブッシュ政権で医療総監を務めたリチャード・H.カーモナ氏は警鐘を鳴らす。

医療制度の話になると、よく例に挙げられるのがアメリカの医療。マイケルムーア監督の映画「Sicko(シッコ)でも、おなじみのものとなっている。アメリカの医療費は年々膨れ上がり、年間の医療費総額はGDPの16%に匹敵する2兆ドルに上っているという。これが日本の2倍を超える水準だというから驚きである。個人的には、日本の医療費増大に関して不安を感じていたが、その2倍以上の医療費がアメリカでは消費されている。人口を考えれば分からなくもないが、2兆ドルと言われてもいまいちぴんと来ないのは私だけだろうか。
メタボリックに関しては、食生活から見れば確実に日本よりアメリカでの取り組みが必要と考えられるが、政策や対応に関しては日本のほうが進んでいるというから怖い事実である。そんな遅れた対応では、生活習慣病患者が増えるのは容易に想像できる結果である。このような機会に国際協力は利用されるべきなのではないだろうか。

2008/11/19

Saya's 薬学ニュース vol.11-糖尿病医療連携「継続的努力が必要」/レセプトオンライン請求の完全義務化、個別の判断は適当でない/HIV新規感染者が過去最多

最近栄養に興味が出てきたこともあり、NR(Nutritional Representative:栄養情報担当者)認定の資格について調べてみた。
2005年から開始されたもので、まだ多くの人が持っている資格ではない(約1,900名)。しかし、生活習慣病の罹患率が増加していることから、多くの人が"栄養"や"健康"に興味を持っているのは確かである。薬局でも、「最近TVで○○が△△に効くっていうのを観たんだけど…」という話を患者さんから耳にする薬剤師も多いのではないだろうか。ドラッグストア勤務の薬剤師に聞いたところ、"栄養"に関する質問は日常茶飯事であるとのこと。NRの資格勉強によって得た知識は、日々の勤務で有効に利用できるとの事だ。
どうやら、多くの会社で通信教育が可能のようであるし、これは一つ、挑戦してみる価値がありそうだ♪

薬剤師も、積極的に生活習慣病の予防や治療にあらゆる方面(薬だけでなく)から関わっていきたいものです。そんな風に思っている薬剤師も多いのでは?
興味のある人は以下のサイトへ☆
独立行政法人 国立健康・栄養研究所(http://www.nih.go.jp/eiken/index.html )

糖尿病医療連携「継続的努力が必要」
2008/11/11 14:55-キャリアブレイン

[要訳&コメント]
「東京都糖尿病医療連携講演会―地域での取り組み事例から学ぶ」で行われたディスカッションでは、今後、都内全域に拡大される糖尿病医療連携の課題について意見交換が行われた。以下、参加医師たちによる意見。
「数年ではうまくいかないと思う。少なくとも10年スパンで考える必要があり、継続的に努力する組織が必要」
「日常の予防や、早期発見などについてボトムアップする」
「合併症が進んできた患者に対し、さらに高度な医療を提供する」
「合併症が進んだ患者については、個別の対応になり、主治医と紹介先の医師との関係が大事になってくるので、普段から顔を合わせてしっかりと連携を取っていくことが必要になる」

この中で目にとまった意見がこれ。「糖尿病患者が多いので、医師だけではなく、コメディカルといかに力を合わせていくかが、医療連携を推進する一つのカギになるのではないか」
医師が、他の医療従事者達との連携により、糖尿病医療を克服していく考えを示したことはとても興味深い。さて、これに薬剤師が含まれているかどうかは定かではないが、含まれているとしたらそれはいったいどういった内容であろうか。
・薬のコンプライアンス?
・副作用の有無の確認?
そんなことは、他の疾患でも行っている内容である。では、糖尿病だからこそ協力し合える、薬剤師の役割とは?この答えを見出し、実行することが出来れば、"コメディカル"に参加する切符を得られるのではないだろうか。

レセプトオンライン請求の完全義務化、個別の判断は適当でない  厚労省答弁
2008/11/14 00:0-厚生政策情報センター

[要訳&コメント]
厚生労働省は、診療報酬のオンライン請求の完全義務化に関する質問に対する答弁書を公表した。H20年5月分の診療分について集計したところ、現在は以下のような状況だという。(社会保険診療報酬支払基金による集計結果)
〈オンライン請求を行った施設〉
医科病院:8708施設、医科診療所:7万5902施設、薬局:4万7060施設
〈オンラインでない方法で請求を行った施設〉
医科病院:123施設、医科診療所:1万2726施設、薬局:4558施設
また、アンケートを行ったところ、「実際にオンライン請求を行っている保険医療機関等の約6割が職員の業務負荷の軽減につながり、3割が病院経営の改善につながった」と回答していることから、個別の判断にゆだねず、すべての保険医療機関等がオンライン請求の対象とするよう答弁した。

オンライン請求への移行により、医療事務職員の業務負荷が軽減することに関しては、実際目にしていることから納得できる。このアンケート調査で、逆にオンライン請求による不都合点なども指摘されているはずであり、その点に関して、にオンライン請求義務化にする前に解決していただきたいものである。

HIV新規感染者が過去最多 感染・患者累計、初めて1万5000人超す
2008.11.19 18:38-産経新聞

[要訳&コメント]
今年7月~9月に新たに報告された国内のエイズウイルス(HIV)感染者数は294人で、4半期ベースで過去最多を更新したと発表した。今期で、昭和60年の報告開始以降、初めて感染者・患者数が1万5000人(薬害患者除く)を突破した。 新規のエイズ患者数は119人で、過去2番目に多かった。
そのうち、男性は282人(96%)と大半を占める。感染経路別では同性間性的接触が211人と最多で、ほとんどが男性だった。次いで異性間性的接触が54人となった。年齢別では30代が116人と最も多く、20代が83人と続いたが、40代以上の増加が目立った。

アメリカでも、エイズの感染は同性愛者によるものが多く、差別を受けてきた形になっているが、日本でもこれほどの割合で男性が多いのは個人的にも驚いた。ほとんどが異性間性的接触によるものと勘違いしていた私は、ある意味ショックな記事であった。だからといって(個人的に同性愛者を自然と受け入れている私にとっては)同性愛者を差別する気は全くないが、エイズ感染により互いに辛い未来を歩むことになるよりは、しっかりと検査を受けた上で愛を育んでほしい、と思わずにはいられない。

おまけ…エイズ(AIDS)
性やHIV、喫煙や薬物乱用 専門医の言葉に説得力 健康教育充実へ学校と連携
2008.9.24 07:47-産経新聞

[要訳&コメント]
性の問題や心の悩み、喫煙や薬物乱用など子供たちのさまざまな健康問題に対応しようと、専門医が学校に出向いて児童生徒向けの講演や教職員対象の研修を行うなど、学校と専門医が連携して健康教育を充実させる取り組みが進んでいる。以下の内容を始めて聞く学生たちは多いという。
・先進国では減少している新規患者数が、日本だけは増加が続いていること。
・かつては必ず死に至る病とされたが、複数の薬を組み合わせて使う多剤併用療法の開発によって、病気の進行が食い止められるようになり、いまでは慢性疾患の1つになったこと。
・とはいえ、薬をずっと飲み続けなければならず、1人の生涯治療費は約1億円かかること…。
・HIVの感染経路は性行為、輸血などの血液媒介、母子感染の3通りであり、握手をしたり、一緒にご飯を食べたり、蚊に刺されたり、咳(せき)やくしゃみなどでは感染しないこと。
・クラミジアなどの性感染症に感染しているとHIVに感染しやすくなること。

日本でのエイズ感染に関しては、"無知"による感染拡大が大きな要因と考えている。しかし、これらの内容を、若い世代(10代、20代)が知っているだけでも、今後自分の身の守り方、性行為に対する考え方なども少しずつ変わってくるのではないだろうか。単純なことであるが、今までなされなかったことにより、今の現状がある。気づいたとき対策を講じれば、まだ遅くはない。このような動きが全国で起こることを願って…