2011/09/09

vol.116

<Today's news>
1. 【糖尿病網膜症】血管新生阻害薬が新たな選択肢に
2. 『ランセット』が日本特集発行
3. 1日に15分の運動でも死亡リスクが14%低下
4. 躁病の急性期治療に有効なのは、リスペリドン、オランザピン、ハロペリドール
5. 日本人の一次予防患者でも積極的LDL-C低下療法の優位性を実証
おまけ. “新型”の手足口病が大流行
おまけ. MRは、本当にやりがいのある仕事なのか

【糖尿病網膜症】血管新生阻害薬が新たな選択肢に
2011. 9. 6 日経MD ※日経メディカル閲覧には会員登録が必要です

[要訳]
 「糖尿病網膜症の治療法としては、網膜にレーザー光を照射する光凝固法と硝子体手術の2つが確立されているが、最近、血管新生阻害薬(抗VEGF薬)が登場。従来の治療方法としては、増殖前網膜症の時期に光凝固、増殖網膜症の時期になったら硝子体手術が標準で、単純網膜症に対しては、有効性が確認された治療手段はなかった。ステロイドの眼内注射は有効だが、眼圧上昇などの副作用もある。その点、抗VEGF薬は血管新生を抑えるだけでなく、血管の透過性亢進を抑える働きもあり、「浮腫に対しても効果が期待できる」


『ランセット』が日本特集発行
2011. 9. 1 日経MD ※日経メディカル閲覧には会員登録が必要です

[要訳]
英医学誌の『ランセット』は9月1日、日本の保健医療の現状をまとめた日本特集号を発刊した。副題は「Japan : Universal Health Care at 50 Years(日本:国民皆保険達成から50年)」。同特集号は、日本が戦後、短期間で長寿社会を実現した要因を探るととともに、国民皆保険制度の限界や、現行の保険医療システムの問題点を指摘。
特集号の論文は『ランセット』のウェブサイト(http://www.thelancet.com/japan)、日本国際交流センターのウェブサイト(http://www.jcie.or.jp/japan/csc/ghhs/lancetjapan/)で読むことができる。日本語版の出版物(1部1300円+税)は、日本国際交流センターのウェブサイトで購入可能。

*comment*
友人が購入しているので、帰国後さっそく読んでみたい内容である。日本の国民皆保険制度はどこまで持つのだろうか。そして、今後生き残るとしたらどのような変化を遂げていくのだろうか。日本国外からではあるが見守っていきたい。


1日に15分の運動でも死亡リスクが14%低下
2011. 9. 5 日経MD  ※日経メディカル閲覧には会員登録が必要です

[要訳]
これまでに、週に150分以上の運動>の利益を示すエビデンスは蓄積されている。しかし、150分に満たない運動の健康への影響は明らかではなかった。
1日の運動量と全死因死亡の関係を調べたところ、15分から最長100分まで、15分伸びるごとに全死因死亡リスクは4%(2.5-7.0%)ずつ低下した。癌死亡のリスクも1%(0.3-4.5%)ずつ低下していた。
運動による全死因死亡リスク低減はあらゆる年齢の男女に見られること、心血管リスクが高いと考えられる人々にも同様に認められることが示された。毎日15分、または週に90分程度の運動が、多くの人々に生存利益をもたらすことが示された。

*comment*
この運動量であれば、私たちの生活にも大いにあてはまることがわかる。毎日15分間ウォーキング程度の運動であれば、通勤時間でもクリアできる内容であるし、日本人にもぜひ試してもらいたい内容である。しかし、この試験は台湾で行われたため、食事(日本食VS台湾食)による影響がどの程度あるかはわからないが、同じアジア人として似たようなデータになることが予想される。
さて、毎日15分間のウォーキング、初めてみませんか?


躁病の急性期治療に有効なのは、リスペリドン、オランザピン、ハロペリドール
2011. 9. 6 日経MD ※日経メディカル閲覧には会員登録が必要です

[要訳]
急性躁病治療に関するガイドラインであh、有効性に基づく治療薬の順位付けをしていなかった。
全体として、急性期の躁病治療においては気分安定薬に比べ抗精神病薬の方が有効で、現在の選択肢のうちのベスト3は、リスペリドン、オランザピン、ハロペリドールであることが示された。偽薬が最善の治療である確率は23%で、下から4番目だった。
偽薬より下位にあったのはラモトリギン(21%)、トピラマート(7%)、ガバペンチン(3%)だった。

*comment*
これらの研究により、一定の選択肢を提示するきっかけになったのでは?偽薬よりも下位であった医薬品に関しては、急性の躁病治療においては検討されなければならないかもしれない。


日本人の一次予防患者でも積極的LDL-C低下療法の優位性を実証
2011. 8. 29 日経MD ※日経メディカル閲覧には会員登録が必要です

[要訳]
血清LDL-C値は強化療法群では163.7mg/dLから84.4mg/dLに-47.0%、従来療法群では166.8mg/dLから119.1mg/dLに-27.4%、それぞれ低下し、低下率は強化療法群で有意に大きかった。他にも強化療法群では従来療法群に比べて、LDL-C/HDLコレステロール(HDL-C)比、non HDLコレステロール値、トリグリセリド値が有意に改善した。
「日本人の動脈硬化性疾患の一次予防においても、より強力なスタチンを用いた“the lower, the better”の意義を明らかにすることができた」と結論した。

*comment*
これらの内容は、患者への情報提供時にも有効に活用してもらいたい。「薬を飲まなければならないのか?」と悩んでいる患者さんに、効果のほどを伝えて説得してみては?


“新型”の手足口病が大流行
2011. 9. 1 日経MD ※日経メディカル閲覧には会員登録が必要です

[要訳]
今夏、手足口病が大流行した。例年とは異なり、高熱や大きな発疹が広範囲に現れるため、水痘などと誤診されるケースもある。「水痘の場合は発疹が体幹を中心に頭髪部にも現れるが、手足口病では四肢が中心となる」という。さらに、発症から1~2カ月後に爪甲が脱落する患児も報告されている。事前に、爪が剥がれても自然と生え替わることを説明しておくとよいだろう」と話す。

*comment*
同様のケースで水痘の診断で来た場合は注意すべき疾患である。

 
MRは、本当にやりがいのある仕事なのか
2011/09/07 05:00 ミクスOnline

[要訳]
MRには2つのことが求められている。その1つは、医薬品が適正に使用されるよう、医療関係者の診療活動に役立つ信頼性の高い情報を提供・収集・伝達するという社会的使命を果たすこと。MRが日々接するのは医療関係者だが、その背後には疾病と闘っている患者がいるということを忘れてはならない。
もう1つは、自社医薬品の普及を図ること、すなわち担当医療機関や担当エリアにおける営業目標を達成するという、製薬企業の営業担当者としての責任を果たすこと。

*comment*
将来MRになりたいと考えている学生さんたちも、一度目を通してみてはいかがだろうか?

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