2009/02/20
Saya's 薬学ニュース vol.78-外来初診時に、タミフル耐性診断が30分で可能に/男性型脱毛症用薬がドーピングの禁止リストから除外/冷え症の診かたと方剤の選び方(後編)
1. 外来初診時に、タミフル耐性診断が30分で可能に
2. 男性型脱毛症用のみ薬「プロペシア」09年よりドーピングの禁止リストから除外
3. 冷え症の診かたと方剤の選び方(後編)
外来初診時に、タミフル耐性診断が30分で可能に
2009. 1. 20-日経DI
[要約&コメント]
外来初診において、インフルエンザウイルスのタミフル耐性を30分ほどで診断できる検査キットの開発が進んでいる。スマップ(SMAP;Smart Amplification Process)法という新たな遺伝子検査技術を応用したものである。
※SMAP法
血液一滴以下(数μL)程度の検体を前処理試薬と混合し加熱処理した後、そのまま増幅試薬に添加し、60度で反応させることで、簡便かつ迅速に特定の遺伝子を診断する方法
タミフル耐性のインフルエンザの場合、症状が悪化するばかりでなく死者も出ているのが現状である。このような簡易な診断方法の開発により、迅速に薬物感受性を確認でき、その上治療の切り替えが行えるのは、耐性菌が注目している中で非常に有用である。しかしさらなる問題は、耐性が発覚した際に、どんな治療法が代わりになり得るか、ということであろう。
男性型脱毛症用のみ薬「プロペシア」09年よりドーピングの禁止リストから除外
09年1月26日-日経ヘルス
[要約&コメント]
プロペシアは、世界で初めての医師が処方する男性型脱毛症用飲み薬。現在は日本を含めて世界60カ国以上で使用されているが、05年より禁止薬物の使用を隠蔽する「隠蔽薬」として禁止物質に指定されていた。近年の分析技術の向上により、フィナステリドを使用しても禁止物質の判別ができるようになったため、WADAが今回の除外を決定したという。
*プロペシア
一般名:フィナステリド
規格:0.2mg/1mg
薬効:「5α-還元酵素II型阻害薬」:脱毛の原因物質であるジヒドロテストステロンの産生をおさえる
副作用:ほとんどなし
科学の進歩に伴い、多くのオリンピック選手などの間での薬物使用が明るみに出やすくなってきている。彼らにとって、勝つことと負けることは生きていく上で雲泥の差なのであろう。しかし、だからと言って薬を使わずにありの姿で戦った人達が、薬を使った人たちに勝利を奪われるというのは、どんな言い訳を考えついてもやはりフェアとは言えない。そんな分野で薬学の進歩が影響を与えられているというのはうれしいことである。
冷え症の診かたと方剤の選び方(後編)
2009. 1. 21-日経DI
[要約&コメント]
今回の記事では「高齢男性の冷え」と「若い女性の冷え」について、症例を提示して説明している。高齢者の場合、加齢に伴う様々なホルモン作用の低下による熱産生の低下や末梢循環不全などが原因となり、八味地黄丸などが使用されるという。その他、多少の症状の違いにより、牛車腎気丸・真武湯等に変更・追加されることもあるという。
一方、若い女性の冷え症には当帰芍薬散が第1選択薬であるという。
<まとめ>
・四肢の冷えにはしもやけの薬である当帰四逆加呉茱萸生姜湯(とうきしぎゃくかごしゅゆしょうきょうとう)を用いる。
・胃腸機能が低下した冷えには人参湯(にんじんとう)を用い、むくみの所見があれば真武湯(しんぶとう)を追加する。
・高齢者の足の冷えには、漢方のホルモン補充療法と呼ばれる八味地黄丸(はちみじおうがん)を用いる。
・若い女性のぽっちゃり型体系の冷え症には当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)を用いる。
女性にとって冷え症は、習慣病というか大敵というか…悩まされてます。漢方の場合は、西洋医学のような"この症状にはこの薬"という分難しいように感じるが、人は一人一人全く違うため、医学はこうあるべきなのでは?と思う事も多々ある。特にカナダで自然療法医師に会ってから尚更強く感じるようになった。薬剤師も、患者を一人一人の個人として診るように努力しなければ、見落としてしまうことがある。個人として認める努力をすると、患者は自然と応える努力をしてくれるものであると感じることがよくある。まずは自分から心を開く努力をしなければならないのではないだろうか。薬剤師としてだけでなく、一人の人間として。
2009/02/16
管理不良の糖尿病患者に厳格な血糖管理は有効か?/吸入指導なしでは「処方した」とは言えない/ディスペプシアに対する最良の第一選択薬?/第2世代の抗精神病薬は本当に第1世代に優るのか?
1. 管理不良の糖尿病患者に厳格な血糖管理は有効か?
2. 吸入指導なしでは「処方した」とは言えない
3. ディスペプシアに対する最良の第一選択薬は制酸薬
4. 第2世代の抗精神病薬は本当に第1世代に優るのか?
管理不良の糖尿病患者に厳格な血糖管理は有効か?
2009. 1. 23-日経DI
[要約&コメント]
2型糖尿病の罹病期間が長く、最大用量の糖尿病治療薬を用いてもなお血糖管理不良の患者に厳格な血糖管理を行った場合、心血管リスクは減少するか、という疑問を検証すべく行われた研究において、標準的な血糖管理を行っても厳格な血糖管理を行っても、心血管リスクへの影響は変わらないことが示された。
糖尿病発症からより早い時期に、低血糖を回避しながら厳格な血糖管理を行えば、心血管リスクに好ましい変化が見られる可能性はあるとしつつ、現時点では、心血管危険因子の適切な管理がリスク低減において最も有効なアプローチではないか、と述べている。
血糖の値が高いほど、血糖のコントロールの指導を行うことは、当たり前と考えられてきた。多くの薬剤師もこの事実に関して疑いを持っていないだろう。それが、厳格に行っても行わなくても変わらない、という結果はある意味ショックである。しかし、だからと言って指導しないのではなく、生活習慣病である糖尿病とどのように共存し向き合っていくかの指導が必要なのではないだろうか。いかに無理をして血糖を下げるか、ではなく変えにくい生活習慣を少しずつ変えていくように促し、無理のない程度に生活に反映させていくことを、二人三脚で行うことができるのは医師よりも薬剤師であると考える。食事の指導や運動の必要性など、薬以外でも指導できることがあるのではないだろうか。
吸入指導なしでは「処方した」とは言えない
2009. 1. 23-日経DI
[要約&コメント]
高齢の喘息患者は、老化に伴って身体能力や理解力に大きな差が生じるため、一律な処方ではうまくいかないことも多い。吸入ステロイド薬をいくら処方しても、患者が正しく効果的に吸入できていなければ、宝の持ち腐れ。個人に合った薬剤選択や吸入指導が必要である。
それぞれの吸入ステロイド薬には、剤型、吸入器具(デバイス)、粒子の大きさなどによって患者との相性がある。「適切なデバイス選択と正しい吸入指導は、患者のアドヒアランスに直結する重要な要素。処方時に吸入手技の確認は欠かせない」という。
それぞれの吸入器における、高齢者への注意点などが細かく記載されており、服薬指導時の注意点に直結しているのでとても興味深いと感じた。普段の服薬指導に生かしていただきたい。
ちなみに、カナダのアルバータ大学の学生が1年生の現場実習で行う内容は、外用薬機器類の使用方法のカウンセリングである。カナダでは、1年生のうちから機器の使用方法カウンセリングの重要性が認められているのである。
ディスペプシアに対する最良の第一選択薬は制酸薬
2009/1/26-健康美容EXPO
[要約&コメント]
ディスペプシア*の治療では、最初に一般的な制酸薬を使用し、その後、必要に応じてより高度な薬剤に変更するほうが、最初からより強力な薬剤を使用するよりわずかながらも費用を抑えられることが、新しい研究によって示された。「新規のディスペプシア患者の大多数に対して、検査よりも観察に基づきプロトンポンプ阻害薬(PPI)が用いられるため、PPIは世界で最も多く処方されている薬剤の1つとなっており、社会的にも莫大な費用を要している」という。
*ディスペプシアdyspepsia
消化不良の医学的用語※編集注=慢性の腹部痛あるいは不快感を意味する。器質的疾患のない機能性胃腸症functional dyspepsia: FDをさすことが多い
医療経済の観点が入っている研究内容である。海外(オランダ)の論文である事からも納得であるが、実際の治療方針を経済の観点から再検討し、評価するという見方はある意味重要である。特に今の日本は負債を多く抱えていることもあり、経済的な無駄を省くことは実際に求められている。医師の経験によるもの(当り前)と新たな情報をどのように評価していくのだろうか。
第2世代の抗精神病薬は本当に第1世代に優るのか?
2009. 1. 26-日経DI
[要約&コメント]
第2世代の抗精神病薬は高価であることから、その利益が本当に第1世代の薬剤に優るのかどうかについての議論が今も続いており、今回の研究で主な症状に対する効果において、第1世代製品と差がない第2世代製品が少なくないことを明らかになった。
用いられていた第2世代製品は9剤(アミスルプリド、アリピプラゾール、クロザピン、オランザピン、クエチアピン、リスペリドン、セルチンドール、ジプラシドン、ゾテピン)。対照薬として、95件の研究がハロペリドールを用いていた。その他(クロルプロマジン、ペルフェナジン、フルフェナジン、フルペンチキソール、ペラジン、チオリダジン、レボメプロマジンなど)。
錐体外路系有害事象の面で、第1世代より第2世代のほうが有効であると考えられていたがどうやらすべての薬剤(第2世代)に対して言えるわけではないようだ。これも、医療経済の観点から考えると、無駄をなくすことにもつながる。一剤ごとに比較して検討されているので、興味深い結果である。
2009/02/14
Saya's 薬学ニュース vol.77-薬のネット販売で議論を
薬のネット販売で議論を 厚労相、検討会の設置示唆
2009年1月23日-m3.com 提供:共同通信社 ※m3.com閲覧には会員登録が必要です
[要約&コメント]
舛添要一厚生労働相は、6月施行の改正薬事法について「検討会のようなものを考えている」と述べ、大臣直属の検討会を設置して議論する考えを示した。「両派(賛成派・反対派)の意見をよく聴き、国民的議論にしたい。検討会の結果、(ネット販売の結論が)変わることもあり得る」と話した。
一度決着がついたかのように思われる「ネット販売」の議論。これまで、反対派が訴えてきた「利便性への対応」に関し、予想外にもさらに議論が展開されることになりそうである。私が最も心配しているのは、体の不自由な人達やへき地に住む人たちへの薬の供給に関してである。医師不足やネット販売での購入が難しくなる一方、それを補完するような対策はあまり見受けられない。それらの人たちにとっては、セルフメディケーションにより未病や予防に専念することが重要となり、薬剤などの服用は必須な場合もある。デリバリーの充実や薬局へのアクセスなど、設備やアイディアが求められる。TV電話による薬局と患者とのやり取りなども、対面販売に値するほどの効果が得られるのではないだろうか?
2009/02/13
Saya's 薬学ニュース vol.76-後発品と「患者への通知」/FDAが皮膚局所麻酔薬の危険性を警告
1. 後発品による自己負担減額幅‐「患者へ通知」が努力義務に
2. FDAが皮膚局所麻酔薬の危険性を警告
後発品による自己負担減額幅‐「患者へ通知」が努力義務に
2009年01月22日-薬事日報
[要約&コメント]
厚労省は、国民健康保険における後発品の普及促進策について説明。市町村国保が被保険者に対し、後発品に切り替えた場合の自己負担の減額幅について周知する取り組みを、努力義務とすることを明らかにした。「後発医薬品希望カード」を全ての被保険者に配ることも求めた。
、「医療の質を落とすことなく、医療費全体の適正化が図られ、保険財政のためになるという重要な取り組み」と協力を呼びかけた。
厚労省の動きも積極性が見受けられる。「後発医薬品希望カード」の内容に関しても概要が見えてきた分、納得できるものに思えてきた。今までは、制度に手を加えることで処方や調剤する側の体制が整えられてきたが、希望する側(患者)への啓蒙により新しい動きが生まれるかもしれない。
FDAが皮膚局所麻酔薬の危険性を警告
2009.1.16-薬事日報
FDAは消費者および医療従事者に対し、薬ともに皮膚に塗布する局所麻酔薬の不適切な使用により、生命にかかわるリスクが生じるとの警告を発した。該当する麻酔薬は、皮膚表面に近い神経末端の感覚を鈍らせる作用のあるリドカイン、テトラカイン、ベンゾカイン、プリロカインなどの麻酔成分を含有するもので、クリーム、軟膏およびゲル剤がある。
痛みを取り除いて、手術などをしやすくする。そんな役割を持つ麻酔薬も、あくまで薬であることを忘れてはならない。少し警告が遅いようにも感じたが・・・。気のせいだろうか
2009/02/12
Saya's 薬学ニュース vol.75-日本初の再生医療製品が保険適応/処方薬、「飲み切らない」が7割強/「リレンザ」を処方の高2男子が転落死
1. 自家培養表皮「ジェイス」が保険収載 ヒトの細胞・組織を利用した日本初の再生医療製品
2. 処方薬、「飲み切らない」が7割強
3. インフルエンザ治療薬「リレンザ」を処方の高2男子が転落死
自家培養表皮「ジェイス」が保険収載 ヒトの細胞・組織を利用した日本初の再生医療製品
2009年1月21日-m3.com 提供:Japan Medicine(じほう) ※m3.com閲覧には会員登録が必要です
[要約&コメント]
自家培養表皮「ジェイス」*が1月から保険収載された。ジェイスは、ヒトの細胞・組織を利用した日本初の再生医療製品で、重症熱傷患者に使用できる。自家培養表皮治療に対する公的な保険の適用は、世界でも初めてという。同製品により、自家培養表皮の広範囲な移植が可能となり、これまで救命できなかった広範囲重症熱傷患者*を救命できる可能性があると期待されている。
*「ジェイス」
患者から採取した皮膚組織の細胞を培養して作製する表皮シートのこと。
*ジェイスの適応となるII度・III度の熱傷創が30%以上の患者は、年間約900人発生し、このうち約500人は死亡している。
熱傷創が40%を超えると、死亡する確率はかなり高くなるとのこと。その中で熱傷創90%の患者が新たな治療により一命を取り留める、という事実には正直驚いた。再生医療の是非は賛否両論であると思うが、人間らしく生きるための助けになるものであれば、このように存在してもよいように感じさせられる記事である。
処方薬、「飲み切らない」が7割強
2009/01/21 17:41-キャリアブレイン
[要約&コメント]
処方された薬を最後まで飲み切らずに余らせてしまう人の割合が全体の7割強(よくある」が23.2%、「たまにある」が49.8%)に上ることがわかった。また、処方薬を飲み忘れることがあるかとの質問では、「よくある」「たまにある」と答えた人の割合が全体の71.5%となり、飲み忘れの多い時間帯は、「昼」が53.6%で最多だった。
医師の指示を守って薬を正しく服用しているかとの質問には、全体の79.7%が「良好だと思う」と回答。
抗生物質・抗菌薬を処方されたことのある人に対し、服用を途中でやめたことがあるかと尋ねたところ、4割の人が「ある」と答えた。
昼の飲み忘れは、外出していたり、知り合いの目の前で服用したくないと感じている人が多いのではないだろうか。勤務時代素直に打ち明けてくれる人が多かった気がする。抗生物質や抗菌薬の処方が出た場合、飲みきるようにという説明は当り前のようにしてきたが、実行できていない人たちがこれだけいるとは。途中でやめるとなぜいけないのか、という理由をしっかり患者が把握できていないためではないだろうか。薬剤師の説明不足も要因になっているように感じる。
インフルエンザ治療薬「リレンザ」を処方の高2男子が転落死
2009.1.29 23:30-産経新聞
[要約&コメント]
厚生労働省は29日、インフルエンザにかかり、治療薬「リレンザ*」を処方された長野県松本市の高校2年の男子(17)が27日、自宅ベランダから転落して死亡したことを明らかにした。処方されたリレンザを服用したかどうかは不明。
*リレンザ
一般名:ザナミビル
薬効・薬理:A型,B型インフルエンザ感染症治療薬
副作用:頭痛,下痢,かすれ声,失神,ショックなど
タミフル耐性インフルエンザの出現により、リレンザが再び注目されるようになった。異常行動とタミフルの因果関係について、去年ニュースにも多々取り上げられていたが、タミフルによる服用と、インフルエンザそのものによる脳症によるものとの区別がまだついていないように感じる。
2009/02/05
Saya's 薬学ニュース vol.74-米国の中高年25人中1人に重大な薬物相互作用リスク/シロスタゾールは血小板凝集阻害を増強?!/OTC医薬品流通変革と消費者の行動変化調査/薬学老舗4校の調整機構離脱/ニコチン蓄積の仕組み解明 禁煙用たばこも可能?
1. 米国の中高年25人中1人に重大な薬物相互作用リスク
2. 冠動脈ステント留置術を受けた抗血小板薬抵抗性の患者でシロスタゾールは血小板凝集阻害を増強
3. OTC医薬品流通変革と消費者の行動変化についての調査結果を発表
4. 老舗4校の調整機構離脱に「モラル問われる」と批判
おまけ. ニコチン蓄積の仕組み解明 禁煙用たばこも可能?
米国の中高年25人中1人に重大な薬物相互作用リスク
2009. 1. 19-日経DI
[要約&コメント]
米国では、中高年者の9割が医薬品やサプリメントのいずれかを使用しており、重大な薬物相互作用のリスクが懸念される組み合わせが4%に見られることを示した。
調査対象2979人の中で91%は医薬品/サプリメント使用者、42%が1製品以上のOTC薬を、49%が1製品以上のサプリメントを使用していた。最も多く使用されていた処方薬またはOTC薬は、高脂血症治療薬、抗凝固薬を含む心血管疾患治療薬(アスピリン、ヒドロクロロチアジド、アトルバスタチン、リシノプリル、メトプロロール、シンバスタチン、アテノロール、アムロジピン、フロセミド、エゼチミブ、バルサルタン、ワルファリン、クロピドグレル)。重大な薬物相互作用が懸念される組み合わせの半数に、非処方薬が関わっていた。また、半数弱に抗凝固薬(ワルファリンなど)や抗血小板薬(アスピリン)が関与していた。
原題は「Use of Prescription and Over-the-counter Medications and Dietary Supplements Among Older Adults in the United States」
Saya's 薬学ニュース vol.59で高齢者は薬への感受性を受けやすいことから、高齢者に投与すべきでない薬について紹介したが、今回は相互作用に関する内容である。OTC医薬品やサプリメントの服用は、日本に比べて欧米のほうが多いように思う。セルフメディケーションが進んでいることもあるが、アメリカの場合は治療費や薬剤師の問題も絡んでいるだろう。日本でもOTC薬やサプリメントは少なからず利用者がいる限り、その点も含めた相互作用にはさらに注意を重ねていく必要がありそうである。
冠動脈ステント留置術を受けた抗血小板薬抵抗性の患者でシロスタゾールは血小板凝集阻害を増強
2009. 1. 19-日経DI
[要約]
冠動脈ステント留置術を受けたhigh post-treatment platelet reactivity (HPPR)症例に対して、標準的抗血小板療法(アスピリン+チエノピリジン系薬)にシロスタゾール*を追加した3剤療法の有効性が検討された。
アスピリンとチエノピリジン系薬の2剤による抗血小板療法(2剤療法)は、PCI施行例あるいは急性冠症候群の長期予後を改善することが知られている。一方、シロスタゾールは血小板と血管平滑筋細胞のPDE-3の選択的阻害により、細胞内のcAMP濃度を高める作用を持ち、待機的ステント留置術では、3剤療法(アスピリン+チエノピリジン系薬+シロスタゾール)は、2剤療法と比べてADP惹起血小板凝集が高く、新内膜過形成を抑制することが知られている。
研究結果から、「対象症例数は少ないが、冠動脈ステント留置術を受けたHPPR症例において、シロスタゾール追加は、クロピドグレル高維持量投与に比べてHPPRを抑制し、血小板凝集阻害を高めることが示された」との結論を導いている。
*シロスタゾール
商品名:プレタール(抗血栓薬)
副作用:頭痛,動悸,むかつき,軟便など
シード・プランニング、OTC医薬品流通変革と消費者の行動変化についての調査結果を発表
2009年01月19日-マイライフ手帳@ニュース (プレスリリース)
[要約&コメント]
今年6月からコンビニなどでも一部医薬品が買えるようになる薬事法の改正による消費者動向の変化と流通の変革について調査した。登録販売者がいればコンビニやスーパーで医薬品を購入する人は66%に達することがわかった。
年代別に比較すると肯定的見方が最も多かったのは40代で7割を超えた。一方、60代では4割が「そう思わない」と回答した。年代によって若干の差が見られる結果となった。また「夜間緊急時に医薬品を買いにいく店舗」として女性消費者の85%がコンビニをあげ、「他の買い物のついでに医薬品を買えたら便利な店舗」としては84%がスーパーと答えた。
今回の薬事法改正は、医薬品販売に多いな変化を与えることになりそうである。不景気により、医薬品購入事態は減るだろうが、利便性が増すことによりアクセスの量が増えるのでもしかしたら、OTC医薬品売上は上昇する可能性もある?かもしれない。しかし、無駄な医薬品使用が増えることは避けたいことである。その判断を、どこまで薬剤師・登録販売者がつけられるか、が今後求められてくるであろう。
老舗4校の調整機構離脱に「モラル問われる」と批判
2009年01月20日-薬事日報
[要約&コメント]
東京薬科大学、星薬科大学、昭和薬科大学、日本大学薬学部の老舗4校が、調整機構を介さず、独自に確保した実習先で実習を行う態度を鮮明にしたことについて、薬学教育協議会の望月正隆理事長(東京理科大学教授)は「モラルが問われる」と痛烈に批判。
各大学の調整機構に対する不満の最大は、調整機構を介した実習では、最後まで学生が具体的にどの薬局で実習をするかが分からない点にあるという。また、大学独自のカリキュラムを生かすため、やむを得ない措置だと説明する大学もあるが、そうした勝手な行為をした結果の実習で、どれほどよい実習が保障できるのだろうか」と疑問を呈した。
おまけ...たばこ
ニコチン蓄積の仕組み解明 禁煙用たばこも可能?
2009年1月20日-m3.com 提供:共同通信社
[要約&コメント]
ニコチンは導管を流れる水と一緒に根から葉に向けて移動。NtJATというタンパク質がニコチンを取り込み、葉の細胞内にある液胞という袋にため込んでいたことがわかった。この働きを邪魔すれば、ニコチンを含まない品種のタバコ(吸った気分はそのままに、ニコチン中毒からの脱却を助ける禁煙用たばこ)が開発できる可能性があるとのことである。
ニコチンが入っていなければイライラ感などは消えないだろうし、吸った感じは同じと言えるのかは疑問であるが、禁煙の推進に向けて大きな一歩であることは確かである。
2009/02/04
Saya's 薬学ニュース vol.73-青少年の不安障害にSSRIと認知行動療法の併用が有効 /OTC医薬品販売に「異業種の参入は避けられない」/高血圧治療ガイドライン2009/風邪には良質な睡眠が一番の薬/冷え症の診かたと方剤の選び方
1. 青少年の不安障害にSSRIと認知行動療法の併用が有効
2. OTC医薬品販売に「異業種の参入は避けられない」
3. 高血圧治療ガイドライン2009を公表
4. 夜間の良質な睡眠が風邪をおとなしくさせる
おまけ. 冷え症の診かたと方剤の選び方(前編)
青少年の不安障害にSSRIと認知行動療法の併用が有効
2009. 1. 16-日経DI
[要約&コメント]
不安障害は青少年によく見られる精神疾患だ。(有病率は10~20%)この病気は患者の学校生活や家族関係を難しくする上に、成人後の不安障害や大うつ病のリスクを高める。小児期に有効な治療を行うことが重要と考えられるが、この病気に対する一般の認知度は低く、未治療となる患者も少なくない。
選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRIs)のセルトラリン*と認知行動療法が、偽薬に比べて有効であることを明らかにした。また、これらを併用すると、治療に反応する患者の割合、症状改善レベルの両方がさらに向上することも分かった。
※原題・概要:「Cognitive Behavioral Therapy, Sertraline, or a Combination in Childhood Anxiety」
小中高生の教師たちは、現在の子どもたちに頭を抱えているということをよく耳にする。時代の変化もあるが、この疾患を抱えている子どもたちもいるのかもしれない。認知度が低いことから教師や親でさえも気づけずに、辛い思いをしている子どもたちもいるのかもしれない。先生たちにも是非このような知識を持ってもらいたい。
*セルトラリン(SSRIs)
商品名:ジェイゾロフト
薬効:うつ病・うつ状態の治療薬
副作用:,吐き気,ねむ気,口の渇き,めまい,頭痛,下痢
OTC医薬品販売に「異業種の参入は避けられない」
2009年01月19日-薬事日報
[要約&コメント]
「ドラッグストア業態10兆円産業への道」をテーマにした講演において、日本チェーンドラッグストア協会(JACDS)の会長は、改正薬事法に伴う登録販売者制度の導入により、OTC医薬品の販売に異業種が参入してくるのは間違いないとの考えを示し、それに対応するために、専門性を打ち出し、長時間営業など地域に密着したドラッグストア作りを行っていくことの重要性を強調した。その一つの策として、ドラッグストアの長時間営業に踏み込むべき、と述べている。さらに、「薬剤師を置いて第1類薬を販売できる店舗を作り」も重要視している。第1類に分類される薬を拡大し、薬剤師による相談のもとで薬を手に入れられるように、薬剤師の職能も拡大していきたいとのことである。
医薬品の購入は、薬剤師をとの相談によって行われる、という認識の拡大は賛成である。薬剤師の意識改革にもつながるし、セルフメディケーション推進にもつながるからである。しかし、いまやコンビニエンスストアが24時間営業をしている時代に、それに対抗するためにドラッグストアも営業時間を延長する、というのは少しナンセンスにも感じた。もちろん、ドラッグストアが生き残っていくためには必要なのだろうが、登録販売者をコンビニやスーパーにも配置して長時間営業をしているのであれば、消費者にとってはそれで充分であるし、わざわざドラッグストアに店を開けて置いてほしいとは思わないのではないだろうか。第一類を販売する薬剤師を配置したドラッグストアの営業時間を拡大するのには、大いに賛成なのだが。それこそ人件費の無駄遣いにつながらないだろうか。
高血圧治療ガイドライン2009を公表 日本高血圧学会 メタボ・CKDなどの合併例に留意した降圧求める
2009年1月19日-m3.com 提供:Japan Medicine(じほう) ※m3.com閲覧には会員登録が必要です
[要約&コメント]
(5年ぶりの改訂の)ガイドラインでは全編を通じ、“24時間にわたる厳格な降圧”の重要性を強調。メタボリックシンドロームやCKD(慢性腎臓病)など他疾患を合併した症例には、留意して治療に当たることを求めた。夜間や早朝に血圧値が上昇する「仮面高血圧」の早期発見のためにも、家庭血圧値(診察室血圧より5mmHg程度低い)の測定を促している。
降圧目標(診察室血圧)
・若年者・中年者で、130/85mmHg未満
・糖尿病患者、CKD患者、心筋梗塞後患者では130/80mmHg未満
・脳血管障害患者では、140/90mmHg未満
・高齢者は140/90mmHg未満
治療の第一選択薬は、これまでのα遮断薬に代わってCa拮抗薬、アンジオテンシンII受容体拮抗薬(ARB)、ACE阻害薬、利尿薬、β遮断薬の5種類となっている。糖尿病/メタボリックシンドローム合併高血圧については、Ca拮抗薬からARB/ACE阻害薬が第1選択薬に推奨されている。
併用療法については、「RA系阻害薬+Ca拮抗薬」「RA系阻害薬+利尿薬」「Ca拮抗薬+利尿薬」「Ca拮抗薬+β遮断薬」を推奨。「利尿薬+β遮断薬」は推奨から外れた。
高血圧の患者は、来局患者の大半を占めるため、医師の治療方針などを含めた意味で把握しておいたほうがよい内容だと思われるので紹介した。特に変更点などは要チェックである。
夜間の良質な睡眠が風邪をおとなしくさせる
2009年1月19日-m3.com 提供:WebMD ※m3.com閲覧には会員登録が必要です
[要約&コメント]
夜間の睡眠が7時間未満である者は、8時間以上の睡眠をとる者に比べて、風邪原因ウイルスへの曝露後に風邪をひく傾向が3倍高いことが、最新研究で示された。さらに、睡眠は量ではなく質が大切であるという。
風邪に効く薬はない…私もそう信じている。良質な睡眠・食事・適度な運動を行うことだけで、風邪に打ち勝つことはできる、という一部がエビデンスに基づいていることがわかりうれしい記事であった。風邪っぽいなと思ったら、薬にすぐに頼るのではなく栄養をしっかりとって早めに床に入る...まずはその努力をしてみましょう!
おまけ...冷え性と漢方
冷え症の診かたと方剤の選び方(前編)2009. 1. 16-日経DI
[要約&コメント]
冷え症は西洋医学にはない概念ですが、漢方では立派な疾患として考えられています。冷え症には、以下のようなタイプに分類される。
(1)手足など末梢が冷えるタイプ(年齢に関係なく女性に多い)
(2)胃腸の働きの低下を伴い、全身が冷えるタイプ(やせ型で小食の人に多い)
(3)末梢のうち特に下肢が冷えるタイプ(高齢者に多く、やや男性が多い)
(4)むくみを伴って冷えるタイプ(若い女性に多く、ぽっちゃりした色白の人に多い)
それぞれの分類における症例を紹介し、適当な漢方薬を選択しているので、詳しい内容は記事をみていただきたい。以下の漢方薬が処方されていた。
・当帰四逆加呉茱萸生姜湯(とうきしぎゃくかごしゅゆしょうきょうとう:ツムラTJ-38)
・人参湯(にんじんとう、ツムラTJ-32)
・真武湯(しんぶとう、ツムラTJ-30)
海外に住んでいて西洋人との感じることのひとつに、この「温度感覚」がある。周りが皆半そでで過ごしているのに、自分一人長そでだったり羽織るものを着ていることがよくある。自分が冷え症ということで差が大きく開いてしまっているのであろう。寒くないの?と聞いても「どこが?」といった感じの答え。完全に温度感覚機能が異なる人種なのだ、と思うようになった。西洋医学に冷え症が存在しないのもそれで納得である。鈍感というか、うらやましいというか…漢方に興味のある方はぜひ記事を見てください。
2009/02/03
Saya's 薬学ニュース vol.72-新型インフルエンザの対策(報道)/多剤耐性菌に23人院内感染 4人死亡/米ファイザーがワイス買収 6兆円/OTC市場占う「大衆肥満薬」の成否/ダイエット食品で女性入院
1. 新型インフルで、BCP策定と家庭での準備呼び掛け
2. 多剤耐性菌に23人院内感染 4人死亡、福岡大病院 呼吸器通じ拡大か
3. 米ファイザーがワイス買収 6兆円、製薬最大手固める 競争力強化で、業界再編も
4. OTC市場占う「大衆肥満薬」の成否
5. ダイエット食品で女性入院 医薬品成分を検出
新型インフルで、BCP策定と家庭での準備呼び掛け2009/01/26 12:24-キャリアブレイン
[要約&コメント]
新型インフルエンザのパンデミック(大流行)を想定し、BCP(事業継続計画)策定や家庭での準備を呼び掛けようと、東京都は1月24、25の両日、新宿西口広場イベントコーナーで、「新型インフルエンザ対策の現状と課題-先進事例に学ぶ事業活動のあり方」と題したシンポジウムを開いた。
NHK報道局では、放送機関としての責務を果たすためにパンデミック時でも放送を続けるという前提で、対策に取り組んでいる。
▽サージカルマスク36万枚、N95マスク3万6000枚を備蓄
▽PPE(個人防護具)と消毒薬の備蓄
▽PPEの脱着訓練
▽パンデミック時のシミュレーションVTRの作成 ―などの準備を済ませたという。
日本におけるインフルエンザ予防策はマスクに重点を置かれているが、ここカナダではマスクをしている人を見たことがない。薬局内で粉薬を混ぜる時に薬局用のマスクを着用したことがあるが、一般の人たちはどのように予防するつもりなのだろうか。国によってそれぞれ予防策は異なるだろうが、その点調べてみたら面白いかもしれない。
多剤耐性菌に23人院内感染 4人死亡、福岡大病院 呼吸器通じ拡大か
2009/01/27 00:00-共同通信社
[要約&コメント]
福岡市の福岡大病院救命救急センターの集中治療室(ICU)に運ばれた患者23人(4人が死亡)が、ほとんどの抗菌薬が効かない多剤耐性のアシネトバクター菌*に院内感染していたことがわかった。感染が人工呼吸器の使用を通じて広がったとの見方を示した。韓国で肺炎を発症し、日本に帰国後の昨年10月に入院、その後死亡した男性へのアシネトバクター菌感染が確認されたのをはじめ、呼吸器の部品から同菌が検出された。
アシネトバクター菌による院内感染は、国内では極めて珍しいという。
*アシネトバクター菌
土壌や水などの自然界や、人間の皮膚などに広く存在する細菌。通常は健康な人への病原性は弱いが、手術後など免疫力が低下した状態で感染すると重症化し、死亡することもある。
ICUなど、特に免疫の低下した患者の多い患者が集中する場所であったことが感染を拡大させた大きな要因であろう。死亡者も出ていることから、今後も警戒が必要である。洗浄による消毒を行ったにもかかわらず感染が拡大していることから、より厳格な消毒方法の検討も行う必要もありそうだ。
米ファイザーがワイス買収 6兆円、製薬最大手固める 競争力強化で、業界再編も
2009/01/28 00:00-共同通信社
[要約&コメント]
製薬業界で世界最大手の米ファイザーは26日、同業の米ワイスの買収で合意したと発表した。買収額は680億ドル(約6兆円)。両社の2007年の売上高を単純合計すると700億ドル規模に達し、最大手の地位を固める。 世界的な景気後退の影響で、米国では安価な後発医薬品が増加、経営を圧迫されているファイザーは規模拡大で競争力を高め、巻き返しを図る。製薬業界では新薬の開発費が高騰する一方、医療費抑制に向けて医療機関などが後発薬を積極的に使用。短期間で投資を回収しつつ、コンスタントに新薬を投入していく必要が強まり、規模拡大が課題となっている。
この景気後退が製薬企業にも大きな影響を与えているようだ。医療費の削減も大きな課題ではあるが、新薬の開発は求めている人がいる限り必要なことでもある。今後、ますます新薬の金額は上がりそうである。そんな中、日本は先発品を使い続けるのだろうか。もしくは、この不景気が功を奏して後発医薬品使用に拍車がかかるのか?!
OTC市場占う「大衆肥満薬」の成否
2009/01/29 14:44-キャリアブレイン
[要約]
大正製薬が、グラクソ・スミスクライン(GSK)から、OTCである肥満改善薬「アリー」の国内製品化権を獲得した。「アリー」を医療用として開発するのか、それとも直接、OTCとしての商品化を目指すのかについても、今のところ明確な方針を示していない。(現段階ではOTCとしての商品化の可能性が高いと推測されている。)
米ではOTC薬として半年間で300億円近くを売り上げたヒット商品だが、今のところ、他の主要国での承認はなく、副作用(激しい下痢)も強いことから、日本でのOTC販売は難しいとも言われている。
ダイエット食品で女性入院 医薬品成分を検出
2009/02/03 00:00-共同通信社
[要約&コメント]
30代の女性がインターネットで個人輸入したダイエット用食品から、国内で医薬品として承認されていない「シブトラミン」と、薬事法で劇薬に指定されている「フェノールフタレイン」の2種の医薬品成分が検出されたと発表した。女性は肝機能障害などで一時入院したが、食品の服用をやめると症状は改善したという。
せっかくなので大衆肥満薬の記事を2つ続けて紹介した。1つ目は、日本のOTC薬に画期的な事象を巻き起こす可能性のある記事であるが、2つ目の記事でそれを大きく覆されるような、マイナスの内容の記事である。同じ薬であるため比べることはできないが、この内容を見て厚労省が果たしてGoサインを出すのだろうか。4日後の記事であるとはいっても、タイミングが悪いとしか言いようがない…
しかし、日本でしっかりとした審査により承認した薬が販売されれば、逆にネットなどで海外の安全性が確保されていない薬に手を出すことを減らせるかもしれない。厚労省の判断はいかに?
2009/02/02
Saya's 薬学ニュース vol.71-昨年の医薬部外品市場は横ばい/厚労省処方希望カードを配布 後発薬使用促進/「薬歴管理」は薬剤師の新たな役割/ パーキンソン病治療剤の製造販売承認を取得/21%の453万世帯が滞納
1. 昨年の医薬部外品市場は横ばい
2. 処方希望カードを配布 後発薬使用促進で厚労省
3. 「薬歴管理」は薬剤師の新たな役割
4. パーキンソン病治療剤の製造販売承認を取得
おまけ. 21%の453万世帯が滞納 08年、国保で過去最悪 保険料上昇で支払えず
昨年の医薬部外品市場は横ばい
2009/01/21 12:22-キャリアブレイン
[要約&コメント]
昨年の医薬部外品市場は、前年とほぼ同額の1兆978億円だったことが、マーケティング会社「富士経済」の調査で分かった。項目別では、「薬用スキンケア」「薬用ヘアケア・スカルプケア」が微増だった半面、「薬用オーラルケア」や「ドリンク剤」などが減少し、全体では横ばいとなった。 4月の改正薬事法の施行に伴い、一部の医薬品が薬局やドラッグストア以外でも販売可能となるため、「機能や訴求の競合する一部の医薬部外品については、少なからず影響を受ける可能性がある」としている。
法改正によりコンビニなどで購入できるようにはなるが、この不景気ではそこまで大きな伸びを見せるかは疑問である。緊急時の薬へのアクセスが容易になることは喜ばしいことだが、安易な薬の使用などが起こることは避けたい。コンビニ内であれば、薬剤師よりも登録販売者の存在が重要となるので、4月以降の状況が楽しみでもあり、不安でもある。
処方希望カードを配布 後発薬使用促進で厚労省
2009年1月21日-m3.com 提供:共同通信社 ※m3.com閲覧には会員登録が必要です
[要約&コメント]
厚生労働省は20日までに、患者が病院窓口や薬局で提示して後発医薬品(ジェネリック医薬品)の処方を希望できる「お願いカード」を、中小企業の従業員らが対象の協会けんぽや後期高齢者医療制度の加入者に配布する方針を決めた。
後発薬の普及率は17%(06年度、数量ベース)にとどまり、12年度までに30%以上に引き上げる国の目標達成は厳しい状況。08年度の診療報酬改定で処方せんの様式が変わり、医師が後発薬への変更を認めない場合だけ「変更不可」欄にチェックするようになったが、医師や薬剤師の理解不足もあり後発薬の使用はあまり進んでいない。
後発品の普及率は17%。確か、H12年度が12%(16%?)であった気がするから、ほとんど変わっていないということである。国の政策によっても伸び悩みは隠せない状況である。処方希望カードの配布がどこまで影響を与えられるか。今までにも、すでに処方希望カードが存在していたのが少ししか利用されず、使用してもよいのか躊躇している患者も多くいた。後発医薬品の処方を希望する人の割合が多いことから、処方カードが定着すれば控え目な患者の手にも後発医薬品を提供できるようになるかもしれない。もう少し様子を見ていきたい。
参考記事:沢井製薬 患者さん対象調査報告~ジェネリック医薬品での処方・調剤を依頼する患者さんが着実に増加 前回13.2%から20.5%へ~
「薬歴管理」は薬剤師の新たな役割
2009/01/22 20:12-キャリアブレイン
[要約&コメント]
医業経営コンサルタントグループのMMPG(メディカル・マネジメント・プランニング・グループ、東京都中央区)は、「どうなる日本の医療2009!」をテーマに、定例研修会を都内で開いた。薬学部の定員増に伴う薬剤師の増加については、高齢者への重複投薬を防ぐための薬剤師の新たな役割として、『薬歴管理』を提案している。
その他、がん患者の不安を取り除くための取り組みとして、英国の任意団体「ディペックス」の映像データベースについて紹介された。消費税率引き上げの是非について言及しているが、消費税率を上げることはやむを得ないとしても、高齢者への臓器別医療やメタボ健診など医療の無駄を省くべき、と主張している。
薬歴管理に関しては、日本は進んでいるように感じる。ここカナダでも一部の州で薬歴の管理を薬剤師の仕事としてとらえているところもあれば、細かく管理していない州もある。患者一人一人の投薬記録などは勿論みたことがない。薬歴管理は勿論行っていくべきと考えているが、時に薬剤師の仕事をしばりつける原因ともなり得るとも感じている。待ち時間の延長や、患者の負担割合増加にも影響している事は確かである。薬歴の本来のあり方などを再度見直し、有効に活用されるような法規制が必要ではないだろうか。
パーキンソン病治療剤の製造販売承認を取得
2009/01/23 10:29-キャリアブレイン
[要約]
大日本住友製薬は、パーキンソン病治療剤「トレリーフ(R)錠25mg」(一般名・ゾニサミド)の製造販売承認を取得した。ゾニサミドは国内では抗てんかん剤(製品名「エクセグラン(R)*」)として1989年に発売されている。同社では、トレリーフの作用機序について「まだ完全には解明されていないが、ドパミンの放出を促進すると共に、ドパミンの分解を阻害することが考えられる」と説明している。レボドパ含有製剤と併用する。
*エクセグラン
一般名:ゾニサミド
薬効・薬理:てんかんのけいれん発作を予防
副作用:肝臓や肺の障害、血液の異常、尿路結石など
おまけ...
21%の453万世帯が滞納 08年、国保で過去最悪 保険料上昇で支払えず
2009年1月19日-m3.com 提供:共同通信社 ※m3.com閲覧には会員登録が必要です
[要約&コメント]
厚生労働省は16日、自営業者や無職の人が加入し市区町村が運営する国民健康保険*で、保険料(税)を1カ月でも滞納した世帯が2008年6月1日現在、453万世帯に上ったと発表した。同4月に75歳以上が後期高齢者医療制度に移ったため世帯数自体は減少したが、加入世帯に占める割合は20・9%で過去最悪となった。
「無所得や低収入の加入者が増え、年々上昇する保険料を支払う余裕がないため」と分析している。09年は景気後退でさらに事態が悪化する可能性が高い。
*国民健康保険
国民健康保険 農家や自営業者向けの公的医療保険として始まったが、近年は高齢者や無職者が約半数を占める。健康保険組合や協会けんぽに入っていた人が離職すれば国保加入となる。75歳以上は昨年4月から後期高齢者医療制度に全員移った。所得が低い人が多い一方で高齢化から医療給付費が膨らみ、一般的に保険料負担は健保組合などより重い。加入者全員に掛かる「均等割」と所得に応じた「所得割」を合算して保険料を決める自治体が多い。低所得者には軽減措置がある。
保険に加入していない世帯が453万。国民皆保険を誇ってきた日本にとっては信じられない数字である。景気後退によりさらなる無保険者が増えることが予想されるが、その人たちを守っていくにはどうすればよいか。Saya's 薬学ニュース vol.24とvol.26で、日本の医療はアメリカの医療に近づいている、という事実に警鐘を鳴らしている。
2009/01/31
Saya's 薬学ニュース vol.70-ワクチンの予防接種後副反応報告書を公表/レセプト請求電子化は違憲/薬害C型肝炎訴訟和解の困難さ/アルツハイマー患者に抗精神病薬は死亡率をUPさせる?/フランと日本の医療
1. 各種ワクチンについて予防接種後副反応報告書を公表 厚労省
2. レセプト請求電子化は違憲 「営業侵害」医師ら提訴へ
3. 国の同意、2割不透明:薬害C型肝炎訴訟 「フィブリン糊、判断困難」
4. アルツハイマー病患者において抗精神病薬により長期死亡率が上昇する
おまけ. わが国の在宅医療とフランスからの示唆
各種ワクチンについて予防接種後副反応報告書を公表 厚労省
2009年1月15日-m3.com 提供:WIC REPORT(厚生政策情報センター)
[要約&コメント]
厚生労働省は平成18年度の「予防接種後副反応報告書」を公表した。これは、平成18年4月1日から平成19年3月31日までの間に厚労省に報告された予防接種後副反応報告を報告基準にある臨床症状ごとに単純集計し、まとめたものである。
対象とされたワクチンは、定期接種として実施されたジフテリア・百日せき・破傷風混合、ジフテリア・破傷風混合、麻しん、風しん、麻しん・風しん混合、日本脳炎、ポリオ(急性灰白髄炎)、BCG、インフルエンザである。
参考資料:予防接種後副反応報告制度について(PDFファイル)
ここでは詳しく紹介しませんが、参考資料のPDFファイルにそれぞれのワクチンによる副反応事象が記載されています。是非活用下さい。
レセプト請求電子化は違憲 「営業侵害」医師ら提訴へ
2009年1月16日-m3.com 提供:共同通信社 ※m3.com閲覧には会員登録が必要です
[要約&コメント]
診療報酬明細書(レセプト)のオンライン請求を義務化するのは「営業の自由の侵害で違憲だ」として、国に対しオンライン請求の義務がないことの確認と一人当たり100万円の慰謝料を求め、横浜地裁に提訴することが15日、分かった。(提訴は21日)
弁護士は「オンライン請求には高額の設備投資が必要で、対応できない医療機関は廃業するしかない。国会の立法によらない省令で一律に義務化するのは、憲法の保障する営業の自由の侵害だ」と訴えている。
類似記事:診療報酬の「電子申請義務化は違憲」…国を提訴へ(ケアネット 提供:読売新聞)
とうとう提訴に至ったレセプトオンライン請求義務化に対するの問題。先日匿名さんにコメントを頂いたように、オンライン化が義務化されれば、地域医療や歯科医療に多大な損害を与えることとなる。この訴訟により、オンライン化への動きも大きく変化を加えられるのではないだろうか。引き続き、今後の動きに注目したい。
国の同意、2割不透明:薬害C型肝炎訴訟 「フィブリン糊、判断困難」
2009年1月16日-毎日新聞社
[要約&コメント]
薬害C型肝炎訴訟の原告約1400人のうち、被害者救済法に基づく和解に国が同意するかどうか未定(保留)の被害者が、全体の2割の約270人に上ることがわかった。薬害肝炎被害者は、病状に応じ1200万~4000万円の給付を受けられるが、その前に国と裁判上の和解が必要になる。
保留のケースは...
(1)血液製剤フィブリノゲンを接着剤として調合した「フィブリン糊(のり)」で感染した...因果関係の判断ができない<160人>
(2)ウイルス処理が比較的有効だった時期(85年8月以前)に投与され、大量の輸血も受けた<10人>
(3)医師らの投薬証明だけでカルテなどがない...投薬証明に加え、医師らを尋問した上で判断が必要<100人>
--に大別される。
保留にされている間に、病状は進行し続け、死に至ることも実際に起きている。これらの訴訟には時間がかかり、さらに実際感染が多数起きた時期は40年近くも前のことになるので、もちろん証拠となる書面を入手することももはや困難である。国としては救済したい思いがあっても、どの程度でラインを引くべきなのか最も難しい部分なのだろう。両者の間で、よい方法が生み出されることを祈るばかりである。
アルツハイマー病患者において抗精神病薬により長期死亡率が上昇する
2009年1月19日-m3.com 提供:Medscape ※m3.com閲覧には会員登録が必要です
[要約&コメント]
新しい試験で抗精神病薬の処方を受けるアルツハイマー病患者の長期死亡率上昇が示され、アルツハイマー病患者の神経精神症状の治療のため有害性の少ない代用療法の必要性が浮き彫りになっていると研究者は述べる 。抗精神病薬(チオリダジン、クロルプロマジン、ハロペリドール、トリフロペラジン、リスペリドン等)は複数の症状(攻撃性、苦痛等)がみられる患者においてのみ使用し、例外的状況を除いて、3ヵ月以上使用すべきではないと訴えている。
実際、6~12週間抗精神病薬を投与した場合、中程度の効果が得られているとのことなので、精神症状には第一選択薬として広く用いられているとのこと。ガイドラインもあくまでガイドラインでしかなく、新たな知見に合わせて改良されていくべきである。
おまけ...フランスの医療
わが国の在宅医療とフランスからの示唆
2009年1月19日-医学書院
[要約&コメント]
フランスと日本の医療制度には,極めて多くの共通点がある。医師は自由開業制であり,患者は受診におけるフリーアクセス権を持つ。また,国民皆保険のもと豊富な種類の保険があり,保険会社・医療・被保険者は良好な関係がみられる。
フランスでは,在宅入院という概念があるのである。入院で行うことを在宅で行うという概念である。代表的なものは抗がん剤による化学療法である。対象にはその他手術後の管理,リスクの高い妊娠,点滴などがある。今後の日本でも,フランスのような高度な在宅医療が求められていく。その中で,診療所の医師が,どこまで在宅医療を担えるのかは大きな課題である。
フランスの医療が日本の医療と似ていること、ご存知でしたか?私は知りませんでした...医療費などはどうなっているのでしょうか?日本と同じようにたくさんの負債を抱えているのでしょうか?
新たな薬剤師の職能拡大域として、在宅医療が注目されている。癌患者の多くも、自宅での療養を望んでいる人が多い事もあり、フランスでニーズが拡大したのも納得である。しかし、癌のような疾患を在宅で行う事を可能にするのは、日本にとって大きな課題となるであろう。他国では可能にしている、という事は日本でも不可能ではない。いい手本があるのであれば、有効に利用するべきである。
2009/01/30
Saya's 薬学ニュース vol.69-インフルエンザ予防接種妊婦もOK/不況により症状あっても受診「我慢」が6割近く/コンビニ、スーパーでの医薬品販売は人気になりそう?/医薬品販売制度改正後のルールづくりは?/ピンクリボンの認知度に大きな男女差
1. インフルエンザワクチン 「妊婦さんもOK」 予防接種、医師に相談を
2. 症状あっても受診「我慢」が6割近く
3. コンビニ、スーパーで買うのは「頭痛薬」など
4. 医薬品販売制度改正で都道府県に協力要請-厚労省
おまけ. ピンクリボンの認知度に大きな男女差
インフルエンザワクチン 「妊婦さんもOK」 予防接種、医師に相談を
2009.1.7 08:29-産経新聞
[要約&コメント]
妊婦がインフルエンザワクチンの接種を希望する場合は接種してよいという日本では初の公式見解が、日本産科婦人科学会と日本産婦人科医会が作った「産婦人科診療ガイドライン産科編2008」(日本産科婦人科学会発行)に明記されている。インフルエンザは妊婦がかかると重症化しやすいとされており、予防の選択肢の一つとして期待が高まりそうだ。
妊婦には、「生ワクチン*」は原則として禁忌だが、「不活性化ワクチン*」は接種可能だ。
妊婦への予防接種は聞いたことがなかった。未だに医師の判断に任されてはいるが、質問があった時にある程度エビデンスを混ぜながら話せるので良い材料となった。完全に安心とは言えないので、状況を見つつになるであろう。
*生ワクチン
病原性を弱めたウイルスや細菌などをワクチンにしたもの
*不活化ワクチン
培養したウイルスや細菌などを精製してホルマリン処理などをして病原体を無毒化したもの
症状あっても受診「我慢」が6割近く
2009/01/19 21:22-キャリアブレイン
[要約&コメント]
景気の悪化が深刻になる中、今年は「我慢」して医療機関にかからない場合があると考える人の割合が全体の6割近くに上ることがわかった。どんなときに「我慢」するかとの問いには、「(重くない)風邪」と答えた人が約半数で、「歯痛」や「頭痛」など、多数の市販薬がある症状では、医療機関に行かずに済ませる傾向が強いことが分かった。
この結果は、個人的にうれしいものであった。不況は無駄なものを排除する性質がある。日本人は、何かあるとすぐに病院へ行く傾向があるように感じる。そのため、病院では軽症の患者であふれる事もある。風邪の場合、病院にいっても出されるのは薬だけ、ゆっくり休んでくださいの一言である。そのために病院で長い間待たされて、もらわなくてもいいような菌をもらう事もある。市販薬があるなかで、それらをうまく利用し、セルフメディケーションを心がけていただきたい。それでも良くならない場合は病院へ行き検査を受けるべきであるが…そこで薬剤師としてどの程度まで患者に情報提供ができるか。この点が求められてくるのではないだろうか。
コンビニ、スーパーで買うのは「頭痛薬」など
2009/01/19 21:30-キャリアブレイン
[要約&コメント]
今年6月の改正薬事法施行後、コンビニやスーパーなどで一般用医薬品(OTC)を購入したいとする人が66%に上ることがわかった。(夜間の緊急時には85%に上昇している。)購入する医薬品としては、頭痛薬などが挙げられた。年代別では、40歳代で肯定的な見方をする回答が最も多く7割を超えたが、60歳代では4割が「購入したいと思わない」と回答している。
コンビニでの医薬品購入が可能になれば、夜間急きょ薬が必要になった場合の不安はなくなるであろう。登録販売者がしっかりと応対する条件であれば問題ないし、利便性が向上することはうれしいことでもある。ただし、登録販売者がどのように顧客に関わっていくのか、その点が課題である。
医薬品販売制度改正で都道府県に協力要請-厚労省
2009/01/20 21:56-キャリアブレイン
[要約&コメント]
厚生労働省医薬食品局は、1月20日の「全国厚生労働関係部局長会議」で、今年6月の改正薬事法施行に伴う医薬品の購入者からの相談体制の整備などについて、都道府県の担当者に協力を求めた。医薬品についての情報提供や相談対応で薬局・薬店などが順守すべきルールを厚労省が明確にした後、各都道府県において現場指導を徹底するよう求めているほか、購入者からの通報や相談に対応する体制の整備なども必要としている。「ルールについては、法令や通知などで順次伝えていく」としている。
ちょうどコンビニでの販売の話をしたすぐ後に見つけた記事。私が気になった対応についてである。今の段階ではまだ“手探り段階”であることが見てとれる。薬剤師としても、登録販売者がどのようなルールの中で医薬品の販売を行っていくか知っている必要がある。厚労省の意向が発表されたら紹介していこうと思う。
おまけ...乳がん/ピンクリボン
ピンクリボンの認知度に大きな男女差
2009/01/19 21:38 キャリアブレイン
[要約&コメント]
ピンクリボン運動の内容を知っている女性の割合は72.5%(「詳しく知っている」15.4%、「何となく知っている」57.1%)なのに対し、男性では45.0%(「詳しく」6.8%、「何となく」38.2%)。また、乳がん検診の受診状況を女性に尋ねたところ、受診経験者が半数を下回ることも分かった。年齢別でみると、「30歳代」が62.4%で最多。以下は、「20歳代」58.0%、「40歳代」56.2%、「その他」31.0%と続いた。
ピンクリボン運動は、2000年から広がっているとはいっても、多くの人が知り始めたのはここ数年なのではないだろうか。「余命1か月の花嫁」が上映されてから、その反響は大きく多くの場でピンクリボン運動や乳がん検診などが盛んに叫ばれるようになった。個人的にも応援しており、健診の普及にはかかわっていきたいと考えているが、未だに健診を受けたことがないので、帰国したらぜひ挑戦したい内容である。
2009/01/29
Saya's 薬学ニュース vol.68-血糖値測定器、指定外の試薬でも作動、注意!/糖尿病治療薬で女性患者の骨折リスクが倍増/健康食品会社が効能を記載し薬事法違反/死への恐怖、がん患者より医師の方が強い
1. 血糖測定器、指定外の試薬でも作動
2. 糖尿病治療薬で女性患者の骨折リスクが倍増
3. 医薬品の効能うたい無許可販売、健康食品会社を書類送検
おまけ. 死への恐怖、がん患者より医師の方が強い
血糖測定器、指定外の試薬でも作動
2009/01/16 09:30 キャリアブレイン
[要約&コメント]看護師が血糖測定器に指定外の試薬を取り付けたために、誤った血糖値に気付かないで薬剤を投与したという。試薬の取り付け間違いで計測した血糖値(67mg/dL)を元にブドウ糖を投与したが、実際の血糖値は192mg/dLだっという。
今回は、「プレシジョンエクシード」に「LFSクイックセンサー」を取り付けて起こった事例である。「指定されていない試薬を取り付けても作動し、誤った値を表示する機器があることを周知する。血糖測定器が指定する試薬がわかるよう表示する」よう注意を呼び掛けている。詳細(財団法人・日本医療機能評価機構HP) http://jcqhc.or.jp/html/accident.htm#med-safe

<血糖測定器への指定外の試薬の取り付け>
機械が違うのに作動してしまうのは怖いことである。血糖値が3倍近くも変わってしまうのであるから。。。この財団法人に関しては、Saya's 薬学ニュース vol.37のコメントで“ここから来たDMはゴミ箱直行”と記載してあったことを思い出し、ぞっとした。今回のこの記事も各病院に配布されていても、読まれていないのではないだろうか。普段の情報提供を怠ると、こういった重要な情報も重要としてとらえられない可能性もあるので、非常に怖いことである。
糖尿病治療薬で女性患者の骨折リスクが倍増
2009/01/16-ケアネット.com 提供:HealthDayNews
[要約&コメント]
2型糖尿病治療薬rosiglitazoneロシグリタゾン(商品名:Avandia、日本国内では未承認)あるいはピオグリタゾン(アクトス)*を服用する女性患者では骨密度が低下し、骨折リスクが2倍に上昇するとのことだ。一方、男性の服用患者では骨密度には影響は見られなかった。
「2型糖尿病には多くの治療選択肢があり、骨折の原因になるような薬剤を服用し続けることが最善とは思わない。可能性のあるすべての人はこれら2剤を避けるべきと警告する必要がある」と指摘している。
アクトスは、最近添付文書の改訂で「ビグアナイド系薬剤」との併用について新たに追記されたばかりの薬である。ホルモンの関係で骨粗鬆症にかかりやすくなる女性にとって、さらに骨折のリスクを増加させるような薬を服用するのは確かに避けるべき項目と考える。
*アクトス
商品名:アクトス
一般名:ピオグリタゾン
規格:15mg,30mg
薬効:糖尿病薬(インスリン抵抗性改善)
副作用:浮腫(むくみ),心不全,急激な体重増加,息苦しさetc
医薬品の効能うたい無許可販売、健康食品会社を書類送検
2009/01/19(月)-ケアネット.com 提供:読売新聞
[要約&コメント]
健康食品を耳鳴り改善などの効能をうたって販売したとして、東京都武蔵野市の健康食品販売会社「縄文健康研究所」と社長を薬事法違反(無許可販売、貯蔵)の疑いで横浜地検川崎支部に書類送検した。「ハチの子ミミン」「鮑凄六(あわびすごろく)」を、「耳鳴り・難聴が改善する人もいる」などと効能を示し、販売した疑いがある。
特定保健用食品の記載がないもので、効能をうたっているものは注意が必要である。効能が書いてある物の場合は、必ずトクホのマークを探してください。マークの記載がなく効能の記載があれば、承認を受けずに販売している可能性が高いです。
おまけ...癌患者
死への恐怖、がん患者より医師の方が強い
2009/01/14 23:00-キャリアブレイン
[要約&コメント]
医師はがん患者よりも死への恐怖感を強く抱いていることなどが、東大医学部附属病院のアンケート調査で分かった。
「死後の世界に対する見方」の項目では、がん患者と一般市民に比べ、看護師は死後の世界を肯定し、逆に医師は否定する傾向が見られた。
がん患者の死生観について「『伝統的死生観』には頼らず、死を思い、死を恐れず、充実した今を生きている、と言えるのではないだろうか」と指摘し、医師の死生観については「医師は科学的死生観を持っている。未来を希望する一方で、死を思うことは少なく、死への恐怖も強い」とし、がん患者の生き方に学び、歩み寄る必要がある」と話している。
2009/01/28
Saya's 薬学ニュース vol.67-使用上の注意改訂お知らせ/医薬品医療機器総合機構職員の権限はどこまで?/花粉症には「使い捨てコンタクトを」/皮膚局所麻酔の危険性を警告/病院に温度管理システム構築
1. 3剤で使用上の注意改訂
2. 薬害で医薬品医療機器総合機構(PMDA)職員の権限をどうするか
3. 花粉症には「使い捨てコンタクト」を
4. FDAが皮膚局所麻酔薬の危険性を警告
おまけ. NEC、米NYセイント・ジョセフ病院にRFIDタグを活用した温度管理システム構築
3剤で使用上の注意改訂
2009年01月15日-薬事日報
[要約&コメント]
3種類の薬の使用上の注意改訂版が発表されたので紹介する。
①関節リウマチの治療薬「エタネルセプト」(商品名:エンブレル、ワイスが製造販売)
改訂内容:
1) 「警告」の項の結核に関する記載に「ツベルクリン反応などの検査が陰性の患者において、投与後活動性結核が認められた例も報告されている」ことを追記(症状の顕在化や悪化の恐れがあるため)
2) 「重大な副作用」の項に「皮膚粘膜眼症候群、中毒性表皮壊死症、多形紅斑、抗好中球細胞質抗体(ANCA)陽性血管炎、急性腎不全、ネフローゼ症候群」を追記
②悪性神経膠腫治療薬「テモゾロミド」(テモダールカプセル、シェリング・プラウが製造販売)
改訂内容:「重大な副作用」に「間質性肺炎」を追記
③B細胞性非ホジキンリンパ腫治療薬「リツキシマブ」(リツキサン、中外製薬が製造販売)
改訂内容:「重大な副作用」に「細菌、真菌、ウイルスによる重篤な感染症」と「進行性多巣性白質脳症」を追記
知識のアップデートにご利用ください。
薬害でPMDA職員の権限をどうするか
2009/01/15 22:17-キャリアブレイン
[要約&コメント]
厚生労働省の「薬害肝炎事件の検証及び再発防止のための医薬品行政のあり方検討委員会」が開かれ、薬害における独立行政法人「医薬品医療機器総合機構(PMDA)」の権限について多くの意見が出た。
提言取りまとめのために事務局が整理した論点は、
(1)薬害肝炎事件の経過から抽出される問題点
(2)これまでの主な制度改正等の経過
(3)薬害再発防止のための医薬品行政等の見直し―の3点で構成。(感染リスクの高い生物由来製品について、医療機関や企業以外に患者本人へ製剤名やロットなどを公開記録できるようにする方針を検討)
人数を増やすだけでなく、権限の範囲等も再検討が必要であるという主張もあり、検討が必要と考えられる。
参考記事:厚労省:薬副作用、分析を強化 来年度から、担当者を100人増員--方針(毎日新聞)
Saya's 薬学ニュース vol.55で紹介したPMDA増員の記事。PMDAで実際増員されるのは、公務員ではなく、現場経験の豊富は医療関係者など(医師、薬剤師、統計学の専門家ら)であり、国家公務員でないことから裁量に関する疑問も上がっている。
花粉症には「使い捨てコンタクト」を
2009/01/15 22:21-キャリアブレイン
[要約&コメント]
コンタクトレンズ使用者を対象に、「花粉症についての意識調査」を実施したところ、花粉の飛散時期にもコンタクトレンズを使用している人は74.5%で、「できればコンタクトレンズの使用を継続したい」と考えている人は88.3%もいたという。
眼科の専門家は、症状が出る前(1月)に眼科を受診することや、一度付着した花粉を完全に洗い流すことは難しいため、『1日使い捨てタイプ』に切り替えることを勧めている。
コンタクトの使用はもはや必須の時代になっているのかもしれない。そんな中でメガネをかけなさい、という指導はナンセンスであるため、どうにか影響を最小限に抑えるためにも、症状が出る前の受診はお勧めである。また、抗アレルギー薬は人によって合うものと合わないものがあるので、一つの薬が合わなくても医師と相談して合う薬を見つけるよう根気強く続けることも重要である。さらに、花粉症治療として目薬の使用が最も多いことも、コンタクトレンズの使用において注意すべき点である。
FDAが皮膚局所麻酔薬の危険性を警告
2009年1月16日/HealthDay News
[要約&コメント]
米国食品医薬品局(FDA)は消費者および医療従事者に対し、処方薬・市販(OTC)薬ともに皮膚に塗布する局所麻酔薬の不適切な使用により、生命にかかわるリスクが生じるとの警告を発した。
該当する麻酔薬は、皮膚表面に近い神経末端の感覚を鈍らせる作用のあるリドカイン、テトラカイン、ベンゾカイン、プリロカインなどの麻酔成分を含有するもので、クリーム、軟膏およびゲル剤がある。不適切な方法で使用すると、薬剤が血流に取り込まれ、不整脈、痙攣(けいれん)、呼吸困難、昏睡さらには死亡などの反応を引き起こす可能性があるという。
リドカインを含むものには痔の治療薬(ex.ネリプロクト)などがある。特に、傷がある部分や、熱を持った部分に使用すると血中濃度が上昇しやすい傾向にあるため、その点を患者に指導する必要がありそうである。
おまけ…海外の病院
NEC、米NYセイント・ジョセフ病院にRFIDタグを活用した温度管理システム構築
2009年1月14日 12:01-RBB Today
[要約&コメント]
NECならびにNEC Unified Solutionsは、米国ニューヨーク州のセイント・ジョセフ病院において、アクティブRFIDタグを活用した温度管理システムを構築したことを発表した。
このシステムは、同病院内の薬品や血液などが格納されている冷蔵・冷凍庫に温度センサー付アクティブRFIDタグを設置し、同タグより定期的に温度データを収集することで、病院内に保存されている薬品や血液などの温度管理を行うもの。物質の温度に加え、物質の状態や位置情報の24時間常時監視が可能となり、より精密な品質管理が実現した。
日本の病院での温度管理はどのようになっているのだろうか。この記事を読んでふと疑問に思った。研究にも応用できる技術であるが、利用している施設はあるのだろうか?
2009/01/27
Saya's 薬学ニュース vol.66-グリベンクラミドの複数規格を重複服用してしまったら/感染症予防には手洗いが一番/抗HIV薬2品目の薬価収載を了承/医療機関向け総合予約システム「i-CALL(アイコール)」
1. グリベンクラミドの複数規格を重複服用してしまった患者
2. 感染症予防には手洗いが一番-健康を維持する秘訣
3. 抗HIV薬2品目の薬価収載を了承-中医協総会
おまけ. 「いつでも・どこでも・簡単予約」医療機関向け総合予約システム「i-CALL(アイコール)」
グリベンクラミドの複数規格を重複服用してしまった患者
2009. 1. 14-日経DIオンライン
[要約&コメント]
ダムゼール錠1.25 mg(一般名:グリベンクラミド)を服用している患者で、入院前に1.25mg錠×2T、入院後は2.5mg錠×1Tを服用している。一方化の薬なので剤形が変更になった事に気付かず、グリベンクラミドが処方されていない、と勘違いをして入院前に処方されていた1.25mg錠×2Tを勝手に服用していたという。実質、合計で倍量5mg(2.5mg+{1.25mg×2})服用していたことになる。入院中に低血糖を起こし、グリベンクラミドが一時中止されたこともあったという。
幸いにも当該患者に低血糖など有害事象は起きていなかったが、入院時同様起こりうる可能性は高かった。剤形による外観の違いなどについては、勘違いを起こしやすいことを予測して服薬指導を行うこと(特に高齢者)、そして残薬の有無とその保管状況のチェックも忘れずに行うことが重要である。
この手の勘違いは、現場で働いていてもちらほら見かけるものであった。そのことから、薬歴から、薬の変更などがないかいつもチェックし、患者への口頭での確認も怠らないようにしてきたつもりだが、忙しくなるとその対応も疎かになりがちである。今回の件では特に有害事象が起きなかったことが幸いだが、今後の投薬活動で再度重要性を意識していくべきであろう。
感染症予防には手洗いが一番-健康を維持する秘訣2009/01/14-ケアネット.com 提供:HealthDayNews
[要約&コメント]
医師も認める健康を保つ秘訣は手洗いである。専門家によると、手に微生物を付着させないことで、インフルエンザや風邪、その他の感染症を最も簡単かつ有効に予防できるという。
石鹸(せっけん)と水による基本的な手洗いでは、石鹸が洗い流されないように、最初に湯で手を湿らせてから石鹸を使うことが重要であり、その後15~30秒以上かけて手と指の表面を満遍なく強くこすり洗う。微生物の伝播(でんぱ)の確実な予防法としてアルコールを用いた消毒用ジェルの使用を勧めている。
最も原始的な方法であるが、それが最も効果的であるという。昔からの知恵はやはり大きな意味がを持っている。しかし、いくら手洗いうがいをしたからと言って、その方法を確実に行わなければ成果は得られない。上記の内容を参考にして、患者さんにもアドバイスしてみてはいかがでしょうか。
抗HIV薬2品目の薬価収載を了承-中医協総会
2009/01/14 22:30 キャリアブレイン
[要約&コメント]
HIVの細胞内への侵入を阻害する抗ウイルス剤「シーエルセントリ錠150mg」(ファイザー)と、「インテレンス錠100mg」(ヤンセンファーマ)の内用薬2成分2品目を新たに薬価収載に収載されることが認められた。
シーエルセントリ錠150mg(ファイザー)は、細胞内でのウイルス増殖を抑制する既存薬が効かない患者にも、効果が期待できるという。
類似記事:抗HIV薬2成分、16日付で薬価収載(薬事日報)
次々と薬の承認が決まってきているHIV治療薬。
未だに日本にはHIVは不治の病であり、治療には莫大な費用がかかる、と思っている人は少なくない。感染が広がる前に、HIVの治療や知識啓蒙の必要性が高いように感じる。
おまけ...IT
「いつでも・どこでも・簡単予約」医療機関向け総合予約システム「i-CALL(アイコール)」がさらに使いやすく進化
2009年1月14日 15:23-Techinsight japan
[要約&コメント]
ネットで予約受付できて、待ち状況を確認できれば、ちょうどいい時間に病院へ行けば待たなくても良い。医療機関向け総合予約システムi-CALLは、利用者が電話、携帯電話、タッチパネル、パソコンから診療の予約受付を行い、自分の診察時間が近づくとメールと電話による「お知らせコール」が届く。利用者は、待ち時間が有効に使えるだけでなく、上記の問題点が改善されることで「待合室の混雑解消」や「受付での電話応対や患者対応の効率化」が実現し、それが「ゆとりのある診察」につながる。
病院のある日は丸一日潰れる…そう思っている患者さんも多いのでは?そんな不満を少しでも解消できる方法があるのであれば、試してみる価値があるのではないだろうか。
2009/01/26
Saya's 薬学ニュース vol.65-癌の遅延性悪心・嘔吐予防に新薬期待/体外からコントール可能なDDS技術の開発/ED治療薬と相互作用を起こす薬56種類紹介/鳥インフルエンザ死亡者393人/脳死で「臓器提供したい」が4割越
1. 国内第3相試験でパロノセトロンは遅延性悪心・嘔吐を予防
2. 金ナノ粒子で複数の薬剤送達のコントロールが可能に
3. ED治療薬と有害な相互作用を起こす56種類の物質
4. 鳥インフルの人感染、5年で393件
おまけ. 脳死で「臓器提供したい」が4割超
金(ゴールド)ナノ粒子を用いた新しい薬剤送達システム(drug-delivery system:DDS)が開発された。この粒子は、赤外線への曝露により表面に付着した複数の薬剤を放出するという。
この新システムの大きな利点は、外部から操作することによって3~4種類の薬剤を送達できる可能性があること。現在、2種類の薬剤を放出できるDDSは存在するが、放出のタイミングはあらかじめ組み込まれており、体外から操作することはできない

2009/01/25
Saya's 薬学ニュース vol.64-タミフル耐性インフルエンザの対策は「リスク分散」が基本/登録販売者試験で替え玉受験判明/ジェネリック薬業界は順調/女性向けの健康機器ブランドを発表
1. 耐性ウイルスの出現は突然、対策はリスク分散が基本
2. 耐性ウイルスを意識した抗インフルエンザ薬治療を
3. 登録販売者試験で「替え玉受験」判明
4. 急成長のジェネリック薬業界、主要企業44社の売上は前年比14%の3480億円
おまけ. テルモ、女性向けの新しい健康機器ブランド
耐性ウイルスの出現は突然、対策はリスク分散が基本
2008. 3. 13-日経メディカル
[要約&コメント]
これまでタミフル耐性株はあまり伝播しないというのがWHOなどの見方だったが、ノルウェー(66%)やフランス(39%)などでの耐性出現率をみるとこういった認識を変えなければならないことに気付かされる。アマンタジン(シンメトレル)も同様に、耐性ができにくい薬と考えられていたが、事態は急変し高頻度で耐性が見られるようになったとのことだ。タミフル一辺倒という状況を見直すなどの、「リスクの分散化」が重要になるとのこと。
Saya's 薬学ニュース vol.60で耐性の広がりなどに関して記事を記載したが、事態は昔に比べて大きく変化していることを再認識させられる。耐性ができてしまった今、どのように耐性の増加を食い止められるか、など専門家の声が必要である。
耐性ウイルスを意識した抗インフルエンザ薬治療を
2008. 12. 17-日経メディカル
[要約]
耐性ウイルスの出現が騒がれている中で、治療指針では、A型、B型別に、ザナミビル(商品名;リレンザ)、タミフル、アマンタジン(商品名;シンメトレルなど)の3種類の抗インフルエンザ薬をどのように使っていくべきかが示されている。

登録販売者試験で「替え玉受験」判明
2009年01月14日-薬事日報
[要約&コメント]
奈良県では、2008年度第2回「一般用医薬品登録販売者試験」で、大阪府豊中市の配置販売業経営の男性(54歳)が、その息子(20歳)になりすまして受験していたことが判明したと発表した。男性の受験を無効とすると共に、替え玉受験については、有印私文書偽造および同行使の容疑で告発する予定だ。
類似記事:パーマかけ眼鏡外し…でも替え玉受験の父、息子になりきれず (m3.com)
登録販売者試験の替え玉受験。親が子供の資格のために、自分で勝手に行ったことだと語っていたが、果たしてこれが子供のためになる教育なのだろうか、と疑問に感じてしまう記事である。と同時に、もしこの替え玉が発覚せず、実際に免許を交付していたらどうなっていただろうか。全く知識のない登録販売者が薬剤師のいないドラッグストアなどにいる事態が発生することになる。倫理的に考えても誰のためにもならないのが現実である。
急成長のジェネリック薬業界、主要企業44社の売上は前年比14%の3480億円
2009/01/13 17:40-MarkeZine
[要約&コメント]
ここ数年急激に業績を伸ばしているジェネリック薬企業の現状と開発戦略について調査を行った。特に業績が急伸しているのは、病院での採用が増えている売上100億円以上の大手ジェネリック薬企業で、13社合計で5年間で68%という驚異的な伸びを示している。
類似記事:ジェネリック医薬品の売上高は前年より14%増(ケアネット.com)
後発品の使用に控え目になっている薬局に対し、ジェネリック薬企業では業績が伸びているのが明らかになった。国の後押しなどもあり、今後も成長を続けていく事が考えられるが、その分新薬企業の製薬会社がどのような状態なのか比較するものがあれば面白いと感じた。
テルモ、女性向けの新しい健康機器ブランド
2009/01/12-ケアネット.com
[要約&コメント]
テルモ株式会社は、女性向け商品の新ブランド「PREMIAGE」(プレミアージュ)を立ち上げた。「PREMIAGE」は「PREMIUM+AGE」の造語で、「これからの人生をより一層いきいきと」という願いを込めたとのこと。女性ホルモン(エストロゲン)の減少による体の様々な変化に着目し、女性の閉経前後(45~55歳)から急増する高血圧など生活習慣病予防につながる商品を展開していくという。
女性は妊娠や閉経などによりホルモンバランスが変わるために、様々な疾患に対し気をつけなければならない。更年期障害で悩んでいる人、これから妊娠をする人など、何かしらの不安を抱えている人は多いのではないだろうか。そんな女性の不安を少しでも取り除くことのできる製品が開発されるといいのだが。
2009/01/24
Saya's 薬学ニュース vol.63-中国抗生物質の乱用で死亡者多/インフルエンザQ&A 正しいマスクの着け方は?
1. 中国、抗生物質の乱用深刻 毎年8万人が死亡
2. マスクの正しい着け方は? 新型インフルQ&A
中国、抗生物質の乱用深刻 毎年8万人が死亡
2009年1月13日-m3.com 提供:共同通信社 ※m3.com閲覧には会員登録が必要です
[要約&コメント]
中国青年報によると、中国の医学専門家は医療施設で抗生物質の乱用により毎年約8万人が死亡し、約800億元(約1兆500億円)の医療費の浪費を招いていると指摘した。2005年に薬の副作用で死亡した患者約20万人のうち、40%は抗生物質の乱用が原因だという。医療水準の低さや投薬による利益獲得が理由として挙げられる。
マスクの正しい着け方は? 新型インフルQ&A
2009年1月13日-m3.com 提供:毎日新聞社
[要約&コメント]
質問内容:マスクの正しい着け方は?
回答:顔とのすき間なくし、1日1枚使い捨てで
インフルエンザのウイルスは直径0・08-0・12マイクロメートル(マイクロは100万分の1)で、市販のマスクの目(約5マイクロメートル)よりはるかに小さい。しかし、ウイルスは単独で空気中を漂わない。唾液(だえき)などと一緒に約5マイクロメートルの大きさの飛沫(ひまつ)となって、人から人に感染する。
今話題のインフルエンザ、ものばかり揃えてもいざ使いかたが分からなかったり、ということがないようマスクの付け方を紹介することとした。自分でできる予防法から徐々に始めてみよう。
2009/01/23
Saya's 薬学ニュース vol.62-糖尿病は脳機能を低下させる/喫煙は大腸がんのリスクも高めることが判明!/餅の丸のみが胃潰瘍の原因?!/花粉症対策「症状がでてから」が6割近く/医療崩壊-医師不足を切り口に-
1. 糖尿病は脳機能を低下させる
2. 喫煙は大腸癌の罹患と死亡のリスクも高める
3. もち丸飲みで胃かいように
4. 花粉症対策「症状が出てから」が6割近く
おまけ. 医療崩壊 ~医師不足を切り口に~(2)
糖尿病は脳機能を低下させる
2009年1月9日-m3.com ※m3.com閲覧には会員登録が必要です
[要約&コメント]
厳格にコントロールされている場合でも、軽度糖尿病により精神機能が低下するという。糖尿病患者の反応時間と認知速度は共に正常であったが、新しい言語情報を迅速かつ正確に処理する必要のある課題については遅れがみられた。この障害は速度には影響するが、言語の流ちょう性には影響しなかった。
臨床的に重要ではないとしても、脳にも影響を与えることは確かである。視力、末梢神経、腎機能、脳、もはや全身に及ぶ影響は糖尿病の恐ろしさを表している。自覚症状がないのは幸いなのか、悪化に気づけない恐怖というべきなのか…少なくとも糖尿病の可能性があると言われた人は、全身の機能が低下してどうにもならなくなる前に、どうか治療を始めていただきたい。
喫煙は大腸癌の罹患と死亡のリスクも高める
2009. 1. 9-NMオンライン
[要約&コメント]
喫煙は、肺癌のほか、口腔、咽頭 喉頭、食道、胃、腎臓、膀胱、子宮頸部、膵臓などの癌のリスクを高めることが示されている。だが、大腸癌と喫煙の関係を調べた研究では、一貫した結果が得られていなかった。
1日の喫煙本数が10本増えるごとに、リスクは7.8%(5.7%-10.0%)上昇した。10pack-years増加当たりのリスク上昇は4.4%(1.7%-7.2%)だった。リスク上昇傾向が認められるのは約10年を経過した時点で、統計学的有意性が見られるのは30年後からだった。
喫煙者には耳が痛い話かもしれない。これを聞いてもやめる気になれない、やめられないのは本人にとってもつらい話なのだろう。しかし、私には同情はできない。強い意志をもってやめている人たちは少なからずいるからである。現在全体的に喫煙者は減少傾向にあるが、未だに男女とも30%前後の値を示しているのが現実である。
もち丸飲みで胃かいように
2009/01/13 22:15-キャリアブレイン
[要約&コメント]
「食物が異常な大きさのまま胃内に長期間滞留した場合、胃酸が出続けて出血性病変を生じる可能性がある」という。食べ物が長時間残っていたため、胃液が出続け、胃角部で接触性の粘膜障害を来し、胃かいようができてしまうケースが見つかった。このほか丸飲みしたシラタキや結びコンニャク、ギョーザ、大量の寒天などでも起こる可能性があるとのことなので、注意が必要である。
胃潰瘍らしきものを持っている自分にとっては興味深い記事だったので紹介した。これを見た限りでは、胃潰瘍の原因も様々だなぁ、と感じてしまう。コンニャクや寒天は健康食品としても販売されているので、薬局で購入する際は一言注意を呼び掛けるのも親切かもしれない。
花粉症対策「症状が出てから」が6割近く
2009/01/13 15:48-キャリアブレイン
[要約&コメント]
日本人の5、6人に1人が罹患し、「国民病」ともなっている花粉症について、花粉症を自覚している人の6割近くが、症状が出てから対策を始めていることが明らかとなった。
また、「花粉症状に対し、どのような薬で治療しているか」との問いには5056人が回答。「市販の目薬」が1471人(29.1%)で最も多く、次いで、「病院での処方薬」が1243人(24.6%)、「市販の内服薬」が819人(16.2%)、「市販の点鼻薬」が768人(15.2%)などだった。
日本にいたころは、1月頃から花粉症に控えて薬を服用していたことを覚えている。だいぶ楽になるのだが、この調査ではその有用性を多くの人は知っていないようだ。今年の花粉は例年よりも多いとのことなので、あらかじめ準備が必要なのと、投薬時に花粉症薬を服用している人のためにも、来年のアドバイスをしてあげると喜ばれるかもしれない。
おまけ...
医療崩壊 ~医師不足を切り口に~(2)
2009年1月10日-NBオンライン
[要約&コメント]
日本全国には約9000の病院がある。2006年、医療費削減により全国の病院の43パーセントが赤字であったという。医業収入よりも医業費用のほうがかかっているために、医業をやればやるほど赤字になるのが公立病院の今の現状なのである。
また、救急医療の性質上、患者の出入りは予想がつかないため、救急体制を充実させようとすれば、採算性の悪化は避けられない構造になっている。
医師不足は医療界では重要なトピックの一つである。公立病院も次々と経営難に追い込まれることももはや日常茶飯事である。なぜこんなことが起きているのか、分かりやすく説明されているので一読の意味はありそうだ。
2009/01/22
Saya's 薬学ニュース vol.61-糖尿病疑いありの半数は未治療のまま/ヒアルロン酸自己注射の危険性/インフルエンザ今後も増加の可能性高い/米国医療の真相はいかに(本紹介)
1. 40歳以上の3割が糖尿病‐半数は未治療者
2. ヒアルロン酸 しわ取り、自己注射「ダメ」 ネット頼り個人で輸入、後遺症に悩む例も
3. 喘息患者へのアプローチ
4. インフルエンザ、流行指標の4.7倍に増加
おまけ. サブプライム化する米国の医療『米国医療崩壊の構図』
40歳以上の3割が糖尿病‐半数は未治療者
2009年01月09日-薬事日報
[要約&コメント]
厚生労働省の2007年度「国民健康・栄養調査」で、糖尿病が疑われる人は予備軍も含め、前年度より340万人増え2210万人に達し、特に40歳以上では29.0%と、10人に3人は糖尿病が疑われことが明らかになった。糖尿病が強く疑われる人で、治療を受けている人の割合(55.7%)は10年前に比べ改善したが、指摘を受けた人の半数は治療を受けていないことが分かった。
神経障害が最も多く11.8%、次いで腎症11.1%、網膜症10.6%、足壊疽0.7%の割合。
糖尿病は自覚症状が薄い分、医師から指摘されても危機感を感じにくい。「自分は大丈夫だろう」という理由のない自信を持ちたがる。これは、患者の無知からくるものが大きいように思う。せっかく検査を受けて早期発見ができても、治療に取り掛からなければ症状は悪化する一方。知識がない中で自分流に食生活を変えるだけでは改善が非常に難しい。早めに対応すれば、急激な悪化は防げるし、目を失ったり足を失ったり、透析のために毎日病院に通う必要もない。患者への情報公開を薬局でも積極的にやっていけるのではないだろうか。
ヒアルロン酸 しわ取り、自己注射「ダメ」 ネット頼り個人で輸入、後遺症に悩む例も
2009年1月11日-m3.com 提供:毎日新聞社
[要約&コメント]
インターネットで購入したヒアルロン酸を、自分で顔などに注射する行為が広がっている。ヒアルロン酸は関節や真皮に含まれ、化粧品の保湿成分として使われる。美容クリニックなどでは、しわの下に注射して目立たなくさせる美容法が提供されている。
ある患者は、クリニックで使用していたものと同じメーカーのヒアルロン酸を、香港の輸入代行業者を通して購入を試みた。掲示板の体験談などを基に07年12月、自分のほおや目の下に注射したところ、2、3カ月後、注射した部分の一部が膨らみ、しこりになった。クリニックでヒアルロン酸を分解する注射を打ったがしこりはなくならず、皮下にひきつれが起きる「異物肉芽腫症」と診断された。完全に元に戻すことは難しく、女性は「すごく後悔している」と話す。
美容整形は女性の綺麗になりたい、若くありたいという本能を魅惑する天国のような存在なのだろう。しかし、治療費は高いし、期間はかかるしで、道を踏み外してしまう人も少なくはないようだ。美容整形での治療は専門知識を持っている医師による施術(少なくとも免許を持っている医師であれば)なので、安全性はある程度確保されるが、インターネットでの購入を「ダメ」というのは賛成である。頭ごなしに否定しているわけではなく、それは、あなたのためだからなのです。手を出す前に賛否両論きちんと把握し、危険性を知ることは重要です。
喘息患者へのアプローチ
2009年1月12日-週刊医学界新聞
[要約&コメント]
喘息の重症度を決めるフォーカスを絞った問診がKeyとなる。日中に発作はあるか,夜間寝ている間の発作はあるかなど細かな問診が患者の長期治療戦略に大きく関係してくることは見落としがちだ。そのほか,何が誘発因子だったのか,アレルゲンへの曝露,感染症の有無,ピークフロー,肺機能検査の有無,救急外来での治療,なども重要なポイントである。
〈急性期の治療の基本〉
基本はβ2刺激薬(ベネトリン®)吸入,そしてステロイド(経口/注射)の投与。その他抗コリン薬の使用も重要。テオフィリン製剤に関しては明確なエビデンスがなく、他の薬剤との相互作用や血中濃度を考えると使いづらい点もある。
〈慢性期の治療の基本〉
急性増悪の予防のための教育とコントローラーの組み立て。(重症度を見分けることがポイント)
<ステップに応じた投薬内容の決定>〈治療のステップの背景〉 治療の基本は吸入ステロイドである。これに長時間作用性β2刺激薬を組み合わせたり,モンテルカストなどのロイコトリエン拮抗薬を組み合わせたりしてコントロールを図る。長時間作用性β2刺激薬だけで治療することは避ける。
〈薬物療法以外で重要な治療 〉
環境改善:喫煙歴,ネコなどペットに対するアレルギー,ゴキブリの有無など
ちょっと長くなってしまったが、医師がどのような考え方で薬を処方しているのかがわかりやすく記載されていたので掲載した。患者さんへの服薬指導にも応用できそうだ。
インフルエンザ、流行指標の4.7倍に増加
2009/01/13 15:43-キャリアブレイン
[要約&コメント]
インフルエンザが増加しており、昨年の第51週には、全国的な流行開始の指標である定点当たり報告数「1.0」を大幅に上回る「4.68」に達し、今シーズン最高を更新したことが明らかになった。
シーズンの12月までに全国的な流行が始まった場合、流行のピークが翌年の1月末または2月初旬になっており、今後さらに増加する可能性が高いとし、より一層の注意を呼び掛けている。
毎日話題に上るインフルエンザのニュース。つきませんね。さらに増加が見込まれるというのは良いニュースではありませんが、引き続き注意を要するということで、掲載しました。
おまけ...本紹介「米国の医療」
サブプライム化する米国の医療『米国医療崩壊の構図』 2009年1月9日-NBonline(日経ビジネス オンライン)
[要約&コメント]
本書は米国医療システムに関して論じるレジナ・ヘルツリンガー・ハーバード大学経営大学院教授の3冊目の翻訳書である。2部構成で、前半が現在の米国医療サービス市場の“診断書”、後半がその病根を治療する“処方箋”となっている。
診断書の要点はジャック・モーガンという腎臓疾患患者が、民間医療保険を持ちながらも移植が間に合わず亡くなった理由を、1つのケーススタディーとして追求し、医療保険会社、非営利大病院、雇用主企業、連邦政府とあらゆる種類の規制に関して意見する専門家集団のすべてに、応分の責任があることを解明していく。
海外の医療制度比較などを行っている身としては、とても興味深い内容で読んでみたいと自然に思ったのだが、皆さんはどうでしょうか。実際カナダでも、手術まで待たされ、待たされ。。。。挙句の果てに待てずに亡くなるというケースがあるのが事実です。症例としては似ているかもしれませんが、この2カ国で決定的に違うのは何なのか。皆さんは気になりませんか?
2009/01/21
Saya's 薬学ニュース vol.60-オバマさん本日大統領就任!/新年初のスイッチOTCは?/喘息コントロール改善に良好な組み合わせ薬剤/Aソ連型は93%でタミフルに耐性/卸の合併話/薬害肝炎患者援助に遅れ(熊本)
1. 新年初のスイッチOTCは「鼻と皮膚のアレルギー」が標的
2. ホルモテロール+低用量ブデソニド併用療法により喘息コントロールが改善する可能性
3. 今シーズンのAソ連型タミフル耐性ウイルス、日本で93%に見つかる
4. 【メディ・パルHD/アルフレッサHD】合併計画を白紙撤回
おまけ. 深層・真相:ウイルス性肝炎 患者団体など、県の対応遅れを批判 /熊本
今日は記念すべき日です。
アメリカで初の黒人大統領が就任した日。世界各国で取り上げられていましたね。
オマバ大統領は、先進国の中で唯一国民皆保険の唯一ない国アメリカに、導入する意向も示されていたことから、人種だけでなく、医療に関しても注目が集まりそうな大統領になりそうです。
新年初のスイッチOTCは「鼻と皮膚のアレルギー」が標的
2009. 1. 6-日経DIオンライン
[要約&コメント]
抗アレルギー成分「エメダスチンフマル酸塩」(医療用医薬品の商品名:ダレン、レミカットほか)を配合したスイッチOTC薬「ロートアルガード抗アレルギーカプセル」が13日に発売された。適応は成人(15歳以上)のみで、1回1カプセルを1日2回、朝食後および就寝前に服用。医師や薬剤師に相談するまでの期間は、鼻炎の症状に用いる場合は1週間、皮膚の症状では3日間の服用で症状の改善が見られない場合で推奨している。
アレルギーによる鼻炎と皮膚症状のどちらにも効くOTC薬は、2006年11月に発売されたエーザイのスイッチOTC薬「ハイガード」(配合スイッチ成分名:塩酸アゼラスチン)に次ぐ2剤目。
レミカットには眠気はもちろんのこと、肝機能障害も副作用として該当するので、用法どおりの服用が重要である。医師にかかるまでの期間なども一緒に覚えておくと患者にとっても有益ではないだろうか。
ホルモテロール+低用量ブデソニド併用療法により喘息コントロールが改善する可能性
2009年1月8日-m3.com ※m3.com閲覧には会員登録が必要です
[要約&コメント]
「低用量ICS療法で十分な効果が得られない場合、ICS+長時間作用型β2刺激薬(LABA)併用療法や高用量ICS単剤療法により、喘息コントロールが改善する」と示している。良好な喘息コントロールの達成に有用でないことが示されたが、喘息増悪の減少と喘息コントロール不良時間の短縮が認められた。
*低用量ICS療法
低用量吸入コルチコステロイド吸入(ICS)は喘息維持療法
ブデゾニドは処方薬商品名パルミコートで知られる吸入ステロイド剤、ホルモテロールは処方薬商品名:アトックで知られるβ2刺激薬である。ステロイドの増量以外に有効な方法が見出されたことは喜ばしいことである。吸入薬であることから、内服薬に比べれば副作用が少ないとはいっても、あくまでステロイド薬。極端な注意が必要である。β2には心臓を刺激する作用もあるので、心臓の状態にも注意を払って頂きたい。
今シーズンのAソ連型タミフル耐性ウイルス、日本で93%に見つかる
2009. 1. 8-NMオンライン
[要約&コメント]
今シーズンにおいて、Aソ連型タミフル耐性ウイルスが、日本で93%に見つかっていたことが分かった。(14検体中13検体)世界全体では33検体中30検体から耐性ウイルスが検出された。出現頻度は91%と高率だった。日本では現在、Aソ連型のほか、A香港型、B型のウイルスが検出されている。混合感染の様相を呈しており、どの型のウイルスが流行の主流となるかは明らかではない。引き続き、タミフル耐性ウイルスの出現を意識した診療が求められよう。
Saya's 薬学ニュース vol.58でもタミフル耐性ウイルスの話題を盛りだくさんで紹介したが、Aソ連型の耐性が特に多くみられるようだ。日本では耐性率が低いとはいっても、型によっては高い率で耐性が見られるので、今後も注意が必要である。
【メディ・パルHD/アルフレッサHD】合併計画を白紙撤回
2009年01月09日-薬事日報
[要約]
今年4月に合併を予定していた医薬品卸最大手のメディセオ・パルタックホールディングスと2位のアルフレッサホールディングスは1月9日、合併契約を白紙撤回すると発表した。売上高4兆円規模の医薬品卸が誕生することになっていた。と肩を落とす取締役も。「公取委から断られたのではなく、審査が長すぎて営業に関わるため」と、自主的な決断だったことを説明。
参考記事:医薬品卸メディセオとアルフレッサ、合併を白紙撤回(キャリアブレイン)同内容を紹介
おまけ...薬害肝炎
深層・真相:ウイルス性肝炎 患者団体など、県の対応遅れを批判 /熊本
2009年1月9日-m3.com 提供:毎日新聞社 ※m3.com閲覧には会員登録が必要です
[要約&コメント]
国内最大の感染症といわれ、早期発見・治療が必要なB型やC型などのウイルス性肝炎対策について県の取り組みが遅れている。県の肝炎対策の方向性を決める肝炎対策協議会が未設置が一番の理由のようだ。厚労省の05年度の報告書で、各都道府県に設置を求めてから、昨年12月時点で設置されていないのは全国47都道府県中、熊本を含む4県だけだという。国から補助を受けて住民や医療機関に情報を提供したり、相談を受け付けたりする拠点病院がないため、情報が十分に行き届いていない可能性がある。
もう08年度も後半なのですが…と突っ込みたくなるような話題である。問題がない中での対応の遅れは、議員が薬害肝炎の問題をそれほど重要視していないかのようにとれる。この数年間の間になくなってしまう方や、悪化してしまう人もいることを、理解してはいないのではないだろうか。被害者の想いを一度聞いたほうがいい薬になるのでは?厳しいことを書いているが、患者の想いを知らなければ政治の舵をとれない人に、どうやって県を動かしていけるだろうか、と疑問に感じてしまう。
2009/01/20
Saya's 薬学ニュース vol.59-「高齢者に処方すべきでない薬」を紹介/血栓治療の重要ポイントをおさらい/グレープフルーツとバイアグラを一緒に飲むと?/タミフル耐性をいち早く検出するには/今話題のワンコイン健康診断
1. これが「高齢者に処方すべきでない薬」だ!
2. 血栓症治療の基礎「Virchowの3原則は今日も生きている」
3. グレープフルーツジュースでバイアグラの作用増強を試みた患者
4. タミフル耐性をいち早く検出するには
おまけ. ワンコインで健康診断 フリーターらに人気
古いニュースが多いですが、日経メディカルオンラインのニュースで去年もっとも注目された記事の中から、薬学形のものをピックアップしてみました。面白い内容が盛りだくさんです。
これが「高齢者に処方すべきでない薬」だ!
2008. 4. 12-NMオンライン(年間ランキング)
[要約&コメント]
米国で用いられている高齢患者の薬剤処方の基準「Beers Criteria」の日本版に相当するもの。高齢者において、疾患や病態に関係なく一般に使用を避けることが望ましい薬剤46種類と、特定の疾患・病態において使用を避けることが望ましい薬剤25項目がリストアップされている。このリストは、日本医師会雑誌4月号に掲載されたほか、国立保健医療科学院疫学部のWebサイト上でもPDFファイルとして公開されている。
<高齢者において疾患・病態によらず一般に使用を避けることが望ましい薬剤>リストでは、副作用などの投与時のリスクが効果を上回ると考えられ、ほかに安全と考えられる代替薬がある薬剤を中心に掲載。高齢者に使用した際の起こり得る問題と、その重篤度も併記されている。
これは、おそらくもともと医師向けに作られたものだろうが、薬剤師にとって必要な資料でもある。医師が知らずに投与している薬でも、副作用の状況から判断して医師に伝えることができるからだ。薬局の薬剤師がどこまでできるかは何とも難しい話であるが、気づきのきっかけを作ることのできる資料として、是非皆さんにも活用していただきたいと思う。
血栓症治療の基礎「Virchowの3原則は今日も生きている」
2008. 12. 19-NMオンライン(年間ランキング)
[要約&コメント]
血栓症を抑制するために抗血小板薬や抗凝固薬が用いられてきたが、治療を強化すると出血性障害が増加するというジレンマに悩まされてきた。血小板のみをターゲットとした治療戦略のあり方の限界があり、血栓形成の要因として、血流の変化、血液成分の変化、血管壁の性状変化の3つが重要であるという学説(Virchowの三原則(Virchow's triad))を紹介している。
詳細PDFファイル:血栓形成とその対応──抗血小板から抗血栓へ(PDF)
脳梗塞、心筋梗塞などを引き起こす血栓の形成を抑制する抗血小板薬は、確かに予防の観点からは重要であるが、血小板のみで考えても高い治療の効果は得られない。患者さんと一緒に治療に向き合っていく中で何が大切なのかを改めて考えさせられた記事であった。
グレープフルーツジュースでバイアグラの作用増強を試みた患者
2008. 12. 24-NMオンライン(年間ランキング)
[要約&コメント]
患者は、バイアグラが1回の受診に付き7回分しか処方されないことに不満を抱いていた。度々病院に通うのが面倒だったし、薬局でいちいち薬の説明を受けるのが嫌だったからだ。ある時、街の本屋で薬に関する本を立ち読みしていてGJが薬の作用を強めることを知った。患者はGJにより本剤の作用を増強できれば、1回当たりの飲む量を減らせて服用回数を多くすることができるのではないかと考えた。
バイアグラとGJとの相互作用に関する検討結果は一定していない(AUCには有意な変化はないがCmaxは42%増加するという報告、AUCが23%増加するが、Cmaxには変化は見られないとの報告もある)。しかし、シルデナフィルは主にCYP3A4により代謝されるため、GFとの併用は降圧薬同様危険であるのがわかる。さらに、シルデナフィルあるいはバルデナフィルは、エリスロマイシン(商品名:エリスロシンほか)やイトラコナゾール(商品名:イトリゾールほか)と併用すると、前者の血液中濃度が上昇することが知られている。
情報があふれているこの世の中で、このような安易で危険な情報が簡単に流れているというのは非常に悲しいことである。知識がないだけに、その有効性を経験しても危険性まで気づくことはできないのである。この事実は薬局の薬剤師が投薬中に不審に思い尋ねた結果わかったことである。日々の投薬が不適正使用を食い止める唯一の砦になり得るのでは、ということを考えさせられる。このようなうわさが広がるのは早い。自分の受け持ちの患者にシルデナフィルを服用している患者がいたらとりあえず注意が必要である。
タミフル耐性をいち早く検出するには
2008. 12. 30-NMオンライン
[要約&コメント]
タミフル耐性問題が大きな課題となっている中、タミフルの臨床効果が実際に低下しているのを、いかに早く検出するかが重要」と指摘する。その上で、解熱時間が1つの指標になりうる。
<発症からタミフルの初回内服までの時間別にみた解熱まで時間>解熱時間は、30時間前後に集約していることから、タミフルの初回内服から30時間以上経っても解熱しない場合は、再度受診するよう促す必要がある。
2007年後半から今年3月の調査では、耐性株の出現頻度は世界全体で16%にのぼり、2008年4~10月の調査では39%に拡大していた。日本でも全体では2.6%だったものの、鳥取県で37%という高頻度で耐性株が検出されるなど、今シーズンは耐性ウイルスを強く意識した診療が求めらる状況となっている。
ニュースの量から見ても、タミフル耐性インフルエンザの内容はHotなものになっている。唯一の治療薬が使えなくなったら...?新型のインフルエンザが大流行したら?人々の不安は高まる一方である。ただし、一つだけ言えることは、これらのウィルスは風邪の菌同様うがいや手洗いなど基本的な予防策も十分効果がある。できることを徹底してやっていくことが大切ではないだろうか。
おまけ...健康診断
ワンコインで健康診断 フリーターらに人気2009.1.9 07:54-産経新聞
[要約&コメント]
「ワンコイン健診」と呼ばれる気軽に受けられる健康診断が好評だ。低額なうえ、数分で結果が分かる手早さが魅力で、定期的に受けることが望ましい健康診断から遠ざかりがちなフリーターや自営業者に加え、職場の定期健診では物足りない会社員らの支持を得ている。
検査内容は、大きく分けて「血糖値」「総コレステロール」「中性脂肪」「身長、体重、骨密度、血圧など」の4つ。1回の検査は数分で各500円(ワンコイン)、セットでは1500円で受けることができる。セットの場合、血液を採取した後、身長や血圧などを測る間に全項目の結果が用紙に打ち出される。その間、わずか10分程度。
その他関連記事:5分で結果、500円健診 若者向けに初の出店 (m3.com)
ワンコイン健診の話は、もともと知人から聞いていた話ではあったが、実際にニュースに載っていたので掲載することに。健康診断は、自営業やフリーターの人にはどうも二の次三の次に考えられ、さらに自分は健康と思い込むことで病状の悪化に気付かず気づいた時には…ということがよくある。運営者も当時看護師としてそういう人たちを多く見てきたことから思いついたアイディアだという。早期発見が今後継続して実行できれば、医療費拡大の大きな抑制策となる。塵も積もれば…である。個人的に応援している活動なので、頑張ってもらいたい。
2009/01/18
Saya's 薬学ニュース vol.58-インフルエンザ-タミフル耐性株の出現/癌死亡者の増加と人口減少/レセプトオンライン請求サービスで不具合/禁煙成功者47.1%(和歌山)/外国人患者に言葉の壁
1. タミフル耐性株を宮城と滋賀で初めて分離
2. 鳥取県でタミフル耐性株が突出して多い理由
3. 癌死亡が34万人超に‐人口は過去最大の減少
4. 社会保険診療報酬支払基金向けレセプトオンライン請求サービスで不具合
おまけ. 励まし合って乗り切ろう 第11期禁煙教室受講生募集 和歌山・田辺 、 外国人患者に言葉の壁 群馬県が通訳を派遣 「列島ライトアップ」
タミフル耐性株を宮城と滋賀で初めて分離
2009/01/09 21:56-キャリアブレイン
[要約]
タミフルが効かないインフルエンザウイルスの「耐性株」が今シーズン、既に宮城県と滋賀県で分離されていることが明らかになった。国立感染症研究所では「耐性株が徐々に各地域に広がっている」としている。タミフル耐性株は、遺伝子の突然変異でインフルエンザのH1N1型ウイルスを構成するタンパク質の一部が変質したもので、2007年に北欧で増加傾向が確認されて以来、世界的に増加している。
鳥取県でタミフル耐性株が突出して多い理由
2008. 12. 25-日経メディカルオンライン
[要約&コメント]
世界的に広がっているA/H1N1型インフルエンザウイルスの「タミフル耐性」。諸外国に比べれば日本はまだ耐性化率が低いが、調べてみると、なぜか鳥取県だけ突出してA/H1N1型に占めるタミフル耐性株の比率が高かったのだという。
<日本国内におけるA/H1N1タミフル耐性株の検出状況>
世界中で最もタミフル(一般名:オセルタミビル)を消費している国の割に、耐性株の出現率が低いことが驚かれている。また、耐性はH1N1の流行規模に依存する傾向が強く、米国ではこの型のインフルエンザが流行する可能性が高く、タミフル耐性株の出現頻度も66.2%と既に高い状態です。
日本はタミフルに依存している傾向が強いので、耐性が高い割合で起こっていても不思議ではなかったが、以外にも低い値で驚いた。しかし、このまま依存し続ければ、耐性ができるのも時間の問題、ということを忘れてはいけない。
癌死亡が34万人超に‐人口は過去最大の減少
2009/01/08 -薬事日報
[要約&コメント]
厚生労働省が公表した「2008年人口動態統計の年間推計」では、癌による死亡者は前年より6532人増え、34万3000人と過去最高になった。癌が脳卒中を抜いて、日本人の死亡原因のトップになったのは1981年のことで、それ以来増加傾向が続いている。2位は心疾患で18万4000人(前年より8461人増)、3位は脳血管疾患で12万6000人(1041人減)と推計している。
死亡数が増加した主要因は、高齢化の進展によるもので、人口の減少は2年連続。出産期の女性人口は減っており、厚労省は「本格的な人口減少社会に突入した」と分析している。
この数字を見るとさすがに驚かされる。周りに癌と戦っている人達がいるが、他にもこんなに多くの人が命を落としていたとは。高齢社会の日本にとっては避けられない事実なのだろう。とはいっても、癌は早期に見つかれば治療の見込みがある病気である。定期健診などで計画的に身体検査を行うことをお勧めする。
社会保険診療報酬支払基金向けレセプトオンライン請求サービスで不具合
2009/01/08-ITpro
[要約&コメント]
NTT西日本が「フレッツ・光プレミアム」上で提供するレセプトオンライン請求サービスを介した請求で接続しにくい状態が続いているほか、一度接続しても途中で切れてしまい請求を完了できないケースがあるという。障害は前日7日14時29分に発生し、は1月9日朝9時から復旧したとのこと。
このレセプトオンライン請求サービスに関してはSaya's 薬学ニュース vol.5で昔紹介したこともある。サービスの不具合はどの会社でも起きることであるが、対応の遅れは禁物である。ただし、今回の問題は、回復の見込みが立っていないと書かれていながらも、1日半で復旧したとのことなので、まずまずでは?と思うのは私だけだろうか。しかし、重要なのは今回起こった不具合を二度起こさないような対策がすぐに練られるべきであるということである。
訴訟の動きが先か、それとも制度化が先か。この点も目が離せない。
おまけ...禁煙
励まし合って乗り切ろう 第11期禁煙教室受講生募集 和歌山・田辺
2009年1月7日-m3.com 提供:毎日新聞社 ※m3.com閲覧には会員登録が必要です
[要約&コメント]
田辺市健康増進課は、市民対象の第11期禁煙教室の受講生15人を募集している。過去の参加者の禁煙成功率は47.1%。同課は「励まし合って乗り切りましょう」と参加を呼びかけている。無料。
医師による禁煙外来の説明、管理栄養士による禁煙継続のコツの紹介、禁煙した人との交流会があり、最終日の「卒煙式」のあと、禁煙して気付いたことなど参加者の意見交換を行う。
一般的な禁煙成功率の割合は十数%ということを聞いたことがある。これに比べればはるかに高い値なのではないだろうか。禁煙には同志の存在が重要であることがわかる。一人ではなかなか難しいのであろう。禁煙者の割合を減らす事で、肺がんなどのリスクを減らすことができ、市民の健康を維持していくには非常に意味のある取組なのでは、と感心した記事である。
外国人患者に言葉の壁 群馬県が通訳を派遣 「列島ライトアップ」
2009年1月8日-m3.com 提供:共同通信社 ※m3.com閲覧には会員登録が必要です
[要約&コメント]
在日外国人が215万人を突破し(2007年末現在)、定住化が進む中、医療現場で言葉の壁が問題となるケースが増加している。通訳を、外国人患者が連れてくる家族や友人に頼る場合が多く、正確かどうか分からないのが現状だ。群馬県は06年度から医療通訳者の派遣制度を実施しているが、ボランティアのため本来の仕事との調整が困難などの課題もあり、国に制度化を求める声が出ている。
▽専門用語に悪戦苦闘:普段使わない用語のため、一般会話が話せても医療現場では通用しない場合もある。正確な情報を伝えるためには欠かせない内容である。
▽国が制度化を:NPOによる活動のため、必要な時に人員を確保できない場合があり、運営が厳しい状態にあるのが現状。
などの問題を提示している。
この問題点は、自分も薬局の中で改善していきたい課題でもある。薬局の場合は、疾患など幅広く取り扱うため、一見広い知識や語彙が必要に感じられるが、第一段階の薬の説明に絞ってしまえば勉強範囲は限られてくる。また、薬袋や薬の説明書など、あらかじめフォーマットを作っておけば、最悪印刷して手渡すことでも大いに有効活用してもらえる。ただし病院の場合は、細かい症状を伝える、などさらに内容が複雑になるので難しいのは確かである。
外国人が日本で増えていることは確実であるし、これから増えていくことも分かっているはずである。国に制度化を願う気持ちは自然なことなのではないだろうか。
2009/01/17
Saya's 薬学ニュース vol.57-便秘で困る友人にベイスンを譲渡/「安全な薬の」落とし穴/海外のフィジシャンアシスタンって?
1. ベイスン錠を「便秘にいい」と友人に渡した患者
2. 「安全な薬」の落とし穴
おまけ. フィジシャン・アシスタントって何?
ベイスン錠を「便秘にいい」と友人に渡した患者
2008. 11. 26-日経メディカルオンライン
[要約&コメント]
患者Aはベイスン錠(一般名:ボグリボース)を、同じ薬局で投薬を受けている友人B(高血圧で降圧剤を処方されている)に分け与え、Bがそれを服用していることが明らかとなった。Aは「私が今飲んでいるベイスンという薬は便も軟らかくなって、おならもよく出るし、あなたの症状にちょうどいいわ」と話したという。
発覚後処方医に問い合わせたところ、「特に問題なければ、処方された薬をきちんと服用するように、またベイスンの服用は中止させ、今後も一切譲り受けないよう指導してもらいたい」とのコメントを得た。
薬剤師から見れば、恐ろしいことをしてくれるものだ、という印象を受けるだろうが、患者にとってはどの薬がどんな内容の薬なのか、自分の薬でなければ尚更分からないものである。この患者にとっての常識を忘れてはいけない。それを知った上で、(他の人には譲渡しないだろう、と勝手に決め付けず)行うべき投薬について考える必要があるのではないだろうか。それにしても、何の健康被害も出ずよかった、というべきであろうか。
「安全な薬」の落とし穴
2009. 1. 8-日経メディカルオンライン
[要約&コメント]
2008年9月19日に厚労省から酸化マグネシウム*の添付文書の改訂が行われ、世間をにぎわせたのを覚えているだろうか。その記事に関して少し詳しく載っていたので紹介する。
製造・販売会社の推計によると、現在の酸化マグネシウムの処方せんの延べ発行枚数は年間おおよそ4500万枚に上る。約60年間にわたって使われてきた薬でもある。
*酸化マグネシウム
腸内の浸透圧を高めて体内から水分を引き出し、便を出しやすくする。その過程でマグネシウムイオンが体内に取り込まれるので、腎機能が低下していれば、電解質異常は起こり得る。
酸化マグネシウムの添付文書改訂に関しては、以前他の日にニュースで取り上げたが、薬剤師にとっては一種の衝撃だったのでは?副作用のない薬はない。酸化マグネシウムであっても他の薬であっても、何かしらの副作用が起こることを知らせておくことは大切である。
おまけ...海外の医療スタッフ
フィジシャン・アシスタントって何?
2008. 12. 22-日経メディカルオンライン
[要約&コメント]
physician assistant(PA)やnursepractitioner(NP)は、日本では医師にしか認められていないレベルの医療行為が行える米国のコメディカル資格である。医師不足解消の方策として、現在、日本でもにわかに注目が集まっているが、その実態については医療関係者にもまだよく知られていないようだ。
PAは、医師の監督の下に医療行為を行うことができる資格で、医師が行う医療行為の8割方をカバーするといわれている。専門学校で24~32カ月間のカリキュラムを履修して、国家試験を経て資格を得た後に州免許を取得する。英国にもPAの制度があるほか、カナダやオーストラリアなどでも実現しつつあるという。
PAはベトナム戦争から帰ってきた衛生兵を再教育したのがその起源とのことだ。
皆さんはこの資格についてご存知でしたでしょうか。私はカナダに在住しているにもかかわらず知りませんでした。アメリカなどが主流のようですね。戦争の衛生兵を再教育したことが起源、というのも納得です。今の日本の医師不足にも、もしかしたらうまく利用できるかも知れない、と思いませんか?
2009/01/16
Saya's 薬学ニュース vol.56-水虫の薬OTCで新発売/新型インフルエンザに対する対応×3で盛りだくさん!/海外で健康保険は使えるのか?
1. 小林製薬、ジュクジュク水虫を乾燥させて治す水虫薬「タムチンキ パウダースプレー Z」を発売
2. 流入防止から現実路線へ 医療見直し、早期休校も 地方の動きや被害想定課題 「新型インフル、変わる行動計画」
3. 子どもら集団下校訓練 企業の姿勢にも変化 「新型インフル、変わる行動計画」
4. せきエチケットや手洗いを 日ごろからできる対策 「新型インフル、変わる行動計画」
おまけ.
海外で健康保険は使えるか 「経済ウイークリー」〈マネードクター〉
小林製薬、ジュクジュク水虫を乾燥させて治す水虫薬「タムチンキ パウダースプレー Z」を発売2009年01月08日-マイライフ手帳@ニュース
[要約&コメント]
殺真菌成分ブテナフィン塩酸塩配合の「タムチンキ パウダースプレー Z」(70g、120g)にリニューアルして発売を開始した。同社生活者調査によると、水虫罹患者のうち35%の人がジュクジュクしたタイプの水虫に悩まされていることがわかり、さらにそのジュクジュク水虫罹患者で1年以内に水虫薬を使用した人の95%が、ジュクジュク水虫の病状を「不快」と答えているという。
[小売価格]70g:2940円
120g:3990円(すべて税込)
小林製薬=http://www.kobayashi.co.jp/
塩酸ブテナフィンといえば、医療医薬品ではメンタックスに当たる。しかし、医療用に比べれば1/5の量しか含まれていないことに注意が必要である。
流入防止から現実路線へ 医療見直し、早期休校も 地方の動きや被害想定課題 「新型インフル、変わる行動計画」
2009年1月8日-m3.com 提供:共同通信社 ※m3.com閲覧には会員登録が必要です
[要約]
新行動計画とそれに基づく指針の特徴は、基本方針の転換だ。従来は新型インフルエンザ*の「流入防止」や「初期封じ込め」に対策が偏っていたが、改定版は、国内流入は避けられないとの「現実路線」に立ち、目的を「感染拡大を可能な限り抑制し、健康被害を最小限に」することと「社会・経済を破たんさせない」の2つに明確化。全国一律でなく、地域の実情に応じた対策を取れる仕組みも取り入れた。
-発生早期:患者を感染症指定医療機関だけに入院させて隔離
-まん延期:全医療機関が対応(入院は重症患者に限り、軽症者は自宅療養)
-患者発生時:全校休校(都道府県ごと)
現行の想定は、人口の25%の約3200万人が発症し、医療機関受診者は最大約2500万人、死者は同約64万人であるが、コンピューターでシミュレーションしたところ、国の想定の2倍ほどの52%の結果を得ていることから、被害は大きくなる可能性もあるとの事。
*新型インフルエンザ (補足)
新型インフルエンザ 鳥などのインフルエンザウイルスが人に感染しやすいよう性質を変えて発生する。誰も免疫がないため世界的に大流行する。20世紀は1918年発生のスペイン風邪(約4000万人が死亡)をはじめ10-40年間隔で計3回の大流行があった。68年発生の香港風邪から既に40年が経過し「次がいつ発生しても不思議でない」とされる。
子どもら集団下校訓練 企業の姿勢にも変化 「新型インフル、変わる行動計画」
2009年1月8日-m3.com 提供:共同通信社 ※m3.com閲覧には会員登録が必要です
[要約&コメント]
東京都荒川区立ひぐらし小学校(伊藤英夫(いとう・ひでお)校長)は、全校児童がマスクをして集団下校する新型インフルエンザの対策訓練を実施した。学校は感染症対策を進める上で重要な現場だが、こうした訓練はまだ全国的にも珍しい。
対応の遅れが指摘されていた企業にも姿勢の変化が出ている。
せきエチケットや手洗いを 日ごろからできる対策 「新型インフル、変わる行動計画」
2009年1月8日-m3.com 提供:共同通信社 ※m3.com閲覧には会員登録が必要です
[要約&コメント]
専門家が語る予防法を紹介する。
・予防の基本は手洗いうがい
-インフルエンザは感染者のせきやくしゃみのしぶきに含まれるウイルスを吸い込むほか、手などに付着したウイルスが口や鼻、目から体内に入って感染する。予防には感染者に近づかない、人込みを避けるなどのほか小まめな手洗いも有効。<15秒以上かけた手洗いと清潔なタオルの使用が重要>
・咳エチケット
-せきやくしゃみが出るときは他人にうつさないようマスクを着用。マスクがない場合は他の人から顔をそむけ1メートル以上離れる。
・非常食準備
-長期保存が可能な食料や日用品、医薬品(2週間分)、マスク(20-25枚/1人)を準備し、備蓄して負うこと。
今回はインフルエンザ情報を3つ並べて紹介した。新型インフルエンザに対する対策も、本格的にさらに深刻になってきている。専門家の中ではやっと、という声もあるが、遅かれ早かれ今の時点でこのように情報が発信されているのはありがたいことである。タミフルの問題も含め、詰め切れてない部分へのさらなる早急な対応を願っている。
おまけ...
海外で健康保険は使えるか 「経済ウイークリー」〈マネードクター〉
2009年1月7日-m3.com 提供:共同通信社 ※m3.com閲覧には会員登録が必要です
[要約&コメント]
質問内容:Q 海外旅行で健康保険は使えますか? 妻は国民健康保険です。
A 健康保険被保険者証、国民健康保険被保険者証を海外で使用することはできませんが、両保険とも海外の医療機関で病気やけがの治療を受けた場合は、いったん現地で全額を払い、帰国後に申請すれば事後に保険給付を受けられます。診療行為の対象範囲は日本で治療を受けた場合と同じです。一般的な海外旅行傷害保険でカバーされない既往症のある慢性疾患や歯科治療も対象ですので心配ありません。
用心のため、所定用紙を旅行に持参し、もし診療を受けたら、医師にその「診療内容明細書」「領収明細書」に記入を依頼。領収書をもらって帰国するか、あるいは帰国後所定用紙を送付して記入してもらいましょう。申請は、所定用紙と領収書をそろえ、健康保険組合(旧政府管掌保険の場合は健康保険協会)、国民健康保険の場合には市区町村の窓口へ。
日本の保険が使えるなんて、私は知りませんでした。(海外で生活しているくせに…)衝撃を受けたのでご紹介しました。ただし、日本の医療行為を基準に金額を設定しているようですので、その点は記事を確認するか、問い合わせをしてみてください。海外に旅行される方など、所定用紙をあらかじめGetして詳細を問い合わせておくとよいかもしれませんね。
2009/01/13
Saya's 薬学ニュース vol.55-厚労省副作用の分析を強化する旨を発表/後発品推進のため、6.1億円を予算にプラス/ネット販売の議論未だに続く/鳥インフルエンザで死亡-中国
1. 薬副作用、分析を強化 来年度から、担当者を100人増員 厚労省方針
2. 後発医薬品関連は9.2億円‐「カード」配布などを実施
3. 薬の通販 規制で火花
おまけ. 鳥インフルエンザで死亡 北京の19歳女性
薬副作用、分析を強化 来年度から、担当者を100人増員 厚労省方針
2009年1月8日-m3.com 提供:毎日新聞社 ※m3.com閲覧には会員登録が必要です
[要約&コメント]
厚生労働省は来年度、発売された医薬品の副作用の原因を分析し、安全対策を検討する体制を強化する方針を固めた。担当者を約100人増やして現行の2倍以上とし、迅速な安全情報の提供や副作用の原因解明を目指す。最近、抗がん剤や関節リウマチなどで効き目の高い薬が登場する一方、重い副作用を伴うケースも増えているが、監視と分析の体制は欧米に比べ手薄になっていた。
現在、1日当たり約130件の副作用情報が寄せられているが、処理されているのは死亡例や特に重い副作用のある同約40件にとどまる。また、対応の遅れで被害が拡大した薬害肝炎の問題を重視した。
薬害肝炎の問題は、私が学生の時から徐々に活動が始まり、決着がつくまで長い年月がかかった。始めは支援する会の会員として活動に参加していたが、徐々に参加する時間がなくなり、最後はML(メーリングリスト)のみでの参加になってしまった。すべての結果が良い方向に向き、活動した人たちの思いがかなったことがうれしかったことを覚えている。
処理件数が130件に対して40件...処理されていないものが公表されずに苦しむ人の姿を想像しただけでも恐ろしい。これも従業員不足だったというのだろうか。
後発医薬品関連は9.2億円‐「カード」配布などを実施
2009年01月07日- 薬事日報
[要約&コメント]
厚生労働省の2009年度予算案で、後発品の使用促進関連費用が9・2億円に上ることが分かった。昨年12月20日の財務省原案内示では、9・2億円だったものの、同日の厚労省当初内示には、後発品使用を希望する患者の意思表示を容易にする「後発医薬品お願いカード」の配布に対する補助金約6・1億円が盛り込まれていなかったため、3・1億円と公表されていた。
厚労省医政局の「後発品の使用促進」は、前年度の4483万円を大幅に上回る1億1500万円となった。
後発品の使用促進は、この数字を見ると大きく前進したように見られる。保険者がすべての被保険者に「カード」を配布する方針は、どのような効果を得られるか。患者の多くが後発医薬品での処方や調剤を希望しているというアンケートから見れば、これも大きな前進につながるように感じる。認知度はすでに高くなっているので、これをどのように実行に移すかである。
薬の通販 規制で火花
2009年1月8日-m3.com 提供:読売新聞 ※m3.com閲覧には会員登録が必要です
[要約&コメント]
今年6月の改正薬事法施行に伴い、厚生労働省は近く省令を改正し、市販薬のインターネット販売やカタログ販売は一部を除き禁止する。店舗での対面販売による安全な薬の提供を目指し法律を改正した。これに対し、ネット業界など関係者や内閣府の規制改革会議は反発、利便性と安全性をめぐり、対立を深めている。
鎮静剤で自殺図った男性のニュースでは、思い立ってから実行まで、わずか5日間。命は取り留めたが重い障害を負った男性は「びっくりするほど簡単に手に入ったから、あまり深く考えずにのんでしまった。後悔している」と話しているという。
Saya's 薬学ニュース vol.48の記事でも紹介したように、厚労省の思い通りに決定が下されたネット通販の件。未だに様々な人が意見をぶつけ合っているとの事だ。ネット販売の議論では、最後のほうで鎮静剤で自殺を図った男性のニュースが大きく取り上げられたが、今回初めて男性の生の声を聞いた。あまり深く考えずに薬を大量服用するということが本当に起きるのだろうか。TVや本の影響が大きいのかもしれない。ネット販売反対に関しては、今まで野放しにされていた内容をしっかりと規制していくという点から考えると妥当であるが、規制を行うだけで利便性を失う人たちに対する対応が語られないのが私としては気になる。何度も話している内容だが、誰か気づいてくれないものだろうか。
おまけ...鳥インフルエンザ
鳥インフルエンザで死亡 北京の19歳女性
2009年1月7日-m3.com 提供:共同通信社 ※m3.com閲覧には会員登録が必要です
[要約&コメント]
北京市衛生局は6日、市内に住む女性(19)が鳥インフルエンザウイルス(H5N1型)に感染し、5日朝に死亡したと発表した。女性は昨年12月24日に発病し、症状が重くなったため同月27日に入院した。新華社電によると、女性は福建省出身で同月19日、同郷の友人2人と河北省の市場に行き、アヒルを9羽買った。
中国では、07年末から08年初めにかけても、江蘇省や湖南省などで鳥インフルエンザ感染による死者が出た。中国では鳥インフルエンザの感染者は計31人、死者は計21人となった。
鳥インフルエンザの影響がいまも続いている。感染者に対する死者の割合も2/3。これは少ないとは言えない数字である。ワクチンなどがない分、感染したら怖い病気であることは間違いない。とにかく鳥との接触をなるべく避けるということしかないのではないだろうか。
2009/01/12
Saya's 薬学ニュース vol.54-タミフルをめぐる議論/がんのリスクを下げる食品/栄養剤誤投与で死亡/厚労省が考える後発品普及策/若者への啓発活動-献血
1. 医療現場、混乱の恐れも 新型インフルで専門家懸念 『2』
2. リスクを下げる食品 Dr.中川のがんを知る 実践編61
3. 栄養剤誤投与で87歳死亡 大阪・茨木市の病院
4. 後発医薬品関連は9.2億円‐「カード」配布などを実施
おまけ. 日赤などが「はたちの献血キャンペーン」2009/01/06 14:51 キャリアブレイン
医療現場、混乱の恐れも 新型インフルで専門家懸念 『2』
2009年1月6日-m3.com 提供:共同通信社 ※m3.com閲覧には会員登録が必要です

