<Today's news>
1. 医療連携フォーラム:糖尿病患者減少へ 「地域疾病管理・最新動向」テーマ /香川
2. ネキシウム、オメプラール下回る薬価に
3. 医師・看護師の離職が深刻化する福島
4. 約9割がドラッグラグ解消の重要性を認識
5. 【厚労省】14日処方制限緩和など被災地措置を通知
6. うがい 医師の7割弱が感染予防や咽頭炎などの治療に意味あり メドピア調査
おまけ. 被曝事故医療の専門家が埼玉県で反省の集い
医療連携フォーラム:糖尿病患者減少へ 「地域疾病管理・最新動向」テーマ /香川
毎日新聞 2011年9月9日 地方版
[要訳]
糖尿病は完治しないが、症状は悪い時期と良い時期を繰り返す。このため、地域連携では、標準化された治療が、病院と診療所、専門医と非専門医の間で継続して行われなければならず、「何度も地域の診療所と勉強会を開き、技術移転が必要」とした。「こうした仕分けができれば、地域の中で、中核病院と診療所で役割分担ができ、結果的に、血糖コントロールの悪い患者などを減らすことができる」とした。
*comment*
カナダでも州の取り組みとして積極的に行われており、地域の連携が重要だと訴えている。このような取り組みが有効と認められれば、地域医療の活性化にもつながるかもしれない。
ネキシウム、オメプラール下回る薬価に
2011年09月08日 18:32 キャリアブレイン ※会員登録が必要です
[要訳]
アストラゼネカの消化性潰瘍治療薬(プロトンポンプ阻害剤=PPI)のネキシウムは、同じPPIで、1991年3月に収載された同社のオメプラールの改良品にもかかわらず、その薬価を下回る結果となった。
既存PPI3成分の収載から10年以上経過していた。このため、通常のルールが適用できず、既存の成分のうち最も薬価の低いパリエットに合わせた。
*comment*
会社としては非常に残念な話だが、患者としてはありがたい結果に☆処方量も増える可能性がある。
医師・看護師の離職が深刻化する福島
2011. 9. 8 ケアネット.com ※ケアネット.com閲覧には会員登録が必要です
[要訳]
医療従事者の退職は、やはり福島第一原発近くの地域で顕著です。原発事故による各病院への損害賠償はなかなか実行されず、警戒区域にある病院は全く収入のない状況が続いています。
福島病院協会では現在、厚生労働省に当面の施設基準の緩和を求めています。
医療従事者の退職を止めるために色々と考えてはいますが、なかなか改善策が見当たりま
せん。そもそも今後、放射性物質汚染がどれだけ続き、いつ収束するのか、警戒区域や緊急時避難準備区域などがいつまで設定されるのか―といったことがはっきりしない以上、医療現場では対策の打ちようがありません。国や原子力の専門家の間でしっかりと議論していってくれることを願います。
*comment*
自分が福島の医療機関で働いていたら、と思うとやはり同じ行動に出ていたと思います。医療者である限り、その場から去ることに罪悪感はあるものの、自分も生きていかなければならなない。家族のいる立場であれば仕方のないこと。安心して仕事が続けられる環境にどうにか持っていかなければ、この状況も悪化してしまうのではないでしょうか。
約9割がドラッグラグ解消の重要性を認識
2011. 9. 6 日経MD ※日経メディカル閲覧には会員登録が必要です
[要訳]
ドラッグラグに対して「関心あり」との回答は88%、「解消が重要」は87%、「政府がドラッグラグ解消のために対策を強化すべき」は88%で、いずれも高い数値だった。
一方、新薬の研究開発の実態に関してはあまり理解されておらず、開発期間の長さ、開発費用の高さ、承認までに至る新薬の開発成功率の低さについてはそれぞれ、31%、55%、68%が「知らない」と答えた。
*comment*
新薬の研究開発に関する回答はある程度予想していた通りであるが、ドラッグラグに関する回答には少し驚いた。日本は医薬品承認に関して少し厳しすぎるイメージがある。このアンケートの結果をみたところで政府の意向は変わらないのだろうが。。
【厚労省】14日処方制限緩和など被災地措置を通知
2011年9月8日 (木) 薬事日報
[要訳]
患者の周囲にあった医療機関が全て機能していなかったり、最寄りの医療機関までの交通手段のない仮設住宅に入居して、頻繁に医療機関を受診できない場合、薬価収載後1年以内の新薬であっても、14日を超えた処方を認めることを盛り込んだ。
対象は岩手、宮城、福島の3県の医療機関で、期間は当面2011年度末まで。
そのほか、看護師不足の件を考慮た入院診療の計算方法の提示や入院期間の延長認可、特別なケースの保険診療の認可などが盛り込まれている。
*comment*
少しずつ政府も対応方法を決めてきているようである。他の内容ももう少しスピーディに決定していってほしいものである。
うがい 医師の7割弱が感染予防や咽頭炎などの治療に意味あり メドピア調査
2011/09/08 05:01 ミクスOnline
[要訳]
回答医師の7割弱が、「感染予防としても、咽頭炎等疾患罹患時の治療としても、うがいには意味がある」と考えていることがわかった。
その内訳としては、「イソジンうがい液の処方よりも、水道水によるうがい指導やアズノールうがい液の処方を多く行っている」が42.0%、「イソジンうがい液を中心に処方している」が24.8%だった。
*comment*
日常の調剤では、圧倒的にアズノールよりもイソジンが多いのだが、水道水とアズノール液を優先しているDrがこんなにいることに正直驚いた。個人的にはアズノールが好みではあったが。イソジンによる粘膜障害を懸念したものか?
被曝事故医療の専門家が埼玉県で反省の集い
2011. 9. 9 ケアネット.com ※ケアネット.com閲覧には会員登録が必要です
[要訳]
初期被曝医療機関に指定されている5つの病院が、地震、津波でほとんどの医療機関が診療を行うことができず、避難区域が「原発から20km圏内」へと拡大された結果、3つの初期被曝医療機関がこの避難区域に入ってしまった。
災害発生時に設置されるはずだった現地対策本部(オフサイトセンター;OFC)は、停電と断水のため職員を確保できなかった。
緊急被曝医療への日ごろの訓練が限られた地域で実施されていたことがあだとなり、患者の受け入れを拒否されるなど搬送先の確保が難しかった。
「体表面スクリーニングレベル10,000cpm以上なら安定ヨウ素剤を投与すべき」との助言を2度にわたり経済産業省緊急時対応センター(ERC)に送ったが、情報が市町村に共有された形跡がない。
とりわけ大きな問題として「OFCの現地対策本部で行政や防災関係者、事業者や原子力の専門家が情報を共有し、意志決定し、情報発信するという仕組みが機能しなかったこと」と指摘した。
、「被曝医療だけではなく、今回のオペレーションで何ができて、何ができなかったかを今後も検証を続ける必要がある」と総括している。
*comment*
今なお続いている放射線問題。今回の被爆事故の内容を振り返っている。今回の災害が想定外であったことは皆が承知していることではあるが、連携の取れなささと情報公開の遅さにはあきれるものがあった。今回の失敗から学び、今何ができるのかを全力で考えていただきたい。